こんにちは!たかちです。
2020.10.14〜10.15の1泊2日で、剣山〜三嶺を歩いてきました。これほどまでに紅葉が素敵な山だとは、恥ずかしながら知りませんでした。
1日目、剣山の備忘録です。
【アクセス】
*穴吹駅からのバスは、通行止め区間が発生し、10月13日より運休しています。貞光駅からのバスは2020年度運休のため、現在、阿波池田駅からのみ運行中。
電車:徳島駅(6:46)→阿波池田駅(8:10)
バス:阿波池田駅(8:16)〜久保(乗り換え)〜見ノ越(10:58)
※バスの運行日要確認(紅葉期以外はかなり限定されます。)
【日程】
14日:見ノ越〜西島〜二度見展望所〜剣山〜剣山頂上ヒュッテ
15日:ヒュッテ〜次郎笈〜丸石〜高ノ瀬〜三嶺〜名頃登山口
剣山へのバス、まさかの運休…
13日に家をプチ大掃除、四国巡回の旅へ。夜行バスで徳島駅へ向かうも、何かの通行止めにより迂回をしたらしく、珍しく15分程遅延。今まで何十回と夜行バスに乗ってきましたが、遅延は初。大体15分前後早く到着するので、今回もそうだろうと甘く考えていました。
6:36徳島駅到着予定。6:46の特急か、早く着けば6:33の普通列車に乗ろうと企んでいましたが、もはや6:46の電車が危うい。これに乗らなければバスに間に合いません。穴吹駅からのバスは1便のみ。その他、阿波池田駅からは2便で、8時台の次は11時台。見ノ越には14:08着。さすがにその時間から登り始めたくはないし、それならもうリフトになってしまう。
うわー、どうしよ…。とりあえずバスの時刻を確認しようとHPを見ると…
ふぁ!?
昨日の13日から突如運休!?
なぜ、このタイミング…
もう阿波池田駅からの手段しかない。しかし電車に乗れるのか…。Googleマップと睨めっこ。あと5km、2km…。徳島駅に着いたのはギリギリの6:43。発車時刻3分前。急いで荷物を受け取り、駅へダッシュ!と、思いきや赤信号!なんで!
車も来ていないし渡ってしまえ!と思うも、降りた人たちがみんな立ち止まっている。電車に乗れなかったら話にならんよ!と思いつつも、頭に過ったのは私の夫。夫は信号を守る人。この緊急事態になぜか、夫なら立ち止まるな…とか余計なことを考えていた。しかも、こういうときの赤信号は長い。
やばい…6:44?45?…青!!ダッシュ!
駅に飛び込んで、券売機が目に入るも「まもなく発車します」のアナウンス、買っている時間はないので、駅員さんに「中で買えますか!?」と聞くと、乗車証明書みたいな紙をくれて、ホームへ。幸い、改札の目の前のホームだったので、30秒前くらいに滑り込み。隣のホームだったら無理だった。そして、特急だったから切符も中で買えた。
兎にも角にも、安堵。急遽、阿波池田駅へ向かいました。
阿波池田駅8:10着予定。2分遅延して8:12着。改札を出てすぐにバス停だと思いきや、あれ?見当たらない…駅員さんに「見ノ越まで行きたいのですが、バス停はどちらですか?」と聞くと、バスターミナルはもう少し先ですと。え…8:14。近くに登山服を着た女性がいて「見ノ越ですか?」と聞くと、「はい、でも8:16にバスが駅に来るはずなので…でもバス停は?」と。
すると、別の駅員さんが「どちらまで行かれます?」と来てくれて、「見ノ越に」と答えると、女性がすかさず「あ、でも久保で乗り換えなので、久保です。」と訂正。
はい、確かに。
「バス停ちょっとわかりにくくて、すみません。」と案内してくれました。駅を出て右斜め方向に少し歩くと、あった。近いけど、確かにわかりにくい。
8:16にバスが来て、無事、見ノ越へ辿り着く確信が持てました。女性の方も、12日にバスが運行しているか電話で問い合わせたとのことで、突然の運休にびっくりしていました。しかし、同じく東京方面からの夜行で来ていましたが、遅延は無く予定通りだったと。あれ…?
そんなこんなで、久保にてマイクロバスに乗り換え、見ノ越に到着したのでした。
朝からプチパニックで心臓に悪かったですが、遅延がなければ剣山のバスを再確認することもなく、穴吹駅で下車して途方に暮れていたことでしょう。不幸中の幸い。何事も、直前と当日の最終確認が必要であると、反省しました。
麓の「名頃」は「かかしの里」として有名です。たくさんのかかしが見送ってくれました。
いざ、剣山へ。見ノ越〜リフト西島駅
【コース】
見ノ越〜西島〜二度見展望所〜剣山〜剣山山頂ヒュッテ
リフトに乗ってもいいし、気分でコースを選んでもいいし。剣山は様々なコースがあって楽しそうです。
11:00頃、見ノ越に到着。可愛らしいリフトにも惹かれますが、下から登ります。
剣神社への階段に登山口の案内があり、登っていきます。
かっこいい鳥居をくぐり、階段を上がると右手に登山口が。冷たくて美味しい水があったので、ここで汲ませていただきました。道中にも、地図には記載のない水場がいくつかありました。
下から登ると、山頂まで約4km。コースによって変わります。初めの分岐までは緩やかな道を20分程。四国の山は初めてですが、森が美しいです。
光と影を楽しんでいたら、まもなく分岐。
遊歩道コースか、ブナ林コース。差は600mで、遊歩道でちょっと緩やかに行くか、ブナ林で短く行くか。迷いましたが、ブナが好きなので、ブナ林コースにしました。このコースはリフトの人たちを上にチラチラ見ながら登っていきます。
木の名前のプレートがちょこちょこあります。何の木だろう?としばしば考えるので、プレートがあると歩くのが楽しい。
途中で下山中のおじちゃん2人組にお会いしました。私のザックを見て「上で泊まるの?」と聞かれ、立ち話。地元の方で、いろいろ話してお別れするとすぐに「あ、そうだ!」と後ろから再び。
「西島からは遊歩道コースに行ってね!今年は10年ぶりに紅葉がすごく綺麗だから!そのまま次郎笈方面の展望所の方に行くといいよ!」と教えていただきました。
剣山のコースを調べたときに、岩場の「行場」が気になるなーと思っていたましたが、おすすめの遊歩道へ行こうと予定変更。「何年ぶりの紅葉」というのは、テレビや雑誌などで毎年言われている気もしますが、今年は台風が少なかったので期待。何より、剣山通の地元の方が仰っているので、これは間違いない。
ため息が出るほど美しい。
春と秋の森歩きは特に好きです。春は芽吹き、蠢き、自然の生命力が森いっぱいに溢れています。すごいな〜綺麗だな〜ふわふわだな〜と、新芽の爽やかな空気に満たされながら、まだ何にも汚されていない、無垢なフレッシュグリーンのトンネルを歩くのが大好き。そして、夏を経て、少しずつ葉っぱが地面に散らばり始めると、今年も終わりが近づきます。カメレオンのように色を変えて、枯れゆく美しい姿で楽しませてくれる。今年もお疲れ様という気分で、色鮮やかなふかふかの秋を踏みしめるのも至福です。
春と秋こそ、時間に余裕のある山がいい。
すこーしずつ標高を上げて西島の200m手前。あとちょっとーと思って進むと、目の前がひらけました。
お、おお〜…?
わあ素敵!あの紅葉しているところが遊歩道コースだとすぐにわかりました。
そして、ここはテント場でした。水場はないですが、リフトの駅がすぐなのでトイレには困りません。水だけ汲んでおけば問題なし。小さいテント場ですが、目の前で紅葉を眺められるし、前泊にはいいですね。ロケーション最高。
西島駅〜二度見展望所〜剣山山頂
リフトの西島駅に到着し、おじちゃんたちおすすめの遊歩道コースへ。
歩き出したらもう素敵。
登山道を整備している人にもお逢いし「どこから来たの〜?今年は紅葉がすごく綺麗だよーちょうど見頃!」と。やはり今年は綺麗なようです。
青空いっぱいに広がる赤、黄色、オレンジ!西日本の紅葉は黄色のイメージだったのですが、赤がとても綺麗です。
すぐに水場がありました。
さらに歩を緩め、散りばめられた秋をしっかり踏みしめながら。五感で幸せを感じます。今年もまた、春に芽吹いた命が終わりを告げています。夏には春の準備をしている植物たち。長い冬に向けて、準備万端でしょうか。山はどんどん、私が足を踏み込めない世界へと変わっていきます。
途中には休憩所もあります。こんなところで珈琲休憩したら最高だなー。いつでも、珈琲をゆっくり嗜める場所を探しています。
ちょっと展望が良さそうな雰囲気。喜びの声が聞こえる。
はあー。いい。
終わってほしくないから進みたくない。
「好き」がいっぱいあってどうしようもない。
さすが、名水があるだけあります。水の風景も美しすぎる。麓では天然水も売られています。
近くにはまた水場。
分岐に着きました。ここは、名水百選の御神水と大剣神社を経て山頂に行くコース。名水までは確か30mと書いてありました。見た感じは急登です。下で汲んだ水も充分あるのでまたの機会に。
岩のところが大剣神社です。
さらに紅葉が爆発して、ちょっとキャパオーバー。おじちゃんたちに会わなければ、これを見ずして山頂でした。バスで一緒だった女性はリフトの駅から最短コースを行ったとのことで、紅葉はあまり見なかったと。
また、初めの分岐でブナ林コースに行ったからこそ、おじちゃんたちに会えました。良い方向へコロコロ転がって、運命に感謝です。
ひたすら葉を愛でて「二度見展望所」に到着しました。
ここの景色がまたすごい。次郎笈の稜線と秋色のコラボが素晴らしい。二度見どころではありません。何度見とかではなく、もはや凝視。
しかし、この時点で北西側にガスが発生していて、剣山の展望はほぼないと悟る。ちょっと遊びすぎました。天気の良さに油断していました。でも、何もかもが素晴らしかったので満足です。
紅葉ゾーンが終わり、二度見展望所から山頂までは20分。緩やかに登っていきます。
まもなく、木道やらテラスやら出現。剣山の山頂ってこんなに広いのですね。テラスがあるとは知っていましたが、東とか西とかいくつかあり、朝日、夕日をしっかり鑑賞できるようになっていました。木道にはちょこちょこベンチがあり、犬連れの方もたくさん。そんなに時間のかからない山ならではでしょうか。木道も、こんなに伸びているとは。
しかし、やはりガス。唯一、次郎笈方面がまだ晴れていたので、そちらでしばし休憩。晴れ間が出れば暖かいですが、曇ると大分寒さを感じます。ちょっと夏が恋しくなる寒さ。
温かい剣山頂上ヒュッテ
ガスが晴れそうにないので、剣山頂上ヒュッテへ向かいました。山頂から250m。すぐです。ヒュッテの他に「雲海荘」という宿泊施設も近くにありますが、こちらは宿泊客数が多い時に、別館として使用するとのことでした。
ヒュッテはとても可愛い小屋でした。入口を入ったところに食堂と自炊場。2Fが客室です。
細かい料金設定がされているのは嬉しいポイント。寝袋を持参で500円引きなど。個室とドミトリーがあり、ドミトリーにしましたが、3人用を1人で使用したので、個室と同じでした。
ヒーターも置いてあって小屋の中はポカポカ。
お風呂もありますが、今は掛け湯を1人5杯のみとのこと。夏なら汗を流したくなりますが、今の時季はもう寒いので、利用している方は少なめでした。16:00〜20:00まで利用できます。中だけ覗かせていただきました。
お湯をいただいて珈琲タイム。「いい香りですね〜」と小屋の方が。受付したときもそうでしたが、剣山頂上ヒュッテのスタッフさんは、とても気さくに話しかけてくれます。ついついお話をしたくなる雰囲気もあって…。皆さんとても優しくて、温かかったです。リピートしたくなる小屋ですね。実際リピーターの方も多かったです。
夕食は17:45。夕日の時間に合わせてくれるので、細かく変動するようです。今日の日の入は17:40でした。ガスだから無理だろうなーと思っていたら、17:30前頃「西側の雲が晴れてきました〜」とスタッフさんが呼びかけ。一応テラスに上がりましたが、ガスがまた出てしまって見られず。小屋へ戻り、夕食の席につきました。とても美味しかったです。ご馳走様です。
寝袋持参の場合、このような寝袋シーツが用意されています。ジッパーを開けて、中にシュラフを入れて寝る形式。寝袋に合わせた細長い敷布団という感じです。充分な厚みがあり、熟睡。
20:00頃寝床に就きましたが、21時前にどうやらガスが晴れたらしく「星が出ましたよ」と、みんな小声でソワソワしていました。諦めて寝ていた人もいたので、1人の男性が「すみません、星が出ましたよ。」と、ドミトリーまで知らせに来てくれました。すでに外に出ていた人、寝ていた人それぞれだったようで、しーんとしていました。「みんな寝ているかな…。」と去って行きましたが、起きてガサゴソ準備して外に出た方もいらっしゃいました。私は縦走で朝が早いし、まあいいか、と思って寝続けようとしましたが、お知らせされると気になってしまう。テラスはすぐそこなので億劫でもない。おそらく小屋の光も届かないので綺麗に見えるだろう…行くか、と起き上がりました。せっかく四国まで来たのだし、今日の星空は今日だけなので。
防寒着はザックの中にしまってしまったので、ウィンドシェルだけ来て外へ。5℃ないくらいでしたが、ちょっと出るくらいなら大丈夫。外履きのサンダルでテラスへ向かうと、頭上には満点の星。天の川が綺麗に出ていました。小屋の光はやはり届きません。遮るものがなく、どこまでも星が散りばめられていました。ここまで空が広いと宇宙を感じます。
テラスでは、三脚を立てて撮影している方々が、各々邪魔しないような間隔で夜の世界に溶け込んでいました。
剣山はリフトもあり、下から登ってもそこまで長くもなく、山頂では朝日も夕日も星も見られる。山に興味を抱いた友人とか、家族で訪れるのにとてもいい山だなと思います。「みんなに見てほしい」そんな気持ちが最近すごく溢れてくるので、ここはいいなとか、ここはちょっと難しいかとか、そんなことを考えながら山を歩いています。
5分くらい見て小屋へ戻りました。スタッフの方に「おかえりなさい」と迎えられ、少しお話したあと、明日のために改めて就寝。
朝日や夕日、星空の様子を逐一知らせて下さって、また、それらに合わせてごはんの時間も設定されていて、剣山頂上ヒュッテのスタッフさんたちの自然愛が素敵だなと思いました。自然のリズムに合わせて生活することをとても大切にされていますし、それを教えてくれる山小屋だなと。とてもおすすめです。日帰りで充分登れる山ですが、泊まる価値に溢れています。リピーターさんが多いのも、剣山の自然や小屋のロケーションに加え、小屋の方々の温かさがあるからだと思います。
朝からバタバタした1日でしたが、なんとかスタートできて良かったです。明日は20km超のロングルート。どんな1日が待っているのか、ワクワクとちょっと不安な気持ちを抱えながら眠りにつきました。
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