日々感謝。1200kmのへんろ道。【49日目:満願。高野山奥之院】

お 遍 路

2020.12.7(月)
高野山 晴れ☀時々曇り☁ 11/-2℃

歩き人たかちです。

最終日になりました。昨日、町石道を歩き高野山へ到達。今日は、今でもお大師さまが修行しているという高野山奥之院へ。

宿泊した「恵光院」の朝のお勤めと護摩祈祷に参加し、10時半の「生身供」に合わせて奥之院へ向かいます。四国のみなさんにも「高野山の奥之院はいいよ~。」と言われていましたが、とっても神聖でした。お遍路満願への一日。

朝のお勤めと護摩祈祷

恵光院の朝のお勤めは7時~7時半、護摩祈祷は7時半~8時。その後、朝食となります。ゆっくりと寝られます。

参加は自由。ここまで来て初めてのお勤めと護摩祈祷。護摩祈祷は一度出てみたかったので、無料で参加できるのは嬉しい。

7時前に本堂へ。絨毯の地べたか、後ろの椅子席に座ります。前の方で見たかったので絨毯に。

住職さんが2人来てお勤めが始まりました。抑揚のある読経はとても格好良かったです。しーんとした本堂に低い声が響きます。

「寒いから防寒はしっかり」と言われましたが、とても寒かったです。特に足。末端冷え性の方は要注意。一応ストーブはありますが、広めの空間を温める程ではなく、めっちゃ寒い。途中から足の冷たさと闘っていました。

途中で「一人ずつお焼香をお願いします。」と言われ、前列の端の人から順番にお焼香をしました。この雰囲気の中でお焼香をして手を合わせるのは緊張感があり、いつもの合掌とはまた違います。

お経がゆっくり伸ばされるようになり、7時半過ぎに全てが終了。奥の本尊を見るために一周してから護摩祈祷に移りました。

護摩祈祷は恵光院を出てすぐの「毘沙門天」で行われます。こちらは外気が入ってくるのでさらに寒い。

昨日書いた護摩木もありました。こちらでも2人の住職さんがいて、1人が火を熾し、1人が太鼓?を叩きながら読経していました。

薄暗い部屋の中で炎がどんどん高くなり、読経も最高潮に。これは見応えがありました。も〜えろよもえろ〜♪と頭の中に流れてくる。

護摩木もサッ、サッと火に炙られます。その護摩木は・・・ん?火の中に入れられた?どこいった?なんかよく見えませんでしたが、おそらく火の中へ投入された模様。

護摩祈祷も寒かったですが、火が燃え盛るのでお勤めよりはマシ。でもやっぱり足は寒くて、揉んで血を流しながら見ていました。

終わった後は、1人ずつ煙を浴びました。身体の悪い部分に煙をあびせるとのこと。特に悪いところはありませんが、これからもしっかり歩けるように足全体に。

そして、奥にある3体の像に手を合わせ宿坊に戻りました。

部屋には朝ごはんが用意されていました。派手なもののない精進料理。朝の胃に優しい。がんもどきがとても美味しかったです。夜の精進料理も気になりましたが、ケチって1泊朝食。

恵光院から奥之院までは2km。「一の橋」を渡るとお墓がズラリと並びます。ゆっくりと歩くために9時半前に出発。荷物は宿で預かってもらえます。

お大師さまのごはん。そして満願。

*恵光院~奥之院~一の橋:4km*

生身供は毎朝6時と10時半。「御廟橋」手前にある「奥之院 御共所」という場所でごはんが作られ、そこから御廟へと運ばれます。御朱印もここでいただきます。

ごはんのメニューは毎日違い、何を作ったかというレシピが保存され続けているとのこと。それを見ることはできませんが、空海が今も生きているという思いを感じます。

恵光院から一の橋はすぐでした。ここから一気に杉林の中へ。

さすが高野山、巨木だらけ。

お墓も小さなものから、すごく大きなものまで。偉人のお墓もたくさんあります。

苔むす感じも貫禄があるし、お地蔵様もたくさん。

お墓もすごいのですが、とにかく巨木に見惚れました。一の橋から奥は気温も低くなってひんやりするし、高野山の歴史を感じます。「高野山ってこんなに街なのか」と昨日思いましたが、ここは空気が違う。これが高野山なんだ。

奥から黒と山吹色の袈裟を纏ったお坊さんさんが歩いてくる姿もとても様になっており、これぞ高野山。

これは・・・

4本!!!!

木はお互い支え合って育つと聞いたことがあり、2本合体しているものはよく見ますが、4本は中々ない。本当に巨木だらけ。屋久島くらいテンション上がります。

雰囲気がすごくて、ついつい立ち止まってしまう。四国とはまた違う高野山ワールド。

帰りにも見られるので、とりあえず御共所を目指し10時15分頃到着。10人ちょっとくらいで、そこまで混んではいませんでした。

ごはんが出てくる場所で待機していると、人が増えてきました。朝の6時なら静かに見られると思いますが、この時季は真っ暗。6時の方が厳かな雰囲気の中見られそうなので、春〜夏は早朝がいいかも。

黄色の袈裟を来たお坊さんが3人でてきました。

奥之院へ運ぶ前に「嘗試地蔵(あじみじぞう)」にて、味見をしてもらうという儀式が行われます。

そのあとに籠で奥之院へ。何が入っているのかはかわりません。一連の動作はあっという間でした。

奥之院は写真撮影禁止。"お大師さまがお迎え、お見送りをして下さる"という「御廟橋」の前で一礼をします。帰りも、渡り終えたあとに一礼。

お坊さんの歩くスピードが早く、そそくさついて行く。さらに神聖な雰囲気になり五感をフル稼働。橋の向こうに、大きな大きな「燈籠堂」がありました。

燈籠堂の中には、燈籠がズラリと下がっていました。また、千年近く燃え続けている「消えずの火」があります。住職さんが火の管理をしていました。

薄暗くてよく見えませんでしたが、ごはんが運びこまれ、そのまま読経が行われました。御廟は燈籠堂の裏にあります。

最後の納め札を記入し、手を合わせました。今まで、私にとって空海は単なる歴史上の人物で、基本的なことしか知りませんでした。しかし、お遍路で毎日空海に触れたことで、「会いに来た」という感情がとても大きかったです。

「同行二人」のお遍路。一緒に旅をして最後に修行の場を見せていただいたような気がして、ここまで88ヶ所を回ってきたことが急にしっくりきました。自分の中にストンと落ちました。

手を合わせると「ご苦労様」と語りかけられたような気がしました。ここまでの苦労や、人の優しさが走馬灯のように頭の中を駆け巡り、自然と涙が出ました。

どんなに好きなことでも必ず苦しいことはあって、だからこそ喜びもあって、人の優しさに触れて、自然に触れて、心が変化していく。自分の心の流れを感じたお遍路でした。

「歩く」という行為自体が好きだけど、人として大事な根っこの部分に喜怒哀楽できるところがすごく好き。

これにて満願!

本当に、本当に「感謝」の一言に尽きます。

奥之院の空気を吸い込んで、納経所へ戻りました。

「どちらからですか?」と聞かれ、「88ヶ所歩き終わってきました。東京です。」というと「おー!歩いて!区切りですか?」と。「通しです。」と答えると「おぉ~女性で歩く人は少ないので。おめでとうございます。」と。

女性の割合は確かに少なかったですが、性別に関係なく一人の人間として歩きたい道。

やるか、やらないか、ただそれだけ。

休憩所もありました。「頌徳殿」という茶所です。トイレが併設されています。お茶のサービスと、10分の法話が1日6回行われるということ。こときとは、コロナで中止。

奥之院はとても離れがたかったです。このまま帰ってもいいのだろうか…というような、後ろ髪を引かれる感じ。そうしてここに留まる人、また歩き始める人がいるのだろう。何だか終わってはいけない感覚。

八十窪のおばあちゃんに「3回歩くのが礼儀」と言われました。「さあ、ここからどうする?」というような問いが、奥之院にはありました。

「感謝」の気持ちがある限り、お遍路は続くと思います。時代を遡れば遡るほど道は険しく、水や食料は乏しく、非常に厳しい道のり。しかし、ただ一つ変わらないもの。それが「感謝の心」。お遍路を語る上で欠かせないもの。

"生きることは感謝をすること"

このことを忘れずに人生を歩んでいこうと、しっかり心に誓いました。

再びお墓や井戸を見ながら戻ります。

豊臣家のお墓は大きかったです。全ては見ていませんが、他にも、織田信長や上杉謙信、武田信玄、明智光秀などのお墓もあります。

"敵味方、宗派を越えて空海の側に一緒に眠っている"ということが、高野山の魅力とのこと。弘法大師の"どんな宗派でも受け入れる"という心の広さは偉大です。

お地蔵様の顔もさまざまで見ていて楽しい。

「化粧地蔵」。ちょっとケバケバですね。

綺麗なくっつき具合。

高野山の巨木には本当に圧倒されました。良い杉ありすぎ。

来た道とは違う道に寄り道。「楽書塚」というものがあり、たくさんの落書きやシールが貼られていました。一流企業のお墓もたくさんあります。

「親鸞」のお墓発見。

親鸞のお墓がある道を行くと、ゲストハウスなどがある「中の橋」という場所に出ます。そこから一の橋へ戻るには車道を1km程歩きます。

もう少し見て周りたかったので、来た道に戻ることに。親鸞のお墓近くに合流できそうな道があったので、そこから戻りました。

「姿見の井戸」"井戸を覗いて自分の姿が映らなければ3年以内に命を落とす"という言い伝えのある井戸。

恐る恐る覗くと・・・しっかり映りました。よかった。いやいや、普通に映るでしょ!と思いながらも、ちょっと緊張気味で覗いた自分。

お遍路ですっかりお地蔵様好きとなりました。どれもこれも佇まいが可愛い。手作りの前掛けに愛情を感じます。

一の橋に戻ってきました。12時を過ぎ、3時間近く最も神聖な空間におりました。

非常に良かったです、奥之院。

壇上伽藍と金剛峯寺

*奥之院~壇上伽藍~金剛峯寺:2.7km*

高野山にはたくさんのお寺がありますが、15時過ぎの高野山駅へのバスに乗るため、「壇上伽藍」「金剛峯寺」に絞りました。

まずは壇上伽藍へ。

月曜日ということで人も少なくなり、がらーん。

「梵恩舎」。食事もケーキも無添加食材にこだわっているカフェで、豆腐のチーズケーキ、特製チョコレートケーキがとっても美味しそう。営業していたらと思いましたが、月火が定休日。

*梵恩舎 Facebook*

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梵恩舎/262399260502622?locale=ja_JP
中門

壇上伽藍に到着。

目玉の迫力。

金堂

高野山の総本堂。

金堂や根本大塔は拝観料がかかります。結局外から見ていただけ。

六角経蔵

御社

西塔

御影堂

根本大塔。大きいです。

中の大塔には、色鮮やかな極彩色の薬師如来像が描かれています。金色に輝く大きな仏像群もあります。お寺で色鮮やかな仏像を見たことはありませんが、極彩色が本来の姿だそうです。作られた当初は極彩色で、私たちが見ているのは色褪せた姿だと。

根本大塔の中の写真がすごく綺麗だったのですが、実際はとても薄暗い中にありました。外からも少し見えたのですが、撮影用に明るくしていたのか。当たり前か。

外からチラ見だけ。

ここには「三鈷の松」というものがあります。「ここの松だけ」という説明も見ますが、お遍路中にも何回か見ました。石手寺とかにあったような。

弘法大師が唐からの帰国中に投げた三鈷杵が松の木に引っかかって・・・という言い伝えは結構いろいろなところで見ました。何回三鈷杵を投げたのだろうか。

松の葉は通常2本。しかし、葉が3本のものがあり、お守りとして持って帰るようです。

この松の周りではそれを探している人がたくさんいます。このときはちらほら程度でしたが、土日はたくさんの人が地面と睨めっこしていたようで。

なんとなく周りを見てみましたが、そんなすぐに見つかるはずもなく、やめました。

お腹が空いたのでお店を探し「角濱ごまとうふ総本舗」に行きました。

高野山のごまとうふは有名ですが、ここではごまとうふの懐石料理を食べることができます。様々なごまとうふの料理が小鉢に。2種類あり、「金剛懐石」と「胎蔵懐石」。金剛懐石がごまとうふの天ぷら。胎蔵懐石がごまとうふのあんかけ。

金剛懐石にしました。

左上から、ごまとうふの御造り、角揚げ、デザートごまとうふ、焼きとうふ、ごまとうふの天ぷら、高野とうふ、創作ごまとうふ、飛龍頭、香物。そして、炊き込みご飯とお吸い物。

今まで食べてきたものは、どれもこれも美味しかったのですが、これもまた美味しい~!!!特に天ぷらと御造りがお気に入り。

リッチな食事ですが、次回は胎蔵懐石を食べてみたい。

お土産も買えます。"生ごまとうふ"が気になりましたが、要冷蔵なので普通のごまとうふを。

デザートも美味しそう。カフェ利用もしたい。

*角濱ごまとうふ総本舗*

ごま豆腐の販売 高野山 角濱ごま豆腐総本舗
高野山のごま豆腐 - 白ごまと吉野葛、深山から湧き出る岩清水を原料に、伝統の製法で作り上げた深い味わいを今に伝えています。【角濱ごま豆腐総本舗】

最後に金剛峰寺に行きました。ここは高野山の総本山です。

到着時はお坊さんがたくさん集まり、修学旅行のような集合写真を撮っていました。すぐに解散してお坊さんたちは中へ入っていかれたので、外は静かになりました。

ここで記念に御朱印をいただき、バスの時間までゆっくりと過ごしました。へんろ宿のご主人の「お寺の時間を大切にしてほしい」という言葉が蘇ります。

日が傾いてきました。12月の平日はこんなものか。静かでいいですね。

納経所近くから出ました。

高野山駅行きのバスがお寺の前から出ているので、15時過ぎのバスに乗りました。

お寺好きで、ゆっくりと見て回るなら2泊しても良さそう。それくらい、見所満載な高野山でした。

恵光院に置いてあった「KUKAI」という雑誌がすごく良さげでした。歴史の本だとお硬い感じですが、これは好奇心がそそられる。現在は3冊出ているようで、amazonでも販売されていました。

「お大師さまのファンクラブ」もあるようです。世の中何でもある。

*雑誌「KUKAI」*

KUKAI 公式 | 高野山 | 空海密教の宇宙 |
高野山真言宗総本山金剛峯寺が贈る、新しい雑誌「KUKAIー空海密教の宇宙」が平成30年9月末に創刊! 全国の書店で発売されます。弘法大師・空海の教えや高野山の魅力、真言密教の神秘などがたっぷり詰まっています。貴重な仏像、仏画も公開。KUKAI定期購読も受付中です。

いつもの日常へ

高野山駅からはケーブルカーで極楽橋駅へ行き、そこから電車で。

ケーブルカーの天井がお洒落。

昨日20kmかけて登ってきた標高差を一気に下り極楽橋駅に着きました。

ケーブルカーを降りたらこの天井!和の美しさ!

さらに鮮やか!!

これは見る価値ありです。すごく綺麗でした。

ここで、大阪行きの電車に乗りましたが、高野山の神聖な空気と下界が近い・・・

あっという間に知っている日常に戻って行きました。

これにて、本当の本当にお遍路完結。「高野山奥之院を訪れると、高野山を後にしてもお大師さまが見守ってくれる」とお聞きしました。これからの人生、様座な局面でお遍路の経験が活きると思います。

★本日の歩行距離:6.7km

★49日間の累計:1227.9km

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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