歩き人たかちです(@takachi_aiina)
夏山で、シュラフのフードまで被って寝ますか?
被るほど寒いでしょうか?
フードがあるから被っていたものの、別になくても寒くない。ただ、ぬくぬくしたいだけ。振り返れば、そんな気もします。
低山やキャンプ場では、暑くてシュラフに入ることすらできない。
どうせ使わない(使わなくてもいい)なら、シュラフのフード分、軽くした方がよくないか?
モンベル「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」が発売されたとき、飛びつきました。
身長が低い女性(150cm前後)は、ダウンが封入されている部分が肩までくるので、むしろ、普通のシュラフより温かく感じることも(自分は147cm)。
使い方次第で、とても便利な"ハーフレングス"をご紹介します。
*モデルチェンジで「シームレスダウンハガー800ハーフレングス#3」になりました
女性用がありがたい!シュラフはすべて「モンベル」
\ 使用しているシュラフ /
◾︎ ダウンハガー800 ハーフレングス#3
◾︎ ダウンハガー800 #1(女性用)
*登山メイン、かつ、ハーフレングスの購入により#5は使う頻度が極端に少なくなったため、手放しました
私が、モンベルのシュラフを使う理由は、"女性用がある"から。
出典:モンベル
\ 各モデルの対応身長 /
◾︎ ロングサイズ:〜190cm
◾︎ レディースモデル:〜173cm
\ 女性用シュラフのポイント /
◾︎ 173cmまでのショートサイズ
保温力を高めるポイントは、"動かない空気の層"をつくること。
隙間が大きいほど空気は動き、ダウンの保温力は最大限発揮されません。
そのため、ウェアでもシュラフでも、隙間の少ない"ぴったりサイズ"の方が温かい。
レギュラーサイズは、自分にはガバガバ。隙間だらけで、無駄な生地を持ち歩いていることにも納得がいかない。
男性でも、サイズが合えば女性用でOK。その場合、細身のつくりなので、実際に店舗で試すことをおすすめします。
モンベルのシュラフは何番がおすすめ?最初の1個に選ぶのは?
モンベルの3シーズンモデルは「#3」。特別、寒がりでない場合、保温性・重量・コンパクトさのバランスがいい「#3」がおすすめ。
しかし、他メーカーの3シーズンモデルと比較して、「モンベルの3シーズンは寒い」とも言われます。
アウトドアショップ「ハイカーズデポ」のオーナー土屋さんも「モンベルの#3はちょっと寒い」と仰っていました。
実際、寒がりの人は「#2」を選択。体感は人それぞれですが、寒ければ、インナーシーツの使用や、ダウンを着用して就寝するなど"足す"選択も可能。
高山メインの場合、「寒がりだから#2」でもいいと思いますが、幅広い標高、特にキャンプ場や低山で使用したい場合、#2だと暑いです(夏)。
\ 温度域の見方はこちら /
出典:モンベル
*対応温度域はあくまで"目安"です。個人の体感により変わります。快適温度は、薄手の衣類で就寝した場合を想定
特に寒がりではない私は、「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」を購入するまで、3シーズンは「ダウンハガー800 #5」を使用していました。
#5は、キャンプや標高低めの夏山モデルですが、サイズと重量を優先してしまい、失敗したなあ、と後悔。
それでも、寒ければ着込む形式で、5月の縄文杉や小川山キャンプ場、夏山の3000m、9月下旬の涸沢、11月の雨飾り山などなど。わりと頑張って使っていました。
雨飾山の登山口にあるテント場。11月上旬、標高1200m。ダウンを上下着用しましたが、さすがに寒くてまともに寝れませんでした(#5)。
登山で使うなら、#3か#2がおすすめ。軽量コンパクトでも、#5はやめた方がいいです(大抵買い替えることになる)。
現行は「シームレス」シリーズ!メリット・デメリットは?
出典:モンベル
モンベルの現行モデルは、「シームレスダウンハガー」というもの。
これは、ダウンの片寄りを防ぐための隔壁(ダウンの移動を防ぐための仕切り)をなくした構造。縫製がないため、ダウンが頭から足まで、縦横無尽に動ける仕組み。
縫製部分は、表と裏の生地がくっつきダウンがないため、"コールドスポット(冷気が入る・感じる場所)"になります。
コールドスポットをなくして、保温力を上げよう!と開発されたのが「シームレスダウンハガー」。
出典:モンベル
中には、"スパイダーヤーン"という特殊な糸が張られ、一定量のダウンが絡みつくシステム。隔壁で仕切らずとも、最低限の温かさを保ちます。
メリットは、"重点的に温めたい部分にダウンを集められる"こと。
「足が寒い」と思ったら足もとに、「お腹や腰を冷やしたくない」と思ったらお腹周りにダウンを集めて、集中的に温められる。
デメリットは、風が強い中で使用すると、風に押されてダウンが移動してしまうこと。
テントで使う分には問題ありませんが、たとえば、ロングトレイルなどで"カウボーイキャンプ"をするとき(テントを使用しないキャンプ)。スタイルによっては、寒さと闘うことも。
モンベル「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」概要
シームレス ダウンハガー800 ハーフレングス#3 |
シームレス ダウンハガー800#3 |
|
重量 | 365g (386g) |
504g (532g) |
収納 サイズ |
∅12×24cm | ∅13×25cm |
温度 | ◾︎ 快適温度:4℃ ◾︎ 使用可能温度:-1℃ |
◾︎ 快適温度:4℃ ◾︎ 使用可能温度:-1℃ |
価格 | ¥26,400(税込) | ¥34,100(税込) |
\「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」の特徴 /
◾︎ ダウンの範囲は"みぞおち"のあたりまで
◾︎ 間口は広めのつくり
◾︎ ドローコードは2段階
◾︎ 足もとはジッパーで開閉
「スーパースパイラルストレッチシステム」で抜群のストレッチ性
出典:モンベル
モンベル独自のストレッチ構造「スーパースパイラルストレッチシステム」。
生地を縫う糸には、"糸ゴム"を採用。生地を寄せ集めて縫い、クシャッとしていることがポイント。
生地にはストレッチ性がないため、寄せた分だけ生地が広がります。寝返りも、シュラフ内でのあぐら姿勢も、窮屈ではありません。
*現在の「シームレス」シリーズは、糸ゴムが内側に搭載されています
\スーパースパイラルストレッチシステム採用モデル /
◾︎ ドライ シームレス ダウンハガー900
◾︎ シームレス ダウンハガー800
◾︎ シームレス ダウンハガー800 Women’sシームレス ダウンハガー800 ハーフレングス
◾︎ ダウンハガー650
◾︎ シームレスバロウバッグ
◾︎ シームレスダウンハガー800 サーマルシーツ
*ダウンハガー650以外、内側に搭載
また、このストレッチ性には、もうひとつ役割があります。
ダウンハガーの「ハガー」は、「ハグ」の意味。"シュラフにハグされているようなフィット感"を実現し、余分な隙間をなくしています。
以前、モンベルのシュラフには「アルパインダウンハガー」と「ダウンハガー」の2種類がありました。違いは、「スーパースパイラルストレッチシステム」が採用されているかどうか。採用されていない「アルパインダウンハガー」は廃盤になっています。
ダウンの範囲は"みぞおち"あたりまで
出典:モンベル
ダウンの封入は、男性の平均身長で"みぞおち"あたりまで。
上部は、一枚地のナイロンのシェルになっています。シェルの長さは約40cm。
上半身は、ダウンを着用することを前提にして、軽量化を図っています。
間口は広めのつくり
「ハーフレングス」シリーズは、サイドジッパーがありません。その分、間口が広くつくられており、出入りの窮屈さはなし。
ドローコードは2段階
ドローコードは2段階。一番上と、シェルとダウンの切り替え(接続)部分にあります。
フードがない、かつ、間口が広いため、ドローコードを締めないと、寝ている間にシュラフが下へ下へ・・・
肩まで覆うときは一番上、暑くて肩を出すときはシュラフ側のドローコードで調整します。
足もとはジッパーで開閉
足元にはジッパーがあるので、暑ければ足を出して寝られる。
ペンギン歩きのようにはなりますが、足を出して歩けるので、「星を見たいな〜、でも寒いな〜」というときは、シュラフに入ったまま鑑賞。そのままイスに座るのもあり。
ただ、足のジッパーは広くないので、転倒にはご注意を。個人的には、もう少し幅が広いと、歩くのも、足を出して寝るのも、便利だと思います(マミー型だから仕方ない)。
実際に使用してみて
\ 満足しているポイント /
◾︎ 全体的に隙間がなく、温かくて無駄がない
◾︎ #5より軽量コンパクトで温度域はワンランク上
◾︎ 他のシュラフと合わせやすい(冬)
低身長はダウンの領域に肩まですっぽり!保温性UP!
ダウンが封入されている長さは、約150cm。
150cm前後の小柄な女性の場合、肩までダウンを被せることが可能です。
*どの程度ダウンで覆えるか、動きにくくないか、などは店頭でお試しください
私が、「ハーフレングス」を購入しようと思った、一番の理由はこれでした。
女性用モデルでも173cmまで対応しているので、足もとが結構あまる。
また、以前の女性用モデルは、足元にダウンが増量されていました(現在はシームレスのため増量なし)。しかし、その範囲まで足が到達しないという・・・
「ハーフレングス」のダウンの領域に肩まで収まるので、余分な隙間ができず保温性も向上。
頭が寒ければ、シェル部分をフードにすればいい。ドローコードを使えば完璧です。
軽量コンパクトで温度域はワンランク上
「ハーフレングス#3」は、通常モデルの#5よりも軽く、保温性(温度域)はワンランク上。
シームレスダウンハガー800 #3 | シームレスダウンハガー800 ハーフレングス#3 |
|
重量 | 531(555)g *()内はスタッフバッグ含む総重量 |
365(386)g |
収納サイズ | ∅13×26cm(3L) | ∅12×24cm(2.4L) |
快適温度 | 4℃ | 4℃ |
使用可能温度 | -1℃ | -1℃ |
*現行モデルで比較
通常モデルの#3との重量を比較すると、139g軽い(現行モデル・スタッフバッグ含まず)。
*ご紹介している旧モデルの重量は418g(現行モデルより重い)使用可能限界温度は−2℃。
防寒着は必ず持つアイテムだし、持っているならフル活用させればいい。100g以上の軽量化は、小さいようで大きいです。
他のシュラフと合わせやすい
フードのあるシュラフと重ねて使いやすい
冬用のモデルがなくても、手持ちのシュラフを重ねることで、冬に対応できます(それぞれの温度域次第)。
しかも、冬用のシュラフを使うより、シュラフを2つ重ねた方が温かく感じることも。
「ハーフレングス」はフードがないため、フードありのシュラフと重ねるときも嵩張りません。
冬用のシュラフはいいお値段なので、自宅にシュラフが2つある場合は、重ねる寒さ対策もおすすめです。
寒いときは「インナーシーツ」をプラス
#3では少し寒いかな〜、というときは、インナーシーツをプラスしています。
私が使用しているのは、モンベル「シルクシーツ」。軽くて、薄くて、めちゃくちゃお気に入りですが、残念ながら廃盤になってしまいました。
1枚足すだけで保温性が向上。外側に「シュラフカバー」を足す手もありますが、インナーシーツだと"シュラフが汚れにくい"のでおすすめ。最近は、汚れ対策としてセットで持ち歩いています。
山小屋でも大活躍。夏に、標高の低い場所でキャンプをするときは、インナーシーツをメインで使い、お腹にシュラフをバサっとかけるスタイル。
モンベル「シルクシーツ」は洗濯機でも洗えるので、メンテナンスもらくちん。ニュージーランドのロングトレイルにも、持って行きました。
\ インナーシーツ・シュラフカバーについてはこちら /
「ハンモック」との相性がいい
「ハーフレングス」のシュラフは、ハンモックと相性がいいです。
足元のジッパーを開けてハンモックを中に通し、ハンモックごと包めます。
ダウンは、"つぶれると保温力を発揮できない"ため、身体に押しつぶされている背中側などは、無駄になってしまう。
そのため、ハンモックの中でシュラフを使うのではなく、"外から包みこむ"のは、ダウンの保温力を最大限活用できて効率的。
ハンモッカーは、「ハーフレングス」使用率が高いです。
「ハーフレングス」のデメリット
暑くてシュラフに入りたくない、でも、寝ているうちに寒くなる。そんなときは、サイドジッパーを全開にして、掛け布団のように使うのがちょうどいい。
しかし、サイドジッパーがない「ハーフレングス」は、それができない。
山のテント場では問題ないですが、有人小屋でシュラフ持参のときとか(有人小屋だと暖かいことが多い)、キャンプとか。
オールマイティに使いたいとき、使い方がちょっと限られてしまうのがデメリット。
まとめ
◾︎ 低身長でシュラフの隙間を少なくしたい
◾︎ シュラフを重ねて使いたい
◾︎ ハンモックに合うシュラフがほしい
はじめの1個に選ぶには勇気がいると思いますが、シュラフの軽量化を考えている方や、小柄な女性の方は、「ハーフレングス」は検討の価値あり。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
\ 生地がお役に立ちましたら /
よろしければ、応援よろしくお願い致します
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