2020.11.22(日)
愛媛県北条市 晴れ☀後雨☂ 19/9℃
歩き人たかちです。
鹿島にて最上の夜を過ごし、今日は今治市まで。夜は雨ということで宿を予約。といっても3連休の中日。さすがにどこの宿も満室の嵐でした。唯一空きがあった「ゲストハウス シクロの家」を、一昨日ギリギリセーフで予約…
次の54番延命寺までは20km以上あるので、瓦の街を見ながら瀬戸内海をなぞってしばらく歩き続けます。
小山を越えて今治市
*鹿島公園渡船待合所~浅海:5.6km*
鹿島から出る朝一の船は7時発。
モーニング珈琲をするために5時に起床。冷え込むと思いましたがそうでもなく、結露もなし。朝ごはんと珈琲の時間をゆっくり取れました。昨日の夜はオリオン座とさそり座が煌めいていましたが、これから天気は下り坂。
6時頃撤収を開始して、まだ動きのない静かなキャンプ場を散歩。日の出はまだですが、徐々に明るくなってきた空を見上げて最後の鹿島を堪能します。
昨日の風は落ち着き、とても静かでした。
昨日の夕日もそうですが、何ものにも操られていない、動きのあるものは本当に美しい。朝日も夕日も、毎日見ても飽きないのはそのため。一度として同じものがないからこそ釘付けになる。静かなパフォーマンスから目が離せません。
展示館の隣にも鹿たちがいました。昨日気がつかなかった。
港にはそれぞれリヤカーが置かれているので、キャンプの荷物を積んで船に乗り、港と島を行き来できます。
鹿のお迎えに乗ってさようなら。乗車は私一人でした。
鹿島、本当に良い島でした。シーズン中は混みそうなので、オフシーズンというのが良かった。
港に着くと、鹿島に向かう人がたくさん待っていました。釣り人多め。
再び、歩き始めます。
港町を歩いていると「お姉ちゃんずっと歩きよるん?偉いな~頑張ってな!」とか「ご苦労様~」「気をつけてね~」とたくさんの声をかけていただきました。ここまでに何人の初めましての人と言葉を交わしてきたか。誰にでも挨拶ができるって本当に素敵です。
今日は雲が芸術的だ。
遍路道はこの先「鎌大師」の前を通り「鴻の坂峠」を越えて行きます。標高差80m。そのまま国道196号の海沿いも行けますが、峠の休憩所はとても景色がよくてお勧めです。
国道から離れ目の前に盛り上がる山に向かって歩いていきます。
いろんな道。
ちょっとずつ登りになっていきます。原付に乗ったおじちゃんが「お疲れ様~」と通り過ぎていく。
そのうち斜面は伊予柑のオレンジでいっぱいに。
ピークの先に「お遍路さん癒しの休憩所」。
これから行く浅海の町と瀬戸内海を一望。簡易トイレも設置されていて、ここでの野宿も気持ち良さそうです。しばし休憩。
ちょっと潮っぽい風。
ここから一気に下って行きます。
瓦の街「菊間」を抜ける
*浅海~星の浦海浜公園:13km*
海を見ながら下ってきました。
国道に出て、昨日と同じような道になりました。しかし、昨日以上に瀬戸内海ブルーが増している気がします。
すぐに「今治市」に入りました。
地図に載っていた海賊うどん。現在は営業していない様子。
しばらく歩いていると、昨日まほろばのご主人に話を聞いた「菊間町」に着きました。
早くも街は「瓦」一色。どの家も格好良いです。
そして「吉井鬼瓦」という工房がありました。まほろばに置いてあったランプと同じものが。ご主人が話していた工房はここで間違いない。
現在は屋根での需要が減ったため、ランプなど家庭で使えるものも作っているとのことです。体験工房となっていましたが、開いていませんでした。瓦の破片のストラップも置いていなかった。残念。
いろんな作品が外に置いてあります。色がとにかく格好良くて、リアルで、迫力がすごい。お遍路さんは頭でっかちだけど手が小さくて可愛いですね。
近くの民家には「瓦彩庭」という瓦アート。瓦愛を感じます。
他にも工房はたくさんあって、本当に瓦一色。
建物の壁にも。
すると「接待処 ぶじかえる」というお接待所ありました。せっかくなので寄ってみます。
椅子が3脚ほど置かれた小さな休憩スペース。机の上にはなんとお土産の瓦!「ふじかえる」と書かれた紙と一緒にカエルの置物。あとは鬼瓦とわらじ。
他にもホカロンや手作りマスク、ストラップ、巾着などがありました。机に置かれたノートにはたくさんのお礼の言葉が。私も、カエルと鬼瓦をお土産にいただきました。瀬戸内海の薄い透き通ったようなブルーで焼かれた瓦の色がすごく綺麗。
再び瓦の街を進みます。あの渋い色は「菊銀」というのか。
口から草が出てるのいい。
文化のある街を歩くのは楽しい。
国道をちょっと離れて歩いていると休憩所の案内。でも今日は休日なのでお休みです。土日休みのローソン。勤めている人向けのコンビニですね。
その先には異世界がありました。
映画の世界のような「太陽石油」。大きなトラックが出たり入ったり。あまりこういうのを見たことがなかったので、なんだこれすごい…とまじまじ見てしまいました。
国道沿いにたこ焼き屋を発見。小腹も空いたし、ソースの匂いに負けて食べました。「たこたこ亭」。
たこやき、まよたこ、ねぎたこ、ねぎまよ、からしまよ、からしねぎまよ、ちーずたこ、ちーずまよ、ちーずねぎまよ。
種類が豊富。しかし、スタンダードにたこやきを注文。8個入350円。
熱々のつくりたて。美味しかった。ソースは元気が出る。
みんな瓦屋根。
「星の浦海浜公園」に到着。
ここには男女別と多目的のお手洗いがあり、野宿場所としてチェックしていた公園。
広いテラスがありテントも張りやすそうですが、国道沿いなので交通量は多く、散歩をしている人も多いので人目はちょっと気になりそう。
お手洗いでは、36番まで歩いたけど脚を痛めてしまい、ドクターストップがかかったためお遍路を中断したという女性と少しお話をしました。「私の分も頑張って歩いてね。」ということで、しっかり歩かせていただきます。
出発しようとザックを背負うと、見たことのあるお遍路さんを発見…鴇田峠の手前で「山の中で迷子になった」と言っていたおじさんだ。
また道を間違えたのか、公園前の信号にどこからか戻ってきて、地図を見て、よし!という感じに歩き出しましたが…そっちも違うな…。
ちょっと遠回りになるだけだし、まあ大丈夫だろうと遠目に見送る。やはり不思議なおじさん。でも、毎回迷いながらも目的地には辿り着けているようだしいいのか。
菊間瓦のストラップ。54番「延命寺」
*星の浦海浜公園~延命寺:5.5km*
海浜公園からしばらく静かな県道15号を。
相変わらず瓦は続いていました。
大西町を過ぎたところで再び国道に。信号待ちの間に地図を見ていると、信号待ちをしているトラックのおじちゃんが窓から「ここまーっすぐだよ!左側が便利!!」と教えてくれました。
手前2km弱あたりから歩道はなくなり、窮屈な二車線道路に。端っこの方をなんかすみません…という感じに歩いていました。街中に入るほど交通量も増えて、車はすれすれを通っていく。
早く着いてくれーどこで曲がるんだーと思ったら、いきなり左折のシールがガードレールにちょこんと貼ってありました。おじちゃんの言う通り左が便利。右側だと渡るのに苦労しそうです。右側には何かマークがあるのだろうか?というほど、ちょこんというシール。たまたま目に入りましたが、見逃してもおかしくない位置。
県道から山側へ入り、ようやく一息。車がバンバン通る、人も通る、自転車も走る…とごちゃごちゃした県道でした。
池の前を通ると到着。
本尊:不動明王
宗派:真言宗豊山派
開基:行基(720年)
今治市の6つの霊場の最初の札所。聖武天皇の勅願により行基が不動明王坐像を刻み、背後の近見山山頂付近に堂宇を立てて安置したのがはじまりとされます。弘仁年間に弘法大師が再興し、信仰と学問の中心道場として繁栄。鎌倉時代には華厳宗の僧である凝然がここで「八宗綱要」を著しました。その後、火災に遭う度に再興しましたが、本尊は毎回難を逃れたため「火伏せ不動尊」と呼ばれています。山門は今治城が取り壊された際に譲り受けたものです。
参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ
県道の賑わいはどこへやら。境内はとても静かでした。
納経所には「菊間瓦」のかわいい足型ストラップがあり、思わず購入してしまいました。格好いい街でした、ほんと。
南光坊への案内には手づくり一休さん。シュール。
駐車場を挟む。55番「南光坊」
*55番南光坊まで3.4km*
大分雲が広がってきました。夕方から雨予報。
手の案内が独立しました。
手に導かれながら坂を上がり、階段を上がると霊園。広場みたいな場所にでました。野宿できそうですが、一帯はお墓。
霊園のアスファルトをダーッと下って今治市街に入って行きます。
いきなり曲がる場所には大体シールがたくさん貼ってある。
着きました。
山門がないと思ったら、本堂と大師堂の間には道があり、駐車場が真ん中。どこからでも入れるようなお寺でした。山門から入るには国道側を回らなければなりません。帰りに山門から出ようとそのまま参拝へ。
本尊:大通智勝如来
宗派:真言宗醍醐派
開基:行基(703年)
伊予の国士、越智玉澄が文武天皇の勅願を受け、別宮大山祇神社を建立。そのとき別当24坊のうち8坊をこの地に移したのがはじまりとされています。後に弘法大師がここで修法をし霊場と定められました。天正の兵火で焼失しますが、南光坊だけが再興されました。神社と別当は一体という神仏習合の江戸時代では別宮が札所。神仏分離令が出されてとき、南光坊には檀家がなかったため廃寺になりそうでしたが、なんとか免れたと伝わります。
参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ
今治駅から歩いて10分程。街中にあるので人が多い。
ザックを担いでいる人も少ないので、ここでも「頑張って!」とたくさんの人に応援していただきました。
この子がすごく気になった。
納経を終えて山門へ。山門に鐘があり、鳴らすことはできますが「静かについてください」の貼り紙。街中のお寺らしい。記念に静かについておきました。
山門側からの風景。
お久しぶりです、今治市
*南光坊~アポニー~ナカムラコーヒー:840m*
学生時代に瀬戸内海の街道を自転車で一周しました。四国で唯一上陸したことのあった今治市。ゲストハウスのチェックインは16時なので、それまでぶらぶらすることに。
シクロの家のHPで紹介されていた「アポニー」という喫茶店に行ってみました。
素朴な純喫茶という感じで「マスター」という声が聞こえてきそうな外観。しかし、ここは食べ物がトーストしかないようで。トーストの気分ではないけど何か食べたい。別のカフェを調べ「ナカムラコーヒー」に変更。
途中のスーパーで食料を買い、商店街の中に見つけました。
とってもかわいいお店。
外にはセルフのテイクアウト珈琲がありました。
ご夫婦で経営されているお店。ドリンクの種類が豊富です。「シェカラート」ってなんだ。
ドリップコーヒーは豆の種類も選べます。スイーツではプリンアラモードが人気とのこと。美味しそうでしたが、そこまでがっつり食べる気にはならなかったので、無難にチーズケーキ。プリンの単体も美味しそうでした。
豆は一番コクがあるというインドネシアにしましたが、深みがあってとても美味しかったです。ここで一時間程カフェタイム。
16時ちょっと前にゲストハウスへ向かいました。
自転車の宿。シクロの家
*ナカムラコーヒー~シクロの家:650m*
雨がポツポツ降ってきた。
ゲストハウスはものすごく駅近ということですが、目の前というか隣というような立地。わかりやすい外観です。
入ると男性が一人チェックインしていました。チェックイン時の説明が結構長いのですがスタッフは一人のようで、待っていると次々とチェックインの人たちが…忙しそう。
グッズがいっぱい。
パンフレット類もたくさん。
ドリンクも頼めます。
ドミトリーは女性、男性、ミックスの3種類。女性用は満室だったので、ミックスで予約しましたがカプセルでした。ミックスの部屋とカプセル形式が用意されています。各部屋の廊下のつきあたりにあります。
廊下という程長くはないですが、部屋のドアなどは一切ない。ミックスの部屋なのかと思っていたので、カプセルで一安心。むしろ朝が早いのでこっちの方がありがたい。
シャワーとトイレは女性専用がありますが、このゲストハウスに泊まると近くの「喜助の湯」が割引になると言われました。喜助の湯だとGO TOが利用できたので第一希望でしたが、満室で泊まれず。何年か前にリニューアルしたようで、最新型の温泉ゲストハウスという雰囲気です。
*しまなみ温泉 喜助の湯*
築80年くらいの建物をリノベーションしてゲストハウスにしたとのことで、階段とはちょっとミシミシギシギシと音が出てしまいますが、とても綺麗に改装されています。
本やパンフレット類もどっさり。
共有スペースはとても充実しています。IHで簡単な調理ができます。フリードリンクや食器類も充実。
サイクリストに人気のゲストハウスということで、私以外はほとんどサイクリストでした。
とてもいいゲストハウスでしたが、個人的に問題が一つ。食事は玄関前のテーブルか、この共有スペースのどちらか。しかし、電子レンジの置いてあるこの部屋は、朝は8時からの利用。
HPに交流スペース兼カフェバーOPEN8:00〜と書いてありましたが、鍵がかかりレンジも使えないとは…理由は「寝ているスタッフがいるので」ということ。サイクリストも朝は早いだろうし、お遍路さんも泊まるし、宿泊者は早めに使わせてほしいなと。
普通に使えると思ってレンジで温める豚汁を買ってしまいました。これを温めるとなると出発は8時半近くになる。今日食べてしまおうかと思いましたが、明日は事情があって17時以降に宿にいく約束をしています。
明日は、へんろ仲間のYさんから聞いた、60番横峰寺手前の「ゲストハウスBEKKU」。今朝予約のメールをすると電話があり、「宿泊はできるけど、17時頃まで用事があって宿にいないからチェックインがそれ以降でもよければ」とのこと。まあ、いいかと思い予約をしました。
30kmありますが、豚汁を温めてから出てても問題はないだろう。でも、やっぱりレンジはもう少し早く使えると嬉しいですね。
今治のB級グルメ「焼豚玉子飯」
*シクロ~白楽天~重松飯店周回:2.6km*
今治市で食べると決めていたB級グルメが「焼豚玉子飯」。以前来た時に食べて、もう一度食べたいと思っていました。
前回は「重松飯店」という老舗感満載のお店に行ったので、今回は「白楽天」というお店に行ってみることに。しかし、お店に行くと行列。駅から近く、中華料理も豊富ということで、結構混みあうようです。
雨も降ってるし、今回も重松飯店に向かいました。
重松飯店は大衆食堂という感じの雰囲気で、1人で食べている人も多いお店。ラーメン屋のように食べたら「ごちそうさま~」と去っていく人がほとんどなので、回転が速いです。
こちらも並んでいましたが、すぐに入れました。
有名人も結構来ている。色紙に年季が入っています。
これこれ。自分で作れそうで作れない、この"THE B級グルメ"という感じ。以前食べたのは7年以上前ですが、お店も味も何も変わっていませんでした。
小・並・中・大と大きさを選べて、ラーメンとのセットなどもあります。
並を頼みました。並でも充分な量。少食の方は小がいいと思います。タレが美味しいんだよな〜。変わらぬ美味しさに大満足。
シクロの家に戻り、共有スペースでフリードリンクをいただいていると「すみません、今日って泊まれますか?」という女性の声が聞こえました。「ごめんなさい、今日満室なんです。」と受付の人が断っていましたが、あの人はどうしたのだろうか。さすがに3連休ど真ん中となると厳しいよな。
まほろばでいただいた宇和島みかん。やっぱり美味しい。すっごく美味しい。
共有スペースに来た女性と少しお喋りをしてから就寝。明日は4つのお寺を回ります。お寺が密だとちょっと忙しい。
★本日の歩行距離:31.6km
★累計:881.9km
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
にほんブログ村
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
コメント