2021.4.9(金)
沼津市 晴れ☀︎ 18/8℃
風:東南→南 3〜4m/s
歩き人たかちです。
伊豆山稜線歩道のトレイルと合わせて「沼津アルプス」を歩きました。
原木駅→日守山登山口→▲日守山(大嵐山)→▲大平山→多比峠→▲鷲頭山→▲小鷲頭山→中将宮→▲志下山→▲徳倉山→▲横山→八重坂峠→▲香貫山→黒瀬→沼津駅
CT:7時間25分(縦走路)
標高差:1250m前後
距離:約15km(駅からの全距離)
以前から気になっていた縦走路。アップダウンが激しい低山縦走ということで、トレーニングの山にしている方も多いようですが、まさに、夏山前の良いトレーニングとなりました。
標高は一番高くて「鷲頭山」の392m。
しかし!
低山だからといって舐めてはいけない・・・
急坂、ロープがわんさか。伊豆山稜線歩道と同じく、いや、さらに夏場は苦行になることでしょう。晩秋~早春がおすすめ。
沼津アルプス事始め
沼津アルプスとは
駿河湾奥部の海岸沿いにある山並みを指し、「沼津アルプス」の名で親しまれた縦走路。香貫山〜大平山までが沼津アルプスであり、大平山〜日守山〜茶臼山は「奥沼津アルプス」とされています。
*日守山〜茶臼山〜原木登山口の区間は地図上で破線になっています。整備はされているようですが、コースの最新情報要確認。
沼津アルプスだと「多比」というバス停がスタートorゴール地点となります。バスに乗るのが面倒な場合は、奥沼津アルプスも含めると駅〜駅で繋げます。
沼津アルプスの標高差は約1000m、距離は約10km。急坂、ロープ、岩場、梯子と、低山ながらとても歩きごたえのある縦走路です。奥沼津アルプスを含めるとさらに標高差、距離ともに増します。
ウバメガシの純林が見事な、植生豊かな森。
トイレと水
トイレは香貫山のみ。途中は、下らないとありません。地図では「大平御前帰」にトイレの文字がありますが、縦走路から往復55分。"ちょっと寄る"というレベルではないので、心配な方は携帯トイレの持参(目隠しのツェルトがあると安心)を推奨。
水場はありません。アップダウンが激しいため、通常よりも多めに持ち運んだ方がいいです。特に、夏場の消費量は半端ないと思います。
⚠︎マダニに注意⚠︎
沼津アルプスはマダニの報告が多い山。死亡例もあります。春〜秋は活発になるので、ご注意を。
「長袖、長ズボンで肌の露出をしない」「スパッツで隙間をなくす」という最低限の対策に加え、「明るい服を着る」ことで、衣類についたときに目視しやすくなります。
マダニは皮膚の柔らかい部分が大好き。二の腕や脇、お腹、太ももなどは特に注意。頭皮につくこともあるので油断できません。
無理に取る、潰すのはNG。
口器が皮膚内に残り、化膿する恐れがあります。すぐに病院へ。
マダニ専用のピンセットや除去カードが販売されているので、エマージェンシーセットの中に忍ばせておくとよいです。
また、春頃からはマムシにも要注意。
おはよう富士山▲
*ホステルノット~修善寺駅:3km*
*原木駅~日守山登山口:1.9km*
5:46の電車に乗り、登山口の最寄り「原木駅」へ移動。
ホステルノットを4:50に出発。早朝出発でスタッフの方には会わないのですが、玄関には靴が用意され、その上にはなんと置手紙が!
名刺の裏にメッセージが書かれています。
嬉しい心遣い。本当に居心地最高でした◎
薄っすら明るくなり出した道を駅へ向かいます。日の出が早くなって気分がいい。
修善寺温泉。またゆっくりと訪れたい。
一昨日下車した修善寺に到着。始発駅のため電車は既に来ていました。6時前ですが学生の子もちらほら。朝練かな。
修善寺駅から原木駅までは電車で20分。小さな可愛い原木駅。
日守山登山口までは1.9kmで、20分~25分程度歩きます。
橋からは早速富士山が見えました。昨日は残念ながら雲の中だったので、朝一の綺麗な姿に心が躍る。しかし、中腹に溜まっている雲ですぐに見えなくなりそう。
富士山を見ながら散歩できるのはいいな。なんだかんだ見えると嬉しいの富士山です。
「日守山登山口」に着きました。ここは日守山公園となっています。20~30分程で192mの日守山の山頂に着くので、朝登山をしている人が多かったです。もはや散歩かな。
6時半頃登り始めましたが、すでに下山の人が多かった。富士山で一日が始まるのは羨ましい。
山頂までは、半分階段、半分土の斜面というような登山道を登って行きます。
一歩入りこんだ印象は"植生がとても豊か"ということ。落葉広葉樹が多く、進んで行く先も非常に綺麗な森でした。鳥も多く、特にウグイスの鳴き声は綺麗に響いていました。普段は中々見えないウグイスも、姿を何度も見たレベル。
ちょうど新緑の時季で、耳も目も非常に愉快。
日守山山頂には展望台があり、富士山を正面に見ることができます。テーブルベンチもあり、広々した空間が気持ちよい。
このあと隠れてしまうであろう富士山をしばらく眺めて、縦走スタート。
ちょこっと気分転換したいときに、ちょこっと登りに行ける山。大切です。
まだまだ序盤。「日守山〜大平山」
*日守山(大嵐山)~大平山 CT:2時間5分*
次の「大平山」への看板に従うと・・・
んん?ここ?
“この隙間を通りなさい”ということらしい。「公園エリア外です。所有者の許可が必要です。」となっているけどいいのだろうか。でも、一応「沼ア」ということで看板に案内されているので通らせていただきました。
いいのか?いいのか?というような細めの道を下って行きます。迷うような道ではありません。
下ったあとは登り返し。急。
尾根に上がると、道幅も広くなりました。
基本的には樹林帯の中。時々展望が開けます。
ゴツゴツの道も出てきました。
巨木も点在し、本当に豊かな森。既に新緑ですが、桜も結構あったので、桜のピーク時もきっと素敵。
岩の隙間を通ったり。
梯子やロープもあります。
下から。
巨岩。岩を回り込む場所にはロープや梯子。
ちょこちょこアップダウンを繰り返しながら進んで行きます。でも、このあたりのアップダウンはまだまだマシな方でした。
巨岩も結構多いのですね。この岩とかボルダリングできる。
クライミングジムの壁か、とう程足を掛けやすい突起が。やっている人いそう・・・良い突起。
ボルダリング岩の先を登ると展望が開けました。
あ~富士山が雲にのまれた・・・
すっきり晴れていますが、今日はもう見えなさそう。日当たりの良い大きめの岩があり、ここで少しばかり休憩。
目の前にポッコリと頭を出しているあれが「大平山」。
低山で岩も楽しめるのは、よきポイント。
この後も小さなアップダウンを繰り返し、ロープが張られた急坂を登って行きます。しかし、これもまだまだ序盤なのでした。
登り切ると「大平山」に到着。広めのスペース。わずかに樹林が開けた場所にベンチが置いてありました。
登ってきた方面を指して「奥アルプス」の看板。
奥沼津アルプスが終了し、ここから沼津アルプス。
最高峰へ。「大平山〜鷲頭山」
*大平山~鷲頭山:CT 50分*
歩き出すと早速下り。大平山と鷲頭山の標高差は40m程ですが、一旦下って登り返します。
シャガがたくさん咲いていました。
「多比」との分岐。沼津アルプスは香貫山〜大平山までの7峰を含め多比へ下山、あるいは多比からスタートとなっていますが、どちらも大平山は登って下りることになるので、ちょっと"おまけ"な感じ。
*沼津市のWEBサイトにもコース紹介されています。
枝と葉っぱの隙間から、次なる「鷲頭山」をチラ見。惜しいほど下って行きます。
岩と根っこでゴツゴツの道を下りました。これからどんどん激しくなります。
植生が変わり、「ウバメガシ」の原生林です。ここが沼津アルプスのハイライトとされています。
岩々した尾根を歩いていきます。この辺りが「岩尾根」。
ベリッと剥がれつつ、土に接続している残りの部分を保って生きている・・・バランス力、生命力が半端ない。
岩尾根は細めの箇所もあり、下を見ると結構垂直だったりします。
鷲頭山の山頂に近づいてきました。
岩尾根終了。
下って行くと分岐があり、ここから登り返し。「アト12分」。
登り返しはやはり急。
「鷲頭山」に着きました。シャガがわーっと咲いて、なんかメルヘンな山頂。
パァ~っと開けている訳ではないですが、大平山よりは展望を楽しめるか。
ここからさらに急坂・ロープが本格的になっていきます。
駿河湾。「鷲頭山〜徳倉山」
*鷲頭山~小鷲頭山〜志下山〜徳倉山:CT 1時間40分*
案内版に「ロープ場」と書かれていますが、すぐにロープが出てきました。
沼津アルプスの急坂は、小石がコロコロして、突起のないような土の斜面も多く、滑りやすい。落葉広葉樹林も多いので、秋はさらに滑ると思います。逆に、登りだとアキレス腱が常にピーンとなる感じ。
坂を少し下ると「小鷲頭山」に出ました。ここからのロープ場はさらにワイルドに。というか、沼津アルプスで"中将宮〜小鷲頭山"が一番ワイルドな印象。
写真だと斜度が上手く伝わりませんが、急です。
振り返るとこんな感じ。
木の根っこもいっぱい。引っ掛かり、つまづきは要注意。
鷲頭山から先は人とすれ違うようになっていきました。このロープ場早く終わらないかな~と下り続けていると、岩に「中将岩」と書かれた石像のある場所に出ました。ここが地図の「中将宮」という地点。
「大正天皇お手植えの松」もありました。
中将宮でロープは終了。先へ行くと「ぼたもち岩」。ここも麓への分岐点となっています。
沼津アルプスはエスケープルートがたくさんあるので、やめたければいつでもやめられるのはいいところ◎
歩きやすい道になり、しばらくすると展望の良い場所に出ました。展望が良いというか、展望の良い場所の木が伐採されている。駿河湾一望。
越えてきた大平山と鷲頭山がポコポコ。
緩やかにアップダウンをして「志下山」に到着。山頂というよりは、ちょっと丸みのある場所という雰囲気ですが、気持ちがいい山頂。ベンチなどは特にありません。
風を浴びてしばし海を眺める・・・先程よりも見える範囲が広い。
お次は256mの「徳倉山」。しかし、徳倉山の手前に282mのピークがあります。
登って行く~と思ったらどんどん急になって行く~。お馴染みのロープも。
そして、岩場。
振り返ると、今までで一番展望の良い場所でした。そのため、岩に座ってお弁当を食べている人も。沼津アルプスは、各山頂よりも途中途中の方が展望よし。特に「志下」あたり。
えっちらおっちら登って腐葉土になりかけの落ち葉トレイルを歩きます。ここは非常に快適。
この水玉模様好き。
広場的な場所も。
「太平洋戦争末期の機関銃座の跡地」というものがありました。
降りられないので中は見えませんが、穴の中は雑務室だったとのこと。
この先から再び登り出すと・・・
「徳倉山」に到着。
頭上は開けていますが、展望はありません。
女性2人がシートを広げて楽しそうなお昼タイム。広めの空間ですが、ベンチなどはなかったのでそのまま進みました。
ラストロープ。「徳倉山〜横山下山」
*徳倉山~横山~八重坂峠入口:CT 1時間10分*
さて、ここからの下りがまたえらいこっちゃ。
階段地獄。
写真だとわかりづらいのですが、段差が大きい。つまり非常に下りにくい。登るのも大変だ。
膝痛が出る人には辛いかと。
下ったあとは、次の「横山」へとまた登り始めます。
急坂というほどではなく、最後に根っこの道を上ると183mの「横山」に到着。ミニマムな山頂。
残すは「香貫山」。
ラストハイク。「横山〜香貫山」
*横山〜香貫山〜沼津駅:CT 1時間30分*
香貫山の案内板にはまたまた「ロープ」の文字。うぅ、またか・・・
ということで、調子に乗るとズルっといく斜面を再び。車道に出るまでのコースタイムは20分。
今まで通りの急坂でした。
一旦車道に出て120m程歩きます。右側に香貫山への登山道が現れるとのこと。
ありました。
最後の山へいざ!と登り始めるも、すぐに車道に出ます。地図の通り、半分くらいは舗装道。
途中「山道」という分岐がありました。しかし、沼津アルプスはもう少し先から山道に入る案内なので、旧車道をそのまま上がります。
少し歩くと案内がありました。いきなり数字。
階段ですが、段差が低くてこれは登りやすい。
風が吹き抜けて、なんとも気持ちがいい場所を歩いていきます。もう、到着した気分。
カンザンやツツジが咲いています。昼寝したいような場所です。
階段を登り切ると東屋がありました。この東屋の雰囲気というか、ロケーションいい。山頂はまだ先なので人も全然いないし。しかし、ご夫婦の先客がいたため断念。ここは休憩したいポイントでした。
そういえば、沼津アルプスの道標の数字がカウントダウンを始めていました。山道に入るところが「25」だった。というか、ここまでの行程でこれなかったよな・・・香貫山だけ?
香貫山の山頂の案内に従って登っていきましたが、山頂だと思わない場所が山頂でした。階段を上がるとフェンスに囲まれた建物?があり、そこが山頂。その脇に「香貫山」という看板が存在感薄く佇んでいます。
山頂に到着したものの、初めは看板に気が付かず「山頂はまだ先か?」とさらに先へ。すると下りになりました。あれ?と思い戻ってみると、どうやらそこが山頂らしい・・・あまりの山頂感のなさに、最後の山なのに写真すらない。
つなぎを着た、公共施設を管理しているような人たちが戻ってきた私を見て「どこに行きますか?」と。登山地図の香貫山には360度の展望マークがあり、とりあえず「展望台」と答えました。最後くらい景色を見せてくれ。
「そこを下ったら車道に出るので、そこから行けます。」と教えてくれました。
階段を下りたら、下ってきた方に向けて「香貫山」の案内看板。あそこが山頂なのか。どうもしっくりこない。
もうちょっと山頂らしくしてあげてもいいのでは、なんて思いながら展望台へ。
展望台からは賑やかな声が。先程の人たちと同じつなぎを着た若者がめちゃくちゃはしゃいでいる。どうやら新入社員研修のようで。
ベンチで腹ごしらえをしながら少し待ってみましたが、みなさん展望に夢中で中々降りない。大人数がわちゃわちゃしている中、わざわざ上らなくてもいいかと思いつつ、香貫山の山頂が呆気ない感じだったので、しっかり終わらせようとやっぱり上りました。
歩いた山々。
富士山は全く見えない。
駿河湾。
360度さっと見て、さっと下りる。
登山道は山頂から続いているようですが、戻るのは面倒なのでそのまま車道を下りました。
今日一日、新緑がとにかく綺麗でした。沼津アルプスがこれほど植生豊かだとは知らなかったので、それだけでも満足。
しばらく下ると、休憩所、駐車場、トイレのある場所に。そこに「沼津アルプス1」の道標と登山道がありました。
本来はここから下ってくるはず。
少し下ると「黒瀬町200m」という山道発見。車道だと少し遠回りなので、ここから町に出ました。
ロープなどはありません。良かった。
ということで、沼津アルプス終了。あとは沼津駅へと歩くだけ。
噂通り、アップダウンが中々激しい縦走路でした。
岩場や梯子もあり、アスレチック的な要素のある低山。急坂、ロープに翻弄されながらも、夏山前の良いトレーニングになりました。体力、急坂、ロープ、岩場、根っこなど、あらゆる面で鍛える、慣れるのに良い山だなという印象。
伊豆山稜線歩道と同じく、どちらからスタートしても大して変わらないのではないでしょうか。香貫山〜日守山だとコースタイム7時間10分、今回歩いた日守山〜香貫山だと7時間25分。
時間もアップダウンもどっちもどっち。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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