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厳冬期の北八ヶ岳。ロープウェイから登る天狗岳縦走#1【縞枯山・茶臼山・白駒池】

八 ヶ 岳

2023.2.3-2.4

★DAY1:ロープウェイ-縞枯山-白駒池
 DAY2:白駒池-東天狗岳-渋の湯

歩き人たかちです。

冬は公共交通機関でのアクセスが限られてしまう八ヶ岳。唯一、冬も毎日運行しているロープウェイ線と、土日祝のみ運行の渋の湯線を利用して北八ヶ岳を縦走しました。

1月下旬、2泊3日で高見石小屋としらびそ小屋を繋いでの縦走を計画しましたが、天気が悪く断念。2月上旬はしらびそ小屋の休業日が多かったため、厚切りトーストとリスは諦めて渋の湯へ下山することに。

高見石小屋も荷上げの休業により泊まれず・・・1月下旬に予約をしようとしたときも荷上げ日でした。ちょこちょこ荷上げ日があるようなので、平日を希望する場合は早めに確認した方がよさそうです。

そんなことで、全国旅行支援が使える白駒荘に泊まり、寒くて美しい冬の八ヶ岳を縦走します。

         行程
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天気:ガス ☁︎ 時々晴れ ☀︎→小雪 ❄︎
気温:-10℃
風:西南西 6〜7m/s

八ヶ岳ロープウェイ山頂駅-縞枯山荘-雨池峠-▲縞枯山-縞枯山展望台-▲茶臼山-茶臼山展望台-中小場-大石峠-麦草峠-麦草ヒュッテ-白駒池入口-青苔荘-白駒荘

▲ コースタイム:3時間
▲ 歩行距離:6.3km
▲ 累積標高差:+364m
                      -493m

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冬季八ヶ岳のアクセス(公共交通機関)

冬季、八ヶ岳に出ているバスは3路線

◾︎ 茅野駅-八ヶ岳ロープウェイ
◾︎ 茅野駅-渋の湯
◾︎ 小海駅・松原湖駅-稲子湯登山口・小海リエックス

北八ヶ岳ロープウェイ線
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茅野駅-北八ヶ岳ロープウェイ

北八ヶ岳ロープウェイ線は冬季も毎日運行しているため、冬の八ヶ岳ではありがたい路線。

以前は往復割引がありましたが、廃止されました。バス停前のアルピコ交通で切符を購入できますが、こちらも片道の購入となり、帰りはバスでの支払いになっています。割引がなくとも、往復で購入できる方が便利だと思うのですが。


アルピコ交通 北八ヶ岳ロープウェイ線

バス 北八ヶ岳ロープウェイ線 - 茅野市ホームページ
バス 北八ヶ岳ロープウェイ線

渋の湯線
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茅野駅-渋の湯

冬季の渋の湯線は、土日祝のみの運行。天狗岳を狙う人は渋の湯からのピストンがほとんどなので、週末の黒百合ヒュッテは特に満室になります。天気を見てから予約しようとすると大体お断りで、土日だと人も多い。そんなこともあり、平日も運行しているロープウェイ線を利用して金土で縦走しました。

令和5年3月31日まで道路工事のため、車両交通規制があります。バスは現在、渋の湯の約1km手前にある臨時のバス停での折り返し運行(発車時刻は渋の湯発の時刻と同じ)。工事期間終了後に渋の湯までの運行となるかは要確認。下山利用の場合は特にご注意を。


アルピコ交通 渋の湯線

バス 渋の湯線 - 茅野市ホームページ
渋の湯線

松原湖線
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小海駅・松原湖駅-稲子湯登山口・小海リエックス

松原湖線は冬季の平日も運行していますが、"稲子湯"までは運行しません。「稲子湯登山口」か「小海リエックス」での上下車となり、5〜6km舗装道を歩きます。下山で利用する方が楽だと思いますが、本数が少ないので時間は要確認。「稲子湯登山口」から駅へのバスは午前中で終了のため、午後は「小海リエックス」からの乗車に限られます。

なお、冬季に稲子湯に宿泊の場合は送迎してもらえます。


小海町営路線バス 松原湖線

小海町営路線バス 時刻表・運賃表 | 小海町公式ホームページ
長野県小海町のホームページ。各種登録や申請などの案内や、生活に関する情報、松原湖周辺の観光情報など。

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1日目コース概要

ロープウェイ-縞枯山-白駒池
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北八ヶ岳は冬でも歩く人が多く、前日まで悪天候でなければ基本的にトレースがしっかりあります。

ロープウェイから縞枯山荘まで緩やかに歩き、その先の分岐から縞枯山までは急坂。北八ヶ岳一帯をスノーシューハイクしている人が多いため急坂もスノーシューの割合が多いですが、縞枯山の急坂に関してはアイゼンの方が歩きやすいです。展望台からは縞枯の森を一望できます。

縞枯山〜茶臼山は一度下って登り返し。縞枯山ほどの急坂ではなく、雪の八ヶ岳の森を楽しみながら歩けます。茶臼山をピストンする人も多いので、このあたりもトレースあり。茶臼山からの景色は、縞枯山展望台よりもさらに絶景。北横岳からの景色も素晴らしいですが、茶臼山からの景色の方が好きという方もいます。

茶臼山からは樹林帯をひたすら下って大石峠。歩く人は少なくなりますが、ある程度踏まれていたためアイゼンのみでサクサクと。念の為ワカンを持参しましたが、最後までお荷物でした。

メルヘン街道に出ると麦草峠。麦草ヒュッテの前を通り、白駒池までは夏道で35分。青苔荘〜白駒荘の池側の道はスノーシューがないと深いところではお尻まで埋まります(ノートレースはかなり大変)。分岐からは白駒荘方面に行った方が無難です。

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北八ヶ岳[ 山頂駅-茶臼山 ]

山頂駅-縞枯山荘-縞枯山-展望台-茶臼山展望台:CT1時間30分

八ヶ岳ロープウェイへのバスは2番乗り場。バス停前のアルピコ交通で切符を購入しておくと降車がスムーズです(*茅野駅からの往復割引は廃止されました)。

金曜日でギリギリ平日ですが、バスは満席。土日の天気も良さそうなので、縦走の荷物を背負っている人もちらほらと。以前、月火あたりに乗ったときは、快晴でも2,3人くらいでした。差がすごいですね。

10:15頃山麓駅に到着。ロープウェイは20分間隔で運行されていたので、10:20発のロープウェイに乗るため多くの人が階段を駆け上がっていきました。私は準備とトイレのために10:40に乗車。スノボの人も多いため、土日は結構混雑しそうですね。

今日は午後から霧やガス予報。電車の中からはすっきりと青空が広がっていた八ヶ岳ですが、11時にもなると白優勢となり、展望はちょっと厳しそう。

久しぶりに北横岳に寄ろうかと思いましたが、山頂はすでにガスの中だったのでそのまま縞枯山の方へ。

 

 

どこを切り取っても大好きな八ヶ岳。春夏秋冬、森も稜線も岩場も山小屋も全部いい。麓に向けてスーッと広がる裾野が綺麗で、人の暮らしと滑らかに繋がっている感じがとても好きです。

 

かわいい三角屋根が見えて縞枯山荘に到着。青い屋根と青い空を撮りたかったのですが、着くなりどんどんガスに包まれてしまいました。

縞枯山荘は冬季は素泊まりのみ。平日は営業していないことも多いため、要確認。縞枯山荘のカップがすごくかわいくて、次回訪れたときこそ手に入れたい。

 

 

分岐からもふもふの森に突入。道はよく踏まれていました。

縞枯山への道は途中から急坂になります。個人的にはアイゼンの方が登りやすいと思いますが、坪庭のスノーシューハイキングと合わせて歩く人も多いので、スノーシューの割合が多め。

ドレス姿の貴婦人のような樹林帯

雪山を始めたとき北横岳に登り、時間的に縞枯山も行けそうだったので登りました。しかし、ここの急坂にひぃひぃはぁはぁ・・・慣れない冬山装備が重く、それでもガンガン登って暑い思いをしたりして。

今回は急いでいないので珍しくハードシェルを着たまま急坂へ。気温は-10℃。樹林帯は無風ですが、一息つきながら登ると脱がずともいけるものですね。

樹林帯の先に空が見えて、縞枯山◎

縞枯現象地帯の中にあり、山頂感は特にないのですが。

 

 

ガスは晴れたり曇ったり。青空が多少見えるだけマシかな〜と、稜線を展望台の方へ。

 

 

展望台に到着◎

ガスが流れた瞬間に茶臼山がチラ見えする程度。吹き曝しの八ヶ岳の風はやはり寒い。

分岐へ戻り、茶臼山へ。下って登ります。


茶臼山への森歩き

 


縞枯山よりももふっと感多めですが、ワカンやスノーシューはいらず。樹林帯は雪を纏ったシラビソがとにかく素敵です。

冬靴硬いなあ、重いなあ、冬だなあ・・・そんな気持ちで樹林帯を登り返していると、緩やかになり茶臼山に到着。ガッスガスだけど、一応展望台へ。

真っ白とわかっているのに一応・・・と足を向ける心理は何なのか。心の奥底で小さな小さな希望を持っているのか、せっかく来たからという気持ちなのか。風が凄まじく1分で退散。

北横岳よりもこちらの展望の方が好きという人もいるくらい、晴れていればスコーン!と抜けるような景色が広がっていますが。また今度ね。

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もふもふ[ 茶臼山-白駒荘 ]

茶臼山-中小場-大石峠-麦草峠-麦草ヒュッテ-青苔荘-白駒荘:CT1時間30分

ロープウェイから茶臼山まで往復する人は結構いますが、その先は麦草峠まで完全に独り占め。公共交通機関による縦走の特権。

バスや電車の時間の縛りはありますが、好きな道を組み合わせて歩ける自由がいい。交通の自由を取るか、山の自由を取るか。私は"山の自由"派ですが、それができるのは交通の便がいい地域に住んでいるから。東京とさよならしたいけど、今はそれができない。人生をあれもこれも好きなものでガチガチに固めるというのは難しい。そんな堂々巡りのことを考えながら歩きますが、今山を楽しんでいるからいいじゃん、という結論にいつもなって答えは見つかりません。

シラビソの幹の雪のつき方がかわいい。地衣類とか苔に付着してまだら模様。シラビソはグリーンシーズンもスノーシーズンも素敵ですね。雪と森の香りが混ざっているような空気が心地いい。

 

しばらく下ると"中小場"に到着。振り返ると茶臼山と縞枯山がどどんとありますが、山頂付近はどちらもガスガス。

緩やかになったところで"大石峠"。ロープウェイの山頂駅から"五辻"という方面に歩くとここに出ます。ピストンの人が多かったですが、このルートを使う周回も良さそう。

 

色が少なくなった冬の森には、無数の模様というかデザインが散らばっている。八ヶ岳では2下旬〜3月が一番雪の多い時期ですが、3月に入ると日差しに春を感じます。

朝起きると鶯が鳴いていて、雪山はやっぱり1,2月の何もかもつーんと冷たい時期が好き。新芽や新緑の春が好きなので、3月になると気持ちがどうしてもそちらへいってしまいます。

 

メルヘン街道に飛び出して、赤い三角屋根が素敵な"麦草ヒュッテ"に到着。薪ストーブの香りが小屋の外に漂っていました。

中に入ったことはないのですが、かぼちゃのプリンとか、パウンドケーキとか美味しいという噂。デザート休憩に良さそうですね。しかし、私は白駒荘で食べたいものがあるのです。

 

"白駒の奥庭"で春をじっと待つ石楠。ここには石楠花が群生しています。植物のこのような姿を見ると、人間の弱さを感じる。

 

白駒荘と青苔荘の分岐に到着。せっかくなので青苔荘から池の周りを歩いて白駒荘に行こうと進みましたが、この数百メートルでハマりにハマりました。

青苔荘は冬季も営業していますが、今日は足跡がまったくありません。準備中の看板がかけられ、小屋の人はいないようす。

誰も踏んでいない新雪が楽しくて靴が埋まるくらいのズボズボ感で池の方へ。戻るならここで戻ればよかったのですが、そのまま進んでしまいました。

スノーシューで歩いている人が何人かはいると思いましたが、完全なノートレース。動物の足跡しかない道は、もうズボズボすぎてスボボボボボ・・・

木道が敷かれているので、木道の上をちゃんと歩けば大して沈みませんが、踏み外すとお尻までズボーーーーーッ!とすっぽりはまる。両足ズボーーーーーッ!となればもう大変。抜け出すのに一苦労。

白駒荘は見えているし、本来ならすぐ着きますが、数歩ごとにズボーッ!となっていたのでまあ進まないこと。戻るのも面倒だし、このプチラッセル的なのがちょっと楽しかったので時間をかけて白駒荘まで。腰あたりまで埋まると雪山に来ているというか、雪と戯れている感がすごいですね。これで池を一周しろと言われたら泣くけど。

ということで、15時頃なんとか白駒荘に到着。ハマりにハマっている最中、賑わう声がずっと聴こえていました。

池は完全に凍っているので、好きなだけお散歩できます。

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贅沢すぎる白駒荘

白駒荘に泊まるのは2回目。以前はGW直後に八ヶ岳を歩いたときに泊まりました。コロナ禍の何年も前ですが、宿泊者は私1人。雪が腐って歩きづらい時期で、歩いている人が全然いませんでした。

そのときも腐った雪にハマりながら歩いていましたが、渋の湯へ下山中、なんと、登山家の野口健さんにお会いしました。「天狗岳が好きでよく来るんです」と仰っていましたね。

そんな静かな白駒池の記憶ですが、今日は、個室は満室です。大部屋が唯一空いていましたが、こちらもあと2人で満室の状態。

記憶ではもっと広い大部屋だった気がしますが、それはただ単に1人だったからそう感じたのか。ズラーっと布団が敷かれた部屋にポツンと寝た記憶。コロナで布団の数も減らされているし、人間の記憶なんて曖昧なものですね。

全国旅行支援が3月末まで延長となり、白駒荘は対象宿なので20%引。かつ、金曜日で2,000円分の地域クーポン券をいただきました。

このときは大部屋2食付きで¥12,000。以前は¥10,000しなかった気がします。ちなみに、個室だと¥17,500とかなり高価です。

大きな窓に白駒池の食堂がとても素敵

白駒荘で食べたかったものは、“ほおずきレアチーズケーキ"。凍った冷たーいほおずきがすっごく美味しくて、また食べたいなあと思っていました。しかし、冬季はケーキの販売がないとのこと・・・そうだったのか。残念だけどまた次回。

 

白駒荘は山小屋というよりもはや旅館。温泉ではないですが、通年お風呂に入ることができます(石鹸類は不可)。トイレも洗面もとてつもなく綺麗です。そして・・・

ごはんがとーっても美味しい!

野菜は自家製のものを使用。食堂には自宅で採れる野菜がズラリと書かれていましたが、何種類つくっているの?というほどたくさん。以前は山菜の天ぷらと鍋だったと思いますが、量がなんかすごい増えましたね。副菜も多くて食べ応えがすごい。

しかし、野菜がとにかく美味しい!サラダがとっても美味しい!!

お鍋用の大きいお肉が3枚どーんとあり、スパゲッティの上に乗っているのは魚かと思いきやこちらもお肉。鶏肉がまた大きくて・・・

どれもこれもとても美味しいのですが、さすがに食べきれませんでした。お肉はどちらか一つでいいなと。そんなに食べられないという場合は、チェックイン時にでも伝えた方がいいですね。

今日は2月3日の節分ということで、「みなさんも一緒に豆まきお願いします!」と、豆菓子が配られました。スタッフさんが食堂の外から鬼として入ってきて、袋ごと豆菓子をポーンと軽く投げるという楽しい節分。

スタッフさんも豆菓子を適当に撒き散らし、拾った豆は明日のおやつ。最初3つずつ配られましたが、終わったときは7つに増えていました。

夕方からは小雪がちらついて、そのまま夜も降り続き残念ながら星は見えず。パリッとした真っ白なシーツに身を包み、温かい小屋で深い眠りにつきました。明日の天気は大丈夫だろうか・・・


白駒荘

北八ヶ岳 白駒の池 白駒荘|公式ホームページ
唯一白駒池の湖畔に面したパノラマビューを宿から望める山荘「白駒荘」。北八ヶ岳の原生林、神秘的な苔の森に囲まれる。夜は空一面に広がる満天の星と、湖面に映る星に囲まれる360度の星空を体験できる。登山の足場として、またトレッキング、バードウォッチングなども楽しめる。夏場はランチ営業もしており、自家農園で栽培した野菜を使った...

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