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結露回避!?吊り下げ式・一体型のダブルウォールテント「ゼログラム Thur Hiker 1p」軽さと快適さのバランスがいい山岳テント

山 の 道 具

歩き人たかたちです。

2023年春、新しいテントを迎えました。

ZEROGRAM「Thur Hiker 1p」

すごく軽いというわけではありませんが、その代わり居住性がよく、山岳地帯を考慮した耐候性もある。「軽さ・快適性・安全性のバランスがいいテント」です。



モンベル「ステラリッジテント1型」からはじまったテントハイク。山岳テントに相応しい耐候性を備え、あらゆるシーンで活躍してくれました。その後、軽さを求めてモンベル「U.L. ドームシェルター1型」を使いはじめ、シングルウォールの虜に。

そして、2023〜2024シーズンに歩くニュージランドの"テ・アラロア"に相応しいテントを新たに物色。ロングトレイルとNZの気候を考慮して選びました。

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ZEROGRAMとは?

ZEROGRAMは、2011年創業の韓国の本格アウトドアブランド。

ZEROGRAM(ゼログラム)は、人が自然に入る影響を限りなく「ゼロ」にしたいという強い意志から生まれました。Save Earth Save Us をコンセプトに、環境に配慮した一歩進んだ持続可能なアウトドアライフスタイルを提案いたします。山やロングハイクを快適に遊歩し、幕営地では仲間と共に楽しめる、アウトドア製品をお届けします。

出典:ZERNGRAM

「SUSTAINABILITY」
「LIGHTWEIGHT」
「SOLIDARITY」

自然への影響を少なくしながら身軽に、深く自然と関わる。そして、満たされる。そのようなことを軸にしているアウトドアブランドです。

韓国のブランドはあまり気に留めていなかったのですが、韓国でも登山は人気のアウトドア。日本のように山小屋やテントでがっつり縦走するというよりは日帰りでサクッとハイキングをするイメージですが、近年、ユニークなデザインやカラーリングの韓国ブランドがHOTになりつつあります。

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「テ・アラロア」に相応しいテントとは?「Thru Hiker」を選んだ理由

迫る11月下旬に日本を飛び出し"Te Araroa(テ・アラロア)"という、ニュージーランドを縦断する3000kmのロングトレイルを歩きます。2014年にはじめて歩いたロングトレイルであるスペインの"サンチャゴ巡礼"以来、想いを馳せていたテ・アラロア。

これまで道具も紆余曲折してきましたが、現在はある程度落ち着いているのでヘタっているものを買い直そうという中で・・・

あれ?テントどうしよう?ステラは重いし面倒だなあ。でもドームシェルターだと不安だなあ・・・(気候的に)

そんなことで、テント探しがはじまりました。


愛用しているシングルウォールはこちら


[ Thru Hikerに決めた理由 ]

◾︎ 吊り下げ式・一体型ダブルウォール
◾︎ 結露対策に最適
◾︎ ある程度の寒さと山岳環境に対応

吊り下げ式・一体型ダブルウォール

シングルウォールを使いはじめてからダブルウォールの「ステラリッジテント(旧型)」をほとんど使わなくなりました。それは以下のような理由から。

◾︎ ダブルウォールの設営が面倒
◾︎ スリーブ式が面倒(現モデルは吊り下げ式)
◾︎ もう少し軽くしたい
◾︎ 長編入口の方が使いやすい
◾︎ 生地を2枚メンテナンスするのが面倒

"めんどくさい"という理由が大半ですね・・・設営・撤収・メンテナンスのすべてにおいて"ダブルウォールのスリーブ式"が面倒になりました。シングルウォールの気軽さを知ってしまうと戻れない。

毎日、何ヶ月と設営・撤収を繰り返すロングトレイル。少しでも煩わしさをなくすため、モデルは"吊り下げ式"に絞ることにしました。過酷な環境下での耐久性はスリーブ式に劣りますが、風速20mの稜線でテントを張ろうなんて思っていない。山岳地帯では山小屋(日本の避難小屋)も利用できるし、ツェルトで歩いている人もいる。

吊り下げ式に加え、「Thru Hiker」は"一体型"のモデル。フライ・本体・グランドシートをすべて繋げた状態で使用できます。インナーテントを立てたあとにフライを被せるという手間を省けるため、設営・撤収がとても楽。ダブルウォールでこの早さと手間の少なさはかなりいいのではないかと。

結露対策に最適

「Thru Hiker」に限らず、ゼログラムのテントの特徴は"結露に強い"こと。

"モノフィラメント"という特殊素材により、インナーテント内の結露を限りなくゼロにしてくれます。素材自体に撥水性があるため、撥水加工を施さなくてもいい。加工が落ちるという概念がないから効果は恒久的というもの。

モノフィラメント(monofilament)は、名前に’モノ’とあるように、1本の繊維で糸が作られ、組織が安定し耐摩耗性に優れています。テント素材としては特殊ですが、身近には歯ブラシのブラシやラケットのネットの部分に使われています。テントのインナー素材として限りなく薄く作られたモノフィラメントは、メッシュのような通気性を持ちながら撥水性に優れ、より軽く、より優れた強度がある素材です。通気性と撥水性があることで、例えばインナーテント内部で発生した水分を含む空気が結露としてフライについてもインナーテントに戻ることはほぼありません。また撥水加工をしていないのでその効果は永久的に保たれます。

出典:ZEROGRAM

四季があり、雨も多く、日本と似ていると言われるニュージーランド。違いは"冬に雨が多く、夏は少なめ"という点。そのため、湿度も冬の方が高く、夏は比較的カラッとしています。ジメジメムシムシの日本の夏に比べると過ごしやすい気候です。

しかし、ニュージーランドは寒暖差が激しい国。「1日の中に四季がある」と言われるほど気温差が激しく、夏でも朝晩10度以下になることも珍しくありません。そんなニュージーランドは・・・

"結露"がものすごい

結露に関してはおそらく日本以上。ツェルトでテアラロアを歩いた方にお話を聞くと「寝袋は常にビショビショだった」とのこと。

モンベル「U.L. ドームシェルター」を考えていましたが、たぶんテント内で雨が降る。日本ではポタポタ落ちるまでの結露になったことはありませんが、ギリギリだったこともしばしば。睡眠の質は確保したいのでシングルウォールはやめることにして、結露の不快感が少ないゼログラムに辿り着きました。湿度の高い日本でも、とても快適なテントです(後述)。

ある程度の寒さと山岳環境に対応

上述したように、寒暖差が激しいニュージーランド。大まかに9〜11月が春、12月〜2月が夏、3〜5月が秋になります。

歩くのは12〜4月上中旬を予定しており、夏〜秋にかけて。北島よりも南島が寒く、秋を迎えるのは南島。街から山岳地帯まで、とにかくさまざまな気候になるため、ある程度の寒さにも耐えなければならない。そんな理由からもシングルウォールではなく、寒さにも対応できるテントにしようと。

ニュージーランドも島国で天気がコロコロ変わるし、風が強いことも多い。ニュージーランドには学生の頃に一度訪れましたが、結局実際に歩いてみないとわかりません。日本海側の山の気象条件や日本アルプスの山岳環境を想定して考えました。日本とどう違うのか、とても楽しみです。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

軽量に傾倒しすぎると、日本やニュージーランドの気象条件ではリスクが高くなる。ツェルトやワンポールテントで歩く人ももちろんいますが、4ヶ月間のマイホーム。ニュージーランドはアウトドアショップが多いわけでもないため、少しの重さをプラスして"安全性・快適性"を優先しました。

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ZEROGRAM「Thru Hiker」概要

重量 [ HP記載の重量 ]
・最小978g
(フライ、インナーテント、ポール3、ペグ4)
・総重量 1,206g 
(フットプリント含む)

[ 未使用時の実測値 ]
・フライ + インナーテント:680g(+スタッフバッグ27g)
・ポール:289g(+スタッフバック10g)
・ペグ:8g×10本(+スタッフバッグ5g)
・ガイライン:7g×2本
・フットプリント:119g(+スタッフバッグ9g)
★ 総重量(実測):1,233g
サイズ ・インナー:210(L) x 85(W) x 100(H)cm
・アウター:220(L) x 95(W) x 106(H)cm
・収納:14(L) x 14(W) x 39(H)cm
素材 ・フライ:15D N/R silicone/PU coated
・インナー:20D monofila
・フロア:15D N/R silicone/PU coated
・ポール:ZERO-BONE UL (ジェラルミン)

最小重量はペグ4本のみでの計測。四角をペグダウンすれば一応自立しますが、不安定だし4本では前室もつくれません。ペグは全部で10本ですが、それを入れると1kg超。表記を1kg以下にするために4本?

HP記載の総重量と実測の総重量は+27gで、結構差がありました。

個人的にはグランドシート(フットプリント)は使わないので-128g、ペグについているアクセサリーコードも要らないので-10g(1本1g)。スタッフバッグはそのまま使うとして、自分が使う場合の総重量は1,095g。1kgは切りませんでした。

「Thru Hiker」を構成するもの

フライ・インナーテント、ポール3本、グランドシート、ペグ10本、ガイライン2本、各スタッフバッグ。

フライとインナーテントを入れるスタッフバッグは軽量で防水性あり。びしょ濡れのテントを入れても大丈夫でした。シルナイロンのように滑りのいいツルツルした素材です。

テントを入れた状態で割と余裕があるため、撤収時も特に苦労しませんでした。しかし、これはフットプリントを繋げていない状態。フットプリントを使う場合はぴったりか、ちょっと余裕があるくらい?一応、すべて収納できる仕様にはなっています。

撤収を楽にするなら丸底の平たい形状をしているようなスタッフバッグが使いやすいと思います。自分の場合はザックに外付けするため、付属のものを使用しています。

ポールは背骨となる長いメインポール1本、空間を広げるための短いリッジポール2本の計3本。素材は「ZORO-BONE UL」という軽量さと強靭さ、そして適度なしなやかさを備えたジェラルミン。

「Thru Hiker」のポールは比較的短くつくられており、一番長いもので約34cm。モンベル「U.L. ドームシェルター」のポールは約43cmなので、収納時の長さが10cmほど短い。ザックの中にも収納しやすい大きさです。

1本あたりの節を短くすることで"耐風性"が向上。軽量化を考えたら節を減らす選択になりますが、そこは山岳テントとしての安全性が考慮されています。

ポールが破損したとき用の"エマージェンシーポール"は付属していません。モンベルのテントのエマージェンシーポールを持ち歩いています。

ペグは軽量なYペグで、抜きやすいようにコードが付属。コードがあった方が抜くのは楽ですが、邪魔なので取りました。

フライとインナーテントはリングにカチッとつけて繋がっています。フットプリントも繋げられます。

居住性を良くするための短いリッジポールの端を入れるためのパーツ。

スタッフバッグの中には説明書が大きなタグのように付いています。邪魔なのでこれはカット。

設営してみる

出典:ZEROGRAM

はじめに四角をペグダウン。ZEROGRAMの文字がブランドタグのようにプリントされている方が入口。反対側にもZEROGRAMの文字がプリントされています。

メインポールを立てつつ前後もペグダウン(端からリッジポールをつけるパーツまでの長さが短い方が後側)。背骨が1本なので、組み立てると長いです。混雑している狭いテント場だと気を遣うかもしれません。他の人に刺さらないように注意。フライの両端のフックをかけると自立しました。

空間を広げるためのリッジポールを装着。凹凸を合わせて半回転させるとカチッとはまります。リッジポールは真っ直ぐではなく若干カーブしており、少しでも広い空間をつくりつつ耐風性を向上。

リッジポールの端をパーツに入れ、ポールにすべてのフックをかけて組み立ては完了。フックをかけてからリッジポールの端をパーツに入れる順番ですが、生地が突っ張って入れにくいので個人的には逆の方が立てやすかったです。

最後に残りのペグとガイラインを。ガイラインは左右の2箇所だけです。

通常のダブルウォールの場合、インナーテントにガイラインのループが付いているため、フライをかけたときにガイラインを外に出さなければなりません(少なくともステラは)。集中力を欠いているとその作業を忘れてフライを固定してしまい、フライの穴とガイラインの位置が微妙にずれていて取り出せずにやり直し・・・なんてことも煩わしかったです(私だけ?)。

しかし、ガイラインが一番外側にあることでダブルウォールながらそんな失敗もしない。半分寝てても立てられそうです。

完成◎吊り下げ式、やっぱいいなあ…

「設営3分」という謳い文句ですが、テント場について3分で設営しようなんて思わないのでそれはどうでもよくて。"3分で設営できるほど簡単"ということが重要。なんなら、設営ではなく"撤収が楽"ということが最重要ポイント。朝の時間、大事ですよね。

フライは地面近くまであり、見た目密閉性がある感じ。強雨や夏のゲリラ豪雨での跳ね返りなどにはしっかり対応できそう。

インナーテントの出入口はL字のジッパーで、ガバッと大きく開きます。しかし、フライのジッパー位置がちょっと微妙で垂れる部分が邪魔・・・(後述)

出典:ZEROGRAM

説明書をよく見ていませんでしたが、このようにポールの方に持っていきガバッと開くらしい。でも、これだと張り綱が邪魔だから、テント場でゆっくりする場合張り綱は最後がいいのかな。

スタッフバッグまで使っていろいろ試行錯誤していましたが、結論は目玉クリップが1つあると便利かなと思いました。道具は増えますが、クリップって何かと使えるし。

ペグでこんな感じに開くことはできるのですが、開きがちょっと小さい。フライのジッパーとインナーのジッパーの位置がズレているので、これだと出入りがちょっとしづらくて・・・

ある程度目隠ししつつテント内でゆっくりするときとか、暑くて寝れないときはペグを使ってちょっと開かせています。

出典:ZEROGRAM

ポールを使ってタープのようにもできます。別でガイライン必要かな?と思いましたが、これをやるときはガイラインを使わないので、付属のを使えばいいですね。

[ スルーハイカーの居住空間 ]

出典:ZEROGRAM

頭側。中は四角い空間で、ドーム型のテントに比べて居住性がとてもいい。インナーテントはフロアを除いてモノフィラメントなので、蚊帳の中にいる気分です。

足元に向かって細く、低くなりますが、足元なので気にならない。

「Thru Hiker」の特徴はこの"プチ前室"

靴を置いたり、クッカーを置いたり、ポールを置いたり、ザックを置いたり・・・使い方は自由。フットプリントを使う場合、この前室までしっかりカバーしてくれます。

内ポケットが1つ。スタッフバッグくらいしか入れていませんが、あまり重いものを入れるとインナーテントが引っ張られてバランスがちょっと悪くなります。

中にはランタンループが2つあり、ロープを通して干し場をつくることもできます。しかし、ループの場所が天井の一番高いところとプチ前室のジッパー上で、居座りたい場所と被るのでちょっと邪魔。靴下くらいだったらいいかもしれませんが、てぬぐいをかけると結構邪魔。干し場は少し検討します。


ZEROGRAM  HP

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実際に使ってみて(良い点・悪い点)

◎ 設営・撤収がスピーディ
◎ インナーの結露はほぼなし!
◎ 四角い空間で居住性がよい
◎ カラーがいい
○ 非自立式は慣れればOK
◯ 暑すぎず寒すぎない

◯ 風通しはそこそこ
△ 中の干し場が微妙
△ Yペグの刺し抜きが痛い
△ テント内のクズを出しづらい

✖️フライのジッパー位置が微妙
✖️側面の前室が狭い
✖️フットプリントを別売にしてほしい

◎ 設営・撤収がスピーディ

「Thru Hiker」は、フライ・インナーテント・フットプリント一体型のモデル(フットプリントは使用していません)。

ポールが一番外側になるため、通常「① インナーテント → ② ポール →③ フライ」と設営するところ「① フライ・インナーテント → ② ポール」と、作業が少なくなります。

撤収作業も少なくなり、特に"生地を2枚別々に片付けなくていい"というのが本当に楽です。また、雨の日もインナーテントが濡れないため、これは一体型の大きなメリット。

吊り下げ式を味わうと、スリーブ式にはなかなか戻れないですね。モンベル「U.L. ドームシェルター」は簡易のスリーブ式で、はじめの20cmくらいしか通さないので簡単ですが、中のベルクロを留めるのは面倒で。設営スピードは「Thru Hiker」の方が早いかもしれません。

◎ インナーの結露はほぼなし!

モノフィラメントについては上述の通り。実際、結露は特にありませんでした。

"ない"というと語弊ですが、インナーテントの内側に水滴ができることはありません。結露がないわけではないので、触れるとしっとりしています。ただ、中に染み込んでくることはなく、結露が少ない環境ではサラッサラ〜でとても快適でした。

フライの内側は普通に結露します。結露が多い環境では、天井部のモノフィラメントにフライの結露が溜まっていました。しかし、中に入ってくることはなく、バサバサっと揺らすとコロコロと玉のように落ちていきます。

「U.L. ドームシェルター 1型」は細いため頭が何かと生地に当たったり、寝袋が当たったりして濡れていましたが「Thru Hiker」なら気にせず動けます。シングルウォールの結露も"そういうものだ"と受け入れてしまえば気にならないのですが、"気にならない""気にしなくていい"だとやはり違いますね。快適です。

◎ 四角い空間で居住性がいい

リッジポールのおかげで四角い居住空間になり、天井部が広いのは本当に快適です。座っていて頭が生地に当たらない、着替えを楽々できるというのは、細かいことのようで結構ストレスになったりするので。

「ステラリッジ1型」と「U.L. ドームシェルター1型」の大きさは同じで(モデルチェンジして微妙に変わりました。以前は同じだったかと・・・)、1人用のテントは基本的に細くて狭い。特に男性はキツいので、2人用を使っている人も多いです。

「Thru Hiker」の横幅は、実はステラ1型よりも狭い。長さは同じですが、高さが5cm高い + 頭が広い。自分の場合、身長147cmに対して長さが210cmなので足元に45Lのザックを置いても楽勝です。足を伸ばして悠々と寝ることができます。

◎「タン」のカラーがいい

旧モデルは濃いめのグリーンと薄めのフレッシュグリーンの2色でしたが、新モデルはベージュ系の"タン"一色。

グリーンだと暗そうで、フレッシュグリーンは透けやすそうなカラーで悩ましかったので(ドームシェルターが透けやすい)、その中間的な色になって歓喜。旧モデルは売り切れていたので購入自体できませんでしたが。

ステラの"オフホワイト"が一番好きではありますが、"タン"もテント内の明るさに問題なく、太陽の光が当たっても透けにくい。落ち着きのあるとてもいい色。アースカラーは目に優しく、自然に溶け込んでいるような気分になるのでいいですね。

○ 非自立式は慣れればOK

自立式のメリットは"場所を選ばず張れる"こと。「やっぱりこっちがいいなあ」と思ったときも移動しやすく、ペグを打てない(石もない)場所でも使えるためお遍路ではとても重宝しました。雨風回避のために東屋の中に張れるのはありがたい。

非自立式はしっかりペグを打ってピンと張らないと安定せず倒れたり、ヘニョっと頼りない感じになります。地面が固くて石もないような場所で張るときデメリットになると思い、非自立式は避けてきました。しかし、使い始めると「どうにかなるだろう」という気持ち。

自立式に比べて張れる場所は多少限られますが、テントサイトに張る前提ならばそこまでデメリットにはならないかなと。ロングトレイルではここで張らなかったらこの先張れるのかな・・・と悩むことはあるかもしれませんが、それも含めて楽しみたいと思います。

◯ 暑すぎず寒すぎない

個人的な感想にはなりますが、テント内の温度は「ステラリッジ」と「ドームシェルター」の中間くらい。

フライが地面に近いので結構密閉されるのかと思いましたが、インナーテントがモノフィラメントであることにより涼しさもある。でも、ダブルウォールなのでシングルウォールほど寒くない。

「ドームシェルター」だと5℃を切るようになると寒さを感じますが、5℃ではまだ快適に寝ていました(9月下旬の七丈小屋にて)。2600mほどある南アルプスの熊ノ平小屋のテント場でも特に寒くはなかったので(風が多少ある環境)、3シーズンを通して使いやすいと思います。

ただ、夏に平地のキャンプ場で使うには暑かったです(これはどのテントでも一緒)。写真は7月に北海道の"国設知床野営場"で張ったとき。気温は24℃くらいでしたが、日向に張るとサウナになって暑いので日陰に。日陰ならちょうど良かったです。夜はフライを締め切ると暑かったので、前室を少し開いた状態で寝ました。

◯ 風通しはそこそこ

モノフィラメントは、通常のメッシュに比べると風通しは悪いです。メッシュのように風がダイレクトに抜けていく感じは少ないですが、その分保温性があります。

「Thru Hiker」を試し張りしたのは5月中旬くらい。気温は25℃近くまで上がり、フライを解放してもインナーテントのジッパーを全閉めすると暑い(日当たり抜群)。ジッパーを開けると外の空気がスッと入ってきて、通常のメッシュのような風通しは得られないなと。

出典:イワタニ・プリムス

NEMOのホーネットエリートオズモ1Pも検討しましたが、こちらは通常のメッシュであることに加え、フライが短いので風通し抜群。風が強い環境や気温が低い時期は寒いかなと。

山岳環境でも夏場、直射日光が当たっているとテント内はサウナ状態になりますが、それはたぶんNEMOくらいの通気性がないと避けられないと思います。つまり、どれも同じ。それなら保温性を優先しようかなと。

△ 中の干し場が微妙

設営の項目で述べたように、中にある2箇所のランタンループにロープを通して干し場をつくれますが、ちょうど自分が居座る場所なのでそれがちょっと微妙。

ステラでも天井が一番高い場所にロープを張ることになりますが、ステラの場合、例えばてぬぐいを干していて、寝るときにそれが顔の上にはきません(真ん中なのでお腹のあたり)。しかし、「Thru Hiker」の場合は顔の上にきます。一番高い場所が入り口よりなので、これがちょっと邪魔だなあと(靴下とかならOK。てぬぐいも折り返せばいいと思いますが)。

てぬぐいで身体を拭くので、ほぼ100%濡らします。夏なら短時間で乾きますが、秋は日も短いし、日が当たらなければ全然乾かない。テントの中に干しても結局乾きませんが、気持ち的に広げて干したい。

側面にある、出入口の生地を捲り上げて留めるゴムに引っかけたり、プチ前室側のループに引っかけたり、居住性を損なわない場所に干しています。てぬぐいもカラビナで適当に吊るしたり。慣れかな。


カラビナもいいですが、NITEIZE「ギアータイ」は好きな形にできるので1本あると便利です。


△ Yペグの刺し抜きが痛い

モデルチェンジをして、ペグもより軽量で剛性のあるものになりました。これまでモンベルのVペグを使っていたので、Yペグの感想は「刺し抜きが痛いな…」

細くて薄いので、なんか痛い。刺すときは足でぐっとやればいいですが、抜くときが結構痛くて。そのためにコードが一本一本付いていると思うのですが、コードは邪魔だしなあと葛藤中。

◼︎ モンベル:10g
◼︎ ゼログラム:7g(コードあり8g)

モンベルのVペグに比べるとやはり華奢ですね。"剛性がある"とのことですが、実際どの程度かは長く使ってみないとわからないですね。柔らかい地面ならいいのですが、固い地面になるとちょっと不安もあったりして。3gの差は大きいですが、最終的にどちらを使うかはまだ検討中。

△ テント内のクズを出しづらい

非自立式に共通することですが、自立式のように空に向かってテントをバサバサして中のクズを出すことはできません。ポールに負担がかかるのでやらない方がいいとは言われますが、あれで中を綺麗にするのが結構好きで…

砂とか砂利などのクズを出すためには生地を裏返さなければならず、それが面倒。面倒なので結局やらず、大きめのクズだけポイポイっと外に出す程度。テントが濡れていると尚更やらないというか、張り付いていてやりにくい。

そんなこと気にしないという人も多いと思いますが、無駄は省きたいけど綺麗好きという性格のため、タイミングがあれば一気に取り除きたいな〜となりました。意外にクズ入りますよねえ…

✖️フライのジッパー位置が微妙

設営の項目でも述べましたが、フライのジッパー位置が微妙。フライとインナーのジッパーの位置とズレているため、フライをガバッと開いていないと出入りがしづらいというデメリット。形状的に仕方ないのかなと思いますが、ジッパーがもう少し中央よりだったら使いやすそうです。

ただ、使っているうちに"そういうものだ"と受け入れるようになり、気にしなくなりました。シングルウォールの結露と一緒ですね。いい方法があるかもしれないので、もう少し探ります。

✖️側面の全室が狭い

ダブルウォールは前室が重要になりますが、残念ながら「Thru Hiker」の側面の前室は少し狭い。

バーナーを使うにも生地との距離が近くて、もう少し広い方がいいなあと。バーナーと靴を両方置くと結構詰め詰めになります。せっかくL字ジッパーでガバッと開くのに、この前室がとても残念。なんなら、先端のプチ前室の方がバーナーを使いやすかったです(換気には要注意)。

ちなみに、前室を少し広げようとペグの位置を遠めにすると、写真のようにフライのジッパーが閉まりきらなくなります。だいぶ突っ張ってる…(ジッパーの方のペグをもう少し内側にすればいけるか?)

晴れていればフライを解放するのでいいですが、雨の日や朝方の寒い時間帯は先端のプチ前室がメイン使いになりそうです。

✖️フットプリントは別売にしてほしい

旧モデルはフットプリントが別売りでしたが、モデルチェンジをして一式販売に・・・これにより値段も上がり、唸りました。要らないんだよなあ。

グランドシートは結露と土でぐちゃぐちゃになるのが面倒で使わなくなりました。使っていない人も多いと思うので、これは別売りのままにしてほしかったです。

グランドシートを使わない代わりに、SOL「ヒートシート エマージェンシーブランケット」をインナーシートに使っています。緊急時のエマージェンシーシートとテントのインナーシートの一つ二役なので、軽量化できておすすめ。SOLのは繰り返し使えるのがメリットです◎



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修理に関して

大事なアフターフォロー、修理に関して。

修理はZEROGRAM 公式オンラインサイト、ショールームやイベントでZEROGRAMから日本国内で購入、または正規取引店様から購入のお客様に限ります。

出典:ZEROGRAM

当然ですが、正規品しか修理は受け付けてくれないので並行輸入品などは購入しない方がよいです。

 

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まとめ

シンプルな自立式のシングルウォールに慣れている & はじめて使う形状のテントだったので、はじめは正直「あれ?もしかしてちょっと使いづらい(失敗した)・・・?」と思いました。

しかし、モノフィラメントによる結露回避と一体型の吊り下げ式という点は本当に使いやすく、前室などのデメリットも慣れてしまえば大きな問題ではない。現在の軽量化ブームからすれば決して軽量なテントではありませんが、山岳テントとしての耐候性が考慮された"軽さ・快適性・安全性のバランスがいいテント"だと思います。

◼︎ 結露の不快感をなくしたい
◼︎ 吊り下げ式で設営・撤収が楽なテント
◼︎ 軽さと快適さのバランスがいいダブルウォールテント

上記のようなテントをお探しの方にはいいテントだと思います。

取り扱い店は多いわけではないですが極端に少ないわけでもなく、全国的にバランスよく取り扱い店があります。また、東京にはショールームもあるので、実物を見てからの購入もしやすいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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