2020.11.1(日)
高知県安芸市 晴れ時々曇り25/14℃
歩き人たかちです。
高知市内に近づいてきました。高知駅周辺は宿だらけで、その辺りでストップすることを考え今日は28番大日寺の麓まで。橋の下くらいしか野宿場所は見つからず、大きな公園は「野市動物公園」くらい。情報もほとんどないのでやめました。Googleで宿を探すとゲストハウスを発見。
高知はお寺の間隔が遠いですが、その分ゆっくりして滞在しているので、一つひとつのお寺が記憶に残ります。今日も1箇所、28番大日寺。
自転車ロードのへんろ道
*清月旅館~赤野自転車道休憩所:7.1km*
6:30に朝食。カリカリの目玉焼きを食べて出発。
今日は気温が少し高く、朝も全く寒くない。日中は25℃まで上がる予報。今日から11月なのに。
街を出るところで「カリヨン広場」を発見。街の端っこにある静かそうな、小さな広場でした。
水道もありました。
その向かいには、高知東部交通株式会社に隣接して「港公園」があり、お手洗いは港公園にありました。テントを張るならカリヨン公園の方が人目にはつかなそう。野宿場所としては悪くないと思います。
【安芸しらす食堂】
カリヨン広場を過ぎて、安芸漁港の方へ歩くと「安芸しらす食堂」があります。
生しらす丼が絶品!とお聞きしました。
営業時間が11:00〜15:30と短く、街に着いたときは15時前だったので行くことはできませんでしたが、これは予め把握しておくべきだでした。知っていたら道の駅で休憩しなかった・・・ぷりぷりの生しらす丼が本当に美味しそうです。
【焼きナスのアイスのふぁーむ】
さらに歩くと「焼きナスのアイスのふぁーむ」というアイスのお店もあります。
道の駅大山にもこのアイスが売っていて、「え?焼きナス?」と思いましたが、人気のようです。他にも青のりとか生姜とか。
寒くなりそうだったので食べませんでしたが、暑い時期はちょっと食べたくなるようなパッケージ。1つの値段が結構高いですが、かなりこだわりのあるアイスのようです。
公園を過ぎるとへんろ道は「自転車道」に入っていきます。自動車も来ないしいいねーと歩き出すとすぐに「迂回路」の看板。「自転車道全面通行止め」。そんなー。
仕方なく迂回しましたが、300mくらい歩いたらまた自転車道に戻ることができました。全面通行止とは?
気持ちが良いほど真っすぐ。
明日は雨予報なので、今日は曇りがちの晴れ。曇天の海は一気に灰色になります。
1kmくらい歩くと東屋発見。テントも張れてとても良さそうな場所でしたがトイレはありません。
引き続き自転車道を。完全に隔離された道なのかと思いきや、民家がたまーにありました。
何も考えず、何が釣れるのかなーと、ときどき海釣りの人たちを眺めながめるのもなかなか良かった。
穴内駅を過ぎたあたりで、自転車道は高架下になっている箇所に近づきました。高架下には洗濯物が干してあったり、住んでいるのかどうかよくわからない家があったり生活感のある空気。
ふーんと思いながら歩いていると、前方にゆっくりフラフラと歩く男性が…。あーちょっと嫌だな…と立ち止まって様子を見ていましたが、あっちにフラフラこっちにフラフラ…。浮浪者のような、酔っ払いのような。
本能的に「怖い」と思ったので、戻って国道を歩きました。
そういえば、この自転車道は「職業遍路が多い」という情報もありました。
職業遍路とは、野宿でお遍路を歩き、托鉢をしたりお接待を受けながら生活している人のことだそうです。お接待をあてにしながら歩いているので、誰でも受け入れるという四国でも嫌がられると。まあ、それはそうだと思います。
こちらに害があるのかないのかはわかりません。そもそもどうやって見分けがつくのかと思いましたが「峠を越える必要はないから、リヤカーとかスーツケースで歩いている人が多い」とか「歯医者に行けないから歯がない」とか、なんだかいろんなことを聞きました。常に野宿しているので、野宿情報にはかなり詳しいと。
後の宿にいらっしゃった、歩き遍路4回目という女性の方は「職業遍路の人は大体棲家が決まっているみたいで、松尾峠とかにもいるみたい。毎回必ず会うけど、今回は全然会わないなあ」と仰っていました。そのときは松尾峠は通ったあとで、そんな気配は特にありませんでしたが。むしろ、あの峠のどこに住むのか…
変なことに巻き込まれるのも嫌なので、我慢して国道歩き。ここは交通量が多いです。
まもなく「赤野自転車道休憩所」の看板があり、ちょっと自転車道に戻りました。階段を登って行くとお城のような休憩所が出現。
赤野海岸を一望。
確かにトイレもあって、大きな東屋で、芝生もあって、野宿には良さそう。しかし、この自転車道は散歩やランニングしている人がとても多く、地元の人も休憩所を結構使っている様子。夜がどんな感じになるかわかりませんが、意外に人通りは多いかもしれません。駐車場まであるし、休日はカップルとかもいそう。
いずれにせよ、自転車道での野宿は避けた方がいいかもしれません。
ここで、昨日Yさんからいただいたメロンパンを食べて休憩。
赤野からまたしばらく国道を歩きました。
今日も海を眺めて。道の駅やす
*赤野休憩所~道の駅やす:8.9km*
途中には「オアシスSHOP芸西」という自動販売機コーナー。自動販売機はオアシスだとしっかり認識している四国。
「和食駅」を過ぎると「琴ヶ浜野外劇場」の案内板がありました。琴ヶ浜を見渡せる展望スポットみたいな場所があるようです。ところどころで海を眺めているので、看板横目に進みました。
コンビニをいくつか通り、「西分駅」を過ぎると「ウェルプラザ洋壽荘」という福祉施設がありました。ここにはお遍路さんの休憩所があります。
これが、すごくて。
トイレはもちろんですが、なんと「給水機」がある。
煎茶・ほうじ茶・水・お湯がいただけます。
座れるところはもはや寝られる。
野宿禁止とは書いてありませんでした。その代わり「火気厳禁」。国道側は壁になっているので、テント無しでもあまり気にせず寝られそうです。
福祉施設の方が作ってくださっているのだと思います。
ありがたくお茶をいただいていると、Yさんにまた再会。すでに仲間意識。なんやかんや聞いてこないすごくさっぱりした人。ちょっと立ち話をして先に歩いていかれました。
しばらく休憩して私も出発。長居をしたくなる休憩所でした。
ここからはまた自転車道に戻ります。
「おへんろさんの為に植えた実のなる木のお接待木です」とありました。何の実がなるのかな。
トンネルを抜けてしばらく歩くと、道の駅に着きました。
ちょうど12時頃だったのでここでお昼休憩。
何軒か食事処があり、漂ってくるカレーの匂いに負けてインドカレーのお店へ。
カレーはどんなに疲れていてもお腹に入るのが不思議。山でも、ヘトヘトになって「何も食べたくない…」というときでもカレーなら食べられる。これ、結構共感してもらえますが、何なのでしょうか。なぜカレーなら受け入れるのか本当に不思議。
今日も割と時間があるので食べ終わってからビーチを散歩。
昼寝をしているお遍路さんもいました。
ところどころ屋根のある場所が合って、家族がレジャーシートを敷いて遊んでいます。そういえば今日は日曜日かと思いながら、適当に座って物思いに更けていました。
曇りの海も悪くない。海は心が解放的になるので好きです。
次は何の仕事をしようかを歩きながら考えようと思いつつ、何も浮かびません。いろんな人に会って、お話をして、人生考えようなんて思っていましたが。わかることは一つだけ。「自然っていいな」ということ。私の人生はもうそこから離れられないということ。
本堂が若い。28番「大日寺」
*道の駅やす〜大日寺:8.4km*
ここから防波堤を少し歩く。
国道から離れてしばらく歩き、また国道へ。
途中で「高知黒潮ホテル」が見えてきました。ここには「龍馬の湯」があるそうです。
宿の周辺にはスーパーがないので野市駅近くのスーパーマルナカに寄って食料調達。大日寺前に重量を増やしたくはありませんでしたが仕方ない。
大日寺に近づいていくと「創造広場アクトランド」なるものがあり、ちょっと面白そうでした。
へんろ道は県道22号の途中で大日寺に通じる小径があったようですが、全く気が付きませんでした。
そのまま正面の道から入り、階段を上がっていると参拝を終えたYさんとまたまた遭遇。
Yさんは今日すぐ近くの「遊庵」に泊まると。焼山寺の日に車から話しかけられ、それがこの宿のご主人だったそうで。そのときに「28番大日寺の日はぜひ」と名刺をいただいたそうです。朝夕の2食付きで4,000円。これは安い。
「またどこかで」とお別れして登って行きます。
15時半前に大日寺に到着。
本尊:大日如来
宗派:真言宗智山派
開基:行基
海沿いから一旦内陸へ入ります。大日如来には金剛界と胎蔵界の2種類の像があり、大日寺は金剛界のもの。146㎝、檜の寄せ木造りでつくられた像は国の重要文化財。当時、廃仏毀釈で壊されたり、売られたりする仏像が多い中、本堂を「大日堂」と改めていたため、本尊は救われました。本堂は1997年再建され、釘を使わず、松と檜の木組みだけで建てられています。
参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ
境内に入ると団体がいました。本堂も大師堂もわちゃわちゃ。
本堂は1997年に再建されたと…あれ、私より若いじゃないか。そんな本堂あるのか。なんだか親近感がわきます。
境内はすぐに静かにはならなかったので、参拝はささっとして、階段の色づいてきたもみじを眺めてから宿へ向かいました。
帰ってくるかな・・・
*大日寺~ゲストハウス水仙の里:1.2km*
今日の宿はGoogleで見つけた「ゲストハウス水仙の里」。通常は素泊まり4000円ですが、Booking.comからだと3600円で多少安かったので、今日の起床時にネット予約をしました。一度休業していたようですが、2019年からまた再開されたようです。
チェックインが16:00なのでちょうどいい時間。田園風景の中を歩いていくと看板がありました。
普通の一軒家に手作りの案内板。
玄関前にもしっかりボード。
ピンポーンとベルを鳴らすも…出ない…。
あれ?いないの?
ピンポーン…しーーーん。
まじか。今朝の予約なので把握されていないかもしれない…。
電話を掛けましたが、出ない…。
えーうそー。庭の駐車場に車がない。いやーこれは完全に把握されていないやつ。やばーい。今日帰ってくるのかな?どうしよー夕方から雨なんだよなー。すでに空は怪しい。
野宿できるような場所もないし。帰って来なければ他の宿を探すか、もう駐車場の屋根の下をお借りするか…。コンビニはすぐ近くだからトイレは問題ない。とりあえず待ってみるかと、30分くらい待ちました。その間にも電話をしましたが出ません。すると、一台の車が家の前で停まりました。
お?と思ったらデイサービスの車。そして中からスタッフさんとおじいちゃん。
家の前にいて怪しいのでスタッフの人に事情を説明。「あーそうだね、車ないし多分出かけてるねー。まあ、中で待ってていいと思うよ?」と。
おじいちゃんは会話ができる感じではなかったので、スタッフさんとともに家の中へ。おいじいちゃんがいるなら帰ってくるはず。雨も降ってきたので玄関で待たせていただくことにしました。
すると17時ちょっと前に車が一台庭に入り込みました。
今度こそ宿の方のようで、外に出て挨拶。事情を話すと「え!予約!?あらー、ごめんなさい。どこから予約しました?あ!もしかしてBooking.com?」と、やはり把握されていませんでした。
何度も謝られ、空いている部屋に案内していただきました。今日は連泊中の方が1人泊まられているとのこと。介護をしながら宿を経営されていて、忙しそうでした。宿に、介護に、その他畑でのアルバイトまでされているようで。日中はバタバタしているそうなので、電話予約の方がいいと思います。ネット予約でも一度電話はした方が良さそうです。
お部屋はとても綺麗でした。ゲストハウスですが、相部屋はなく、全て個室になっているようです。
wifiもしっかりあります。
「すぐにお風呂沸かしますね」と言って、お茶とお菓子を持って来てくださいました。待たせてしまったお詫びに、夕食と明日の朝ごはんをサービスしますと言われ。
え!?朝ごはんまで・・・
直前に申し込んで電話で確認もせず、1時間弱適当に待ってただけなのに、なんかすごく申し訳なくなりました。
お風呂がすぐに沸き、入らせていただきました。洗濯は無料です。乾燥機はありません。冷蔵があり、その中に冷たい水があるから自由に飲んでくださいとのこと。
宿のお母さんは優しくて、気さくで、とても人情溢れる方でした。おすすめのへんろ宿です。
おにぎり、サラダ、味噌汁、しらす、柿。スーパーで買ったものには一切手を付けずお腹いっぱいになりました。
外はしっかり雨が降ってきて、良かったーと安心感に包まれて就寝。最後まで悩んで当日予約をすることが多く、なかなかスリリング。今日もぼけーっと海を見て、心が自由で、良い1日でした。明日は高知駅周辺まで歩きます。
★本日の歩行距離:25.6km
★累計:317.3km
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