歩き人たかちです(@takachi_aiina)
いつ、どこで生じるかわからないウェアやギアの故障に備えて、"リペアキット(修理道具)"は何を持ち歩けばいいのか。
長期の山行ほどリペアキットを使う頻度は高くなりますが、気がつかない"劣化"や、思いがけない"転倒"などでの破損も珍しくありません。
アウトドアの分野やスタイルによって必要なものは変わりますが、私が登山とロングトレイルで持ち歩く、"使用頻度が高いリペアキット"をご紹介します。
ダクトテープ

4ヶ月のロングトレイルで半分ほど使用
◾︎ トレッキングポールの折れ
◾︎ 登山靴のソール剥がれやアッパーの破れ
強力な"粘着"と"防水性"を活かし、あらゆる補修に活用できる、絶対に持つべき万能アイテム「ダクトテープ」。
主にテントのインナーシートとして、ロングトレイルで裂けまくったエマージェンシーシート。ダクトテープで補修しながら4ヶ月使用。
ウェア(レインウェアやダウンなど)や寝袋、エアマットの破れにも有効ですが、メーカー修理ができるものをダクトテープで補修する際の注意点は、"最低限の範囲で貼る"こと。
ダクトテープは粘着が強く、剥がしたときの粘着を落とせない可能性があります(時間が経つと特に)。粘着が原因で修理範囲が広がり、修理料金が高くなることもあるので、縦走中の応急処置の場合は必要最低限の範囲で。
小さな穴あきや破れ程度で修理に出すほどではない、という場合は「リペアシート」で補修。半透明であらゆる補修に使いやすいので、ダクトテープと合わせて少し持ち歩くのもおすすめ。
*使用しているのは、モンベル「リペアシート」。あらかじめ使いやすい大きさにカットされた「リペアパッチ」もあります。
トレッキングポールの折れに対しては、折れた部分にペグや太めの(丈夫な)枝などを当ててダクトテープでぐるぐる巻きに。テントポールの折れと同じ要領で修理します。
登山靴のソール剥がれについては「結束バンド」や「針金」を持ち歩く人もいますが、ダクトテープも使えます。頻繁に起こることではないため、私はダクトテープ派。
アッパーが破れた際、ただ縫い合わせるだけでは"再破れ"がすぐに起こるので、しばらく下山できない、買い替えられない場合は、ダクトテープを当て布にして縫い付ける方が効果的です。
ダクトテープはホームセンターなどで購入できるので、ライターや魔法瓶、トレッキングポールなどに巻きつけて持ち歩くと邪魔になりません。
芯がなく、平たく携行できるアウトドア用は便利でおすすめ。
フロス / テグス + 針(裁縫セット)
「フロス」と「テグス」は頑丈で切れにくいため、靴のアッパーの破れなど"耐久性が必要"な箇所の補修におすすめのアイテム。特に、長期山行やロングトレイルでは重宝します。
*糸に比べて太いので(テグスは細いものもある)、ウェアの補修には通常の糸がよい
4ヶ月のニュージランドのロングトレイルでは、フロスが大活躍。靴のアッパーの破れやサンダルの破損に結構利用しました。
フロスは歯のケア道具として山でも常に持ち歩くので、私はフロスを使うことが多いです。
中身をケースから外し、ジップロックに入れて持ち歩いています。
「テグス」は100円ショップでも購入できて、太さもさまざま。私は2〜3mmのテグスを利用しています。フロスを使わない人におすすめ。持ち歩くときは、糸の台紙に必要分だけ巻きつけて携行しています。
裁縫セットは、無印良品「携帯用ソーイングセット」がおすすめ。小さなケースに入っていますが、必要なものだけ取り出してジップロックに入れています。
アロンアルファ
◾︎ 縫合箇所を強化
◾︎ 破損したパーツ類の接着
アロンアルファは、"接着"と"強化"の用途に活用。
ニュージーランドのロングトレイル中、約1,400kmの地点でサンダルの鼻緒が抜けました(全行程3,000km)。
フロスで縫いつけたあと、アロンアルファで固定。かなり強固に補修できたので、帰国してからも使用していました。
ソールの剥がれた場合も、アロンアルファで接着してからダクトテープで巻くと、より頑丈に。
*ソールの張り替えができるモデルは修理の際厄介になる可能性があるため、アロンアルファの使用は避けるのが無難
アロンアルファは、しばらく使わないと液体が固まっていることがあるので、山行前に確認した方がよいです。
クッカーの取手やバックルなどのパーツ類が破損したときも使えるので、1本忍ばせておくと安心です。
ソール剥がれ対応のアロンアルファもあります。通常の接着剤としても利用できるので、こちらを携行するのもあり。
\ アッパーが破れた靴の補修についてはこちら /
安全ピン
ジッパー類が破損したときの"留める・閉じる"アイテムとして便利な安全ピン。大小で1〜2個ずつ携行しています。
安全ピンは水ぶくれや豆の水を抜いたり、怪我をしたときに巻きつけた布を固定したり、生乾きの洗濯物をザックに留めたり、とエマージェンシーや便利グッズとしても重宝します。
アクセサリーロープ
◾︎ ソール剥がれの固定
◾︎ ザックのショルダーハーネスやバックル類の故障の処置
◾︎ テントやタープの張り綱の替え
アクセサリーロープは、2〜3mmの太さのものを3〜5mほど携行しています。
靴紐が切れた、ソールが剥がれたなど靴のトラブルや、パーツ類が破損したときの固定に使えます。
靴紐の長さはサイズによりますが、私の場合22.5cmの靴で100〜120cmの靴紐を使用しているので(靴による)、最低2〜2.5mは必要。
テントの張り綱は3m前後、タープなら4mほど必要なので、5mあれば多くのトラブルに対応可能。
ロープは、テントの内外で濡れものを干す道具としても使えるため、持っていると何かと便利。アウトドアショップで1m単位で購入できます。
*「アクセサリーロープ」はクライミングのロープではないため、7〜8mmの太いものでも人命救助には使えません
ビクトリノックス「クラシックSD」
道具の補修に関わらず、エマージェンシーや調理でも必要になるハサミやナイフは持つべきアイテム。

他にもワインオープナーなどが付いています
最初に購入したのはビクトリノックス「トラベラー」でしたが、私の場合、実際使うツールはハサミとナイフばかり。
ナイフは1つでいいし、お酒を飲まないのでワインオープナーも不要。必要最低限の「クラシック SD」で十分でした。
ただ、ロングトレイルで缶詰めを食べるときは"缶切り"を使うので(経験上、海外はプルタブ式が少ない)、小さな缶切りだけ別でつけておくと便利。一応、ナイフでも開けられます。
「プライヤー(ペンチ)をよく使う」という声もありますが、個人的には今まで必要になったことはありません。サイクル系のアウトドアや、針金などを扱う場合は便利だと思います。
廃盤になってしまいましたが、レザーマン「スクォートPS4 マルチプライヤー」はとても便利なマルチツール。自分の周りでも愛用者が多く、購入を悩み、渋っているうちに廃盤になりました。後継モデルがないのが残念。フリマサイトなどで中古品が販売されていることもあります。
まとめ
私が登山やロングトレイルで持ち歩く「リペアキット」を6つご紹介しました。
◾︎ フロス・テグス + 針(裁縫セット)
◾︎ アロンアルファ
◾︎ 安全ピン
◾︎ アクセサリーロープ
◾︎ ビクトリノックス「クラシック SD」
いずれも使用頻度が高く、数ヶ月に及ぶロングトレイルでも"あればなんとかなる"という最低限のアイテムです。
使う道具や自身のアウトドアスタイルに合わせて足引きをして、リペアキットを完成させていただければと思います。
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