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腰荷重のU.L.ザック「ヤマダパックス / yamadapacks」背面長は35cm〜!小柄な女性でもしっかり背負える40L以上の軽量ザック

山 の 道 具

歩き人たかちです(@takachi_aiina)

テント泊縦走のザックとしてif you have「hug」を愛用しています。

しかし、少し前から限界を感じていました。何が限界かというと・・・

"肩"で背負う限界

ULザックは基本的に肩で背負う(肩荷重)仕様なので、得意とする重量は8〜10kg程度。推奨荷重も10kg程度のモデルが多いです。

「hug」も推奨荷重は10kgほど。しかし、4〜5泊になると10kgを超えてしまうこともあります。12〜13kgでスタートすることも多いですが、やはり肩が痛くなってしまう…

身長147cmに合う"40L以上"のULザックは本当に限られる。「hug」も背面長の関係でSサイズは37Lです。しかし、ニュージーランドのロングトレイル「テ・アラロア」では最大8〜10日分の食糧を背負うため、40〜45Lで推奨荷重15kg程度は必要。一からザックを探しなおし、辿り着いたのは・・・

yamadapacks「Backpack45」

*大型ザックのリニューアルで現在は40Lと50Lの展開です

南島 / Melina Ridge Track 正規ルートではなく稜線ルートでHutへ。風の通り道では風速15m/s前後。冬期硫黄岳のような強風に吹き飛ばされそうになりながら、耐風姿勢でなんとか通過

ハイカーズデポの土屋さんにも「最後の砦だね」と言われたザック。そして、2023/2024のシーズンで「テ・アラロア」を歩きました。日本での使用感も良かったですが、海外ロングトレイル4ヵ月間、最高の相棒でした◎

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ハイカーズデポの土屋さんに相談

自分である程度ザックの目処をつけてハイカーズデポへ。

[  自分で検討したザック  ]

◾︎ yamadapacks「Backpack45」
◾︎ OGWANDO「OWN」

[  ハイカーズデポで試着したザック  ]

◾︎ Hyperlite Mountain Gear「WINDRIDER 2400」
◾︎ GOSSAMER GEAR「Gorilla 50」
◾︎ Durston Gear「Kakwa 40」

テ・アラロアのULハイカーは「ハイパーライトマウンテンギア」と「Zpacks」を使っている人が多かった印象です。

Hyperlite Mountain Gear「WINDRIDER 2400」

出典:BAMBOO SHOOTS

ハイパーライトマウンテンギアは背負ってみたかっただけで、土屋さんは苦い顔をしていました。予想通り全然フィットせず。

Sサイズ 38.1- 43.18cm
Mサイズ 43.18cm - 48.26cm
素材 ・ボディ : 50D Dyneema®/Poly Hybrid
・ボトム : Double reinforced 150D Dyneema®/Poly Hybrid
・ポケット : Mesh

Sサイズの背面長が38cm〜なので、もしかして背負える?と思いましたが合わず。そもそも"海外の小柄""日本の小柄"が違うのだと思います。背面長は数字で表せますが"体格"は表せない。背面長の割には肩幅や腰回りが大きめのつくりだと感じました。

テ・アラロアでもこのモデルを使っているハイカーは結構いました。耐荷重が18kgなので、1週間分の食糧も担げます(自分は最大9日分、水2Lを含め18kgになりました)。

人気で在庫切れが多いこと、円安で価格が高騰していることはデメリットですが、ULザックで耐荷重が18kgまであるものは少ないと思うのでそれは強みだと思います。


HYPERLITE MOUNTAIN GEAR(ハイパーライトマウンテンギア)
アメリカメイン州発のUL(ウルトラライト)ブランド。 創始者のマイク・セント・ピエール氏が10年以上前からキューベンファイバーを採用し、超軽量で防水性をプラスした高品質なバックパッキングギアを追及してきました。 近年は、パートナーであるダイニーマの開発社DSM社による世界初のバイオマスベースの超高分子量ポリエチレン繊維...
Hyperlite Mountain Gear - Ultralight Backpacking Gear
Ultralight backpacks, tents, stuff sacks, and backpacking accessories made from waterproof and durable Dyneema® Composite Fabrics (formerly Cuben Fiber). Explor...

公式サイトから個人輸入した方が安いこともあります(そのときの為替、送料次第)。


GOSSAMER GEAR「Gollira 50」

出典:GOSSAMER GEAR

「とりあえず背負ってみて」と渡されたゴッサマーギア「Gorilla 50」。これは背面長うんぬんの前に腰(ウエスト)が全然合いませんでした。全体的に幅が広め?なのか、腰ベルトをギュッと締めてもザック本体と腰パッドの接続部分あたりがスカスカ・・・手が余裕で入るくらい。

テ・アラロアでお会いした日本人の男性ハイカーの方とザックについて語りましたが、小柄なその方も(身長160cm前半くらい?)ゴッサマーギアのザックは腰(ウエスト)が全然合わなかったとのこと。

Sサイズで身長155cm〜なのでそもそも条件を満たしていませんが、海外モデルは特に幅とか腰回りに注意した方がいいかもしれません。


GOSSAMER GEAR 公式HP

Gossamer Gear | take less. do more.
Functional ultralight backpacking and hiking gear designed by hikers. Providing you the best in lightweight outdoor and minimalist gear.

Durston Gear 「Kakwa 40」

出典:Durston Gear

サイズ 背面長
  Sサイズ      37-45cm   
Mサイズ 42-50cm
Lサイズ 47- 55cm

ダーストンはカナダのメーカー。お店に卸そうか検討中とのことで、このときはサンプルだけある状態でした。割と小柄な人向けのザックのようで「ちょっと背負ってみてほしい」と。結果は・・・

うわーギリギリだね。ギリギリダメかあ・・・

ダメでした。いい実験台になったようです。ただ、ハイパーライトマウンテンギアとゴッサマーギアよりはフィット感が高く"背負えないこともない"という感じ。土屋さん的にも「うーん、微妙に大きいかなあ…」くらいでした。もう少し身長があるか、肩周りを鍛えて大きくすればいけるかもね(笑)と。

スタート4日目。90マイルビーチを歩き終えKaitaiaへ

テ・アラロアでもダーストンのザックを使用しているハイカーを何人か見ましたが、軽くて良いザックだと思います。


Durston Gear 公式HP

Kakwa 40
The Kakwa 40 is our premium ultralight, multi-day pack design. Its design is informed by Dan’s thousands of miles of backpacking experience to give the Kakwa 40...

OGWANDO「OWN」

出典:OGAWAND

オガワンド「OWN」は耐荷重が足りないですが一応話したところ、やはり厳しいだろうと。推奨荷重は10kg程度。腰パッドを付けて〜13kgほど。腰パッドはオプションで取り付ける仕様なので「hug」と同じく簡易的。基本的には肩メインで背負うザックです。

ロール式で最大50Lですが、縦が長いほど振られます。「容量的にはいけると思うけど、身体的には辛いだろうね」とのことでした。

ショルダーハーネスはXSサイズ39cm〜で背面長はおそらく問題ない(メールで相談しました)。推奨荷重以外に気になったことは"縦に長いことで(長すぎ?)パッキングがやりづらい"のではないかということ。実際使用している友人に相談しましたが「少しやりづらい」とのこと。何日かの縦走ならいいかもしれませんが、4ヵ月毎日パッキングすることを考えるとストレスは少ない方がいい。

納期も5〜6ヶ月だったので出発ギリギリ。一応メールで問い合わせてみたところ「ギリギリになるかもしれないけど大丈夫だと思います」とのお返事。しかし、パッキングの試行錯誤をする時間はないなと。


OGAWAND 公式HP

HOME | OGAWAND

yamadapacks「Backpack45」

出典:yamadapacks

最後に相談したヤマダパックス。これに関しては「おお!いいんじゃない?」と。

肩で背負うULザックに対し、従来の"腰荷重"に重きをおいたULザックを模索しているヤマダパックス。

「もし既存サイズで合わなければ彼なら特注でつくってくれるかもしれないし、最後の砦かもね」とのことで、こんな悩みを持っているハイカーがいると土屋さんがすぐにメールを送ってくださいました(仕事がめちゃくちゃ早い。めちゃくちゃ親切!)。個別フィッティングの相談メールを自分からも送り、最終的にヤマダパックスに決定しました。

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「yamadapacks」について

ヤマダパックスの山田さんは、2018年のPCTハイカー。PCT後はザック一筋でザックを模索しているそうです。

大型ザックはフィッティングをしての販売となるため、イベントでの受注か山形での個別フィッティングをして注文します。

何でもポチッと買える時代ですが"試着販売のスタイルを貫きたい"とのこと。パッキングが重要な構造のザックでもあるため、うまくパッキングされていないと機能が発揮されません。そのため、試着だけでなくザックに合ったパッキング方法を教えてくださいます。

ULザックと従来のザックの中間を目指すようなガレージブランドです。

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個別フィッティングで山形へ

日本各地のアウトドアイベントに出展されていますが、近場のイベントに行けなかったため山形へ。山田さんが山形駅まで迎えに来てくださり、往復1時間程度で登れる富神山へ向かいました。地元の方たちが毎日登山などで登っているローカル低山です。

登山口で背面長を測りフィッティング。ザックの構造や特徴を諸々教わりました。ちょうど大型ザックのリニューアルをするというときで、ギリギリ45Lを注文できました。

テ・アラロアの荷物をある程度持参し、実際にパッキング。それに少し付け加えていただき10.5kgでお試し登山。良いパッキングと悪いパッキングの違いも体験させてくださいました。

ヒサメユリが咲いていました

PCTはじめ、さまざまなお話をしながらの個別フィッティング。ザックのこと以外にもULの弱点や違い、従来のザックの利点、身体のことなどたくさん学ぶことができ、とても有意義な時間でした。初心に返り、腰荷重のことを学びなおせたことは特に良かったです。

登山含め3時間ほど。イベントではここまで時間をかけて試着もパッキングもできないため、山形まで赴いて良かったなと。その場で注文させていただきました。

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「Backpack45」の仕様

*大型ザックのリニューアルで45Lは廃盤となり、現在は40Lと50Lの展開です

45Lの後継は50L。ラインナップに加わった40Lもデザインや仕様が大きく変わるわけではありませんが、ザックの形状が少し異なります。詳細はヤマダパックスのHPをご覧ください。このブログでは特徴を簡単に。

◾︎ 「腰荷重」重視
◾︎ 「くびき」デザインのショルダーハーネス
◾︎ 荷重を受け止めるフレーム
◾︎ 生地は3種類

腰をしっかり包み込む大きめのウエストパッドは微妙な調整ができるよう取り外し可能。ウエストパッドをオプションで取り付けるザックとの違いは、ウエストベルトを締めることでザック全体が身体に引き寄せられる構造であること。

「hug」の場合、オプションのウエストパッドはとても簡易的。ループにパーツを取り付けるだけの仕様です。ウエストベルトをギュッと締めても荷重は腰に乗り切りません。

出典:yamadapacks

それに対し、ヤマダパックスは本体と繋がっているパッドがウエストパッドの上に重なる仕様。斜めに切り込まれ、ザックの底部の生地と繋がる縫製によりウエストベルトを締めることでフロント側からぐいっと身体に引き寄せられます。その結果、腰にしっかりと荷重が乗る仕組み。

出典:yamadapacks

山菜取りなどで使用される古民具"バンドリ"からヒントを得たという「くびき」デザインの背面パッドはヤマダパックスならでは。肩だけでなく、背中全体に荷重を分散させる仕組みです。このデザインは荷重分散だけでなく、他の面でもすごく良くて。それに関しては次項目にて。

大型ザックのリニューアルに伴い一番小さいサイズは背面長35cm〜になり(以前は38か39cm〜)、さらに幅広い体格に対応するようになりました。ちなみに自分の背面長は39〜40cmで、注文時の既存サイズ(XS)で問題ありませんでした。

出典:yamadapacks

ULザックは"フレームなし"が多いですが、ヤマダパックスはX字のフレーム入り。「荷物を受け止める」「受け止めた荷重を身体に伝える」役割を担っています。

従来のザックからULザックに移行したとき、硬いフレームやごっつい背面パッドがない方が自分の背中にはフィットしやすいと感じました。しかし、20kg , 30kgと重量が増えれば増えるほどフレームや硬いパッドが本来の力を発揮します。軽量化ブームでテント泊も10kgに収まるようになり"軽い荷物にごっついパッド"というちぐはぐな組み合わせが違和感の一因とのこと。

出典:yamadapacks

本体の生地はスタンダードの「Robic210」の他、カスタムで「xpac07」「ULTRA200」を選択できます。

リニューアルで「ULTRA200」が加わり、自分が注文したときはRobicかxpacの2択。3種類すべて生地には防水性がありますが、ザックは防水仕様のつくりではありません。

 

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南アルプスを5泊6日で縦走した感想

6月中旬に注文したザックが8月下旬に完成。そして9月下旬、黒戸尾根〜仙塩尾根〜塩見岳5泊6日(約60km)の縦走で使用しました。ザックの重さは12.5kg(水2L・食糧込)。急登、岩場、アップダウンというバリエーションが豊かな縦走での感想は・・・

腰荷重めちゃくちゃ快適◎

山形でのフィッティングは軽めの低山でしたが、本格的な縦走で久しぶりにしっかりとした腰荷重で背負い、腰荷重の信頼を改めて感じました。

◎ 隙間なくフィット・肩周りすっきりの「くびき」デザインが最高
◎ 持ち手が縦で使いやすい
◎ 巾着型でパッキングがしやすい
◎ メッシュポケットの大きさが絶妙
◎ ショルダーハーネスが細めで痛くならない
△ xpacに比べると滑りにくい
△ 背負った状態でボトルを取りにくい
△ 直立はしない(しづらい)
△ パーツの紛失に注意

◎ 隙間なくフィット・肩周りすっきりの「くびき」デザイン

 

ヤマダパックスの特徴として、背中全体に荷重分散する「くびき」デザインであることは上述しました。ショルダーハーネスから背面パッドは流れるようなデザインで、肩から背中にかけての丸みに隙間なくフィットします。ウェアで例えるとしたら"ラグラン"のウェアを着ているような感覚。その自然さがとても心地良く、テ・アラロアでどんなに重量が増しても首や肩周りで痛みを感じることはありませんでした。

それに加えて良かった点は"肩周りがすっきりしていて動きやすい"こと。

肩周りの骨(肩甲骨周辺)に背面パッドがあまり被らないので、すっきりしていて肩の自由度がすごく高い。また、背面パッド自体の面積も小さいため蒸れ感が少なくて涼しい。これまで使用してきたザックは背中全体を覆うものだったため、スッキリさと涼しさがとても気に入りました。日本の蒸し暑い汗だく登山では、密着部分が少ないのはありがたい。

特に、三点確保で登るような岩場や鎖場では肩の自由度の高さが活きます。トレッキングポールを使用する場合は腕を常に動かしますが、それもストレスフリー。トレラン用のザックを背負っている感覚です。

◎ 持ち手が縦で使いやすい

通常は横型に、虹のように持ち手がついていますがヤマダパックスは縦。

横だと上に持ち上げる動作になりますが、縦だと"手前に引く"動作になり力を入れやすいです。些細な違いですが、力の入れ具合は結構変わります。

◎ 巾着型でパッキングがしやすい

ULザックは大抵"ロールアップ式""巾着型"。どちらが使いやすいかは人それぞれですが、個人的に大きいザックほど巾着型が使いやすいと感じます。

 

閉めるときは黒いコードを引っ張り、開けるときは白いコードを両手でガバッと。

xpacはパリッと立ち上がり中身を見やすいことが特徴。「hug」も使いやすいし、ロールアップも好き。しかし、40Lを超えて容量が大きくなるほど"折り返せない(折り返しづらい)"ことがパッキング時のデメリットになりやすい。

検討していたOGWANDO「OWN」は最大50Lのロールアップ式。幅広く容量を変えられることはメリットですが「長すぎて底に手が届かない = パッキングがしづらい」ことはデメリット。実際使っている友人は、やはりパッキングは少しやりづらいとのこと。巾着型は生地が柔らかいため大型ザックでも底に手が届きます。

少し荷物が嵩張って「やばい、容量オーバーかも…」というときも、巾着型の方が対応しやすい。

◎ メッシュポケットの大きさが絶妙

大きすぎず小さすぎずのメッシュポケットがお気に入り◎

南島に移る前夜、食料でパンパン。

フロントのメッシュポケットはオプション(現在は50Lのみ選択可)。割れやすいクッキーやスナック菓子、必要なときにサッと出したいサングラスや虫除けスプレー、プラティパス(1L)を主に入れていました。北島では新しい靴を突っ込んでいたことも。

例えば「山と道 mini」はメッシュポケットが大きすぎると感じています。"何でも入る"大きさが便利なこともありますが、入れすぎてバランスが悪くなったり、入れなさすぎて持て余したり。使い方が下手なだけだと思いますが、ヤマダパックスのメッシュポケットが妙に使いやすくて気に入っています。

身体から離れるほど不安定になるためフロントポケットにあれこれ入れるとバランスは悪くなりますが、何もないのはちょっと不便。ニュージーランドでは止まった瞬間サンドフライに襲われることも多く、ザックの開閉でもたつきたくない。そのような環境からも、メッシュポケットはやはり便利でした。

ちなみにサイドポケットはペットボトルが2本入る大きさ。水を持ち運ぶときは、800mlのペットボトルと1Lのプラティパスを一つのポケットに入れることも。食糧でパンパンのときは、大きめのサイドポケットがありがたかったです。

◎ ショルダーハーネスは細くて厚め

 

ULザックのショルダーハーネスは"薄くて広い"モデルが多いですが、ヤマダパックスは"細くて厚い"

左:hug / 右:Backpack45

「hug」の肩〜脇下にかけての幅は約7cm。「Backpack45」は肩付近約6cm、少し細くなる脇下は約5cm。体格にもよりますが、自分の場合7cmは広いと感じます。山と道「mini」も7cmなので、やはりちょっと広い。

幅広だと肩への食い込みは軽減されますが、重量が増すほど"パッドの当たり"が気になります。特に首の付け根と脇のあたり。パッドが広いことによる擦れなどが生じます。

ヤマダパックスのショルダーハーネスの太さは自分に合っていたようで、「テ・アラロア」3000kmを通して痛みを感じたり、擦れで赤くなることはありませんでした。

△「xpac」に比べると滑りは悪い

xpacは滑りの良さがメリット。それは「hug」で実感しているため、生地は相当悩みました。

「Robic210」は内側がコーティングされているため、xpacのような滑りの良さはありません。マットありきのザックなので、パッキングのしやすさだけを考えるとxpac(他「ULTRA200」)に軍牌があがります。マットがスルリと入る感覚は気持ちがいい。

しかし、今回は「Robic210」を選択。山形でフィッティングを終えたときは「xpac07」で注文しましたが、テ・アラロアのワイルドなトレイルでの耐久性を考えて改めて相談し、2日後に「Robic210」に変更していただきました。帰国後も長く使いたいこと、初めての生地への興味、そして、テ・アラロアのワッペンが白だからというくだらない理由まで(ワッペンいいですね!と、山田さんはとても優しかった…)。

「hug」でxpac慣れしていたこともあり、はじめは「やっぱりちょっと引っかかるかな〜」と思いましたが、すぐに慣れたというか気にならなくなりました。その程度なのでデメリットというほどではないです。

結果的に、固い低木の藪漕ぎや枝の引っ掛かりによる破れは一切なし。Robicはナイロン生地で柔軟性があり、ザックがパンパンのときも安心感がありました。

△ 背負った状態でボトルを取りにくい

自分の腕の短さによるデメリットでもありますが、ザックを背負った状態でのボトルの出し入れがギリギリ。ヤマダパックスの山田さんは腕が長く(自分でも仰っていた)難なく出し入れしていましたが、自分の場合、できるけどちょっと億劫。

特にザックがパンパンのときは入れづらい。テ・アラロアで取り出すためにザックを下ろしたことはありませんでしたが、戻すために下ろしたことは何度か。サイドポケットのゴムがもう少し伸びやすいタイプだったら入れられるのかな?と思ったり。

難なくできれば気にならないことなので、個人的なデメリットです。

△ 基本的に直立しない

山田さんにもデメリットとして説明されましたが、底に向かって細いデザインなので基本的に直立しません。直立する方が荷物の出し入れはしやすいですが、絶対に必要かといわれればそうでもない。テントを外付けしていたので割と直立しました。

しかし、バランスを崩して倒れることもしばしば。木や岩、フェンスがあれば立てかけられますが、まっさらな草地にテントを張るときなどは直立した方がやはり便利だなと。倒れた先が泥でベッチョリやってしまったときは「あぁ…やってしまった…」とテンション下がったり。

△ ロールマットありきのザック

ヤマダパックスは"ロールマットありき"のザック。マットがザックの形を整えパッキングの核となるため、ロールマットなしでは使えません。

自分は一通り使ってクローズドセル派に戻り、さらに現在はロールマット派なので問題ないですが、エアマットやジャバラ派の人はそもそも使えないというデメリット。エアマットじゃないと・・・という場合は諦めざるを得ない。

ちなみに、ロールマットはUL系ではない方がしっかりパッキングできます。山田さんも「UL系のマットは耐久性の弱さからもあまり適していない」と仰っていました(テ・アラロア4ヵ月のことも考えて)。

南アルプスの縦走では山と道「UL Pad 15+」を使用しましたが"ちぎれやすさ""端の厚み"により、パッキングがカチッと決まらない気持ち悪さがありました。もともとマットは新調する予定でしたが、サーマレスト「リッジレストクラシック」の方が断然パッキングがしやすいなと。

サーマレストは端の処理がされているためちぎれにくい。4ヵ月使用してもちぎれはありません。

それに比べてUL系のパッドはちぎれやすいことが弱点。

そして、端まで厚みが同じ「UL Pad 15+」に対して「リッジレストクラシック」は凸凹の厚みが端まではありません。また、全体的に硬めなのでザックの形をカチッと決めてくれます。「UL Pad 15+」は使うほど柔らかくなるため、その点でもパッキングのやりづらさを感じました。大型ザックのパッキングに使用する場合は「リッジレストクラシック」が合っていると思います。

パッキング方法はこちらで紹介されています。

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ニュージーランドのロングトレイル「テ・アラロア / Te Araroa」で使用しました

「テ・アラロア」で4ヵ月間使用した結果、とても使い心地の良い相棒でした。シンプルな構造の軽量ザックだけど、しっかりと腰荷重。重量が20kg近くなっても不安なく歩けました。

◾︎ 9日分の食料で最大18kg
◾︎ メッシュが少し破れた
◾︎ パーツを失くしそうになった
◾︎ ショルダーハーネスと本体を繋ぐ縫製、テープに若干のちぎれ
リッチモンド山脈縦走1日目。9日分の食糧でパンパン

一番長い縦走では7〜10日ほど山に入ります。自分は7〜8日の計画で9日分の食糧を担ぎました。そのセクションがテ・アラロアで最大重量となり18kg。重いのは確かですが腰荷重で身体への負担は少なく、「hug」で12〜13kg背負ったときと同じような感覚でした。

新しい靴をメッシュポケットに入れて無駄に800km担いでいた…

あまり整備がされていないテ・アラロアではコースアウトすることも多く(日常茶飯事)低木の中をガリガリ擦り、引っ掛け歩いたこともしばしばありましたが生地強度は問題なし。何も気にせず突き進んでいました。

サイドポケットのメッシュは少し破れましたが、逆にこれだけで済みました。メッシュも強度の強いものが採用されています。

少し不安というか気にしていたことは"パーツの紛失"。外付け用のパーツは取り付け・取り外しが簡単にできる(ループにトグルを通す)仕様で、知らないうちにパーツが失くなっていることもありました。

最初の泥セクションのあとシャワーでザックを洗いましたが、翌朝テントを付けようとしたら・・・上部のパーツが一つない!結局シャワールームに落ちていましたが、紛失すると困るので縫い付けようか考えました(結局縫いませんでした)。

もう一箇所、センターストラップの背面側のストラップがパーツから外れてしまう事態が2,3回。幸いバックルは失くしませんでしたが、失くすと厄介だなと。

ストラップの長さ調整は基本的に前面側のでやるため、写真の白い点線部分は縫い付けてしまってもいいかなと。

4ヵ月間使った状態は、背面側から見て左、ショルダーハーネスを調節するテープと本体生地の縫製箇所に破れが。この程度なら自分で補修しても問題なさそうですが、山田さんに相談してからにしようかなと。

そしてテープの端に少しちぎれが生じました。右利きで右腕から背負うため、どうしても利き腕側の負担が大きくなってしまう。両方のショルダーハーネスを持って膝に一度乗せたり、ベンチに乗せて背負うなど気を遣っていましたが、やはり負担がかかっていたようです。

北島 / トンガリロ国立公園 ラウンド・ザ・マウンテントラック

そのようなこともありつつ、4ヵ月間身体の一部になってくれたヤマダパックスのザック。ワイルドなテ・アラロアでも抜群の耐久性で、自信を持っておすすめできるザックです。

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まとめ

背面長や背面パッド、背負い心地などに悩みがある方、大型ザックで悩んでいる方にはぜひ試していただきたいヤマダパックス。

従来のザックとULザックの中間、腰荷重に重きをおいたしっかり背負える軽量ザック。どちらにも傾倒しすぎず、両方のいいこと取りのザックです。

◼︎ 大型のULザックで背面長などが合わない
◼︎ ULザックの肩荷重に限界を感じている
◼︎ 腰荷重でしっかり背負える軽量ザック

上記のようなキーワードにビビッとくる方はぜひお試しください。ヤマダパックスのInstagramではタムイリーなイベント告知がされるので、近くで出展がある際は背負うチャンスです!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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