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エアマットは捨てた!やっぱり【クローズドセル】が最強!登山用マットの選び方と愛用の「サーマレスト」と「山と道」使用レビュー

山 の 道 具

歩き人たかちです(@takachi_aiina)

「クローズドセル → インフレータブル(半エア)→ エア → クローズドセル」

登山用マット(スリーピングマット)は、一周して「クローズドセル」に落ち着きました。一通り使用した結果、自分には「クローズドセル」が合っていた。

寝心地、軽量、準備・片付けの早さ、使い勝手・・・

人それぞれ重視するポイントは違うし、どのタイプにもメリット・デメリットがある。大雑把に、多くの意見をもとに分けるなら

◾︎ 寝心地・コンパクト → エア、インフレータブル
◾︎ 軽量・準備片付けが容易 → クローズドセル

私の場合、軽量、準備と片付けの容易さ、ULザックとの相性、を優先していますが、"エアマットの寝心地が合わなかった"ことが手放した大きな要因。

一般論が自分に合うとはかぎらない。だからこそ、一周してしまったのですが・・・

\ この記事の内容 /

◾︎ スリーピングマットの種類とメリット・デメリット
◾︎ スリーピングマットの選び方
◾︎ これまで使ったモデルのレビュー
◾︎ 現在使用しているモデルのレビュー

スリーピングマットに悩んでいる方、何か参考になれば幸いです。

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スリーピングマットの種類と特徴!メリット・デメリットは?

\ 種類は主に3つ /

◾︎ クローズドセルマット( + 銀マット)
◾︎ インフレータブルマット
◾︎ エアマット

クローズドセルマット

「クローズドセルマット」は、ポリエチレンやEVAなど「独立気泡の発泡素材」のマット。

メリット ◾︎ 軽い
◾︎ 長さ、形を自由にカスタマイズできる
◾︎ パンクのリスクがない
◾︎ 耐久性◎(寿命が長い)*UL系のものは耐久性がないことも
◾︎ 準備・撤収がラク
◾︎ マットの上でバーナーを使える&熱いものを置ける&こぼしても平気
◾︎ ロールマットはULザックと相性がよい(ものによる)
デメリット ◾︎ 嵩張る
◾︎ 寝心地は硬め(好きな人は好き)
Can scroll

昔ながらの「銀マット」はもっと薄い、ペラペラの安価なマット。避難小屋とか、寝具持参の山小屋などで敷かれていることもあります。好んで使っている方もいますが、寝心地の観点では結構キツイです。


「クローズドセル」の重量は、軽量タイプで100g台。一般的なモデルは200〜300g、150cm以上のフル使用なら400〜500gほど。

長さをフルで使うなら"軽さ"の恩恵はあまり受けなくなりますが、自分の身長や体格に合わせてカットできるのはメリット。長めで快適にするか、短めで軽量にするか、自由自在です。

形は、パタパタと折りたたむ「蛇腹(アコーディオン型)式」と、クルクル巻く「ロール式」があります。

◾︎ 蛇腹式のメリット:真っ直ぐ広がる
◾︎ ロール式のメリット:(UL)ザックの中に入れやすい

「蛇腹式」か「ロール式」かは、使い方や好みで選択すればよいと思います。

私は以前、「蛇腹式」をメイン使用していましたが、UL系のザックに変えてからは「ロール式」がメインになりました。

「ロール式」は、"ザックの中に入れやすい & 背面パッド代わり"になります(全体の形も整う)。

ザックは山と道「mini2」ですが、ロールマットを入れるときは、もともとの背面パッドを抜きます。

もちろん、外付けもOK。写真を撮るために底部に横につけましたが、この付け方は"引っかかり"が多くなるため、基本は縦につけています。

「ロール式」の弱点は、"丸まる"こと。広げて物を置けばいいので、あまりデメリットには感じていません。

お遍路

「蛇腹式」は中に入れにくいので、基本は外付け。付け方は人によっていろいろ。

UL系のザックでない場合、「蛇腹式」を使用している人が多い印象です。

"嵩張り"は「クローズドセル」のデメリットですが、パンクのリスクがなく雑に扱えることはメリット。耐久性も良く(UL系はちょっと弱い)、使い方もシンプル

寝心地は硬めですが、これがデメリットになるかは、人によります。エアマットのような柔らかさを好む人もいれば、硬めを好む人も。

個人的に「クローズドセル」の大きなメリットは、"マットの上でバーナーを使える、熱いクッカーを置いても平気、何かこぼしても大丈夫"ということ。

パンクのリスクと併せて、"気を遣わなくてよい"ことが「クローズドセル」の魅力です。

インフレータブルマット

インフレータブルマットは「自動膨張式」といわれ、中にフォーム材が入っています。

バルブを開けると空気が入り、フォーム材の復元力で3分の1〜半分くらい自動で膨み、残りは自分で調整。"半エアマット"というイメージです。

画像出典:THEAMAREST

メリット ◾︎ パンクしても最低限のクッション性がある
◾︎ 柔らかさと硬さのバランスがよい
◾︎ ザックに収納可能
デメリット ◾︎ 重い
◾︎ エアマットほどコンパクトではない
◾︎ パンクのリスクがある
◾︎ 剥離の可能性あり(寿命が短め)
◾︎ 準備・片付けが面倒
Can scroll

エアマットとの大きな違いは、フォーム材が入っていることで、"パンクしても最低限のクッション性がある"こと。

とはいえ、「これで寝るのか…」という程度。エアマットのぺちゃんこよりはマシだけど期待できる程ではない、感じです。

フォーム材の安定感と空気の柔らかさにより、柔らかすぎず、硬すぎず、寝心地のバランスはよいです。

車移動のキャンプの場合は、重量に関係なく厚みのあるモデル(5cm以上)を選べるため、ラグジュアリーな寝心地にできます。

しかし、登山の場合は"重さ"がデメリット。3つの中で一番重量があり、厚みは2〜4cm程度が無難。

そのほか、パンク以外の大きなデメリットは"剥離"

フォーム材は中で接着されており、熱や湿気に弱く、劣化すると剥離が発生。剥離した部分はコブのようにボコっと膨らみ、使用不可になります(剥離は広がる)。マットは外側からの修理しかできないため、剥離を起こした時点で寿命です

剥離を起こす主な原因は、口で膨らませる、使用後乾かさないまま保管、お湯をこぼした、熱い状態のクッカーを置いた、など。

湿気を防ぐために、"口で空気を入れない"ほうがよいです。空気を入れる専用のスタッフバッグなどがあれば、それらの使用をおすすめします。

バルブも含めて構造が複雑な分、「クローズドセル」のような耐久性は望めません。

個人的には、「インフレータブル」の片付けが一番面倒だと感じました。空気をしっかり抜かないと嵩張るので、適当に終わらせてやり直しをくらったり。

エアマット

フォーム材が入っていない、空気たっぷりの「エアマット」。

ニュージーランド「テ・アラロア」/ エアマットを膨らますハイカーたち

メリット ◾︎ 軽量・コンパクト
◾︎ 厚みにより凸凹をほとんど感じない
◾︎ 軽くて保温性の高いものが多い
デメリット ◾︎ パンクしたら終わり
◾︎ 音がうるさい(ものによる)
◾︎ 体重がかかる部分が凹んで痛い
◾︎  素材によっては滑りやすい
◾︎ 準備・片付けが面倒
◾︎ 内部構造や素材を吟味しないと寒い
 

一番コンパクトで、ザックの中でも邪魔にならない「エアマット」。外付けするとリスクがある岩陵帯や、狭い登山道ではメリットが大きいです。

フォーム材が入っていない分厚みを出せるので(重量が大きく増えない)、登山用でも6〜10cmのものが多く、地面の凸凹をほとんど感じません。

懸念すべきは、やはり"パンク"。フォーム材がないので、パンクしたらただのグランドシート。綺麗に整地されていればいいですが、河原のような石ゴロゴロの場所では気を遣います。

「インフレータブルマット」同様、小さなパンクは目視しづらいです。耳を澄ませて穴を見つけ出す(かなり困難)、ティッシュを乗せて動きで見つけ出す、などの方法で。

エアマットに挟まれている「クローズドセルマット」と比べると(だいぶカットされている)、寝心地の良さを感じる

寝心地は、モデルや厚みによって大きく変わります。こればかりは、実際に寝てみないとわかりません。

個人的に大きなデメリットだと感じたのは、"音がうるさい"こと。

最新モデルは改善されて控えめなものもありますが、動くたびに「ギュムッギュムッ」というような軋み音が。寝返りを打つのが申し訳ないくらい。

もう一点、膝立ちなどで体重が一点に集中したとき、その部分が凹んで地面の小石が当たり「いてっ!」となるのがストレスでした。

「エアマット」は空気オンリーなので、中の構造や素材によって保温性が大きく異なります。化繊綿やダウンを入れて保温性を上げているモデルもあり、暖かさに関しては要チェック。

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スリーピングマットの選び方

スリーピングマットの種類は、上記の通り。この項では、それ以外の「R値」「寝心地」「長さ・幅・形状」について記載します。

「R値」は暖かさを示すものではない

スリーピングマットは「厚い ≠ 暖かい」

\「R値」のポイント/

◾︎「R値」は"暖かさ"の基準ではない
◾︎ 統一された基準の「R値」を採用していればメーカー比較可能
◾︎ 3シーズンなら「2〜4」の値が妥当
◾︎「R値」は足し算可能

スリーピングマットには、"R値"という数字が記載されています(*対応温度表記の場合もあれば、無記載の場合も)。

「R値」とは"熱抵抗値"のことで、熱に対する抵抗力がどれほどあるか、という断熱力を示す値です。

目安にはなりますが、直接"暖かさ"を示すものではありません。

以前までは、メーカー独自の基準で「R値」を設定していたため、同じ「R値」でも暖かさが異なりました。

画像提供:THERMAREST / 作成:筆者

しかし、2019年に「ASTM E3340-18」という共通の測定基準が策定され、「R値」が統一されました。

すべてのメーカーが採用しているわけではありませんが、採用しているメーカー同士なら、「R値」で大まかな比較が可能です。

\「SEA TO SUMMIT」のR値ガイド/

画像出典:SEA TO SUMMIT

\「ビッグアグネス」のR値ガイド /

画像出典:ビッグアグネス

\ 大まかにまとめた「R値」の基準 /

R値 推奨季節
0〜2.0
2.0〜4.0  春夏秋(3シーズン)  
 4.0~6.0  冬・積雪期
6.0~ 厳冬期・極地向け

対応温度で記載されたほうがわかりやすいと感じますが、ざっくりと"3シーズンは2~4、厳冬期は5~6"という感じ。

「R値」のポイントは"足し算が可能"であること。

「R値2+R値3= R値5」

厳密には、重なり具合や相性などで値は前後しますが、雪山で2枚以上を組み合わせる場合もわかりやすい。

統一はされたものの、「R値」はひとつの目安。体感温度は人それぞれなので、寒がりで心配だ、という場合は高めのものを。

寒いときは、"マットの上にレインウェアを敷く"という手段も有効です。着るより温かい場合もあるため、寒さ対策として試してみてください

「寝心地」のチェックポイント

睡眠の質に関わる"寝心地"は大事なチェックポイント。

特に、「エママット」と「インフレータブルマット」は、店舗で実際に試したほうがよいです。

◾︎ 柔らかさ、硬さのバランス
◾︎ 石や岩などの突き上げ感
◾︎ どんな体勢でも違和感がないか
◾︎ 寝返りを打ちやすいか
◾︎ 身体が滑らないか(縦縞、横縞で変わる)

◾︎ 素材との相性(音・触り心地など)

見落としがちなポイントとしては、「身体が滑らないか」「素材との相性」

どちらも"素材"に関わることですが、滑りやすいと、テント内で頻繁にズレたり、自分が滑り落ちたり。裏面に滑り止めがついているモデルもあります。

エママットは、デザインが「縦縞」か「横縞」かで滑りやすさが変わるため要確認。

そして、「エア系」で気になる"音"にも注目。私は、音が苦手で「エアマット」をやめました。マットの上で動いたとき、どんな音が出るかは確かめたほうがよいです。

長さ・幅・形状

「クローズドセル」のように、カットができない「エア系」のマットは"長さ選び"が重要(幅は、大体50〜60cm程度です)。

◾︎ 快適性重視 = 膝下あたり〜身長分まで
◾︎ 軽量性重視 = お尻〜太ももあたりまで

短いものだと90〜100cm程度。ザックの背面パッドや、ザック本体を敷くことで足元はカバーできます。

そのような代用を含めて、どこまでマットでカバーして快適に眠りたいか。「エア系」は購入の時点で決めなければならないので、要吟味。

私の場合、身長147cmで100cmにカットした「クローズドセル」を使用しています。「エアマット」は120cmを使用していました。

男性でも、軽量化を重視している人は90cm〜100cm程度。自分の身長だと90cmでも寝られますが、睡眠の質を落としたくないため100cm。

形状は(エア系)、長方形やマミー型、四隅がカットされたもの、肉抜きモデル、などさまざま(クローズドセルは好きなように工作できる)。

「肉抜きモデル」は保温性が低いこともあるため、幅広い季節で使用するなら要検討です。

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「手放した」スリーピングマットの使用レビュー

① ノーブランドの「クローズドセル」

一番最初は、サーマレストのパチモンのような安物を購入。Amazonで2,000円くらいでした。

大きさも、重さも、特に不満なく使用していましたが"へタリが早かった"

主に山岳地帯での使用でしたが、1年くらいで明らかにぺったんこ。

「安物買いの銭失い」とは、まさにこのこと。評価が高いものを選びましたが、使用頻度も高かったので、やはりアウトドアメーカーのものがいいなと。

② モンベル「U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 120」

「寝心地がいいよ」と勧められ、次に購入したのは、インフレータブル(半エア)式のモンベル「U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 120。*使用は旧モデル

\ 使わなくなった理由 /

◾︎ 重い
◾︎ 空気を入れる・抜くが面倒
◾︎ 撤収に時間がかかる

画像出典:モンベル

*2024.11時点のモデル

 サイズ  120×幅50×厚さ2.5cm
(収納 ∅13×25cm)
重量 483g
(スタッフバッグ込497g)
R値・素材

◾︎ R値:3.2
◾︎ 表地:30デニール・ポリエステルリップストップ[TPUラミネート] 
◾︎ クッション材:ウレタンフォーム

*2024.11時点のモデル情報

「バルブを開けとけば空気が半分くらい入る」といわれましたが、実際は3分の1くらい。

当時は、空気を入れる専用のポンプバッグがなかったので、口で一生懸命空気を入れていました。

以前は「R値」の記載がありませんでしたが、現在は統一された基準の「3.2」と公表されています。3シーズンで寒さを感じたことはありませんでしたが、高めの値ですね

厚みは2.5cmくらいで、フォーム材が入っていたため寝心地は良かったです。

長さは「90,120,150,180」と豊富で、この点はモンベルの強み。

地面の凸凹の感触は覚えていませんが、記憶にないので大して気にならなかったのでしょう。ただ、「エアマット」と同じく、膝立ちしたときは多少痛いかもしれません。

使わなくなった理由は、"中途半端な重量・大きさ"と"面倒臭さ"

「エアマット」ほどコンパクトではないし、「クローズドセル」よりも重い。ザックの中で"邪魔"だと感じることも多く、中途半端なモデルだなと。

また、フォーム材が入っていることで空気の出し入れが面倒で(特に「抜く」ほう)、撤収に時間がかかるのが嫌でした。

③ モンベル「U.L. コンフォートシステム エアパッド 120」

アルプスの岩稜帯を考慮して購入したのは、一番コンパクトなモンベル「U.L. コンフォートシステム エアパッド 120。*使用は旧モデル

\ 使わなくなった理由 /

◾︎ 音がうるさい
◾︎ 滑りやすい
◾︎ 膝立ちが痛い
◾︎ 撤収が面倒くさい
◾︎ 夏以外寒さを感じた

画像出典:モンベル 

*2024.11時点のモデル

サイズ  長さ120×幅50×厚さ7cm
(収納サイズ∅9×20cm)
重量 367g
(スタッフバッグ込376g)
R値・素材

◾︎ R値:1.4
◾︎ 表地:30デニール・ポリエステル・リップストップ[TPUラミネート]

*2024.11時点の情報

専用のポンプバッグが発売されたので、空気を入れるのはラクでした(3回くらいでパンパン)。

*「エアマット」は、長時間直射日光に当てると内部の空気が膨張するので、破裂しないように8~9割程度で使用。パンパンに入れると、反発力で寝心地も悪いです

「R値」は「1.4」と低め。夏山では普通に使用していましたが、秋になると寒さを感じていました。購入当時「R値」の公表はしておらず、やっぱり低かったのか、という感じ

厚さは7cmあるので、寝ているときは地面の凸凹を感じません。しかし、膝立ちなどで体重を一点にかけると、地面にゴツンと当たって痛かった。

使わなくなった理由は、"音がうるさい・滑りやすい・膝立ちしたときに痛い・撤収が面倒くさい・夏以外寒さを感じた"から。

デメリットに関しては、上記「スリーピングマットの種類と特徴!メリット・デメリット」の項目に記載した通り。

「U.L. コンフォートシステム エアパッド」は、空気だけなので保温力が低く、寒い季節は地面の冷たさを感じます。

現在、中に化繊綿を入れたエクセロフト エアパッドがラインナップ。「R値」は「5.0」と、エア系のマットでは一番高い数値。4シーズンに対応したモデルです。
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現在使用している「クローズドセル」の使用レビュー

現在使用している「クローズドセル」は3つ。メイン使用は「ロール式」の2つです。

① サーマレスト「Zライトソル S」

一通りのスリーピングマットを使用して、「クローズドセル」に戻りました。サーマレスト「Zライトソル S」。メインではないですが、現在も使用しています。

  Zライトソル S
 サイズ  51×130cm
 (収納サイズ:51×10×14) 
重量 290g
R値 2.0
素材

架橋ポリエチレン

*2022.9時点のモデル

サーマレストの「クローズドセル」は、「Zライトソル」「Zライト」「リッジレストクラシック」の3種類。

  特徴 R値 厚さ
Zライトソル  アルミ蒸着あり 
蛇腹式
サイズはSとR
2.0
  春夏秋  
2.0cm
Zライト アルミ蒸着なし
蛇腹式
サイズはRのみ
1.7
夏向け
2.0cm
クラシック アルミ蒸着なし
ロール式
サイズはRとL
2.0
春夏秋
1.5cm

選んだのは、アルミ蒸着のある「Zライトソル」のSサイズ。アルミ蒸着の輻射熱により、「Zライト」に比べて保温性が20%高いモデル。

「リッジレストクラシック」はアルミ蒸着がない上に厚さが1.5cmですが、R値は「Zライトソル」と同じ2.0。

アルミ蒸着のモデルは「寒いときは銀面を上、暑いときは銀面を下」にすることで、多少の温度管理ができます。

R値2.0は3シーズン用の基準で一番低い値ですが、12月上旬のキャンプ場(標高1000m弱、0℃前後)では1枚で事足りました(寝袋は冬用)。

画像出典:THEAMAREST

凸凹の独自パターンでマットとの接地面積を少なくし、マットからの熱伝導を少なくすることで保温性を向上。

凸凹で寝心地が悪いということは特になく、厚みも2cmあるので十分。埋まっている石の突き上げが多少あっても、そこまで気になりません(パンクのリスクもないし)。

2列切り落として105cmで使用しています。1列約13cmで、もう1列切ろうか悩みましたが、とりあえずそのまま。

軽量化を図るなら、マミー型にしたり、四隅を切り落としたり。自由に工作できます。

接続部は薄いですが、なかなかちぎれません。3〜4年くらいの使用で、端の方が擦れている程度。

購入当時に比べればヘタりましたが、就寝には問題ない程度。ノーブランドに比べて耐久性はよいです。

メインでは使っていませんが、まだ使える、という理由で手元に置いています。

NEMOの「スイッチバック」を使用している人も多いです。使い心地やR値はほとんど一緒で、サーマレストよりもちょっと安い。

② 山と道「UL Pad 15+」 

「ロール式」にしようと思って購入した、山と道「UL Pad 15+。長さは100cm。

\ 使用した感想 /

◾︎ 厚み・クッション性は必要十分
◾︎ 高反発で凸凹を感じにくい
◾︎ 寝心地は少し硬め。個人的には好き
◾︎ 3シーズンの保温性も問題なし
◾︎ 引っかかりに弱く、破れ・ちぎれやすい

  サイズ 重量
Sサイズ 100×50×1.3cm  113g 
Lサイズ 175×50×1.3cm 198g
 XLサイズ 

200×50×1.3cm

*2022.9時点

226g 

\ HP記載の特徴 /

◾︎ R値:2.0
◾︎ 断熱性の高いXLPEフォーム製
◾︎ シボ加工により耐久性と断熱性が向上
◾︎ 内部に水分が浸透しない非吸水性素材
◾︎ 化学発泡剤未使用で環境に低汚染

UL Pad 15より0.3cm厚くなり、強度と耐久性、断熱性、クッション性が向上。

サーマレストより0.7cm薄いですが、特別"薄い"という印象はありません(3〜4年使用したサーマレストと比べたため、新品だと感想が変わるかと)。

サーマレストはカットして105cm、230g。山と道は100cm、113g。個人的には、寝心地も暖かさも大差ないので、大きな軽量化になりました。

寝心地は少し硬め。高反発素材で、サーマレストの方が柔らかいです。

しかし、実際に寝てみると「まあ、ちょっと硬いのか?」くらいの差で、個人的には好きな硬さ。

高反発ゆえに地面の凸凹を吸収してくれるので、大きめの岩が少しでていても、不快感は特にない。

表面には"シボ加工(熱プレス)"が施され、細かいボツボツの見た目。これにより、耐久性とクッション性がよくなり、保温性が30%向上、とのこと。

「R値」は2.0で、「Zライトソル」と同スペック。3シーズン使用には問題ありません。

10月下旬 / 九重坊ガツルキャンプ場

単体使用で一番寒かったのは、テント内が-5℃。

10月下旬、九重の「坊ガツルキャンプ場」です。-5℃まで下がると思っておらず、3シーズンのシュラフとの組み合わせで使用しました。

地面もテントもバリバリに凍りましたが、地面からの冷気は感じませんでした。むしろ、マットとの接地面が一番暖かく、マットで暖を取っていたくらい。もう少し気温が低くても、1枚でいけそう(個人的に)

デメリットは、"傷つきやすい"こと。「UL系」のマットは引っかかりに弱いため、わりとすぐ、破れ、ちぎれ、抉れが発生します。

外付けしていると結構ボロボロになるので、ザックの中に入れたほうが長持ちします。

ドローコードの痕もつきやすい

はじめは時間が経てば元に戻っていましたが、徐々に戻らなくなりました。

寝心地を大きく損なわず、保温性も十分。「クローズドセル」を軽量化したい、という方にはおすすめです。

③ サーマレスト「リッジレストクラシック」

「山と道」とともにメイン使用している、サーマレスト「リッジレストクラシック」。ロール式です。

\「山と道」との比較 /

◾︎ 「山と道」よりも耐久性がよい
◾︎ 「山と道」より重い
◾︎ 寝心地は「リッジレストクラシック」の方が好き
◾︎ ザックにパッキングしたときは「リッジレストクラシック」の方が収まりがよい

レギュラーサイズを購入して、100cmにカット。

「リッジレストクラシック」の購入理由は、ニュージーランドのロングトレイルを歩くため。

UL系のマットは耐久性が低いため、4ヶ月のトレイルに耐えられるように新調。

「リッジレストクラシック」は、4ヶ月使用しても、破れやちぎれはなし。耐久性の安心感は抜群です。

上:4ヶ月使用後 / 下:カットした部分(未使用)

カットして処分していない未使用のものと比べると、多少ヘタって薄くなっています。

触ると、だいぶ柔らかくなりましたが、保温性も寝心地も特に問題なく、まだまだ使えます。

自分が持っているUL系ザックとの相性がよいのかもしれませんが、ザックの中にパッキングしたとき、収まりがよいのは「リッジレストクラシック」。

「山と道」は底部がカチッとはまらない、というか、少し浮きがちな印象。対して「リッジレストクラシック」は、底部にカチッとはまる印象。

「山と道」は全体の厚みが同じですが、「サーマレスト」は周囲まで凸凹になっておらず、少し薄めですっきりしているからかもしれません。

総合的には、「リッジレストクラシック」がお気に入り。

両方使えるので、通常の縦走には「山と道」、ロングトレイルには「サーマレスト」を使っています。

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まとめ

自分のスリーピングマットの変遷から、「エア系」をやめて「クローズドセル」に戻った理由、選び方、愛用マットの使用レビューをご紹介しました。

寝心地、軽量コンパクト、扱いやすさ、準備・撤収作業、リスク、保温性、耐久性、素材、ザックとの相性・・・

睡眠は個人差が大きく、山行スタイルによって選び方も変わる。

自分は結局、ひと通り経験しましたが、それくらい、実際使ってみないとわからないものでもある。

モデルが多く、どんどん進化していく中で、何を優先して選ぶか。選択する上での一助になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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