歩き人たかちです(@takachi_aiina)
雪山は楽しい!でも、装備が高い!
最低限必要なものだけでも、15〜20万円くらいの出費は覚悟。メーカーによっては、30万円超えも普通かもしれません。
安い買い物ではないので、私自身、最初に揃えて以降、メインのウェアとギアは一度も買い替えておらず(ロープやアイスアックスなどを使用するような雪山はやりません)。
「こんなハイスペック、自分には不要だった」「今なら選択肢がもっと広がる」など思うことも多々ありますが、夏山ほどがっつりではなく日帰りが多いので、重量などは見直さずそのまま使っています。
「失敗したくない」気持ちが強い雪山装備。選び方やレイヤリング、コスパ良しの「モンベル」なら何がおすすめ?などをご紹介します。
\ 下記の内容を記載 /
◾︎ レイアウェアとの違いは?
◾︎ 雪山装備の選び方
◾︎ 雪山で実際に使用しているものと「モンベル」のおすすめ品
線引きはどこ?雪山に秋冬の装備(ウェア)は併用できるのか
樹林帯多めの積雪が少ない山

2月中旬 / 赤城山
"樹林帯多め(ほとんど森林限界以下)で滑落の危険がほとんどなく、積雪が少ない山"では、「レインウェア」や秋冬の「トレッキングパンツ」などを使用できます。
\ たとえばこんな山 /
◾︎ 雲取山
◾︎ 赤城山
◾︎ 北横岳
◾︎ 黒斑山
積雪は必ずしも少ないとは限りません。年により異なり、「南岸低気圧」の通過でドカッと降ると雪山装備が必須になることもあります。天候や積雪状況にはご注意ください。
冬靴や本格アイゼン(10本以上)は、積雪やコース状況によります。比較的人が多いエリアは踏み固められて軽アイゼンで対応できることも多いですが、急斜面や細いトラバースなどがある場合は必要になることも。
降雪後の平日(特に朝早い時間)はトレースがないことも多いのでご注意ください。
樹林帯を抜けて森林限界を超える山

1月中旬の蓼科山
"樹林帯歩きが多いけど森林限界を超える山"では、秋山装備では対応できないアイテムも出てきます。
\ たとえばこんな山 /
◾︎ 伯耆大山
急斜面や滑落のリスクが少なくても、森林限界を超えると風雪が強まります。
レインウェアや秋冬のトレッキングパンツでは力不足になるため、雪山用のハードシェルや冬靴、アイゼンが必要。

2月上旬 / 伯耆大山の樹林帯

2月上旬 / 伯耆大山。立入禁止の剣ヶ峰は、雪山では自己責任で
私が伯耆大山に登ったときは無風快晴の超好天でしたが、ハードシェルジャケット代わりにソフトシェルのモンベル「パウダーシェッドパーカ」を着用している人もいました。
しかし、日本海側の天気が変わりやすい&大雪になりやすい地域は特に注意。どの山にも当てはまりますが、好天と悪天の難易度が雲泥の差。
雪山装備が必要な山

1月中旬 / 木曽駒ヶ岳
"風雪が強まる森林限界以上がメインの山"は天候の変化が激しく、悪天候にも対応できるよう雪山装備が必要です。
\ たとえばこんな山 /
◾︎ 天狗岳
◾︎ 谷川岳
◾︎ 赤岳
◾︎ 唐松岳
秋山装備だけでは対応できないため、ピッケルやバラクラバ、ゴーグルなどを含めた一通りの雪山装備が必要です。

谷川岳 / 日本海に近く、天気が難しい

12月下旬 / 赤岳〜硫黄岳の縦走
\ 天狗岳の登山レポはこちら /
\ 唐松岳の登山レポはこちら /
\「山の天気」のおすすめ本 /
雪山登山を始めたい!レイヤリングの基本とアイテムの役割について
出典:モンベル
雪山のレイヤリングも3シーズンと変わらず、"ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターレイヤーの3層"で構成。気温や天候に応じて組み合わせ、着脱を行います。
*秋冬は、ダウンや化繊ジャケットの"サーマルレイヤー"を入れた4層ともいわれます
「雪山」と一言でいっても「初冬期 → 厳冬期 → 春期 → 残雪期」と移り変わり、ガチガチの雪山装備で身を固めるのは"厳冬期"。
\ 一般的な区分け(山域により前後)/
| 初冬期 | 11月前後〜 |
| 厳冬期 | 12月中下旬〜2月 |
| 春期 | 3〜4月 |
| 残雪期 | 5〜6月 |

11月下旬 / 初冬の日光白根山

4月中旬 / 残雪の泉ヶ岳
ベースレイヤー(肌着)
直接肌に触れるベースレイヤーは、"濡れ・冷え"から身を守るアイテム。
雪山では汗は乾きにくく、"濡れ"と"冷え"が致命的になるため、肌をつねにドライに保つ「吸水速乾性・保温性」が重要です。
ミドルレイヤー(中間着)
ベースレイヤーが吸水拡散した汗を、素早く処理するアイテム。
「保温性、速乾性、通気性」が求められ、雪山では"フリース"や"化繊の中綿ジャケット"が主流。好天時はアウターとしても使います。
"行動中、いかに汗をかかずに着続けられるか"がポイントで、レイヤリングの核になるもの。自分の体質に合うものを一発で選ぶのは難しいアイテムでもあります。
ハードシェル(アウター)
シェルは「殻」の意味で、ウェアの一番外側に着用し"風雪から身を守る"アイテム。「防水性・防風性・透湿性」が求められます。
雪山用のハードシェルは、ピッケルや岩など鋭利なものに耐えられるよう、生地強度が高いつくりになっています。
サーマルレイヤー(保温着・防寒着)
秋冬の登山では、"保温・防寒"がメインの「サーマルレイヤー」と呼ばれる層があります(これを入れる場合は4層)。
ダウンのように、(基本的に)行動中に着用しないウェア以外は「ミドルレイヤー」と被りますが、考え方としては"保温性を重視した防寒着"。
フリースでも、行動中の着用をメインにした通気性が高いものもあれば、防寒をメインにした防風性が高いもの(風を遮るライナー付きなど)など種類はさまざまです。
レインウェアとの違いは?雪山装備「ハードシェル」の選び方
風雪から身を守る、雪山に特化した「ハードルシェル」の選び方について。
*ベースレイヤーとミドルレイヤー、そのほかのアイテムに関しては次頁以降に記載
ハードシェルとレインウェアの違い

スノーシューなど、雪山(森や平原)をゆるっと散歩するようなアクティビティの場合は「レインウェア」を使用可能(風雪には注意!)。
しかし、急斜面など"滑落のリスクがある雪山"では「ハードシェル」が必要です。
\「レインウェア」との違い /
◾︎ 耐久性を重視して生地強度が高い
◾︎ スノースカートが付属(ジャケット)
◾︎ オーバーパンツにはインナースパッツが付属
◾︎ アイゼンの引っかけによる破れ防止の「エッジガード」付き(パンツ)
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出典:モンベル
レインウェアとの大きな違いは、生地表面に「アンチグリース加工」が施されていること。
アンチグリース加工とは、生地表面を波うたせる(繊維に縮れを加える)ことで雪との摩擦を起こし、滑り止めの効果を出す加工のこと。滑落したとき、加速するのをできるかぎり防ぎます。
レインウェアの場合、生地表面がツルツルなので雪面ではどんどん加速。滑落の危険がある山でのレインウェアの使用は、リスクが高いです。
生地強度が高い
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雪山ではピッケルなどの鋭利なアイテムを使うため、生地強度が高く、レインウェアよりゴアゴアした着心地&重量が重いモデルが多め。
スノースカートが付属(ジャケット)
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雪山用のハードシェルの裾には「スノースカート」が付属。雪が中に入りにくい仕様になっています。
ハードシェルパンツにはインナースパッツが付属
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オーバーパンツの中にはインナースパッツがあり、雪の侵入を最低限防御できるようになっています。
インナースパッツは簡易的なものなので、基本は雪山用のゲイターを使用します。
エッジガードが付属(パンツ)
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黒い生地が「エッジガード」アイゼンの爪を引っかけやすい内側の生地強度を高くしている
ハードシェルパンツはアイゼンの爪の引っかけに対して破れにくくするため、裾の内側に「エッジガード」があります。
最低限の範囲のものから、余裕を持った大きめの範囲のものまでさまざまです。
\「レインウェア」についてはこちら /
「ハードシェルジャケット」を選ぶときのポイント
◾︎ 中厚〜厚手のミドルレイヤーを着用しても動きやすいもの
◾︎ ポケットの使いやすさ(大きさ、位置)
雪山登山は"保温材なし"モデル
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スノースポーツ(スキーやスノボ)では"保温材入り"のアウターを使用することが多いですが、雪山登山は運動量が多く汗をかきやすいため、基本的には"保温材なし"のハードシェルを選択。
保温材ではなく"裏起毛"のモデルもあります。保温材入りと保温材なしの中間の暖かさで、起伏が少ない(運動量が多くない)雪山登山やスノーシューなど、"汗の量が少なく保温性を重視する"場合はこれおすすめです。
裏起毛タイプのデメリットは、保温材なしのモデルより重量が重いことと、フリースなどの生地と干渉しやすく、着脱が少しストレスになることがあること(モデル次第)。
裏起毛タイプと合わせるミドルレイヤーは、化繊の中綿などがおすすめです。
厚めミドルレイヤーを着て窮屈ではないサイズ感
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寒いときは「ミドルレイヤー+サーマルレイヤー」を着込むこともあるため、厚めの防寒着を着ても窮屈ではない(動きを妨げない)サイズ感が理想。

1月中旬 / 蓼科山
厳冬期の蓼科山では、下山時にフリースと中厚手のダウンを着込みました。
隙間がありすぎると風雪が入り込むため、メインのミドルレイヤーを中心に、プラスでもう一枚着られるサイズ感を選択。
ポケットの大きさや位置を確認
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雪山ではザックを下ろす、背負うが3シーズンより面倒なので、私はポケットをかなり使います。
手袋(オーバーグローブ含む)やネックゲーター、バラクラバなどの小物を一時的に入れることも多いため、大きさや位置など使いやすさの確認を。
オーバーグローブが余裕を持って入るサイズだと重宝します(ギリギリだと出し入れがストレス)。また、手袋でジッパーの開け閉めをするので、操作にストレスがないことも大事。
個人的に"胸ポケット"が好きなので、左右の胸の辺りに大きなポケットがあるタイプが好み。
「ハードシェルパンツ」を選ぶときのポイント

◾︎ 生地強度と動きやすさのバランス
◾︎ ベンチレーション付きのモデルもある
積雪がそこまで多くない(10本以上の本格アイゼンを使わない)森林限界以下の日帰り登山やスノーシューなら、「トレッキングパンツ+レインウェア」でも可能。
メーカーによっては"防水のトレッキングパンツ"も展開しており、オーバーパンツほど重くなく使いやすいです。
\「モンベル」の防水パンツならこちら /
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◾︎ フリース(化繊中綿)系のパンツ
◾︎ タイツ + トレッキングパンツ
◾︎ タイツ + ハーフパンツ
ハードシェルパンツの下にはくものは、山域や天候、体質(体感)によりさまざま。
最低限、フリース系のパンツや中厚手のトレッキングパンツと重ねた状態で動きやすいものがおすすめです。
生地強度と動きやすさのバランス
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ハードシェルパンツは重ね着を前提としたサイズ感でつくられており、生地もゴアゴアしたモデルが多いため"動きにくさ"を感じやすいです。
生地が薄いとアイゼンの引っ掛けや転倒で破れやすいため、動きやすさと生地強度のバランスが重要。
ウエスト周りのゴアゴア感や股の深さなどはモデルにより結構異なるため、必ず試着を!
出典:モンベル
冬靴やアイゼンを装着したまま脱ぎ着ができる"フルジップ"タイプもあります。
便利ですが止水ジッパーの硬さがあるので、足上げなどで気にならないか確認を。また、ジッパーが故障するデメリットもあります。
ベンチレーション付きのモデルもある
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出典:モンベル
ベンチレーション付きのモデルもあります。こちらも、止水ジッパーが多いと生地のしなやかさが損なわれるため要チェック。
実際に使用している雪山装備!失敗したものは?おすすめは?
雪山で使用しているウェアは、私は、ほとんどモンベルを使用しています。
ベースレイヤー

左:モンベル「スーパーメリノウールL.W.ラウンドネックシャツ」右:モンベル「ジオラインM.W.ラウンドネックシャツ」
ベースレイヤーは山域や時季(初冬期、厳冬期、春期、残雪)、天候、運動量を考慮して選択するため、薄手〜厚手まで一通り揃えています。
\ 雪山で使用する「モンベル」のベースレイヤー /
★ 使用頻度が高いベースレイヤー
★ ジオライン M.W.ラウンドネックシャツ(化繊・中厚手)
◾︎ スーパーメリノウール L.W.ラウンドネックシャツ(ウール・薄手)
【下半身】
★ ジオライン EXP.タイツ(化繊・厚手)
★ スーパーメリノウール EXP.タイツ(ウール・厚手)
◾︎ スーパーメリノウール M.W.タイツ(化繊・中厚手)
森林限界を越える山域で使用頻度が高いベースレイヤーは、「化繊中厚手(長袖)」と「 ウール厚手タイツ」。
上半身はウールの厚手だと暑すぎるので、私は行動着にはしません(スノーシューの軽いハイクなど、運動量が少ないアクティビティでは使うことも)。
また、私は代謝が良くてウールだと汗冷えをしやすいので、上半身は基本的に化繊。しかし、ウールの下に化繊のベースレイヤーを1枚着用すると調子が良いので「化繊のブラトップ+ウール(薄手)」の組み合わせにすることも。
ベースレイヤーは2枚重ねもOK。薄手+薄手、薄手+中厚手など2枚を組み合わせることで体温調節が可能になります。

左:スーパーメリノウールE.X.P.ウエストウォーマー / 右:ジオラインL.W.ウエストウォーマー
また、ウエストウォーマー(腹巻き)の利用はかなりおすすめ。体幹を効率的に温められて、上げ下げのみで温度調節ができるのでとてもらく。
私は、化繊の薄手「ジオラインL.W.ウエストウォーマー」と、ウールの厚手「スーパーメリノウールE.X.P.ウエストウォーマー」の2枚を使い分けています(モンベル公式HP「ウエストウォーマー」のページはこちら)

下半身は上半身ほど汗をかかない&暑さを感じにくいため、ウールを使用。私は「タイツ+ハードシェルパンツ」の2枚で行動することが多く、厳冬期は厚手のウール、そのほかの時季は山域や天候に合わせて選びます。
「タイツ+パンツ+ハードシェル」の3枚は暑いし、動きにくい!という方は、ハーフパンツの利用もおすすめ。長いものを3枚はくより足捌きが良くなります。
特に、マイカー登山の方は移動中の寒さは気にしなくていいと思うので、下山後にハードシェルパンツをすぐ脱いでラフになれるメリットがあります。
ミドルレイヤー
"いかに汗をかかずに行動できるか"がキーポイントの「ミドルレイヤー」。

「トレールアクションパーカ」
私が常用しているのは、モンベル 「トレールアクションパーカ」。
抜群のストレッチ性、フィット感が高いことによる保温性、適度な通気性(蒸れが逃げる)のバランスが優れており、個人的に最高の1着。
フードのフィット感もよく、ジッパーを上まで上げると簡易的な"バラクラバ"になり温かいので、寒い季節に使いやすくて気に入っています。

トレールアクションパーカ+ジオラインM.W.ラウンドネックシャツ
積雪量が多く、樹木が埋まって稜線歩きになるような山(谷川岳など)や、森林限界以上の山では下に薄手〜中厚手のベースレイヤーを着用し、"脱がないウェア"として活躍。

山域や気温、アップダウン(運動量)によっては脱ぐことを想定して「薄手のベースレイヤー+半袖シャツ+トレールアクションパーカ」の組み合わせ。
私の体感では、「腕は3枚重ねるほど寒くない」と感じることが多いため、3枚着るなら半袖を使用。加えて、腕は動きやすさを重視したいので。
しかし、無風の樹林帯でフリースとハードシェルを着込んでもまったく汗をかかない友人もいます(そのとき私は、「中厚手の化繊ベースレイヤー+トレールアクション」で汗だく)。
体感は本当に人それぞれなので、試行錯誤を繰り返して自分に合うレイヤリングを見つけてください。
ちなみに、同シリーズの「トレールアクションタイツ」も雪山のパンツ(ミドル)として使いやすいのでおすすめです。
\「トレールアクション」シリーズの詳細はこちら /

"ミドル&サーマルレイヤー"に使用しているのは、モンベル「U.L. サーマラップパーカ」。
「トレールアクションパーカ」よりも防風性が高く、風が強いときに着用。それでも寒いときはさらにハードシェルを着用します。
\「U.L. サーマラップパーカ」詳細はこちら /
個人的に気になっているミドルレイヤーは、ノローナ「フォルケティン アルファ90 インサレレーテッド ジップ フード」と「フォルケティン オクタ ジャケット」。
出典:ヤマップストア / 作成:筆者
「フォルケティン アルファ90 インサレレーテッド ジップ フード」
胸、首、肩は寒さを感じやすいため保温性に長けた「プリマロフトアクティブプラス」、ムレやすいワキと、動きやすさが必要な腕の内側や腰周りには「ポーラテックのパワーグリッド」を採用。
保温性、放熱性、可動性を考えた素材配置が特徴で、運動量が多くても"着続ける"ことをメインに開発されています。
ハードシェルジャケット

モンベル「ストリームパーカ」
*現在「ストリームパーカ」は男性モデルのみ
「ストリームパーカ」は厳冬期の3,000mにも対応する、プロの登山家やガイドさんも使うモデル。
ロープを使うような、ハードな雪山をやらない自分には少しオーバースペックでした。購入当時は雪山をどの程度やるかわからず、雪山全般に対応できるモデルを選択。どんな雪山でも安心感はあります。
雪山で視認性が良いカラーは赤や青。特に赤は、遠くからでも動きがわかりやすいです。危険度が高い雪山には赤がおすすめ。

外側の大きなポケットに加え、内側にも小さめポケットがあります。両方上から入れられますが、左はジッパー付きの部屋も。寒いときはカイロなどを入れられます。

ポケットは大きな胸ポケット仕様。個人的には胸ポケットの方が使いやすいのでお気に入り。
ダブルジッパーで下だけ開けることも可能。ハードシェルを脱ぐと寒いけど全閉めは暑い、岩場で動きをスムーズにしたい、などのときに便利です。
10年ほど経ちますが、シームテープの経年劣化などは特にありません。

ポケット横にはタックがあり、少し着膨れしても大丈夫な仕様。モンベルの現行モデルにはない仕様ですが、個人的にこれは不要。
\ 「モンベル」のおすすめモデル /
★2025年FWのラインナップ
◼︎ 女性(初心者〜中級):プモリパーカ
◼︎ 男性(ハイスペック):ディナリパーカ
◼︎ 男性(軽量&価格のバランス◎):ダイナアクションパーカ
◼︎ コスパ重視(男女・初心者〜中級):フレネイパーカ
出典:モンベル / 作成:筆者
男女ともに、現在(2025FW)のハイスペックモデルは「ディナリパーカ」。
男性用は「ストリームパーカ」も現存していますが、重量が100g以上重い。価格を重視するなら「ストリームパーカ」ですが、個々の装備が重い冬山では少しでも軽いと行動がらくになります。
胸ポケット仕様なのはハイスペックモデルのみ。他のモデルは通常のポケットなので、胸ポケット好き&幅広く雪山をやりたい方にはおすすめです。
出典:モンベル / 作成:筆者
女性で"ハイスペックは不要"という方には、「プモリパーカ」がおすすめ。
生地が柔らかく、ゴアゴアしていない動きやすいモデル。購入当時、ラインナップにあったら選びたかったです。通常のポケットに加えて胸ポケットもあり、ちょっとしたものを入れられます。
出典:モンベル / 作成:筆者
男性用で、軽さと価格のバランスを重視するなら「ダイナアクションパーカ」。
軽くて柔らかく、着心地と動きやすさに優れています。通常ポケットに加えて胸ポケットあり。
出典:モンベル / 作成:筆者
男女ともにコスパを重視するなら「フレネイパーカ」。3万円を切る価格で、ハイスペックモデルは不要という方が手に取りやすいモデル。
ハードシェルパンツ

モンベル「マルチトラウザーズ」
*現在、「マルチトラウザーズ」は防水のトレッキングパンツとして生まれ変わっています
「モンベル」の"保温材なし"の現行ラインナップは(ビブ除く)、「アルパインパンツ」と「ライトアルパインパンツ(フルジップもあり)」の2種類です。公式サイトはこちら。
アウトレットの在庫に"エッジガード付きのマルチトラウザーズ"があるので、そちらのモデルなら積雪期も使用可能(写真はさらに前のモデルです)。
「マルチトラウザーズ」を選んだ理由は、"履き心地が良かった(動きやすかった)"から。また、スノボなどのスノースポーツでも使いやすいので。

ハードシェルパンツはウエストがゴアつきがちですが、マルチトラウザーズのすっきりしていて履きやすいところがお気に入り。
股の深さも自分に合っていて、重ね着をしたとき一番動きやすかったです。

スキーやスノボのブーツを履けるように、アルパイン用より裾が少し広いデザイン。
アイゼンの引っ掛けによる破れ防止の"エッジガード"は最低限の大きさなので、完全なアルパイン用に比べて歩行には多少注意が必要。

今のところ大きな破れはありませんが、1箇所エッジガード外の部分にアイゼンを引っ掛けて穴が空きました。ただ、モンベルなら修理可能です。
手袋(グローブ)
雪山用の手袋は、"保温性・防水性・操作性"を重視。
インナーとアウターで2〜3枚を組み合わせるので、操作性は重要。操作性が悪いと、アイゼンの調節やピッケルの取り回しに支障が出ます。

\ 雪山で使用しているグローブ /
◾︎ インナー(中厚手):フォックスファイヤー「パワーストレッチフィンガースルーグラブ」
◾︎ インナー(中厚手):モンベル 「トレールアクショングローブ」
◾︎ アウター:モンベル 「オーバーグローブ」
手袋は天気、気温、風の有無で調節するので、基本的には上記4枚をすべて持ち歩きます。
手袋は失くしやすいアイテムのひとつ。雪山で失くすと致命的なので、必ず予備を持参しましょう!
薄手・インナーグローブ
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薄手のインナーグローブは、3シーズンでも使用しているアウトドアリサーチ「メリノ150 センサーライナー」。
さまざまなウールの手袋を試しましたが、唯一自分の手にぴったり、しっくりきたもの。指の長さ、手囲い、手首の周りまでぴったりフィット。
ウールの手袋は男女兼用が多く、指の長さ含め緩いものばかりだったので、見つけた!となった手袋。手が小さめの女性、ぴったりフィットを求めている方におすすめ。
保温性と吸湿性を重視してウールにしていますが、ドライ感を重視するなら化繊のメッシュグローブもおすすめです。
個人的に着用感がよかったのは(試着のみ)、ファイントラック「ドライレイヤーインナーグローブ」。フィット感がとても良いと感じました。
中厚手・インナー(兼アウター)グローブ
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中厚手の手袋は、無風好天なら1枚で使用することもあります。
冬用の手袋を探しまくって見つけたお気に入りは、フォックスファイヤー「パワーストレッチフィンガースルーグラブ」。
私は、手袋のタッチパネル対応にイラつくことが多々ありますが、指を出せるモデルにしてストレスが減りました。
雪山で手袋を外すのは寒いし、面倒だし、失くすリスクがあるため"一瞬だけ指が出せる"ことは大きなメリット。
\「パワーストレッチフィンガースルーグラブ」の詳細はこちら /
\ モンベル「トレールアクショングローブ」の詳細はこちら /
アウター(オーバー)グローブ
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アウター(オーバー)グローブは、モンベル「オーバーグローブ(旧モデル)」。
2025年FWの現行品
現行モデルは手首の長さがあり、ベルクロで締められるようにモデルチェンジしています。
アウターグローブは、"インナー着脱式"や"インナー一体型"など種類がありますが、私は、自分に合うインナーグローブを使いたかったので"1枚地"を選択。
\ オーバーグローブの形は3種類 /
◾︎ トリガー(3本指):保温性に操作性を加えたもの
◾︎ 5本指:操作性はよいが、ミトン・トリガーよりも保温性が劣る
ピッケルなどの操作性を考慮して5本指を選択しましたが、インナーグローブの厚さによっては操作性が悪くなったり(指間に厚みが出過ぎて動かしづらい)、寒さを感じるので、他モデルを検討中。
トレッキングポールメインで歩ける雪山なら保温性を重視した「ミトン」か「トリガー」、ピッケルをつねに持つ雪山で操作性を重視するなら「5本指」がおすすめ。予備で両方持ち、使い分けるのもいいです。
出典:モンベル / 作成:筆者
ミトンなら、モンベル「パウダージップミトン」に目をつけています。防水透湿性があり、エクセロフトの中綿入り。手を出せる仕様なので、保温性重視で選んでもいいかなと。
出典:ショーワグローグ株式会社
\ 5本指モデルなら「テムレス」を検討/
◾︎ TEMRES 03advance
テムレスにはいくつか種類がありますが、雪山で使用するなら、雪が入り込まないように"カフ付き"がよいと考えています。
上記2点の大きな違いは、"裏地(起毛)の有無"。インナー手袋との相性や、雪山以外での使用などを考慮して選択を。
個人的には、裏地ありの「TEMRES 02winter」が欲しい。
出典:株式会社PR TIMES
また、2025年10月に厳冬期用の手袋として新たに「TEMRES TFmitten(テムレス トリガーフィンガーミトン)」が発売されました。
\「TEMRES TFmitten」の特徴 /
出典:株式会社 PR TIMES
登山家の山田淳さんとの共同開発製品で、"インナー手袋が取り外せるタイプ"。詳細はこちら。
サイズ展開はLサイズのみ。付属のインナー手袋に加えてもう一枚重ねる場合は適度なサイズ感になる人もいるようですが、店頭での試着必須。
ソックス
出典:モンベル
メインの靴下は、モンベル 「メリノウール エクスペディションソックス」 。
出典:モンベル
加えて、「ジオライン L.W.ソックス」をインナーソックスとして着用。薄手のインナーソックスを履いたほうが快適だったので、基本的に2枚履き。
極厚ソックスはだいぶヘタリ、ジオラインのソックスは穴が空いてしまったので処分。違うメーカーを試してもいいかな、と思っています。
\「モンベル」で選ぶなら /
◾︎ 「メリノウール エクスペディションソックス」
「エクスペディション」シリーズは、モンベルの靴下のラインナップでは極厚タイプで、3,000m級や極地登山用。一つ下のモデルが「アルパイン」。
ヘタることを考えて一番厚い「エクスペディション」にしましたが、オーバースペックに感じたことはありません。末端冷え性の方は、この程度の厚みがあってもよいと思います。
天候や積雪状況によっては極厚でも足が冷たくなるので、足用のカイロを持ち歩いています。暑くなりすぎないように、私はつま先用のカイロを使用。
帽子
熱は身体の先端から放出されるため、体熱を維持するためには頭部を冷やさない(温める)ことが重要。
雪山では、寒さで耳がもげるほど痛いこともあるので、耳を覆えるタイプの帽子がおすすめです。

リッジマウンテンギア「Grid Merino Earmuff Cap」
これまであらゆるビーニーを使用しましたが、うまく耳を覆えないことが多く(動いているうちに上がってきて耳が出てしまったり)、また、眩しくて"つば"がほしくなり、キャップタイプに変更。
自分の頭に合う雪山用の帽子がなかなか見つかりませんでしたが、3シーズンで使用しているリッジマウンテンギア「Basic Cap」がとても良かったので、同じ形の「Grid Merino Earmuff Cap」を購入。
\「ベーシックキャップ」についてはこちら /
出典:リッジマウンテンギア / 作成:筆者
耳を覆う部分は折りあげることができ、温度調節が簡単。冬用のキャップは必要以上にモコモコしているものも多いですが、こちらは見た目も被り心地もスマート。
十分な暖かさで雪山はもちろん冬の低山でも使いやすく、とても気に入っています。
バラクラバ

モンベル「スーパーメリノウール バラクラバ」
バラクラバは"メリノウール"を使用。肌着と同じ素材で柔やらく、ストレスがない被り心地が良い。
ウールは"吸湿性"に優れており、水蒸気としての汗が多い頭や足、手には最適な素材です。
帽子やヘルメットとも干渉せず重宝しています。好天を狙うので使用頻度はそこまで高くないですが、森林限界以上の風雪の山では凍傷の恐れがあるため必ず持参します。
ネックゲーター

モンベル「クリマエア ネックゲーター」
前面が一番長く、肩に乗る部分は窪んで隙間を失くすデザイン。上部にコードが挿入されており、キュッと締められます。

鼻の部分には針金があり、自分の鼻の形に合わせられる仕様。鼻の形を合わせ、コードを締めることでずり落ちるストレスがありません。何気ない仕様ですが、私はこれがお気に入り。
一番最初はコードなどがない"チューブタイプ"のネックゲーターを使用していましたが、首元に落ちて寒かったのでやめました(ゴムが内臓されているタイプもあります)。ヘアバンドにしたり多用途には使えますが、自分には合わず。
バラクラバを首元に装着しておくこともありますが、バラクラバもキュッと締められるわけではないので、両方持ち歩いて使いわけています(ウールと化繊で使い分けにちょうどよい)。
毛足が長くて温かいですが、雪山では雪が付着しやすいので毛足が短いタイプか、トレールアクションシリーズのように表面がツルッとしたものがおすすめです(ネックゲーターあります)。
まとめ
雪山装備(ウェア)の選び方や実際に使用しているアイテム、モンベルのおすすめ品についてのご紹介でした。
雪山装備は初心者〜上級者までモデルがいろいろありますが、天候次第で難易度が180度変わってしまうのが雪山。
難しい山には行かない・・・という場合も、 森林限界を超えるならウェアは雪山装備を揃えた方がいい、と個人的には思います。雪山には3シーズンと全然違う魅力があるので、一度経験するとハマるかも?
高い雪山装備で失敗しないために、少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
\ 記事がお役に立ちましら /
よろしければ、応援よろしくお願いいたします。

























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