歩き人たかちです(@takachi_aiina)
夏山で、シュラフのフードまで被ること少ないな
フードがあるから被っていたものの、夏山では特に、被らなくても寒くないし(気象状況による)、フード付きのウェアを1枚は必ず持っている。
使う頻度が少ないなら(使わなくてもいいなら)、フード分を軽くしてしまえ!
ということで、モンベル「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」を3シーズン用に購入。
*現行品は「シームレスダウンハガー800 ハーフレングス#3」にモデルチェンジしています(2025年8月時点)
身長が低い自分には(147cm)もってこいのアイテム。使い方次第でとても便利な"ハーフレングス"のシュラフご紹介します。
女性用がありがたい!愛用しているモンベルのシュラフ
\ 使用しているシュラフ /
◾︎ ダウンハガー800 ハーフレングス#3
◾︎ ダウンハガー800 #1(女性用)

私が、モンベルのシュラフを使う理由は、"女性用がある"から。
出典:モンベル
\ 各モデルの対応身長 /
◾︎ ロングサイズ:〜190cm
◾︎ レディースモデル:〜173cm
\ 女性用シュラフのポイント /
◾︎ 173cmまでのショートサイズ
保温力を高めるポイントは、"動かない空気の層"をつくること。隙間が大きいほど空気が動き、ダウンの保温力を最大限活かせません。
ウェアもシュラフも、隙間が少ない"ぴったりサイズ"を選ぶことが保温力を上げるポイント。
レギュラーサイズだと、私には足元がガバガバ。隙間だらけだし、無駄な生地とダウンを持ち運んでいることにも納得がいかない(女性用でもまだ大きいけど)。
あえて女性用を選ぶ男性もいます。モンベルの女性用は細身のつくりなので、実際に店舗で試すことをおすすめします。
モンベルのシュラフは何番がおすすめ?最初の1個に選ぶのは?
モンベルの3シーズンモデルは「#3」。特別寒がりでない場合、保温性・重量・コンパクトさのバランスがいい「#3」がおすすめ。
しかし、他メーカーの3シーズンモデルと比較して、「モンベルの3シーズンは寒い」とも言われます。実際、寒がりの友人・知人は夏山で「#2」を使っています。
アウトドアショップ「ハイカーズデポ」のオーナー土屋さんも「モンベルの#3はちょっと寒い」と仰っていました。
シュラフを大きく(重く)したくない場合はインナーシーツの使用や、ダウンを着用して就寝するなどの対策を。
高山メインで使用する場合「寒がりだから#2」でもいいと思いますが、夏のキャンプ場や低山では#2だと暑いです(ジッパーで解放できるなら、掛け布団として使えるので気にしなくてもいいかも?)。
\ 温度域の見方はこちら /
出典:モンベル
*対応温度域はあくまで目安。個人の体感により変わります。快適温度は"薄手の衣類"で就寝した場合を想定
私は寒がりではないので、「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」を購入するまで、3シーズンは高山でも「ダウンハガー800 #5」を使用していました(最初に購入したシュラフ)。
#5は夏のキャンプや低山に推奨されるモデルですが、サイズと重量を優先してしまい後悔しました。
寒いときは着込み、5月の縄文杉や小川山キャンプ場、夏山の3000m、9月下旬の涸沢、11月の雨飾山など、春〜秋にかけて使っていました。
雨飾山の登山口のテント場。11月上旬、標高約1200m。ダウンを上下着用しましたがさすがに寒くて、#5ではまともに寝られませんでした。
登山なら、「#3」か「#2」がおすすめ。軽量コンパクトを優先して「#5」を最初のシュラフにすると、買い替える確率が高いと思います。
モンベルのシュラフ現行は「シームレス」!メリット・デメリットは?
出典:モンベル
モンベルの現行モデルは、「シームレスダウンハガー」。表面に縫製がなく、ツルッとした見た目。
ダウンの片寄りを防ぐための隔壁(ダウンの移動を防ぐための仕切り)をなくした構造。縫製がないので、ダウンは頭から足まで縦横無尽動きます。
\「シームレス」のメリット /
◼︎ 重点的に温めたい箇所にダウンを集められる
縫製箇所は、表と裏の生地がくっつきダウンがないため、"コールドスポット(冷気が入る・感じる場所)"になります。
コールドスポットをなくして保温力を上げよう!と開発されたのが「シームレスダウンハガー」です。
出典:モンベル
中には"スパイダーヤーン"という特殊な糸が張られ、一定量のダウンが絡みついています。隔壁で仕切らなくても、最低限の温かさを保つ仕組み。
スパイダーヤーンに絡みついていないダウンは自由に動かせるので、"重点的に温めたい部分にダウンを集める"ことが可能。
「足が寒い」なら足もとに、「お腹や腰を冷やしたくない」ならお腹周りにダウンを集めて、集中的に温められます。
\「シームレス」のデメリット /
タープ泊やロングトレイルでカウボーイキャンプ(テント類を使用しない青空キャンプ)をするとき、風が強いと"風に押されてダウンが移動する"自体が発生することも。
風の影響を受けない通常のテント泊では特に問題ないので、使い方次第ではデメリットになる、という感じです。
モンベル「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」概要
*「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」は旧モデルです
シームレス ダウンハガー800 ハーフレングス#3 |
シームレス ダウンハガー800#3 |
|
重量 | 365g (386g) |
504g (532g) |
収納 サイズ |
∅12×24cm | ∅13×25cm |
温度 | ◾︎ 快適温度:4℃ ◾︎ 使用可能温度:-1℃ |
◾︎ 快適温度:4℃ ◾︎ 使用可能温度:-1℃ |
価格 | ¥26,400(税込) | ¥34,100(税込) |
*現行品「シームレス」の比較。最新の価格はモンベル公式サイトでご確認ください
\「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」の特徴 /
◾︎ ダウンの範囲は"みぞおち"あたりまで
◾︎ 間口は広めのつくり
◾︎ ドローコードは2段階
◾︎ 足もとはジッパーで開閉可能
「スーパースパイラルストレッチシステム」で抜群のストレッチ性
出典:モンベル
モンベル独自のストレッチ構造「スーパースパイラルストレッチシステム」。
生地を縫う糸に"糸ゴム"を採用。生地を寄せ集めて縫い、クシャッとさせることでストレッチ性を出しています。
生地にはストレッチ性がないので、寄せた分だけ生地が広がる仕様。寝返りも、シュラフ内でのあぐら姿勢も窮屈ではありません。
*現在の「シームレス」シリーズは、内側の縫製に糸ゴムが使われています
また、糸ゴムと寄せ集めの縫製によるストレッチ性にはもうひとつ、"身体にフィットさせることで保温性を上げる"役割があります。
ダウンハガーの「ハガー」は、「ハグ」の意味。抜群の伸縮性を活かして"シュラフにハグされているようなフィット感"を実現し、余分な隙間をなくして保温性を高めていることがポイント。
以前、モンベルのシュラフには「アルパインダウンハガー」と「ダウンハガー」の2種類がありました。違いは、「スーパースパイラルストレッチシステム」が採用されているかどうか(「アルパインダウンハガー」は現在廃盤)。
ダウンの範囲は"みぞおち"あたりまで
出典:モンベル
ダウンの封入範囲は、"男性の平均身長でみぞおちあたり"まで。長さは測ると、約150cmでした(旧モデル)。
上部は、一枚地のナイロンのシェルになっています。シェルの長さは約40cm。上半身はダウンを着用することを前提に、軽量化しています。
間口は広めのつくり
「ハーフレングス」シリーズは、サイドジッパーがありません。その分、間口は広めにつくられているので、出入りの窮屈さはなし。
ドローコードは2段階
ドローコードは一番上と、シェルとダウンの切り替え部分の2箇所。
フードがない、かつ、間口が広いため、ドローコードを締めないと寝ている間にシュラフがズリ下がります。
肩まで覆うときは一番上、暑くて肩を出すときはダウン側のドローコードで調整。
足もとはジッパーで開閉可能
足元にはジッパーがあるので、暑ければ足を出して寝られる。
ペンギン歩きのようになりますが、一応足を出して歩けるので、「星見たいな〜。でも寒いな〜」というときは、シュラフに入ったまま外に出て鑑賞。シュラフにくるまった状態で椅子に座れるので、キャンプにも使いやすい。
ただ、足もとのジッパーは広くないので、転倒には要注意。もう少し幅が広いと便利ですが、マミー型なので仕方ない(隙間をなくす意味でも)。
「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」使用レビュー
\ 満足しているポイント /
◾︎ 全体的に隙間が少なく温かい
◾︎ #5より軽量コンパクトで温度域はワンランク上
◾︎ インナーシュラフとして使いやすい(寒い時期)
低身長はダウンの範囲に肩まですっぽり!
ダウンが封入されている範囲の長さは、約150cm。身長147cmの私は、ダウンの範囲に肩まですっぽり入ります。
「ハーフレングス」でも肩までダウンの恩恵を受けられて、足もともぴったりなので余分な隙間ができず保温性も◎。
私が"ハーフレングス"のシュラフを購入しようと思った一番の理由はこれ。
通常のシュラフは女性用でも173cmまで対応のため、私の場合、20cm以上の余ります。
以前の女性用モデルは足元にダウンが増量されていましたが(現在はシームレスのため増量なし)、その範囲まで足が届かないという無駄も・・・
ダウンがないシェル部分を頭に被ることもできるので、少し寒いときはドローコードを使ってフード代わりにしています。
軽量コンパクトで温度域はワンランク上
「ハーフレングス#3」は、通常モデルの「#5(夏のキャンプ・低山用)」よりも軽く、保温性(温度域)はワンランク上。
シームレスダウンハガー800 #3 | シームレスダウンハガー800 ハーフレングス#3 |
|
重量 | 531(555)g *()内はスタッフバッグ含む総重量 |
365(386)g |
収納サイズ | ∅13×26cm(3L) | ∅12×24cm(2.4L) |
快適温度 | 4℃ | 4℃ |
使用可能温度 | -1℃ | -1℃ |
*現行モデルでの比較(2025年8月時点)
また、通常モデルの「#3」と重量を比較すると、139gの軽量化になります(手持ちの旧モデルは418g)。
防寒着は必ず持っているので、フル活用すればいい。一つのアイテムで100g以上の軽量化は大きいです。
インナーシュラフとして使いやすい

「#5」と「#3」の組み合わせ
フードなしのハーフレングスは"インナーシュラフ"としても活用でき、他のシュラフと合わせて寒い時期も使いやすい。
他のシュラフがあり、冬用を買うほどではない場合は組み合わせで対応を。
寒いときは「インナーシーツ」を足す
春秋など、シュラフだけだと寒いときはインナーシーツをプラス。1枚足すだけで保温性が上がります。
私が愛用しているのは、モンベル「シルクシーツ」。軽くて、薄くて、めちゃくちゃお気に入りですが、残念ながら廃盤になりました。
外側に「シュラフカバー」を足す手もありますが、インナーシーツは"シュラフが汚れにくい"のでおすすめ。近年は、シュラフの汚れ対策として夏山でも持ち歩いています。山小屋でも大活躍。
標高が低いキャンプ場で登山の前泊をするときは(夏)、インナーシーツ単体で寝ることも。「#3」だと暑いので、寒さを感じたらお腹にシュラフをバサっとかけるスタイル(モンベルのハーフレングスは側面にジッパーがないので掛け布団にはできない)。
洗濯機で洗えるタイプのインナーシーツならメンテナンスもらくです。
\ インナーシーツ・シュラフカバーについてはこちら /
「ハンモック」との相性がいい
「ハーフレングス」のシュラフは、ハンモックとの相性も抜群。
足元のジッパーを開けてハンモックを中に通すことで、ハンモックごと包めます。
"ダウンはつぶれると保温力を発揮できない"ため、身体に押しつぶされている背中側は保温力を失いますが、ハンモックの中でシュラフを使うのではなく"外から包みこむ"ことで、保温力を最大限活かせます。
ハンモッカーは、「ハーフレングス」シュラフの使用率が高いです。
モンベル「ハーフレングス」シュラフのデメリット

通常のシュラフのサイドジッパーを開けた状態
暑くてシュラフに入れないときは(インナーシーツだけだと寒い)、サイドジッパーを全開にして掛け布団のように使うのがちょうどいいですが、モンベルの「ハーフレングス」シリーズにはサイドジッパーがありません。
標高が低いキャンプ場やシュラフ持参の山小屋では、これが少し困る。足もとのジッパーを開け、膝くらいまで出したりして温度調節をしています。
まとめ
\ こんな方にはおすすめ /
◾︎ 低身長でシュラフの隙間を少なくしたい
◾︎ シュラフを重ねて使いたい
◾︎ ハンモックに合うシュラフがほしい
モンベル「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」を5年くらい使用していますが(2025年8月時点)、重量や自分にとって無駄な隙間を考えると、普通のシュラフに戻れなくなりました。
はじめの1個に選ぶには勇気がいると思いますが、シュラフの軽量化を考えている方や、小柄な女性の方は検討の価値があると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
\ 生地がお役に立ちましたら /
よろしければ、応援よろしくお願い致します
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