歩き人たかちです(@takachi_aiina)
翌朝ゆっくりめなテント泊の夜、のんびり過ごしたいけど「ヘッドランプの電池もったいないなあ」と、寝てしまうことはありませんか?
乾電池や充電式の灯りには限界があり、縦走やロングトレイルであればなおさら、予備の電池やバッテリー残量を気にしなくてはいけない。
しかし、ソーラー充電式なら心配ご無用。気兼ねなく明かりを使えます。
太陽光を利用する「キャリー・ザ・サン」
軽量・コンパクトな"ソーラー充電式"のランタン。「ランタン界の革命児」と思った超便利アイテム。
10年近く、テント泊の必需品として活躍している「キャリーザサン」をご紹介します。
「キャリーザサン / CARRY THE SUN」とは?
CARRY THE SUN = 太陽を持ち運ぶ
以前は「ソーラーパフ」という名称で販売されており、その後継モデル。
「キャリーザサン」概要
コロンとした、かわいい正方形
スモールサイズ | ミディアムサイズ | |
サイズ | 使用時:8.8×8.8×8.8cm 収納時:8.5×17×1.2cm |
使用時:11×11×11cm 収納時:11×21×1.2cm |
重量 | 57g | 86g |
明るさ | 強/30ルーメン 弱/15ルーメン |
強/100ルーメン 中/20ルーメン 弱/10ルーメン |
点灯時間 | 強/10時間 弱/15時間 |
強/10時間 中/42時間 弱/72時間 |
充電時間 | 5〜7時間 *天候によりそれ以上 |
7〜9時間 *天候によりそれ以上 |
電源 | リチウムポリマー電池 | リチウムポリマー電池 |
仕様 | LED6灯 防塵防水IP67 |
LED10灯 防塵防水IP67 インジケーターランプ付 |
\ ここがポイント /
◾︎ ザックに取り付けて歩きながら充電可能
◾︎ 素材はヨットのセイル生地で丈夫
◾︎ 必要十分な防水性
◾︎ ミディアムサイズはインジゲーターがある
折りたたみ式で軽量・コンパクト
折りたたみ式で、"ぺったんこ"になるランタン。ランタンはかさばるものが多いので、登山ではヘッドランプ1つになりがち。
対して、「キャリーザサン」は隙間に入るし、カラビナでぶら下げておくことも可能。パッキングを考えなくていい、というのは大きなメリット。
スモールサイズは56gなので、軽めのヘッドランプ1個分ほどの重量です。
ザックにつけて歩きながら充電
正方形の1面がソーラーパネルになっています。
ソーラーパネルの充電は"向き"が大事。太陽の位置に合わせてザックの上部や側面に取り付けて、"歩きながら充電"します。
出典:Landport
HPでは、曇天や蛍光灯の明かりではほとんど充電されないとなっていますが、充電が完全に切れたあと、曇りの日(少し明るめ)に試したところ多少充電されました。
スモールサイズはインジゲーターがないので充電量はわかりませんが、最低限の明かりは確保できそうです(曇天すぎると厳しい)。
素材はヨットのセイル生地で丈夫
素材は、糸を織り込んだ丈夫なヨットのセイル生地。コロナ禍の防護服として、一時期有名になった生地です。
たたんで広がる動作をかれこれ10年ほど繰り返していますが、破れなどは一切ありません。
必要十分な防水性
防塵・防水性能は「IP67」。多少の雨や、うっかり水没!しても問題ないレベル。
「IP」に続く数字が、防塵・防水の等級を表しています。
◾︎ 防水7:一定の水圧で一定時間(30分)水中に浸けても有害な影響がない
*防水テストは基本的に常温の真水で行われるので、海水や冷水、川などで条件が変わります
ちなみに、ヘッドランプでは防塵の数字が「X」となっている場合が多いですが(例:IPX7)、「X」は「バツ(なし)」のこと。「防塵性能に関しては特にテストをしていません」という意味です。
ミディアムサイズはインジゲーターがある
出典:Landport
電源ボタンの横に並んでいる4つのLEDライトがインジゲーターで、残量がわかります。
軽量性を重視してスモールサイズにしましたが、キャンプなど、夜を長く楽しむアウトドアではミディアムサイズでもいいと思います。
山では雨が降らない限り毎日充電するため、インジゲーターがない不便さを感じたことは特にありません。
「キャリーザサン」使用レビュー!
\ お気に入りポイント /
◾︎ 均等に広がる光で周囲が見やすい
◾︎ 暖色の優しい光が心地よい
◾︎ 自分のテントが一目瞭然
◾︎ 他のハイカーと明かりを共有できる
予備電池やケーブル不要
個人的に一番メリットに感じているのは、"予備電池が不要"であること。
持ち歩く負担、買う手間、処分する手間、残量を気にする労力・・・何もない。
ソーラー充電でケーブルも必要なく、登山やロングトレイルとの相性抜群。
均等に広がる光で周囲が見やすい
光が均等に広がり、手元以外も見やすい
ヘッドランプの場合、光が一方向にのびるので(ヘッドランプごとに異なる)周囲全体を照らしにくい。
天井に吊るすのが一番見やすいですが、光を拡散させる専用のアイテムも販売されています(あるいは、ビニール袋を被せたり)。
「キャリーザサン」は吊るしてもいいし、ただ置くだけでもいい。光の方向を考えずに使えるのでストレスがありません。
暖色の優しい光が心地よい
「キャリーザサン」には、暖色のウォームライトと、白色のクールブライトがあります。
私が使っているのは、暖色のウォームライト。柔らかくて、暖かみのある優しい明かり。就寝前や起床時は刺激が少ない方がいいので、個人的にはウォームライトがおすすめ。
山小屋や避難小屋で使う場合も、他の登山者の迷惑になりにくいです。
自分のテントの場所がわかる
広いテント場で、自分のテントの位置がわからなくなったことはありませんか?
以前、剱沢キャンプ場でトイレも水道も何も見えず、20分くらい彷徨ったことがありました。テント場が広くてヘッドランプの明かりが届かず・・・深夜2時頃、月は雲に隠れて真っ暗闇。

キャリーザサンを点けたままトイレに行ったので、戻りはスムーズ。ヘッドランプだけだったら、たぶん戻るのも苦労していた。このときは、明かりが2つあって良かったと思いました。
他のハイカーと明かりを共有できる
ニュージーランドのロングトレイル「テ・アラロア」を歩いたとき、小屋(無人)でキャリーザサンを点けてテーブルに置いていたら、「いいもの持ってるね!」と褒められ、自然と人が集まりました。
日本の登山界では認知度高めですが、海外ハイカーは誰も持っておらず(出会ったハイカーは)。
ヘッドランプは顔に光が当たると眩しくて「うっ」となるので、小屋でヘッドランプを使う場合は"赤色灯"(あるいは、首にかけて光が下にいくように)。しかし、赤色灯がないタイプもあるし、あっても使わない人もいる。
避難小屋やキャンプなど人が集まる、交流できる場所では特に役立ちます。
【デメリット】キャリーザサンの気になる点
◾︎ 空気を抜く小さな穴に虫が入る
ビニールのベルトがちぎれやすい
折りたたんだ状態からスッと広げられるように、ソーラーパネル側とその反対側、2面にベルトがついています。
吊るしたり、ザックに取りつけときも便利ですが、接続部分がちぎれやすい。2年くらい使ったときにちぎれました(もった方か?)
ソーラーパネルがない側のベルトだけでも、本体と同じように糸が織り込まれていると頑丈になりそうですが。
ザックにカラビナでぶら下げる場合、ベルトがちぎれて紛失するリスクがあるのでご注意ください。
ちぎれる前に「アロンアルファ」や「スポーツグー(補修剤)」で強化しておくと少し安心です。あるいは、フロスなどで縫ってしまう?
\「スポーツグー」のすごさはこちら /
空気を抜く小さな穴に虫が入る
側面には小さな空気穴がありますが、日没後は光に虫が集まってくるので、小さな虫が中に入ってしまいました。取ることもできず、虫も出られず・・・
ニュージーランドのサンドフライと帰国
暗くて虫のいるところでは、空気穴を下にして使った方がいいです。ただ、ソーラーパネルの面が重いのでコロンと転がるので、転がらないように何かを置いたりして。
「キャリーザサン」スモールとミディアムどっちがおすすめ?
大きさはスモールとミディアムの2種類。明かりは暖色、白色、七色の3種類。レインボーは遊び心があります(ミディアムのみ)。
◾︎ キャンプ・防災・グループ登山 → ミディアム
ソロ登山や1〜2用テントで使用する場合、スモールサイズで十分な明るさ。ミディアムより30gほど軽いです。
登山は就寝も早いので、点灯時間はそこまで長くなくてもいいかと思います(弱で15時間)。スモールを使っていて不便に感じたことは特にありません。
一方で、使う時間が長く、人数が多いキャンプやグループ登山(3人用以上のテント)、防災用にはミディアムがおすすめ。
ミディアムの方が光量が強く、より広い範囲を照らせます。点灯時間も長いので(弱の使用で72時間)、1〜2日雨が続いても安心です。
使い古した「キャリーザサン」はリサイクルへ!
使用しなくなった「キャリーザサン」は、指定の場所の郵送(ポスト投函可能)すると資源としてリサイクルされます。
リサイクルをすると返礼品がもらえるようです。郵送方法や返礼品に関しては、「Landport」公式サイトでご確認ください。
まとめ
太陽さえあれば使える。電池を買う必要も、持つ必要も、捨てる必要もないランタン。
10年ほど使っていますが、「キャリーザサン」以上に便利だと思うランタンにはまだ出会っていません。本当にお気に入り。
◾︎ アウトドア・防災で大活躍
地震大国の日本では、防災用品として持っておくこともおすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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