歩き人たかちです(@takachi_aiina)
日本の夏山を少しでも快適に過ごしたい!
代謝がいいため、山シャツを選ぶ基準は"夏山で快適かどうか"の一点。春や秋の涼しい季節は好きなデザインでいいですが、夏山はそうもいかない。
化繊かウールなら私は化繊派ですが(ウールは暑くて、個人的に汗冷えしやすいので)、化繊にも良し悪しがあります。繊維の加工方法によって"吸水速乾"のレベルが変わります。本当に快適かどうかは、実際着てみないとわからないのです。
\ 万人におすすめのTシャツ・襟シャツ /
◾︎ 山と道「UL Short Sleeve Shirt」(化繊)
◾︎ 山と道「Merino Short Sleeve Shirt」(ウール)
◾︎ SANKAKU STAND「ムササビショートシャツAir」
いろいろなメーカーのTシャツ・襟シャツを試しましたが、私のおすすめは上記。こちらの記事ではモンベルと山と道のウールシャツをご紹介。「UL ショートスリーブシャツ」は別記事で、「ムササビショートシャツAir」はまた後日…
\ このような方は記事をご覧ください /
◾︎ 機能性抜群の化繊シャツを探している
◾︎ 滝汗でもベタつかない山シャツがほしい
◾︎ 耐久性のいい山シャツを知りたい
◾︎ コスパのいい山シャツがほしい
◾︎ ウールの襟シャツはあるの?どうなの?
モンベル「ウィックロンTシャツ」は機能性とコスパが最強な定番山シャツ!
モンベルの代表的な化繊の機能素材「ウィックロン」。安い・快適・耐久性抜群。夏に1枚は持っておきたい最強の山シャツです。
\「ウィックロン」素材の特徴 /
◾︎ 柔らかくて優しい肌触り
◾︎ 光触媒効果でニオイを抑える
◾︎ 耐久性が高い・毛玉ができにくい
◾︎ UVカット(紫外線遮へい率90%以上)
◾︎ 価格が良心的・コスパ最強
高いレベルの吸水拡散性・速乾性・通気性
画像出典:モンベル
モンベルの「吸水拡散性」の特徴は、肌面の繊維が"十字型"になっていること(上の写真参照)。丸ではなく十字の断面にすることで水分を素早く吸収します。木の根には水分をより多く吸収するための根毛がありますが、それと同じ原理。少しでも手足を広げて水分をキャッチするイメージです。
滝汗でもベタつかず(張りつかず)、サラサラした着心地のウィックロンTシャツ。山にはもちろん、ウォータースポーツや海・川のアウトドア、部屋着・寝巻きとしても大活躍です。
同じ化繊でも繊維の加工方法はメーカーによってさまざま。ポリエステルやナイロンのTシャツも、街着がメインのユニクロと、山がメインのアウトドアメーカーでは快適度が異なります。化繊だから何でもいいわけではない。アウトドアメーカーの中でも、どのような工夫が施されているかによって着心地が変わるのです。
画像出典:モンベル
ウィックロンの中でも「とにかく涼しいものがいい!」という方には「ウィックロンクール」シリーズ、特に「クールライト」がおすすめ。
「クールライト」はモンベルの中でも一番薄い生地で、アンダーウェアをTシャツにしたようなもの。暑い季節には重宝します。
コットンのような柔らかい優しい肌触り
生地は柔らかくて肌触りがよく、化繊特有のキシキシ感はありません。ストレッチ性もあるので、ぴったりサイズでも動きを妨げずストレスフリーの着心地。
化繊の中には使い続けているとキシキシ感が出るものもありますが、10年着ているウィックロンTシャツも柔らかいまま。
光触媒効果でニオイを抑える
「ウィックロン」素材には、光にあたることでニオイの元を分解する粒子が繊維に練り込まれています。後からの加工ではないため、効果は半永久的といわれます。しかし、防臭効果は正直最初だけ。
そもそも、人工的な化繊はニオイの抑制に限界があります。アウトドアメーカー各社、消臭・防臭に関してはさまざまな方法を取り入れていますが「どう頑張っても限界がある」というのが本音。これは化繊の永遠の課題なのです。
どのメーカーの化繊シャツもはじめは効果が高いですが、洗濯だけでは落としきれない雑菌が徐々に溜まり、化繊特有のニオイを発生します。現代段階では仕方がないことなので、ハッカ油などの防臭グッズを使用したり、化繊ではなくウールを着用したりするしかありません。
あとは"食生活を見直す"こと。体質や普段の食生活によって臭う、臭わないは人それぞれ。動物性たんぱく質を頻繁に摂るようであれば、その分体臭もきつくなります。化繊を着続けてもに臭わない人もいるので、防臭効果に頼るよりも食生活を変える方がいいかもしれません。
耐久性が高い・毛玉ができにくい
「 耐久性が高い・毛玉ができにくい 」
この点に関しては、本当に優秀だと感じています。ウィックロンTシャツを選ぶ理由の一つでもある。
学生のとき、はじめて買ったウィックロンTシャツ。現在もラインナップがある定番の山男デザイン。使い始めてかれこれ10年経ちました。
現在は襟シャツを好むので部屋着となっていますが、山で着ていた頃よりも使用頻度は高いです。さすがに使用感はありますが、全然穴が空かないし、ほつれもほぼなし。
シワにもならないので、ぐしゃぐしゃの状態でザックに突っ込んでも大丈夫。雑に扱いすぎて可哀想なくらいですが、なんだかんだそれくいがちょうどいい気がします。
毛玉に関しても、毛玉っぽいのが少し出てきたかな?程度。3〜4年くらいのものはまだまだ綺麗です。
首元や裾のヨレも特にない。色落ちはさすがに多少していますね。
ちなみにこの山男Tシャツは、スペインのロングトレイル「カミーノ巡礼」でも使用したもの。1ヶ月ほぼ毎日ゴシゴシ手洗いして、ギュウギュウ絞っていました。それでも毛玉はほとんどできず、生地の伸びもないのだからすごい。
こちらは、好きなブランドの一つ「RIDGE MOUNTAIN GEAR」のTシャツ。
10回ほどの使用でモケモケ感が出て、写真ではわかりにくいですが毛玉も発生。ちょっとみすぼらしい見た目になってしまいました。
同じコットンライク、同じ化繊でもこれほど違いがあります。耐久性重視の方には、ウィックロンTシャツ本当におすすめです。
UVカット効果もある
紫外線遮へい率は90%以上ですが、効果は生地の色によって多少異なります。濃い色の方が効果は高く、薄い色の方が低い。これはどのメーカーのTシャツ(街着)でも同じです。
特に、白系の色は"反射による日焼け"が起こります。黒系の色は光を吸収しますが、白系は跳ね返す率が高いので日焼けを考慮するなら濃いめの色がおすすめ。
価格が良心的・コスパ最強
コスパ最強といえばモンベル。ウィックロンTシャツの価格は現在2,500〜3,000円ほど。
3,000円で10年以上着られるなら十分です。逆に、ダメにならないから"溜まっていく"問題が発生するほど。欲しいデザインを毎年買っていたらキリがない。モンベル製品はコスパのいいものが多いですが、その中でもウィックロンTシャツは上位だと思います。
アウトドアは汚れるし、ガシガシ使ってなんぼ。大人にはもちろん、子どもの外遊び用のTシャツとしてもおすすめです。
モンベルのご当地限定Tシャツ
最近は、ノースフェイスのご当地や山小屋限定のTシャツを見かける機会が増えました。モンベルにも限定Tシャツがたくさんあります。
鷲羽岳に動物たちが隠れているかわいいデザイン。ご当地Tシャツは基本的に男女兼用ですが、少ないですが女性用もあります。大雪山や御在所、立山など。
山形はさくらんぼと県鳥のオシドリ
\ 各地のデザイン、販売店舗はこちら /
モンベルの襟シャツ「ウィックロンドライタッチ」もおすすめ!
画像出典:モンベル
ウィックロン素材にはいくつか種類がありますが、襟シャツを好む方には「ドライタッチ」シリーズがおすすめです。半袖、長袖両方ラインナップがあります。
生地に凸凹の加工が施してあり、肌に触れる面積を少なくすることで肌離れを良くしています。通常の襟シャツに比べて汗をかいたときのベタつき感が確かに少なく、肌離れが良いので夏場は快適です。
洗濯をしてもシワにならないので、仕事着にもおすすめ◎
\「ウィックロンドライタッチ」はこちら /
モンベルにウールの半袖(襟)シャツも登場!ニオイを気にするなら「メリノウールライトショートスリーブシャツ」
出典:モンベル
「ウールの半袖の襟シャツってないのかな?」と思っていたとき、山と道から販売されました(後述)。
そして、1〜2年ほど前にモンベルにも登場。ただ、山と道がメリノウール100%であるのに対し、モンベルは70%。耐久性や速乾性、ウールの弱点である歪みや縮みを考慮して30%化繊のハイブリット素材です。重量は10g程度の違いがあれど、両者とも大体同じ。
価格は7,000~8,000円ほど山と道が高いです。「メリノウールの半袖襟シャツを試してみたい」「ある程度ニオイを抑えられればいい」という場合、モンベルの方がコスパがいいかと。メリノウール100%にこだわるなら山と道。
「メリノウールライト」シリーズはTシャツもあるので、Tシャツを好む方はそちらを。
\「メリノウールライト」のシャツはこちら /
山と道「Merino Short Sleeve Shirt」は縦走に最適なウールの半袖襟シャツ!
縦走中の"ニオイ"問題を解決してくれるのは天然素材のウール。ウールの襟シャツ(半袖)がほしいなあと思っていた頃、山と道で販売され迷わずポチりました。
\ ウールの特徴!好まれる理由は? /
◾︎ 調湿機能に優れ「夏は涼しく冬は温かい」( オールシーズン快適 )
春〜秋にかけて本当によく着ていましたが、近年の夏山の暑さに耐えられず縦走も化繊に戻りました。詳細は下記記事をご覧ください。
真夏の出番はなくなりましたが、秋〜春の涼しい季節では今も活躍しています。
\「メリノショートスリーブシャツ」のポイント /
◾︎ ウールだけど耐久性抜群!
ウールの特性を存分に活かすため、山と道は"メリノウール100%"にこだわっています。
3〜5日程度の縦走ではまず臭わない。ウールは"吸湿機能"に優れるため、湿度の高い雨や霧での登山では快適です。蒸れやすいレインウェアの中に着るシャツとしても有効。
生地はテロッ!パリッ!としていて「え?これウールなの?」と疑ったし、化繊じゃないことに驚かれます。見た目は完全に化繊シャツ。
重量は女性用Sサイズ(旧モデル)で実測142g。化繊に比べると重量はありますね。山と道「UL ショートスリーブシャツ」は63gなので、倍以上です。
ボタンはスナップボタン。上からでも下からでも生地を左右に引っ張れば、バチバチバチバチッ!と、一気に開けられます。スナップボタンは糸がほつれて取れてしまう厄介さがないため気に入っています。
めちゃくちゃ気に入っているポイントは"ボタンを留めることで襟を立てられる"こと。首元の保温性が向上します。風や冷気が寒いときに重宝するし、日除け対策にもなります。
ストレッチ性はありませんが、背中の左右2箇所にタックが入っており(*現モデルは真ん中1箇所)、突っ張り感のないつくり。見頃もゆとりがあり、モンベルのSサイズの襟シャツよりも動きやすいです。
\ ウールの弱点は? /
◾︎ シワになりやすい
◾︎ 虫に食われやすい
天然繊維のウールの弱点は主に「歪み・縮み・耐久性の低さ」。アウトドアウェアは縮み防止の加工で洗濯機OKのものがほとんですが、多少影響を受けるものもあります。大きな差は感じていませんが、新品に比べたら袖が少し短くなったかもしれません(わからないくらいの差なので気にせず)。
写真からもわかるように、洗濯後は結構シワシワ。干すときはできる限りピシーッ!と伸ばしますが、見た目でわかるくらいのシワですね。面倒なので滅多にアイロンはかけませんが、お遍路を歩いたときはちょっと不恰好だったかなと(街が多いので)。
虫食いは今のところありません。通常のウールとは違いパリッ、テロッとしているため、擦れや引っかかりには強いです。購入して4年以上経ちますが、色が褪せたくらい。穴あき、破れ、ほつれ、毛玉は今のところありません。ウール製品としては耐久性が良いと感じています。
速乾性は化繊に劣るので、ザックを背負い直すときヒヤッとします。春や秋の気温差が大きい時期は特に、このヒヤッ!が苦手。一般的には「ウールの方が汗冷えしない」といわれますが、個人的にはウールの方が汗冷えします。
おそらく代謝がいいので、汗の量とウールの速乾性が驚くほど釣り合っていないのだと思います。私の場合"濡れても温かい"ウールの特徴を夏はまるで感じません(冬はある程度感じます)。
ウールの半袖襟シャツ自体現段階では少ないので、薄めの襟シャツをお探しであれば山と道「メリノショートスリーブシャツ」はおすすめです。
\ 詳細は「山と道」HPをご覧ください /
穴がすぐ空いてしまったウールTシャツ「100%Merino Light French Sleeve」
ウール製品といえば「Icebreaker」や「Smart Wool」が有名ですが、山と道のウールTシャツを選んだ理由は"サイズ感がちょうどいい"から。
以前は「Icebreaker」を使用していましたが、女性用のXSでもダボっと大きめで。首元が少し広く、ウールの重みもあって見た目が全然キマらなかった・・・
山と道でリベンジ。日本メーカーなのでサイズ問題はなんなくクリア。ぴったりでした。首回りも広すぎず、着丈もちょうど良い。ただ、アームカバーと合わせるには袖丈がちょっと短い。もう少し長ければ隙間もできずいい感じなのですが。
Tシャツはパリっとした襟シャツに比べて柔らかく、肌触りは本当にいいです。
ウールとしての機能や弱点は襟シャツと変わりませんが、襟シャツに比べて耐久性は低いと思います。数回使用しただけで穴が空いてしまいました。生地が柔らかいので、枝の引っ掛かりには弱い印象。
使用していて気になる点は、汗をかいたときの"ウール特有のニオイ"。濡れたときに、もわっと羊を感じます。襟シャツよりもTシャツの方が強い印象です。しかし、これは「Icebreaker」でも同じ。乾いてしまえば無臭です。天然の消臭機能も文句なし。
Tシャツと襟シャツどちらが好きかといえば、私は襟シャツ。シャツの使いやすさとウールの特性が合わさった、理想のトレイルシャツ。ただ、近年は暑すぎるので縦走では化繊を使用しています。
\ 詳細は「山と道」HPをご覧ください /
まとめ
日本の高温ジメジメ、年々暑くなる高山帯。とにかく夏を快適に過ごしたい一心で山シャツを探してきました。
◾︎ 極薄のトレイルシャツなら山と道「UL ショートスリーブシャツ」
◾︎ ウールの山シャツなら耐久性が良い山と道「メリノショートスリーブシャツ」
入門〜上級まで使える機能性でありながら、手に取りやすい価格設定。これから山をはじめる方、ちょっと登ってみようかな?という方は、モンベルを覗いてみてください。
そして、縦走やロングトレイルに適した山と道。シンプルながら細やかで便利なデザインになっています。昨年デビューした「UL ショートスリーブシャツ」は夏山の救世主。
体感は人それぞれなので「これが山シャツの決定版だ!」というものも人それぞれではあります。しかし、ご紹介した山シャツは万人におすすめです◎
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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