2020.10.22(木)
天気:曇り☁︎→雨 ☔︎→曇り☁︎
気温:吉野川市23/17℃
歩き人たかちです。
お遍路3日目。昨日は6番安楽寺〜10番切幡寺まで。長閑な田園風景の中、"空気を感じる"ことがなんとなくわかったのか、心の居心地がよいお寺に出会いました。
今日は、5mm前後の強めの雨予報。焼山寺はとても楽しみにしていたので延期することに。できれば晴れた山の中を爽やかに歩きたいということで、3日目にして早くも休養日。いや、歩き旅は早いも遅いもない。
善根宿「鴨の湯」が、温泉施設も含めお遍路さんの受け入れを中止しているとのことで、11番の藤井寺近くにある「旅館吉野」を予約しました。今日は宿まで33kmだけ移動して、11番藤井寺をゆっくり見ます。しかし・・・
雨雲よ、どこへ?
*チャンネルカン〜スーパーマルナカ〜旅館吉野:3.2km*
6:00起床。移動が3kmなので、チェックアウトの10:00まで宿に入り浸ります。とりあえず外を見に行くと・・・
あれ、雨降ってないぞ・・・
起床時点ではまだ曇り。7:00になっても、8:00になっても曇り。結局、チェックアウトの時間になってようやくポツポツと降ってきました。
ちょっと待て、予報とえらい違うぞ。改めて予報を見ると今日は1mmくらいの雨で終わるらしい。なんだそれ。というか・・・
明日にずれ込んでいるじゃないか!!
昨夜の予報では明日の朝には晴れでしたが、今日の雨がずれにずれて明日の午前中がっつり雨予報。3〜4mm、結構降るし。
まあ、自然なんてそんなものですね。気にせず今日歩いてしまえば良かったわけです。しかし、今更そんなことを言っても仕方ないので、今日はOFF!!
宿をチェックアウトし、近くの「江川・鴨川公園」の東屋へ。そこでジュースを飲みながら作戦会議。焼山寺を下山後、神山温泉近くの「コットンフィールド」でのキャンプを考えていました。しかし、がっつり雨だからやめておこうか。午後にはやむようですが、たぶん地面はぐしょぐしょ。自分もぐしょぐしょかもしれない。
ちなみに、神山温泉近くに東屋のある公園があるそうですが、そこは1,2年前に野宿禁止になったようです。神山町のお店や民家がある範囲では野宿できないと思っていた方がいいです。移住者も多く、現在盛り上がりのある街のようなので、野宿を禁止しているのかもしれません。
悩んだ末、せっかくなのでgo toキャンペーンを使って神山温泉に泊まることに。go toなかったら泊まらない、きっと。
公園では、女性が2人掃き掃除をされていました。「こんにちは~」と挨拶をして少しお話をすると、「女の子はきぃ~つけなよ~、若い人は特にな、良い人ばかりではないよ~。」と注意喚起されました。「きぃ~つけなよ~」と3,4回言われたので、きっといろいろなことを知っているのだと思います。特別聞きませんでしたが、野宿がさらに緊張してしまう。
緊張と不安とともに「大丈夫でしょ」という楽観的な気持ちもありますが、どんなに気持ちが逞しくても私が男性に力で勝つことは不可能。"どんな人でも来られる場所"ということに、その怖さは常に付き纏います。
「結願祈っているからね!」とエールをいただき、お別れしました。
11時頃、旅館から電話があり「雨降ってるし、もう宿に来ていいですよ」とのこと。神のお言葉・・・
先にスーパーで食料調達。燃料とメスティンを持ち歩いていますが、自炊を上手くできずにいます。予想通り、持ち歩くのに丁度良いサイズのお米がほとんど売っていない。たまに300gくらいのものもありましたが、出会う確率は低く大抵1kg。押し麦も考えましたが、やはりお米が食べたい。
後日お会いする野宿の方は、お米屋さんで必要量だけ購入させていただいたこともあったそうです。お米屋さんも多くはないですが、ダメ元でお願いしてみたところ快くわけていただいたとのことでした。
13時前に宿に到着。焼山寺の登山口となる11番藤井寺から歩いて10分程の場所にあります。焼山寺の前泊、後泊として最高の位置。やはり近場がいいですね。
ご夫婦で切り盛りされていて、優しい人柄が滲み出ている良いご夫婦。
写真を撮り忘れましたが、和室の綺麗なお部屋。洗面台が付いていました。お風呂とトイレは共有です。
「冷蔵庫のお茶はご自由にどうぞ」とのこと。自由なお茶嬉しい。夜ご飯を食べるときはレンジをお借りしました。
この日は5,6人のお客さん。ほとんどの方がお遍路さんです。何かと気にかけてくださって、心が温まりました。おすすめのお宿です。
旅館吉野について
ミニ88箇所。11番「藤井寺」
*旅館吉野〜11番藤井寺:700 m*
13:30、藤井寺に向かいました。もはや雨はやんでいます。本当に、ちょびっとしか降らなかったのだが。
宿を出るとき、ちょうど逆打ちで焼山寺を越えてきた男性が到着。「早く着いちゃったんですけど、入れますか?」とご主人に聞いていましたが「どうぞ、どうぞ、お疲れさまでした。」と包容力抜群でした。へんろ道で最大の難所といわれる山の麓の宿。ご夫婦の笑顔がエネルギーになります。
途中に「メダカの里」という施設?の案内板。
何年か前にできた施設のようです。Wifiのマークもあり、外にはテーブルとイスが。ラジオが流れているので誰かいるようですが、外からは確認できませんでした。
鴨の湯が宿泊できないため急遽こちらで野宿をさせていただいているお遍路さんもいるようですが、あくまでも休憩所のようです。
なぜメダカの販売をしているのか。メダカの販売所に休憩所をつくったのだろうか?
[ 11番 藤井寺 ]
本尊:薬師如来
宗派:臨済宗妙心寺派
開基:弘法大師
元は真言密教の道場として七堂伽藍を有していたが焼失。江戸初期に再興され、宗派も臨済宗に改められました。江戸中期にまた焼失するも、本尊は被災を免れました。本尊には「久安4年」の文字が記されていて、88ヶ所では最古の仏像といわれています。
参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ
雑誌を見ていなければ天井を見上げることはなかった。天井画はいろいろありましたが、藤井寺の龍は一番記憶に残りました。
お寺にはいろいろありますね。これを機に天井にも何か隠されているかもしれないと、本堂や大師堂で見上げるようになりました。
正直、今までお寺はどこも同じような感じだと思っていました。しかし、こんなに個性のあるものだとは。見方はまだまだ不十分ですが、一番違いを感じるのはやはり"空気"。お寺ごとの空気や雰囲気があって、瞬時に「あ、ここ好き」と思う場所もあります。
建築が好きな人、彫刻が好きな人、仏像が好きな人・・・何を見るかは人それぞれ。その中で、私は空気を感じて「ここにある自然とお寺と一体になった」と感じる時間が好きだなと思いました。
明日の12番焼山寺への道を少し下見しようと登山口へ。
焼山寺への道は、1200年前に空海が歩いた時のままの自然が残っている唯一の遍路道。
入口から「ミニ88ヶ所」が始まっていました。1番霊山寺から順に、小さな祠が登山道に並んでいます。
ふらふらのほほーんと焼山寺への道を少しばかり歩いていると、下の方で自分が登った道とは違う道を歩いている人が。あっちの道はどこに繋がっているのだろうかと、戻ってそちらの方へ歩いてみました。
88番大窪寺。案内板を見ると、ミニ88ヶ所は山の中をぐるっと回れるようなコースになっていました。戻ってきてしまったので、ゴールから再び。
奥へ歩いていくと小さな滝。ここの雰囲気がすごく良くて・・・滝壺の水の色もいいですが、水が流れる岩もいい。自然の一連の流れが美しい。
雨上がりでお寺全体がしっとり。ちょっと不気味さを醸し出しつつ、命を感じる雰囲気でした。水は生命の源。水があるとなんだか落ち着きます。
「西国二十三番」の小さな祠もありました。等間隔に、綺麗に並んでいます。
少し踏み跡のある道も。
88ヶ所の番号を遡りながら山を登って行くと途中に弁財天があり、さらに進んで行くと橋があり、へんろ道に合流しました。
ここが、1番の祠から順に歩いてきて辿り着く地点で51番の祠でした。
この先は明日のお楽しみ。
51番の祠の横の階段を上がってみると観音像。
後に知ったことですが、50番と51番の祠の間にある祠は、藤井寺の奥の院とのこと。少し奥まって岩に張り付いている感じになっていますが、祠の中を覗くと岩壁が彫られて祭られています。
私はチラっと見て、これは何だろう?と思ってそのまま素通りしてしまいましたが・・・そのくらい、ポツンとしています。
「奥の院なのかよくわからない」というのはここくらいだと思います。へんろ保存協会の地図には記載がありません。英語版の方には記載があるそうです。(Shikoku Japan 88 Route Guide)
ちなみに、藤井寺の案内図にはしっかり奥之院の記載がありました(後で写真を見返して気がついた)。
来た道を戻り、ミニ88ヶ所巡り終了。
今日、藤井寺から焼山寺に歩いていたらいろいろスルーしていたと思います。前日にゆっくり見て回れたことは良かった。小さな滝がすごくいい雰囲気だったので、ここの自然を感じられたことには大満足。明日の雨はもうどうでもいい。そのときを楽しもう。
宿に戻り15時にお風呂へ。手足を存分に伸ばせる大きなお風呂でした。明日の行程の詳細を再度確認して就寝。
★ 歩行距離:4.6km
★ 累計:49.9km
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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