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厳冬期の北八ヶ岳。ロープウェイから登る天狗岳縦走#2【高見石・東天狗岳・渋の湯】

八 ヶ 岳

2023.2.3-2.4

 DAY1:ロープウェイ-縞枯山-白駒池
★DAY2:白駒池-東天狗岳-渋の湯

歩き人たかちです。

昨日は北八ヶ岳ロープウェイから歩きはじめ、縞枯山と茶臼山を経て白駒荘に1泊。天気はいまいちで大きな展望はお預けだったものの、美味しいごはんに、温かすぎる布団でぐっすり。

今日は目的の天狗岳。出発前の天気予報は晴れ☀︎だったものの、実際はガッスガス。午前中の登頂ならすっきり青空だろう!と思っていたけど甘かった。-17℃の風の世界。真っ白でも、全身で八ヶ岳を感じます。

         行程
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天気:晴れ☀︎ → 霧・ガス・小雪❄︎
気温:白駒池-10℃/天狗岳-17℃
風:西 10〜12m/s

白駒荘-高見石小屋-高見石-中山展望台-▲中山-中山峠-▲東天狗岳-中山峠-黒百合ヒュッテ-渋の湯

▲ コースタイム:6時間40分
▲ 歩行距離:10km
▲ 累積標高差:+680m
                      -1016m

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2日目コース概要

白駒荘-高見石ー中山峠
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高見石小屋までの樹林帯はトレースもバッチリ。天気が良ければ高見石は寄り道したい展望スポット。その先、中山峠までは長めの登り坂で、緩やかにはじまり最後にぐっと登ります。トレースはあったりなかったり。歩く人が少なければ、もふっとしています。

展望台付近は吹き曝しでトレースは消えやすいですが、ピンクテープや赤布が定期的にあります。靴が埋まる程度でワカンは使いませんでしたが、踏み外すと深く埋まります。

中山峠までも特に危険箇所はありませんが、東斜面の稲子岳の岩壁帯を通る箇所は誤って踏み外さないように。道が細いというわけではありませんが、垂直の高く聳える岩壁帯となっています。

中山峠-東天狗岳
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樹林帯、岩場、急坂の道。岩場は雪とのミックスで、アイゼンでの岩場歩行を要します。樹林帯を抜けると吹き曝しになるため、風の強い日は要注意。道幅は特別広い訳ではありません。東斜面の岩壁帯はそのまま続き、登るにつれて壮大な景色を楽しめます。

一旦岩場を抜けたあと、スリバチ池方面との合流地点まで急な斜面が続きます。その先は再び岩と雪のミックスとなり、そのまま山頂まで。バランスを崩しやすい箇所なので、足元に要注意。過去には、岩と雪のミックスでバランスを崩して頭を打った知人もいました。

今回はガスで真っ白だったため、下山も中山峠まで来た道を戻りました。天狗の奥庭方面は巨岩がゴロゴロしており、コースアウトしないように。この日はほとんどの登山者が中山峠からの往復。岩場が少なく、ロープがところどころにあり迷うことは少ないと思います。

黒百合ヒュッテー渋の湯
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歩く人が多く、危険箇所なし。夏道の岩は雪に隠れ、積雪期はとても歩きやすいです。

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シラビソの朝[ 白駒荘-中山峠 ]

白駒荘-高見石ー中山ー中山峠:CT2時間30分

5:15に目が覚めて、布団の中で葛藤。星を見に行くか否か・・・見に行きました。天気予報通りなら晴れているはず!と外へ出ると、薄い雲があるものの池の真上は晴れて星がキラキラ。

「今日は晴れそうですね」と、冷え込んだ寒空で一服していたおじさん。

朝食が6:30なので6時頃まで寝ている人もいましたが、朝食を食べたらすぐに出発するのでガサゴソ準備。非常灯が結構明るく、扉の近くだったのでヘッドランプを点けずとも準備ができました。明るいと寝られない人はアイマスクがあった方がいいかもしれません。

6:20頃、スタッフさんの「朝食ができました〜」の合図で一目散に食堂へ。

朝ごはんもなかなかの量・・・ごはんは少なめにしていただきました。お味噌汁もあります。

野菜もおかずも相変わらずの美味しさですが、生野菜と温野菜の両方を食べるのはきつい。できる限り胃に詰め込みましたが、温野菜とソーセージは残してしまいました。自家製の野菜やお米で、食べてほしい!という思いは伝わってきますが、残すのは気が引けるのでやっぱり量を減らしてほしい。

200円でお湯を魔法瓶に入れてもらえます。朝食時、魔法瓶の上に200円を置いて指定の場所に。名前を書いた付箋を貼っておきます。魔法瓶1つに対して200円なので、大きい方がお得ですね。

白駒荘の精算はチェックアウト時。地域クーポン券を2,000円分いただいて出発。ちなみに、夕食時のドリンク代としてもクーポンを使えます。宿代とともに精算するシステムです。

7:05の白駒池。太陽はまだ届かず。

今朝の白駒池は-10℃。昨日は結局ハードシェルを脱がなかったので着て歩き出しましたが、5分でギブアップ。早速いつものトレールアクションに。

高見石小屋へゆるゆる登っていきますが、お腹がいっぱいすぎて身体が重い。本当は1泊夕食で泊まりたかったのですが、白駒荘にはそのプランがありませんでした。旅行支援も使えるし、2食付きで朝食を食べないのはもったいない。結果、詰め込んで辛くなるんですけどね・・・


朝の静かな北八の森


高見石小屋に到着。泊まりたかったなあ・・・人の気配はなく、静まり返っていました。

青空なので高見石に寄り道。岩の間に詰まった雪も割としまっていましたが、スコーン!と抜ける場所もあるため要注意。この岩場はアイゼンだと歩きづらい。

しかし・・・

 

真っ白な白駒池を眼下に、八ヶ岳の森を見渡せます。やはり素敵ですね、高見石。好きなのですが、いつも泊まらず通り過ぎます。次回こそ、高見石小屋のあげパンを食べたいものです。テント泊も良さそうですが、小屋に泊まってみたいですね。

天狗岳方面の様子は中山でわかりませんが、南の空には雲がありました。流れは早いから、どっかに行ってくれたらいいのだけど。


高見石からの世界


 

 

 

高見石小屋から中山までは、しばらく一定の傾斜で登ります。緩やかにはじまり、最後の方でちょっとだけ傾斜が増す。

単調な森歩きになりますが、樹林帯は相変わらず美しく、シラビソ好きにはたまらない。昨日は夕方から夜まで小雪がチラつきました。人の足跡に新雪が積もり、トレースを滑らかに消している。朝一の、ちょっともふっとした道を一番に歩く気持ちよさよ。

ワカンなどは特に要りませんが、靴が埋まる程度の道でした。トレースを踏み外すとズボッと埋まります。

傾斜が増したところで、ピーク手前の気配。無風だった森に風が入り、舞った雪がファサーと降ってきます。

樹林帯を抜けると吹き曝しの場所があるため、ここでハードシェルを着ました。水と白湯を飲み、森を抜ける準備完了。

 

風の音が響き、西風が木々の間から吹き抜けます。塵雪が顔に当たり、痛かったり、冷たかったり。

 

 

木がまばらになったところで展望台に到着。まだ青空が見えているけど、天狗岳方面には怪しい雲がかかっていました。それよりも、風がさむーーーーーい。

カメラのバッテリーがお亡くなりになるのではないかとひやひやしながら、短時間で適当にパシャリパシャリを繰り返す。

このあたりは風でトレースが見事に消えていましたが、テープ類が定期的にあるため迷うことはありません。


中山より


 

木があるって温かいよなあと思いつつ歩いていたら"にゅう"の分岐。白駒池からにゅうへの樹林帯も、とても素敵です。

ここから東側が"稲子岳"の岩壁帯になります。東斜面は恐ろしいほどにストーンとなっているので、誤ってそっち側のもっこりした雪に乗らないように。道が細いわけではありませんが、なるべく樹林帯側を。好奇心で覗きたくなるので。

進行方向を変えるタイミングで天狗岳がどどんと見えました。東も西も、揃いも揃ってガスっています。風で雲がどこかへ行くどころか、逆に連れてきたようで・・・天気予報の精度が上がっているとはいえ、冬山はやっぱり難しいなあ。

ちょっと落ち込み気味で"中山峠"に到着。渋の湯からの人たちと合流しちょっと賑やかに。中山峠手前まで誰にも合わず、八ヶ岳の森を独り占めでしま。

ここは、しらびそ小屋との分岐でもあります。小屋に予約の電話をしたら、今日はツアーの人で満室。そして、来週いっぱいはお休みとのことでした。しらびそ小屋の厚切りトーストもいつ食べられることやら。八ヶ岳は泊まりたい小屋と食べたいものがありすぎて困ります。その分、これから先も楽しませてもらおう。

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真っ白な天狗[ 東天狗ピストン ]

中山峠-東天狗-中山峠ー黒百合ヒュッテ:CT2時間15分

ガスが晴れる気配は一切ありませんが、とりあえず東天狗だけでも。太陽がチラチラ出ていれば希望も湧きますが、そんな様子も全くない。

中山峠から樹林帯を歩き、途中に岩場や急坂。だんだんと吹き曝しになっていきます。この時点で気温は-17℃。今日は風が10m/sほどあり、体感は-30℃近い世界。太陽のない雪山は寒いですねえ。

 

 

 

岩場を抜けて、急坂をしばらく登る。日帰りの人たちが次々と下山してきます。口を開くのも立ち止まるのも寒いので挨拶くらいしかしませんでしたが、「天気予報当たらなかったね〜」という会話がちょいちょい聞こえてくる。

スリバチ池からの合流地点に到着。

下山はこちらのコースを考えていましたが、今日は迷子になりそうです。GPSを見る余裕もないし、諦めました。他の登山者の方も「来た道を戻ろう」と。天気が良ければここからの展望が素敵なんですけどね・・・残念。

分岐から先は再び岩と雪のミックス。山頂まで岩場が続き・・・

東天狗、登頂◎

まっしろーーーー!さむーーーーーい!

すぐに下山開始!仕方ない!

ヤマテンのピーカン予報に加えて、SCWでも雲の影なし。しかし、結果はガスガスで小雪もチラリ。晴れていてほしかったのはもちろんですが、人間の英知が100%に及ぶのはなんともつまらない世界。ま、しょうがないよね〜となる自然にホッとしたりする。

こんな世の中だからこそ、人間なんかちっぽけなんだよと思い知らせてくれる自然が面白い。存在してきた時間が雲泥の差。人間がいなくても地球は続くけど、自然がなくなったら地球もなくなる。壮大なことを考えはじめると、人生の短さが際立ちます。

先の岩場には「○」印がありますが、アイゼンで歩きにくいので右手から下の樹林帯へ。バランスを崩さないようにサクサク下山。

 

下山はなんともあっという間で、黒百合ヒュッテに到着。土曜日で、テントが続々と張られていました。予報では明日の日曜日が一番高気圧に覆われます。明日は晴れるのかなー晴れるんだろうなあー。

西天狗に行かなかった分時間があるので、「Cafe Chocolate Lily」でカフェタイム。

黒百合ヒュッテはビーフシチューが本当に美味しくて、来ると食べたくなりますが今回はマフィンセット。以前コケモモマフィンを食べたので、今日はショコラマフィンとコケモモティー◎

表面がサクッとしていて、めちゃくちゃ美味しい!コケモモジャム付きですが、ジャムとショコラがとっても合う!

カレーも美味しいという噂なので、またの機会に。冬季は、渋の湯線のバスが土日祝しかないので、週末のヒュッテはすぐ満室になります。天気を見てから予約をする私は、過去すべて弾かれています。

黒百合ヒュッテにはお土産がたくさん。ヒュッテ限定の"クロップ"は大変お気に入りで、どこの山に行くにも大体一緒。買ったときのものはもう少し厚みがありますが、現在のものは薄めでツルツルと洗練された感じですね。

1時間ほど休憩し、賑わう黒百合ヒュッテをあとにして渋の湯への下山開始。

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森歩き[黒百合ヒュッテ-渋の湯]

黒百合ヒュッテ-渋の湯-臨時駐車場:2時間

渋の湯まではひたすら樹林帯。危険箇所もないので、ルンルンで大好きな八ヶ岳の森歩きを。

 

バスの人たちがちょうど上がってくる時間帯で、はじめはすれ違い多め。小屋泊にテント泊、ツアー登山とさまざまな土曜日の道。山岳部らしき男の子たちの荷物が一際大きくて目立ちました。冬のテント泊装備は重くてもう背負いたくないので、今は潔く小屋泊で。雪は雪の楽しさがあれど、動きにくい、足が重い、荷物が重いの三重苦が辛い。

 

淡々と下っていますが、シラビソの森がいちいち美しい。

 

夏道は岩がゴロゴロしていますが、冬は何も気にせず。サクサク歩いたらあっという間に渋の湯についてしまうので、時計を見ながらゆっくりゆっくり。なんだかんだ麓も曇っていて、バスの待ち時間が寒そうなので・・・

14:30頃、渋の湯到着。

現在、道路の崩落箇所の工事中のため、渋の湯の約1km手前の臨時のバス停までの折り返し運転になっています。

令和5年3月末まで予定していた道路工事は終わったようですが、臨時のバス停は継続しているのかな?渋御殿湯のHPには、「2023/3/17 当館に至る道路工事は終了しました。バス終点が渋の湯登り口に変更になっています。」と記載されていますが、これは渋の湯まで運行しているということ?バス利用の場合は確認した方が良さそうですね。

車道を10分ほど下った場所に臨時のバス停。乗車は5人だけでした。とてつもなく温かいバスに揺られ、茅野駅へ。

冬の天狗岳を楽しみに、天気をギリギリまで見た上で縦走しましたが敗北。縞枯山や高見石など、ところどころの展望はとても素敵でしたが、冬山の天気はやはり難しい。

身を切るような八ヶ岳の風を受け、今季一発目の冬の厳しい自然を味わいました。八ヶ岳のシラビソはいつでも美しく、天狗岳はガッスガスだったものの、八ヶ岳はやっぱりいい。高見石小屋としらびそ小屋はまたリベンジしたいと思います。

茅野駅に着いて、電車まで少し時間があったので駅と繋がっている「ベルビア」の2階をふらふら。本当になんとなく行ったのですが、知らない素敵空間が・・・

なんと、「まちライブラリー」なるものができていました。本がたくさん置いてあって、席を自由に使うことができます。受験生らしき子が何人か勉強していました。

今まで茅野駅のベンチで電車待ちをしていましたが、ここはめちゃくちゃいいですね。登山地図も置いてあるし、山の本もある。

同じフロアにはベーカリーカフェ八ヶ岳Octet(オクテット)があり、美味しそうなサンドイッチメニューも。お腹を満たして帰るのもありですね。

駄菓子屋があったり、ワークスペースがあったり・・・茅野駅、すごく楽しくなっていました。

白駒荘でいただいた地域クーポン券は、駅のお土産屋で。先ほどの「Octet」のサンドイッチが売られていたので、つられて購入。すると、店員さんが「トースターで両面1分ずつ焼くとめちゃくちゃ美味しいので!」と、めちゃくちゃおすすめされました。そんな楽しそうに言われると、次回はお店で食べようかなと思いますね。

電車待ちで時間がある方は、ベルビアの2階に寄ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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