2021.6.23(水)
歩き人たかちです(@takachi_aiina)
利尻島3日目は、レンタサイクルで島を一周!約60kmなので、寄り道しつつ、1日かけてゆったり走るのにちょうどいい距離。
4年前は、14時半頃の飛行機に間に合うよう早朝出発。早朝でお店はほとんど営業していないし、時間を気にして漕ぎまくったので"一周した"という記憶だけが残りました。
最低限、湧き水を汲み、ミルピスを飲み、ラーメンを食べた。景色は正直ほとんど覚えておらず。曇っていたし、利尻山は見えたり見えなかったりで・・・
利尻島自転車一周!時計回り?反時計回り?
\ 2回とも時計回りにした理由 /
◾︎ 姫沼やオタトマリ沼は静かな時間帯に訪れたい
◾︎ 右に利尻山、左に海の眺めがいい(個人的に)
起伏は時計回りも反時計回りも大きく変わらないと思います。細かいアップダウンはありますが、長い坂がずっと続くような区間はなく、短めの登り下りを繰り返します。(MAPや起伏の確認はこちら)
「沓形」は「鴛泊」から約10km。鴛泊のキャンプ場に宿泊していたため、お店の営業時間に合わせて沓形が最後になるよう時計回りにしました(*早めに閉店するお店もあるので営業時間は要確認)。
また、「オタトマリ沼」などの観光バスも多いスポットは人が少ない時間に訪れてゆっくりしたかったので。
宿泊場所やお店、目的、風向きなどを考慮して決めるといいと思います。
利尻島の観光客向け自転車レンタル
宿泊者専用のレンタサイクルを行っている宿泊施設は多いですが、観光客用のレンタサイクルは限られています。
レンタサイクルがない宿泊施設や、キャンプ場を利用する場合に利用できるレンタサイクルをご紹介します。
宿泊施設に電車自転車がない可能性もあるので、要事前確認。
雪国レンタル(鴛泊)

鴛泊エリアで唯一、宿泊者以外の観光客にレンタサイクルを行っている「雪国レンタル」。「旅館雪国」に宿泊の場合、宿泊者用のプランがあります。
鴛泊フェリーターミナルの向かい側、レンタカーなどのお店が並ぶ一番右端に位置しています。
営業時間は8時~17時、1日借りても1,500円とリーズナブル(2025年5月現在も値段変わらず)。注意点は、電動自転車はありません。

クロスバイクを借りました。ルイガノもありましたが、自分は足が届かず・・・
乗れたのが後輪のみギアチェンジ可能というタイプでしたが、坂道はやはり前後輪ギアチェンジ可能な方がらくです。
前回はゲストハウス「利尻ぐりーんひるinn」に宿泊し、クロスバイクを借りました。基本的には宿泊者専用ですが、前日 or 当日の時点で空きがあれば対応してくれます(要問い合わせ)。クロスバイクは140cm〜、電動自転車は144cm〜対応なので低身長にはありがたかったです。
利尻ぐりーんひるinn(鴛泊)
前回はゲストハウス「利尻ぐりーんひるinn」に宿泊し、クロスバイクを借りました。
基本的に宿泊者専用ですが、前日 or 当日の時点で空きがあれば宿泊者以外にも対応してくれます(要問い合わせ)。
クロスバイクは140cm〜、電動自転車は144cm〜対応なので低身長にはありがたかったです。ヘルメットの貸し出しも無料。
利尻アクティビティ(沓形)
沓形にある、主に利尻島のアクティビティツアーを行っている「RISHIRI ACTIVITY」。
利点は、宿や港への"配送サービス"があること。指定の場所限定で乗り捨ても可能。さらに、借りた自転車を礼文島に持って行くこともできます。
鴛泊エリアに宿泊、かつ電動自転車を借りたい人には「利尻アクティビティ」がおすすめ。
レンタサイクルで利尻島一周!
鴛泊 - オタトマリ沼 - 南浜湿原

利尻山のてっぺんがちょこんと見える
「雪国レンタル」は8時からの営業なのでテントでゴロゴロ。北海道とはいえ、7時前にはテント内が25度に達して暑い。

タイヤの空気が微妙だったので、満タンにしてスタート!!借りたときに確認した方がよいです。
*自転車スタンドや空気入れの有無については、利尻観光ポータルサイト「RISHIRI PLUS」のMAPに記載されています。利尻島一周の場合、オレンジ色の「利尻・彩くるロード」のMAPをご覧ください。

島のいたるところで干されている利尻昆布
鴛泊~鬼脇区間はお店が少なく、静かなサイクリング。利尻島の東~南側は、島本来の生活を垣間見れるので、個人的にとても好き。

海藻がゆらゆらと気持ちよさそう。利尻島ってダイビングできるのかな?と思いましたが、ありませんでした。

日差しは強いですが吹き抜ける風が気持ちよく、ゆるゆるサイクリングするのにちょうどよい。ほとんど日向なので、日焼け対策は万全に。

北東側からの利尻山。前回は曇りで利尻山もほとんど見えなかったので、角度を変えて利尻山を眺めることを楽しみにしていました。


海岸沿いだけでも神社は20ヶ所以上。利尻山に対する感謝が伝わってきますね。


空港や鴛泊方面からの利尻山はトンガリコーンのように尖って見えますが、東側から見るとギザギザ。こちらの方が残雪が目立ちます。

少しずつ形を変えてゆく


爽快感MAXになっていた10時過ぎ、鬼脇のセイコーマートに到着。利尻島内には鴛泊、沓形、鬼脇の3店舗。ちょうどよい間隔で散らばっています。
私はセイコーマートが大好きで、特に「HOT CHEF」という店内で手作りされているおにぎりやお弁当が好き(ホットシェフがない店舗もある)。
利尻島はセイコーマートが限られているせいか、おにぎりが売り切れていることが多いです(私のタイミングが悪い?)。運良く2つ残っていたので昼用に購入。

「沼浦キャンプ場」の前を通り、「オタトマリ沼」を目指す。沼浦キャンプ場は無料で利用できますが、港や町から離れているため車移動の人向け。

「オタトマリ沼」に到着。前回は7時頃訪れましたが、ガスで何も見えませんでした。ガスも幻想的だ・・・と言い聞かせてましたが、やはり晴天がよい。
昨日、利尻山で挨拶を交わした男性とお会いしました。「あまりに天気が良いから今日も登っちゃおうかと思った」と。気持ちわかる。私もテントを開けたとき、登っちゃおうかな?と思いました。
レストハウスでは、はなますや熊笹のソフトクリーム、焼きホタテ、ツブ、ウニなどの海産物やラーメンがあります。

焼きホタテ

「はなますソフト」にしました。甘すぎず、爽やかな味。さっぱりしていて、とても美味しかったです。
ピクニックテーブルでは、利尻山の勇姿を前にPC作業をしている人も。ここでリモートワーク?最高か。
山頂からの景色もずっと眺めていられますが、下界からの利尻山もずっと眺めていられる。本当に美しい独立峰ですね。

もう一軒のレストハウス「利尻亀一」。こちらでは「万年雪ソフト」が有名だとか。入店しませんでしたが、無料の熊笹茶や名水珈琲があるそうです。

30〜40分休憩してサイクリング再開

前回はスルーした「南浜湿原」に寄ってみたら・・・

オタトマリ沼より好き。木々が水面に映り込み、カキツバタも咲いていてとても綺麗。
駐車場は小さめで(4台くらい)、売店やベンチもないので大型の観光バスは来ないかも?静かに鑑賞できて、穴場かもしれません。

湿原には400mと900mの遊歩道があり、繋げて歩くと1kmちょい。5月は水芭蕉も咲くようです。

終わりかけでしたが、残りのワタスゲが風にゆらゆら揺れていました。

エゾイソツツジ

晴れ続きで湿原はカラカラ気味
来たときは誰もいませんでしたが、駐車場に戻ると車が4台。個人的におすすめの湿原です。
南浜湿原 - 麗峰湧水 - 沓形

空と海、利尻ブルーが眩しい


南側まで来ると、またとんがりシルエットになりました。

島の南西側はカラスやウミネコがとても多い。全体的に多いですが、こちら側は「フンに注意」という看板が定期的あります。時計回りの場合、頭上に電線があるので要注意。
稚内のノシャップ岬を訪れたときウミネコの糞をくらったので、かなり警戒しました。

ゆずの「夏色」を自然と口ずさむ。夏だー


「麗峰湧水」に到着。利尻島は水が流れていない沢が多いですが、"土壌に吸収され地下水となった雨のほとんどは海の中で湧き出している"とのこと。地上で湧き出すには距離が短いそうです。
しかし、「甘露泉水」や「麗峰湧水」のように地上に湧き出している湧水が何箇所かあります。30年ほどの年月を経て湧き出しているといわれる名水。旅人はもちろん、地元の人も汲みに来ています。

冷たくてめちゃくちゃ美味しい!名水を汲みながらのサイクリング、贅沢極まりない。利尻山がある贅沢さ、豊かさが身体に沁みます。

ハナマス。とてもいい香りがします。



「北のいつくしま弁天宮」。ここまでの鳥居は全て利尻山に向いていましたが、こちらは海。「山は海の恋人」と言いますが、両方あるから自然が成り立つ。それを身近で感じられる利尻島、本当に良い島ですね。


この先の道中に「仙法志御崎公園」の案内がありました。寄らずに「昭和道路」という山側の道を走りましたが、展望台や自然水族館があるそうです。
あとで調べてみると、野生のゴマアザラシが棲息しているらしい!!
運が良ければ野生を見られるそうですが、飼育や野生から離れてしまい保護しているアザラシへの餌やり体験もできるとか(5月GW明け〜9月頃)。

利尻島のカラスはウニを食べます。前回は、早朝のウニ漁?の作業をしていた漁師さんから横取りしているカラスを見ました。

西側に来ると、またギザギザした姿に。こちら側は残雪が少ないですね。

徐々に賑わってきて「沓形」に到着しました。利尻島のソウルドリンク「ミルピス」をまた飲みたかったのですが、コロナで休業中。利尻島でしか飲めないので残念。

2017年に訪れた「ミルピス商店」。かっぱえびせんをサービスしてくれた
「ミルピス」はさっぱりした乳飲料。スタンダードなミルピスの他、ハナマスや山ブドウなどいろんな味があります。利尻島に訪れた際はぜひ!

利尻ラーメンで有名な「味楽」。本店は利尻島ですが、新横浜にも店舗があります。

前回、鴛泊港で食べた「磯やき亭」のラーメン。利尻昆布出汁が美味しいので、とりあえず1回は食べたくなる。今回ラーメンはスルー。

2018年にオープンした「自休自足 利尻に恋し店」という島の駅に寄りました。「利尻ふる里・島づくりセンター」というNPO法人が運営しているお店。

海鮮問屋だった、120年以上の建物をリノベーションした古民家カフェ。利尻島の廃材を利用しているとのこと。長閑な港町の風景を眺められる、居心地の良いカフェです。


ランチメニューは、全て利尻昆布出汁を使用。石焼チーズカレーのBセット(ドリンク、デザート付き)を注文。
ランチは11〜14時まで。それ以降は、食事の提供はありません(デザートのみ)。ラストオーダーの時間を気にしていましたが、13:40頃来店した方もランチを注文していたので、14時までに行けばいいのかも?

前菜。そのままでも美味しいですが、利尻昆布の粉末が加えられたハーブソルト、スパイスソルト、ハイビスカスソルトの「うまみソルト」で味変を楽しめます。店内で販売もされています。
特に美味しかったのが「利尻昆布酢」。お酢ですがそこまで酸っぱくなく、ドレッシングとして使えます。家族に買って帰ったらすごく喜ばれました。

ジュージューと音を立てながら熱々の焼きカレー登場。利尻昆布出汁のスープ付き。めちゃくちゃ美味しい!

デザートは「自家製珈琲ゼリーパフェ」。セットのデザートにしてはボリューミー!ドリンクはカフェオレにすれば良かった。コーヒー尽くし。


店内には、手作り品や島の駅限定のものが販売されています。先程の「利尻昆布酢」も島の駅の限定品。
沓形から鴛泊までラスト12〜15kmほど。車道か自転車道かで距離が変わります。今回は自転車道を走ってみます。
沓形 - 鴛泊

沓形からサイクリングロードへ
サイクリングロードは沓形の少し手前にある「利尻町運動公園」始まり、鴛泊地区の「野塚展望台」までの24.9km。途中車道を横切ることもありますが、車を気にせず走れるので快適です。

遮るものなく眺められる利尻山。サイクリングロードは綺麗に整備されており、かなりおすすめ。

礼文島を正面に走る

他に自転車はおらず、独り占め


エゾカンゾウ。どこからでも絵になる利尻山


最後に、素敵な東屋がある「富士野園地」で休憩。晴天続きで利尻島を大満喫しました。利尻山に、ありがとう。

富士野園地からの自転車道は「キャンプ場ゆ~に」の方へ向かい、そこからフェリーターミナルへ下ります。遠回りなので、ここからは車道で「雪国レンタル」へ戻りました。
「雪国レンタル」は船の時間に合わせて旅館の方が来て、貸し出しのピークが過ぎると旅館へ戻ります。そのため、不在の場合は旅館へ電話。
今日は朝から雲ひとつない快晴が続き、利尻島を目と肌にしっかり焼きつけました。360度、全方位から利尻山を見ることができて大満足。利尻島に訪れた際は、山だけでなくサイクリングもぜひ!
「夕日ヶ丘展望台」からの夕日
レンタサイクルを返却後、急いでキャンプ場へ戻り温泉へ。洗濯を済ませて「夕日ヶ丘展望台」へ向かいます。
しかし、急いでいるときに限って温泉で地元のおばあちゃんとか、明日利尻山に登るという方々と話が弾む。楽しくてつい話してしまう。
日没は19:26。この時期、鴛泊からの夕日は礼文島に沈むので、19:20頃には太陽さよなら。キャンプ場から展望台までは約2km。せっかく温泉に入ったのに走りました(喋りすぎた)。

グラデーションを増してゆく空に焦りながら、なんとか19:10到着。「ペシ岬」よりも低くて登りやすいので、ガツガツ登る。



太陽が沈んだあとのマジックアワーが好き。刻々と色を変え、夜の帳が下りるのを楽しむ贅沢な時間。

20時過ぎにキャンプ場へ帰りました。まだほんの少し空は明るく、鳥が鳴いていました。
明日は12:15発のフェリーで礼文島へ向かいます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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コメント
自転車での利尻島一周、地図を見ながらご一緒させていただきました。何と贅沢な時間を過ごされた事か。
私を含め、利尻を訪ねてみたい、またもう一度行きたい、と思う方が多いのが分かる気がします。ブルースカイと鋭鋒・利尻山の眺め、まさに至福の時が流れていきますね。
たくさんのコメント、ご感想ありがとうございます!
自分の知らない時代の山、とても興味深く読ませていただきました。名の知れた山は特に、天気の良い土日に歩こうものなら渋滞なので基本的に平日歩いていますが、紅葉期などは平日でも混雑している山が多いですね。奥深くて豊かな、昔の遥かなる山をご存知であること、とても羨ましく思います。
何十年と経ったとき、山の思い出に浸りたいという思いでシャッターを切っています。AKIRA様のように、誰かの記録を見ながらああだった、こうだったと、記憶を探るのが楽しみです。
今の時代からまた自然がどのように変わっていくのか、とても興味深いですね。悪い方向にばかり進まなければいいのですが・・・
屋久島とともに利尻島は私の中で特別大好きな場所で、幾度となく訪れたいと思っています。少しずつ、歩きたい山に足跡を残していきます。これからも、どうぞよろしくお願い致します。
たかちさん、リプライ有難うございます。
私が生まれたのは、伊勢湾台風が日本を襲った昭和34年。中学時代はサイクリングにのめり込んで、ついでに近場の低山に登る程度でしたか、高校生になってから山好きの同級生に誘われて山に登るようになりました。最初に登ったのは鈴鹿の峻峰鎌ヶ岳。3月の春休み、雲母峰〜鎌ヶ岳〜武平峠〜湯の山温泉のコースで、以来、山の虜になりました。
今のようにネットからあふれるような情報が得られる時代ではないので、情報源は山と溪谷の月刊誌やガイドブック、あとは書店の山岳書コーナーに足繁く通って山岳書を買い漁って読むこと、国土地理院の5万図、2万5千図を手に入れることでした。
次女が最近山登りにハマっていますが、情報源がネットで、ピンポイントに人が集まるのか分かります。また読書量が少ないせいか、やはり時代・世代の違いを痛感します。たかちさんもスマホで撮影されているようですが、次女のISOって何?には愕然としました。Lumixの軽量ミラーレスと、Sonyのα65を貸出中ですが、やはり重いと出番は少ないようです。テントが1キロを切るような時代ですから。
たかちさんのようにロングトレイルの経験はありませんが、団塊の世代の少しは後の世代がどんな山登りをしていたか、記してみたいです。
今式のロングトレイルと言えるのか分かりませんが、日本の長距離歩道は東海道、中山道などは別格として、東海自然歩道に始まるのではないかと思います。私が中学生の頃整備が始まり、歩きやすいコースは多くのハイカーに利用されました。当時、各県の担当課からガイドを取り寄せたものです。平成元年頃ビーパルに連載され、単行本にもなった小学館のシェルパ斉藤さんの踏破記録がとても面白かったですね。彼も基本テント泊で歩かれています。
私も全て日帰りですが、中山道は妻籠から西へ草津まで歩きましたし、東海自然歩道も中山道とダブる区間の他、愛知・岐阜区間をかなり歩きました。キャンプ場や宿泊所の整備が不十分な上、街中の車道区間がかなりあるなど、テントを担いで歩き通す御仁は少なかったと思います。静岡区間など地図を見ても驚くようなコース設定になっています。
大野〜鳳来寺〜棚山〜鞍掛山〜岩古谷山〜田口、段戸山越え、中山道との重複区間など、岩稜あり、湿地あり、一里塚ありなど楽しめるかと。
シェルパ斉藤さんは現在八ヶ岳の山麓にお住まいで、光岳小屋の小宮山花さんのブログにも登場していて御活躍中のようです。