歩き人たかちです。
山では基本的に被りっぱなしの帽子。日除け、怪我予防、保温・・・街ではおしゃれアイテムの帽子も山では必須。
しかし、意外に被り心地がしっくりこないものが多かったり。
頭の形は人それぞれ。アウトドアショップを何店舗も回り、片っ端から被っても「これだ!」とビビッとくるものがなかなか見つからない。
そんな中、昨年出会った最高のキャップ。
被ったら最後。以前の帽子には戻れないほどしっくり頭を包み込んでくれるRIDGE MOUNTAIN GEAR「Basic Cap」をご紹介します。
RIDGE MOUNTAIN GEARとは
画像出典:RIDGE MOUNTAIN GEAR twitter
リッジマウンテンギアは、山と道に勤務されていた黒澤雄介さんが立ち上げたブランドです。
山と普段の生活の境界線を無くすような、山でも街でもシンプルに過ごすためのものづくりをされています。
黒澤さんは元アパレルメーカー勤務のULブロガーであり、山と道の前に個人メーカーを立ち上げ。そして、山と道を経て完全独立し「RIDGE MOUNTAIN GEAR」が本格始動。
「軽さ」とともに大事にしていることが「シンプル」であること。
長く愛用しているものはデザインも機能も結局「シンプル」。自分の身の回りを見て、とても共感します。
シンプルだけど洗練された美。その他のギア類も魅力的なものばかり。
詳しくはHPをご覧ください。
帽子の選びのチェックポイント
終始頭に乗っている帽子。色やデザインで選びたくなりますが、「フィット感」がとても大切。身につけるギアどれにも当てはまることですが、帽子選びのチェックポイントを先に。
アウトドアの帽子は目的別に様々なラインナップがあります。登山、トレラン、釣り、サイクル、ヘルメットと併用・・・それぞれに特徴がありますが、ここでは「登山」メインで。
フィット感(形状・サイズ)
帽子の形状は大きく分けて"ハット or キャップ"。
さらに細かく分けると、天井部が"平ら or 丸い"。
画像出典:モンベル
キャップでいうと、円筒形で上部が平らのものを「ワークキャップ」と呼びます。
キャップでもハットでもファッション性のあるデザインですが、円筒形のため上部の端に隙間ができやすい形状。
画像出典:モンベル
丸く、頭の形を帯びたものがいわゆる「ベースボールキャップ」と呼ばれるもの。
頭の形に近いため、サイズが合えば隙間ができにくい形状。
ただ、頭の大きさ、形状は人それぞれなので、どちらがしっくりくるかは被らないと何とも言えません。"しっくりくる"と自信の持てるものを。
サイズ感は好みがありますが、大きすぎるとズレるし風の影響を受けやすい。逆に、ぴったりすぎても夏場暑かったり、髪の毛がぺったんこになったり。
個人的には"調節せずにぴったり"よりも"調節してぴったり"を好みます。軽い山歩きでは被るとうより"ふわっと乗せる"感覚。高山では、調節して稜線での風を受けても脱げにくく。緩すぎず、ぴったりすぎずのサイズ感で選んでいます。
軽いハイキングなのか、登山としてしっかり登るのか、森林限界を超えるか越えないか(風の影響)などを考慮して選ぶといいと思います。
ひさしの長さ
山のえげつない紫外線から少しでも肌を守るために考慮すべきが「ひさしの長さ」。
同じメーカーでも種類ごとに微妙に長さが違い、数ミリ~1㎝の違いでも結構変わるので、長さが適切かどうかは要確認。
短すぎると日除けにならない。長すぎると視界が狭くなるし、風の影響を受けやすい。
照明の下で影の出来具合を確認しながら選ぶことをおすすめします。
6cm~7cmの長さのものが、日を除けつつ邪魔にならないと感じます。
現在使用しているアークテリクスの「シンソラハット」。
ひさしは8cm。これだと少し広い、でも、邪魔すぎる!という程でもない。ただ、風の影響はちょっと受けやすいと感じます。
53gと軽量なハット。丸型で柔らかく、頭にフィットしやすい形状で、日除けにもバッチリなので夏山ではよく使用していましたが、リッジマウンテンギアの「Enough Hat」をポチってしまいました。
理由は"日常で使いたい"から。顎紐や色がどうしてもアウトドア向きだったので、日常では合わせづらい。リッジマウンテンギアの"山と普段の生活の境界線を無くす"というコンセプト、とても素敵です。
深さ(高さ)
ひさしが長くても深さがあまりないと、ひさしによる日除け効果が低くなることも。また、調節してギュッと締めていたとしても、強風時にスポーン!と脱げたり。逆に、ひさしが短めでも深すぎると視界が狭くなったり。
耳に当たる、当たらないなどの細かい部分も要チェック。また、普段使用するサングラスとの相性を確認することもおすすめです。
割といろいろなことに関わってくる深さは、とても大切なチェックポイント。
素材
アウトドア仕様のものは大体ナイロンかポリエステルの速乾性のある素材でつくられています。
頭は非常に汗をかく部位になるため、コットン系はおすすめしません。重量も増えてしまいます。
素材+αの確認事項は以下の点↓
①風通し
3シーズンメインで被るなら、多少なりとも風通しがないと夏場は帽子の中が蒸れ蒸れに。同じ速乾素材でも、夏用の薄い素材のものもあります。あるいはメッシュ地など。頭が暑くて仕方がない!という方は特に重視ポイント。
②撥水加工
急な雨への対応、レインウェアと組み合わせて晴雨兼用で考えるなら撥水加工のあるものを。
レインキャップ、ハットを晴雨兼用で使われている方もいますが、通常のものよりもかなり蒸れやすいので、暑い時期にメインで使うのはあまりおすすめではありません。
頭が蒸れた状態が続くと不快、かつ熱により頭がボーッとしてしまうことも。
③UVカット
現在はUV加工されているものが多いですが、されていないものもあるので、肌のために一応チェック。
紫外線カット率90%以上のものがおすすめ。
④ストレッチ性
ストレッチ性はお好みで。私は調節せずに少しゆとりがあるものを好むので、ストレッチ性に関しては特に気にしていません。
ぴったり被りたい場合や、頭の形状によってはストレッチが効いていた方が被りやすくなると思います。
軽さ・携行性
帽子の重さをそこまで細かく気にする人は少ないかもしれません。重量を記載していないメーカーも多いです。
しかし、頭に乗せるのであればやはり軽い方が楽。ULハイカー的に重さを気にすることで、頭がとても楽になります。
標準的な重量はわかりませんが、軽いものだとキャップで30~40g。ハットで50〜55gほど。
素材以外に、調節のパーツに何が使用されているか、ひさしに芯が入っているかなどで重量が変わります。
軽量なものほど調節は簡易的で、クシャっと丸めて持ち運べるものが多いです。重量は「携行性」にも関わってくるので、併せて確認。
特に、ひさしにしっかりした芯が入っていると携行性が下がります。被らないときにザックのポケットの隙間に滑り込ませられる携行性は意外に大事。
カラビナなどで外付けしている人も多いですが、外付けがあまり好きではない場合は、折り畳めるか、丸められるかを要チェック。
メンテナンス
「洗濯」に関して。
ネットに入れて洗濯機にポイっとできるかどうかは私の中では大きなポイント。帽子は型崩れの可能性があるので「手洗い」表示のものも多いです。
毎回手洗い面倒だわ…という方は、洗濯表示を要確認。
付属品、アクセサリー類
顎紐の有無、日除けの布が装着できるかどうかなど。
顎紐が元々付いているもの、別売のものそれぞれ。また、メーカーによっては日除けの布を装着できるようになっています。
画像出典:モンベル
3箇所に、ループに引っかけるパーツが付いている日焼け防止の「WIC.クールハットスクリーン」。モンベルの帽子であれば対応しているものが多数。
違うメーカーでも、帽子の内側に適当な紐をループとして縫い付ければ使用できます。
画像出典:モンベル
こちらは、ひさしに紐を引っ掛け、後ろをギュッと締めて固定する、キャップ用の「WIC.クールスクリーン」。しっかり締めないとズレやすいですが、メーカーに関係なくどんなキャップにも使用できるところは◎。
首元の日焼けは襟シャツや手拭いでカバーしていますが、耳元もしっかり覆いたい場合はこのようなアクセサリーが便利です。ひらひらと風も通すので涼しく日焼け対策ができます。
他の素材や顔全面まで覆うタイプもあります。
↓モンベル日焼け対策グッズ↓
しっくりぴったり。Basic Cap
本題のBasic Capのご紹介。
他の帽子に戻れない理由としては、とにかく「被り心地が良い」ということに加え、ひさしの長さや深さなど、自分にとって絶妙なため。
素材 | 本体:ナイロン100% 汗止め:ポリエステル100% |
重量 | 39g |
頭回り | 59cm(ゴムで調節) |
ひさし | 6cm |
高さ(深さ) | 17.5cm |
お気に入りポイントは↓
①頭にフィットする丸みのデザイン
②しっかり被れる深さ
③ひさしの長さ
④軽さ・携行性
⑤シンプルなデザイン
まずは被り心地。近場に取り扱い店がなかったため、ネットで購入しました。正直一か八かではありましたが、そんな心配はものともしない被り心地の良さ。
所持しているキャップを採寸し、HPを細かくチェックしながらサイズ感を想像していました。
自分の頭には円筒形の「ワークキャップ」はしっくりこないので、この丸みある形状がばっちりフィット。
着用している状態はリッジマウンテンギアのHPをご覧ください。
帽子の高さも深すぎず、浅すぎずちょうどいい。耳の上部付け根にギリギリ到達しない絶妙さ。
以前、山と道のメリノキャップを使用していましたが、もう少し深さがほしいな〜と思っていました。
ひさしの長さは山と道の方が0.5cm長いのですが、あまり深さがない分、十分な日除け効果がないと感じていました。Basic Capは深さがある分、ひさしによる日除け効果も満足。
帽子の深さとひさしの長さは特にお気に入りポイントです。
頭回りはゆとりがありますが、ゴムで微妙な調整が可能なので問題無し。調節のゴムは約20cmの長さがあり、幅広く調節が可能。風の強いときはギューッと締めてしっかり固定。締めるときは両手を使いますが、緩めるときはワンハンド。
ゴムだけでもしっかり締まりますが、念のためハットストラップも付けています。北穂高小屋で購入したお気に入りのハットストラップ。
ゴムを緩めている状態。
ゴムを絞めている状態。
ゴムを締めても上部はふわっとしたままで、全体的に圧迫されることがありません。
女性として嬉しいのは、ハーフアップに結んで被っても全く窮屈ではないということ。後ろで一つに結ぶ場合も、少し下の方で結ぶ分には特に気にならず。髪の量や長さによりますが、肩につく程度の長さでおだんごにするくらいなら帽子の中にちょうどよくおさまりました。
ゴムは丸ゴムが使用されていますが、ゴロつきや痛みなどは感じずしっかり固定。
生地は柔らかく、くるくる丸めてサイドポケットなどにスポッと入れられる。2つ折りで全面ポケットに滑り込ませてもいい。少しの間パンツのポケットでも…
ひさしには柔らかい芯が入っているため、故意に折り曲げることは推奨されていません。しかし、芯が入っていることも忘れるくらい柔らかい。かといって、被っている最中にへにょっとなることもありません。
自転車に乗っていて、風速3m以上の風だとたまにペロっとめくれますが、特別気になる程ではありません。
飽きのこないシンプルなデザインで、優しい色合い。
タグのロゴも主張していないので、普段のファッションにも合わせやすい。
大好きすぎて、色違いも購入してしまったほど。
予約販売のためすぐに手に入るわけではありませんが、個人的には一度被り心地を試していただきたい一品です。
*先日、予約していた「Enough Hat」が届きました。
被り心地は、キャップ同様頭の形にぴったりフィット。
ひさしは、後ろが前よりも少し短くなっていて、ザックや首に巻く手ぬぐいなどと干渉せず、何も気にならない。
こちらも、髪を結んでいても問題なく被れました。
アウトドアと日常の境がなくなるシンプルなデザイン。365日、あらゆるシーンで使用したいと思います。
冬用。Grid Merino Earmuff Cap
こちらはBasic Capの冬バージョン「Grid Merino Earmuff Cap」。
雪山用して昨年購入し、今年の1月頃到着。雪山ではニット帽を被ることが多いのですが、悩みが一つ。
耳が寒い!!!
コンパクトなイヤーマフを使用する人、ウェアのフードを被る人、耳対策はそれぞれだと思います。
私としては、少しでも荷物を減らしたいのでイヤーマフは持ちたくない。冬でも晴れて天候が良ければ暑く、羽織る系のウェアを脱いで歩くことはしばしば。ということで、いつも耳に困っていました。
ニット帽の折り曲げてある部分を下ろして耳を覆ったりしていましたが、できれば耳を覆える冬用キャップがいい。ニット帽だとひさしがないから眩しいし。
しかしこれに関しても、保温が過剰であったり、見た目的に公共交通機関では被りたくないなあ…など、しっくりくるものがありませんでした。
そのため、発売となったときすぐに購入。そして、Basic Cap同様、いい被り心地で耳が温かい!!
素材 | 本体:メリノウール100% 汗止め:ポリエステル100% |
重量 | 約62g |
頭周り | 59cm(ゴムで調整可) |
ひさしの長さ | 6cm |
深さ(高さ) | 17.5cm |
頭回り、ひさしの長さ、深さに関してはBasic Capと変わりません。
形が同じなので躊躇わずに購入できました。
耳から後ろの後頭部をウールで温かく覆えるようになっています。
フリースなどでよく見られるグリッド状に編み上げられ、効率よく透湿してくれます。ウールは"吸湿性"に優れているため、頭や足など水滴になる前の水蒸気が充満する箇所、"蒸れ"が発生しやすい部位には最適です。
内側もしっかり防寒。
チクチク感は一切なく、非常に柔らかくて触り心地がいいウールの生地。
内側にしまうことができるので、電車での移動時や日常使用にも問題なし。山での行動中は、中ではなく上に上げておけば、暑い寒いの対応がスムーズ。
Basic Capと同様、調節はゴム。
そして、こちらも洗濯機OK◎。
ウール用洗剤、ネット使用の単体、弱流水コース、タンブラー乾燥はNG、陰干し…など、ウール特有の縛りはあるので詳しくはHPを。
ウール系のものは"単体で洗濯してください"というものがほとんどなので、小物類は洗濯機OKでも基本手洗いをしています。
ウールという素材がその気にさせているのか、天然素材のありがたみを感じているのか、割と丁寧に扱うことが多い。
今年は指の怪我により厳冬期の雪山には行けませんでしたが、雪のある寒いシーンではとても重宝しました。頭全体が羊に覆われて温かい…温もりを感じます。
もちろん、被り心地、使い心地も申し分なし。
こんな冬用キャップ欲しかった!という方はぜひ◎。
まとめ
自分に合う帽子を探すのは割と根気のいる作業だと思います。私自身も何回か買い替え、ようやく出会えた被り心地。
それまではアウトドアショップに行く度に「あ、こっちの方がいいかな?これはどうかな?」と、ついつい帽子コーナーに足が向いていましたが、完全に問題解決。帽子が目に入ることすらなくなりました。
頭に合うかどうかは被らないとわかりませんが、"軽い、深い、シンプル、洗濯機OK"などの単語に引っ掛かりがあれば、ぜひ試していただきたいです。
とにかく涼しいものが…という場合は、後頭部がメッシュの「 Mesh Basic Cap」がよさげ。
最近発売されたサコッシュも良さそうだし、これからの展開にわくわくのリッジマウンテンギアです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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