2022.7.31-8.1
歩き人たかちです。
ソロ山行は公共交通機関で移動、できる限り縦走したいので、登山バス等の情報は欠かせません。そんな中、登山バスの運行期間が短い山の一つに"大朝日岳"があります。
今年は昨年より遅い始まりで、夏季登山バスは7月30日(土)から8月16日(火)まで。
毎年、「あ、大朝日岳行かなきゃ」と思う頃には終了間近だったり、昨年は天気がずーっと悪かったり。アルプスのようにアクセスが容易でない山は、常に気にしていないと登り損ねてしまう。
せっかくの朝日連峰。東北をのんびり感じるため、大朝日小屋に泊まっての1泊2日で歩きました。
★1日目:古寺鉱泉ー小朝日岳ー大朝日岳
2日目:大朝日岳ー御影森山ー朝日鉱泉
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[ 往路 ]
◾︎ 夜行バス
新宿駅(24:05)→山形駅(6:30)
◾︎ 左沢線
山形駅(7:04)→左沢駅(7:52)
◾︎ 朝日タクシー
左沢駅(8:00頃)→古寺鉱泉(8:50)
[ 復路 ]
◾︎ 登山バス(朝日タクシー)
朝日鉱泉(14:30)→左沢駅(15:30)
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1日目
天気:晴れ☀︎→霧
気温:山頂20℃前後
風 :西北西7〜9m/s
古寺鉱泉ー一服清水ー日暮沢分岐ー三沢清水ー古寺山ー小朝日岳ー銀玉水ー大朝日小屋ー▲大朝日岳ー大朝日小屋
▲コースタイム:5時間50分
公共交通機関でのアクセス
登山バス(夏季・秋季)
大朝日岳の登山口の一つ"朝日鉱泉"への登山バスは、夏と秋の限られた期間に運行されます。
夏は7月下旬からお盆が終わる頃まで。今年は昨年よりも一週間ほど遅い始まりで、約2週間の運行でした。毎年違うので要確認。秋はシルバーウィークなどの連休中、特定日に運行されます。
夏 | 7月中下旬〜8月中旬 | 予約不要 *条件により要予約 |
秋 | シルバーウィークなど 連休の特定日 |
2日前までの 完全予約制 |
昨年の秋は、古寺鉱泉への送迎プランなどもありましたが、2022年はありません。その代わり、秋はシルバーウィークのみでしたが、今年は10月の連休も運行されます。
夏季登山バスは基本的に予約不要ですが、一定の条件下では予約が必要。期間や時間など、詳しくは朝日鉱泉のHPをご覧ください。
また、大朝日連峰の縦走路の登山口として利用者の多い"大島登山口(泡滝ダム)"には、朝日地域観光バスが運行されますが、2022年は運行していません。
タクシー(朝日タクシー)
登山バスの期間外、また、古寺鉱泉からの入山はタクシーを利用。
左沢駅から | 所要時間 | 料金 |
朝日鉱泉 | 1時間〜1時間20分 | ¥11,000 |
古寺鉱泉 | 1時間〜1時間20分 | ¥12,000 |
左沢駅、寒河江駅、山形駅から利用可能。一番近いのは左沢駅ですが、左沢線の本数が少ないので、何人かで利用する場合は山形駅もありかもしれません。
登山バスは1日1便、左沢駅13:20発のみなので、朝日鉱泉に前泊する人が多いと思います。中には、鳥原小屋まで歩かれる方もいますが、コースタイムは4時間ほど。
宿泊代(素泊まり)とバス代を考えると3000円ほどの違い。夜行バスを利用して2日間で歩くため、往路はタクシーを利用しました。
↓詳しくは朝日タクシーのHP↓
2022年8月現在、朝日町では「朝日町宿泊応援キャンペーン」が実施されています。宿泊を伴う支払い額1,000円につき300円割引のクーポンを利用可能(3,000円が限度)。居住地制限なし!発行枚数に達し次第終了です。
これを利用すれば、結構安くなりますね。
↓詳しくは朝日鉱泉HP↓
熱中症厳重警戒。古寺鉱泉ー小朝日岳
*古寺鉱泉ー一服清水ー三沢清水ー古寺山ー小朝日岳:CT4時間5分*
夜行バスで山形駅へ。遅延もなく、予定通り6時30分に到着。山形駅の待合室はトイレとちょっとしたお土産屋さんがあり、居心地が良くて好き。
7時04分の左沢線に乗車。この電車は、前2両が終点の左沢駅まで、後2両は寒河江駅で山形駅への折り返し車両となるため、切り離されます。
ホームに降りて、目の前の車両に「寒河江」と出ており、あれ?と。ちょっと移動すると「左沢」の車両があり理解。切り離しに慣れていないとドキドキしますね。地方の移動では危機一髪のことが何度もありました。
ガタンガタンという激しい音に掻き消され、車内アナウンスが聞こえないのもあるある(乗換案内など大事なことを言っているので、これが結構困る)。
ラ・フランスかわいい。左沢駅の中で「フルーツライン」の愛称を持つ駅には、果物の駅名標が設置されています。他にはさくらんぼの寒河江駅、りんごの羽前山辺駅など。
山形駅からSuicaで入ってしまいましたが、左沢駅は駅員さんがいたので処理していただきました(無人駅もあるので要注意)。
予約していた朝日タクシーに乗車。大朝日岳方面の道路は、昨年、一昨年と大規模な陥没や崩落があり、ところどころ迂回をしていたそうです。その工事があとほんの一部で終了ということで、新しい国道を走っていきます。トンネルもできてさらにショートカットできるようになったとのことで、50分で古寺鉱泉に到着。
HPでの案内は1時間20分になっていますが、運転手さんも「1時間かからなかったですねえ」と驚き。新しい道路になり、走りやすかったようです。
登山口には、古寺案内センターがあり、宿泊もできます。ここには、200台ほどの規模の駐車場が整備されています。
登山口を少し進むと、旅館「朝陽館」の建物が残っていますが、2019年に閉業。2020年に古寺案内センターが開業されました。
到着するなり襲ってくるのはアブ、アブ、アブ…
「開けますよ!いいですか!?せーのっ!」と言って扉が開くとともに外に飛びだし、すかさずドアを閉める。そして、そのまま走り去る。それくらいアブがいました。
すっかり気温も上がった9時、出発です。崩落箇所は丸太を渡ります。
川沿いに歩いていると、すぐに鳥原山との分岐に着きました。駐車場はアブだらけでしたが、登山道にはいない。
ブナの森、はじまり、はじまり。
前回は南アルプスでしらびそと苔の森でしたが、今日はブナとクマザサ。クマザサがあると、やっぱり熊が気になりますね。
一服清水まで、特に目印になるものもなく進んでいきますが、傾斜に変化があるので地図上でどこを歩いているのかなんとなくわかる道のり。とても歩きやすいです。
マツとブナの合体。
目に映る色は爽やかだけど、あっついなー!
特別急登もなく道はいいですが、早く冷たい水を飲みたい。いや、被りたい…
景色は特に変わらず、樹林帯をせっせと登り、一服清水に到着です。
一服清水までのコースタイムは2時間15分(昭文社)となっていますが、オーバーヒートしない程度の速さで、休憩を取りながら1時間。急登という訳でもないのに、登りと下りで1時間も差があるのが不思議です。
一服清水には、倒木のベンチがあります。
水場から少し登ると日暮沢との分岐。
まだまだ樹林帯の中を歩きます。この先、一服清水までは割と早かったのに、三沢清水までが妙に長く感じたのは暑さのせいか。
ブナって個性が強い。生命力を感じますね。
だんだん樹高が低くなり、太陽が当たるようになりました。下山の人が「下りでも暑いのに、登りは暑いでしょう!?小屋の管理人さんが、熱中症に気をつけてって言ってたよ」と。
今日の山形は37℃くらいまで上がります。熱中症厳重警戒の日。本当に本当に暑いです。
そんな中、爽やかに下ってきたトレランのグループの方々に、「そこに冷たい水場がありますよ!」と励まされました。
あった…!三沢清水〜!ちなみに、三沢は「サンザ」と読みます。
一服清水に比べてドバドバ出ている。これがもう、冷たくてうますぎる。夢中で飲んで、顔を洗って、首やら腕やら冷やせるところを冷やしまくりました。
昨年、梅雨明けで35度以上ある日の月山、鳥海山に登って懲りたはずなのに、また来てしまった。登山バスの関係もあるけど、東北といえど、山といえど、この暑さはやはり応えます。
三沢清水の先、展望が開け始めました。
途中、登山道の草刈りをしてくださっている方が。「暑いから気をつけてね」と言われましたが、重い機械を持っての草刈りはとても暑そう。ご苦労様です。感謝です。
あぢー、あぢー、と言いながら"古寺山"に到着。先には小朝日岳…飛んでいきたい。
奥の大朝日岳の上空には厚めの雲がかかり始めていました。
下って登ります。
滑る。ズルズルする。この類、嫌いだー。
小朝日岳は巻けます。でも、「小」のあとに「大」に行きたい。せっかく来たのでね。
分岐からは急登です。先程の場所同様、滑りやすい斜面もあるので、下る場合は特に注意。
着いた・・・!
こじんまりしたスペースですが、遮るもののない展望がgood。
大朝日岳方面の稜線が素敵ですね。一時暑さを忘れて景色に浸る。
日帰りの人は、行きで登るか帰りに登るか、それぞれのようです。この時期は涼しいうちに登った方がいいですね。
たおやか。小朝日岳ー大朝日小屋
*小朝日岳ー銀玉水ー大朝日小屋:CT1時間20分*
巻き道の合流地点より少し先まで、一気に下ります。こちら側も急坂。
合流地点。この辺りで日帰りの方々とよくすれ違うようになりましたが、「暑すぎる」「やばい」という言葉が飛び交います。熱中症でぐったり動けなくなる人もいるようなので、本当に注意。
小朝日岳を振り返る。大朝日岳から見るのが楽しみですね。
小朝日岳から先は、気持ちのいい稜線歩き。傾斜が緩やかになり、花もあり、ちょっとしたアルプス感。谷から吹き上げてくる風に助けられました。
この稜線にはヒメサユリが咲きます。まだ登山道に雪渓の残る頃咲くヒメサユリ。枯れ姿でもあわよくば…と思っていましたが、欠片もありませんでした。またどこかの山で。
途中には、熊さんの大きな大きな落とし物。何日か経っている感じでしたが、東北だなあと思う。存在をより身近に感じます。
右のピークが御影森山。明日はあそこまで縦走し、尾根を下って朝日鉱泉に下山予定。
ハクサンシャジン。綺麗な釣鐘のお花。
シシウドは下から撮りたくなる。暑いと下を向きがちですが、これくらい手を広げて歩きたいですね。
緩やかな道のりの終点は"銀玉水"。ここで、今日と明日の水場までの3Lを汲みました。
大朝日小屋から7分ほど下った場所には"金玉水"もあります。面倒なのでここで。
一服清水、三沢清水よりもさらに冷たい。水に触れると一瞬で冷やされた血が体内を巡り、どんどん冷却されていく。究極のクールダウン、最高です。
ここから大朝日小屋までは最後の登り。手ぬぐいを洗い、一旦汗を乾かす。腰を下ろしたら最後だけど、下ろしてしまった。しばし休憩。
サーッと汗が引いて落ち着いたところで出発。
手ぬぐいを乾かしながら、ゆっくりゆっくり。ここまでくれば、さすがに登山口ほどの暑さではない。
小朝日岳からの稜線。
アオノツガザクラ
ニッコウキスゲも咲いていました。
銀玉水からぐぐっと上がってきました。
そして、この先に大朝日小屋が待っている。
ミヤマリンドウ。タテヤマリンドウは白が入りますが、全体が瑠璃色のミヤマリンドウも、とっても綺麗。
霊山朝日岳神社奥宮。
大朝日岳がまた晴れてきました。山頂と小屋の距離感はこんな感じ。
ということで、14時過ぎに大朝日小屋に到着です。立派な避難小屋。さすが東北。
中に入ると管理人さんがお出迎え。1,500円を料金箱に入れます。できる限りお釣りのないよう準備しておく方がいいと思います。
入口入ってすぐの寝床スペース。ここは3,4人でいっぱい。2階へ上がります。
日曜日はどうかなーと思っていましたが、ロフト以外のスペースはほぼほぼ埋まっていました。数ヶ所空いていましたが、ロフトの方が断然ゆったりしていたのでロフトへ。
このようなロフトが3箇所くらいあります。
ロフト、なかなかいいですね。ハンガーもあります。ロフトの1スペースには3人くらい寝られますが、ロフトを使う人が4,5人だったので、1人1スペースで広々使わせていただきました。
2階は、テープで1人分のスペースがなんとなく区切られています。
HPでは"100人収容"となっていますが、ここに100人?という感じ。もう入らない!というほどギュウギュウに詰めた場合の人数かと。
この日は30人ほどで、ロフトに空きがあるくらい。50人も入れば結構窮屈だと思います。
寝床を整え、お米を水に浸して大朝日岳へ。
独り占めの大朝日岳
*大朝日小屋から往復25分*
山頂までは、小屋から10~15分ほど。
ロケーションが最高にいいですね。小屋に入り切らない場合は、テント可ということですが、小屋周辺にはそこまで、というか、ほとんどスペースはない感じ。
ガスがどんどん晴れる。わくわく。
大朝日岳、登頂◎
登り始めはちょっとガス多めでしたが、タイミングよく晴れ始めて視界がどんどん露に。明日はこちらの方へ。
中ツル尾根方面。朝日鉱泉からの道では一番急なコース。
小朝日岳から歩いてきた稜線。小朝日岳が小さくなりました。
暑くて、暑くて、暑かったけど、登ってきてよかった・・・と、心に沁みる東北の山並み。東北は独立峰が多く、長く縦走できるのはこの朝日連峰と飯豊連峰が代表的。その中に今いるんだと思うと、ちょっとした特別感。
2年前に歩いた、岩手山~八幡平の縦走もすごく良かったです。秋がおすすめ◎
お地蔵さんがいました。
↓大朝日岳からの景色をどうぞ↓
風があったので寒いかと思いきや、ちょうどいい。15時頃の気温は20℃くらいでした。小屋泊だと時間を気にせず過ごせるのがいいですね。1時間滞在しましたが、誰も来なくて独り占め。
小屋へ戻ります。
小屋の周辺はお花畑。
クルマユリのオレンジ、ハクサンフウロのピンク。シシウドの白・・・とっても鮮やか。
クルマユリってこんな小さかったっけ?という、かわいいサイズのユリ。
いつ見ても、何度見ても、お花はいいですね。
小屋には、火気を使用する際のステンレス版が置いてあります。固形燃料なので外で炊飯しようと思っていましたが、ステンレス版が大きくて中で使用できました。テーブルベンチは外に一つだけなので、早い者勝ち。
18時頃には再びガスに包まれ、太陽は知らないうちに沈みました。
明日はギリギリ天気が持つか、持たないかという予報でしたが、夜明け前から9時頃が雨予報に。風も10m/s前後でちょっと強め。
御影森山経由で朝日鉱泉へ下山しようと思っていましたが、雨風強いようなら小朝日岳まで戻り、鳥原小屋経由で下ります。
もう少し稜線歩きをしたいし、できることなら同じ道を通らず下山したい。雨だけでも予報が外れてくれれば・・・と祈るような気持ちで眠りました。そして、今回も途中で暑くて起きました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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