歩き人たかちです。
アウトドア界で大人気の山と道「5-Pocket Pants」シリーズ。
軽さと履き心地の良さに衝撃を受け、アウトドア全般で愛用しています。
新しく「DW 5-Pocket Pants」を手に入れました。「5-Pocket Pants」と「5-Pocket Light Pants」と合わせて3種類になったのでご紹介します。
山と道の虜に
「山と道のパンツ、めちゃくちゃ履きやすいよ!」
アウトドア仲間からよくお勧めされていましたが、値段のこともあり中々手を出さずにいた山と道。
しかし、2018年に思わず「え?」と思うような軽量商品が。
「5-Pocket Light Pants」
ロングパンツで"124g"いう圧倒的なな軽さ。当時の一般的な薄手のパンツより100g、あるいはそれ以上軽い。
夏はできる限り薄手でいたい私。荷物の重量も減らしたいし、躊躇わずに購入しました。どれほど薄いのか、軽いのか、わくわく。
開封してびっくり。何これ、軽すぎ。
履いてびっくり。何も履いていない感覚。
あまりにも履き心地がよくて、すっかり虜になりました。それからというもの、山と道の沼にハマります。
「5-Pocket Pants」の特徴
ライトパンツから始まった山と道。初めに、3種類の簡単な比較と特徴について。
重量 | 耐久性 | 涼しさ | シルエット | |
Light | 124g | △ | ◎ | やや細め |
DW | 181g | ○ | ○ | やや太め |
5-Pocket | 243g | ◎ | △ | 太め |
*Women’s Sサイズ。2022.9現在、モデルチェンジしているため、重量など多少異なります。
軽くて涼しいライト、丈夫で無骨な5ポケット、2つの中間DWという感じ。
そして、全てのパンツに共通している"5つのポケット"。これがものすごーく使いやすい。
前ポケット2つ。大きめです。
右ポケットにはカラビナループも。
ジッパー付きお尻ポケット一つ。
地図が入る大きめボタンポケット一つ。350mlのペットボトルなら入ります。小さいバッグも持たずに散歩もできる。
右側面にスマートフォンサイズのボタンポケットが一つ。
私は普段ポケットを使いません。特に前ポケットは歩行の邪魔になるので、最も使わないポケット。
しかし、スマホサイズの側面ポケットがとてつとなく使いやすい。
スマホや予備バッテリーなど、硬い電子機器を入れても全く邪魔になりません。山を歩いていても、入れていることすら忘れてサコッシュの中を探してしまったり。自分の中でポケット革命が起こりました。
他にも、自転車にスマホを固定し、モバイルバッテリーを側面ポケットに入れて充電しながら走行しても全然気にならない。実に絶妙な位置にあるのです。
小さめのお財布とか入れるのもよし◎ボタンが付いているので安心です。
ポケットの内側は下部がメッシュになっています。雨が入り込んでも溜まらない構造。ベンチレーション的な役目もちょっとありそう。
撥水も効いています。ただ、撥水加工は生地が薄くなるほど施しにくい、かつ取れやすいため、3種類の中では生地がしっかりしている5ポケットの撥水効果が一番高いと感じます。
5ポケットはタスナイロンという生地で、ライトとDWとは違いますが、同じ生地だとしても生地が厚くしっかりしている方が撥水の効果は高くなります。
ライトパンツは多少の雨なら弾きますが、朝露をたっぷり含んだ笹原などを歩くとすぐにびしょ濡れに。あくまでも「撥水」です。
山と道のパンツはどの種類もゆとりがある履き心地。そのゆとりを出している技術が"いせ縫い"というもの。
長さの違う2枚の生地を縫い合わせる縫い方で、長い生地を短い生地に合わせるため、縮めながら縫っていきます。それにより、長い生地の方が波打つようなデザインになり、立体的に仕上がります。
登山用のパンツは、膝周りを立体的に仕上げる"立体裁断"を施してゆとりを持たせているものが多いです。しかし、山と道では「膝の位置は人それぞれ。膝と立体裁断の位置が合わないと意味がない」とのことで、いせ縫いを採用。
後面はストレートで、前面はふわりとゆとりあるデザイン。立体裁断だと膝だけダボついたり、"THE 登山パンツ"という感じですが、いせ縫いはその野暮ったさがありません。
最軽量。5-Pocket Light Pants
山と道のロングパンツの中で最軽量のライトパンツ。(現在の商品名は「Light 5-Pocket Pants」)
◾︎ とにかく軽くて涼しい
◾︎ 足さばき抜群(無着衣感)
◾︎ 速乾性抜群
◾︎ 持ち運びの負担なし
[ デメリット ]
◾︎ 耐久性が低い
◾︎ 発汗量が多いと張りつく
◾︎ 引きつれが起こりやすい
各モデル、平置きで測ってみました。
股のマチ | 11.5cm |
太もも付け根 | 30cm |
膝 | 19.5cm |
裾 | 15cm |
春〜秋の3シーズン、一番使用頻度の高いパンツです。
2018年の購入当時は男女兼用でしたが、その後Women’sモデルが登場し追加購入しました。
Women’sのSサイズの実測は124g。もう、本当に軽いです。
そして、何より履き心地抜群。初めて足を通して歩いたとき、何も履いていないような感覚でした。実に爽快です。
HPの制作ノートには「身体の一部のように軽い履き心地のパンツを作れたら・・・」とありますが、まさに。
生地はさらりと柔らかく、肌触りは3種類の中で一番よい。
3種類の中では一番シュッとしたデザイン。
*2022年モデルより、DWと同じシルエットになりました。現モデルは旧モデルよりもゆとりがあります。個人的にはそのままでいてほしかった・・・
スキニー感覚の細身のモデルはシュッとしてかっこいいし、ストレッチ性がしっかりあれば歩きやすい。しかし、常に生地が肌に触れています。ストレッチ性で足上げ時のストレスを軽減していますが、何度も繰り返されることで足には疲労が溜まっていきます。
山と道のパンツは歩いているときも足上げ時も「ふわっと」と肌に触れて、大きな干渉はしてこない。個人差はありますが、ゆとりがあることで必要以上に生地を広げる力を使わなくて済み、ストレスになりません。
ストレッチ性も若干あります。一応縦横に伸びる2wayですが、縦にはほとんど伸びないとのこと。確かに縦にはほんのちょっと伸びる程度です。しかし、突っ張りは感じません。
股のマチも広く、3種類の中で一番幅広でした。これにより、岩場の登降など大きく足を広げる場面でもストレスフリー。
しかも、このマチは裾まで続いています。膝下も余裕のあるデザイン。
素材は、山と道が独自に開発した「パーテックス・イクイリブリアム」。ナイロン83%、ポリエステル17%で構成されています。
気になる点は、大量に汗をかくような場面(真夏の無風樹林帯など)ではキャパオーバーとなり、ペタペタ肌に張り付きます。色も結構かわってしまう。
デニール数の違う糸を組み合わせることにより裏地に凸凹を出していますが、本当に"微妙"な凸凹。生地が薄い分吸収できる水分の量が少ないので、発汗量の多い場面では吸水速乾が追いつきません。
速乾性は抜群なのでいつの間にか乾いていますが、汗が止まらないような暑すぎる状況が続くと常に張りついたまま。高温多湿な環境では結構不快です。
今まで履いていたモンベルのパンツではそんなことなかったのですが、ナイロン主体の生地だからでしょうか?
また、岩場や藪漕ぎ、転倒には要注意。軽さと薄さの犠牲は耐久性の低さなので、他に比べると破れやすいです。
初代のライトパンツは3年程使用していますが、穴あきなどはありません。ロングトレイルやアルプスの岩稜帯でも履いています。転倒や引っ掛けがない限り、簡単に破れるようなことはないかと。
ただ、使用していると"引きつれ"が生じ、生地が部分的に波打ちます。説明では生地と体毛が擦れ合うことで起こるとのことですが、男女関係なく起こるし、「UL Shirt」でもかなり起こるようで。生地が薄いものほど生じやすいと思います。
暑い夏には快適ですが、人によっては高山で寒さを感じることも。私はテント泊でも1枚で問題ないですが、友人は「タイツを履かないと朝晩は寒い」と言っていました。
寒ければレインパンツを履けばいいと割り切っていますが、天候や山行スタイルによっては使用を控えたり、寒さ対策が必要です。
ここまでストレスフリーなパンツに出会ったのは初めてで、3シーズンの山歩き、ロングトレイル、旅のパンツ、日常と、あらゆるシーンで重宝しています。
今のところ耐久性にも不満はないので、これからも使い続けたいモデルです。
*** おまけ ***
モンベル「リッジラインパンツ」
山と道の購入以前によく履いていた薄手パンツは、モンベルの「リッジラインパンツ」。重量はSサイズで実測243g。ライトパンツのおよそ2倍ですが、お尻と膝の部分が2wayストレッチになっていてとても履きやすいです。
オールシーズン高頻度で使用していました。ライトパンツの"素足感覚"を知ってしまったので出番が少なくなりましたが、発汗量の多い場面でも生地がキャパオーバーになったことはありません。ナイロンとポリエステルの違い?
クライミングなどでも使用可能。男女ともにおすすめです。
↓リッジラインパンツ Women’s↓
ノースフェイス「アルパインライトパンツ」
ノースフェイスの「アルパインライトパンツ」が巷で話題になったとき、実際に試着してみました。
ストレッチ性抜群で動きやすいパンツでしたが、重量がWomen’sの平均で305gと重め。生地厚も夏場は暑そうだなーという感じで、私にはマッチしませんでした。
秋冬にはいいかなと。
↓アルパインライトパンツWomen’s↓
肌離れ。DW 5-Pocket Pants
2020年に新しく登場した「DW 5-Pocket Pants」。
◾︎ 軽さと耐久性のバランス◎
◾︎ 肌離れの良さ
◾︎ オールシーズン向け
◾︎ 立体感向上
[ デメリット ]
◾︎ ゆとりが気になる(個人的に)
◾︎ 真夏は暑い(個人的に)
股のマチ | 11cm |
太もも付け根 | 32cm |
膝 | 20.5cm |
裾 | 15.5cm |
ライトパンツと5ポケットパンツの中間という位置付けのDW。「ライトパンツでは薄すぎ、5ポケットパンツだと厚すぎ」ということで登場しました。
重量はWomen’sのSサイズで実測181g。(HPだと177g。ライトパンツでもそうでしたが、測り方が悪いのか?)パンツの中ではまだまだ軽いです。
DWを購入した理由は、オールシーズンのパンツが欲しかったから。ライトパンツだと、中にタイツを履いたとしても冬はやはりちょっと寒い。
夏も履けて、冬も調整しながら履ける200g以下のパンツがほしい。そして、欲しいな~と思っているものを作ってくれる山と道。
夏に出番のない"中厚手"や"厚手"のパンツは持っていません。「足し引き」でこまめに調節できるよう、パンツに限らずオールシーズン薄手を好んで使用しています。
DWの特徴は、肌離れがいいこと。
生地はライトパンツと同じパーテックス・イクイリブリアム。より太い糸を織り込むことで生地の凸凹をはっきり出し、ライトパンツの弱点である"肌離れ"を克服しています。
足を通すとザラっとした感触。肌触りや柔らかさはライトパンツの方が優しいですが、発汗時の肌離れは良さそうな感じ。
ウエスト周りまでしっかり凸凹。
5月下旬〜6月上旬にかけて八ヶ岳と平標山をDWで歩きました。平標山では気温が20℃近くの山歩きとなりましたが、ベタつきはなくとても快適。ライトだと朝晩が寒いという時期は重宝しています。
さらに、梅雨明けの7月中旬に月山と鳥海山を歩きました。平地の気温は35〜37℃の猛暑日で終始汗だく。真夏の2000mではさすがに暑かったです。風通しはライトの方がいいので、その点でも暑さを感じました。
また、鳥海山では発汗量が多くキャパオーバー気味に。ライトほどベタつきはありませんでしたが、キャパオーバーになるとやはりちょっと不快感があります。
結論としては、真夏はショートパンツが快適・・・
山と道の製品説明では、「DWが一番はきやすいパンツかもしれない」と書かれています。
肌離れがいいことに加え、太ももから膝のあたりの"いせ"をより多めにとり、太もも全面の立体感を向上。より足の動きを邪魔しない構造になりました。
また、前面は上下のストレッチ、後面は横ストレッチと、部分によってストレッチ性が変わるよう縫製されています。
シルエットは、ライトパンツよりもゆとりがあります。重ねてみても裾までDWの方が太め。
*2022年モデルより、ライトとDWが同じサイズ感(ゆとり)になりました。
お尻周りは一番ゆとりのある5ポケットパンツと同じですが、全体の形状は5ポケットよりもスッキリ。
個人的にはもう少し細身だと嬉しいなと。ダボつき、特に膝下の幅が少々気になります。「5ポケットよりスッキリ」と書かれていますが、大きくは変わらない印象。サイズ感はライトパンツ(*2022年以前のモデル)の方が好きです。
しかし、履き心地はやはり抜群で、歩行時もライトパンツ同様ストレスフリー。"いせ"が多いことで、生地が厚くなっても素足感覚が残されています。
元祖。5-Pocket Pants
山と道の元祖ロングパンツ「5-Pockets Pants」。
◾︎ 丈夫で耐久性◎
◾︎ 風をシャットアウト
[ デメリット ]
◾︎ 夏は暑い
◾︎ ストレッチ性なし
◾︎ ダボつく(個人的に)
股のマチ | 10cm |
太もも付け根 | 32cm |
膝 | 21.5cm |
裾 | 15.5cm |
知り合いから譲り受け、3種類揃いました。
山と道のパンツの中で一番頑丈なモデルの5ポケットパンツ。実測は236g。ライトパンツの約2倍ですが、一般的な薄手パンツと同じような重さです。ライトパンツに慣れてしまうと、鉛のように重く感じる(言い過ぎ)。
生地を触ると"厚い"。頑丈なのでガンガン岩場を攻めたり、藪漕ぎがあるような登山では重宝すると思いますが、夏場はさすがに暑いですね。風通しが悪いのでなおさら。
ただ、夏でも寒い時間帯にじっとするような場面(早朝や夜の写真撮影など)では良い相棒になりそうです。
9月末〜10月上旬、岩手山〜八幡平の裏岩手縦走路を歩きました。暑くもなく寒くもないという感じで、秋冬の山歩きにはちょうど良い。
三ツ石山では10m/s以上の風が吹いていて体感温度は一桁でしたが、1枚でも寒さを感じませんでした。風のシャットアウト具合は◎。朝晩の寒さにもしっかり対応していました。
サイズ感は一番ゆとりがあり、個人的にダボつき具合が少々気になります。ライトパンツ(2022年以前のモデル)に比べ、平置きで太ももと膝周りが約2cm、裾が約0.5cmプラスでした。細身が好きな人にはちょっと気になるかも。
素材は"タスナイロン"というナイロン100%の生地。ストレッチ性がないので、自転車など足を大きく動かす場面ではライト、DWに比べて突っ張りを感じます。
サイズ感のこともあり山での使用は少ないですが、日常の散歩や自転車などでは多用しています。普段使いでは多少のダボつきは気にせず、むしろゆとりがあることでリラックス。
おまけ。5-Pocket Shorts
せっかくなので「5-Pocket Shorts」も。当時の男女兼用モデルを使用しています。
ショートパンツのメリットは"足さばきの良さ"。
膝に生地がないことで突っ張りはゼロ。サクサク足を動かせて、ノーストレス。
デメリットは、「怪我をしやすい」「虫に刺されやすい(かぶれる葉っぱにも注意)」など。
暑さ軽減や疲労軽減などメリットもたくさんあるので、どちらがいいとは言い難いです。山行によってロングとショートを使い分けるのがベストだと思います。
ポケットの構造はロングパンツと同様。重量は実測173gで、DWに近い重量です。
山と道のショートパンツは長さと裾の幅が絶妙で、とても歩きやすいと感じます。
着丈が長すぎず、足の動きに対して生地が全く邪魔になりません。また、ゆとりがあるのでどんなに高い段差でも突っ張らない。
ショートパンツでも細身や長めの丈だと足が上げにくい、太もも部分が突っ張るなど、モデルによってストレスを感じます。
山と道のショートパンツは、ライトパンツ以上に何も身に着けていない感覚を得られます。
ショートパンツのマチも約11cmとたっぷり。
側面にはスリットが入っているので、激しい動きのトレランにも◎。
「ライトショーツ」だとロングパンツ同様、大量発汗時に張り付きを感じるようです。ショートパンツなら夏場でもこの「5ポケットショーツ」で特に問題ありませんが、「DWショーツ」も良さそうですね。
トレラン、スピードハイク、トレッキング、ハイキング、自転車、普段着何でもOK。このショートパンツは一度履くとやみつきになります。
まとめ
常に動かす部位だからこそ、上半身のウェア以上に吟味してこだわりたいパンツ。
夏の暑さや軽さ、速乾性重視であればライトパンツ。軽量と耐久性のバランス、オールシーズン使用を求めるならDW。岩場、藪をガンガン攻められるタフさ重視なら5ポケットパンツ。
山と道はすぐに売り切れてしまうし、試着もなかなかできませんが、個人的にはとても履きやすくておすすめです。ウェアの軽量化にもなりました。
機会があれば是非検討してみてください。
↓3種類の詳細比較情報はHPで↓
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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