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ぐんま県境稜線トレイルの一部。三国山から登る花の百名山「平標山」#2

山 歩 き

歩き人たかちです。

2日目はテント場から平標山と仙ノ倉山を往復し、三国峠登山口へ下山という計画。

しかし、昨日のパーティーで大いに飲み食いし、はたして仙ノ倉山まで辿り着くことができるのか。

今日も今日とて自由で楽しい山歩き。

2021.6.9(水)
天気:早朝ガス → 6時頃から晴れ☀︎
気温:2000m → 6時 8〜9℃
   1500m → 12時 12℃
 :北 2000m → 早朝 8〜9m/s
    1500m → 3〜4m/s

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白い山頂とお花畑。平標山へ。

*テント場~平標山~お花畑*

山頂で日の出を見るために3時半出発ということで、2時50分起床。昨日、22時半頃戻ってきたメンバーのテントに灯りが点いていてすごいなあ・・・と感心。

食べ過ぎにより消化が追いつかず胃が重い。気持ち悪くならなくてよかったものの、お味噌汁すら入らず行動食をアタックザックへ。

3時15分頃、2人組のテントからはいびきが・・・あれ、寝てる・・・?

3時半頃外に出てストレッチをしながら待機。風は昨日の夕方ほどではなく、気温も8~9℃とそこまで寒くありませんでした。

他のメンバーと「起きてるかな?」となるも、テントからは物音が聞こえ、そのうち前室が開き「あれ?みんなもう準備できてるの?」と寝ぼけまなこ。

すでに空が白んでいる4時に出発しました。

特に焦らなかったのは、東側には雲、山頂と稜線にはガスがかかり、ご来光は無理だろうとなっていたため。上では景色さえ危うい。

本日9日は高気圧に覆われて、ヤマテンでも雲一つない晴れマークがズラリ。ものすごく期待していただけに、そんなに甘くないか…と現実と受け止めました。群馬と新潟の県境。綺麗なすっきりしたご来光を拝める日の方が少ない山域。

 

平標山までは木の階段をひたすら登ります。

振り向くとマジックアワーの淡い時間。これはこれですごく好きな空気感。

飲みすぎ、食べすぎ、寝不足のメンバーは苦しそう。「胃が…胃が…」と猫背気味で登る姿に、逆に尊敬します。山とお酒、天秤にかけて勝つのはどちらなのか気になるところ。いや、セットだから格別なのか。

 

山頂までにもシャクナゲやイワカガミなどお花が咲いています。

 

35分程登って山頂に到着。ガスは晴れず、真っ白な空間に飛び込んだだけ。

バーダーの2人は仙ノ倉山へは行かず、鳥を観察しながらテントへ戻るとのこと。真っ白で山頂から北風をもろに受けて寒くなりましたが、他3人はとりあえずお花畑だけでも見に行くことに。歩いている途中で晴れればいいな~くらいの緩い縦走。

谷川岳への縦走組も非常に多かったです。羨ましいな〜…次回次回。

平標山~仙ノ倉山まではコースタイム55分。くびれ部分に下った後の登り返しが少し長そう。

真っ白。

階段を下っていくと早速お花が咲き乱れていました。

ピンクが濃い。アズマシャクナゲ。ここからの稜線はアズマシャクナゲがメインになるようです。

シャクナゲはすごく好きなお花の一つ。とても華やかな気持ちになります。

ハクサンイチゲ

まさに旬で、一面に咲いています。青空で見たい。

ハクサンコザクラ

以前、ハクサンコザクラのために白山に登りましたが、やっぱり可愛い。水滴が花びらについて閉じ気味ですが、本当に癒される姿形。色も少し紫が入った感じのピンクで素敵。

ミヤマキンバイ

これは何だ。

ミネザクラ。もう終わりです。

晴れてくれー!の気持ちでちまちま進むも、風は強いまま。お花を見ているとどんどん身体が冷やされる。動いていても寒い。

 

でも、可愛さに立ち止まる。

少し下った場所に休憩のベンチがありました。ほんの少ししか歩いていないけど、ハクサンコザクラも見れたし、割と満足の3人。

どうせ下り始めたらガスが晴れるだろうけど、北風に負けて戻ることに。風が弱ければそのまま進みましたが、10m/s近くあり太陽がないと中々温まらないので撤退。

あ、晴れそう・・・

ああ・・・

ああああああああああああ!!

やはり、お決まりの下り始めたら晴れるやつ。ちょっとずつ青空が見え始め、あるとき一気にガスがなくなる。何度も味わうこのデジャヴ。仕方がない・・・寒かったんだ。

何度となく山から送られる「また来いよ」のメッセージ。もちろんベストの状態を望むけど、自然が全て思い通りになるのも面白くない。これも一つの大事な思い出で、これだから山はやめられない。

風が弱くなったわけではないし、次回は谷川岳の馬蹄形とともに。と何度も自分に言い聞かせる。半分下ったか下っていないかだったので、山頂に戻っても良かったのですが・・・

こちらの景色に集中。

本当にいいところに小屋がある。緑の中に赤い屋根は物語感があって好き。

しかし振り返る。稜線のガスも晴れました。15分くらい早く晴れてくれれば良かったのに。

谷川岳に縦走する人たちに「良い天気ね〜!」と挨拶されます。「お花畑綺麗でした!!羨ましい〜!」と返す自分たちは完全に未練たらたら。今日の縦走は最高なはず。

6月の空、好きです。

テント場に戻るとバーダーの2人は仮眠中。無念の撤退を知らせ、昨日のテーブルベンチで朝ごはん。一番奥のテーブルを使用していました。

ベンチはくびれのロケーション。曲線美が本当にいい。綺麗すぎてメンバーに「くびれ平」と命名されたほど。この景色を味わうだけでも充分満足な登山ができます。

撤退したことで、この景色を見ながらゆっくり朝ごはんを食べ、豆をガリガリ挽いて美味しい珈琲を飲めました。これはこれでいいではないか。朝がゆっくりって最高だ。

今回は軽快に歩くためにステラリッジテントではなく、モンベルの「U.L. ドームシェルター」。にわか雨くらいだったらいいかと。

今までで一番結露しましたが、今回もポタポタ垂れるほどではなく、寒さもなくいい感じ。撤収もやはり楽。

今夏は山でもちょこちょこ使っていきたいと思います。

テントを撤収し、出発の時間まで周辺をウロウロ。避難小屋も覗いてみました。

一番奥が小屋泊、真ん中が避難小屋、手前がトイレ。

 

非常に綺麗な避難小屋。

 

窓からは、くびれと仙ノ倉山。谷川岳肩の小屋と合わせて避難小屋泊でつなぐのもかなりいい。

避難小屋泊は素泊まり¥2,000。小屋泊2食で¥8,000というのも、山小屋の中ではとても良心的な値段です。テント泊¥500もすごくありがたい。

ここは「ぐんま県境稜線トレイル」の一部となっています。2018年に全線開通した新しいロングトレイル。群馬、新潟、長野の稜線上を約100km歩く、国内最長の稜線ロングトレイルです。

通して歩きたいですが、区間によっては誰にも会わないとも聞くので若干躊躇っている臆病者。誰にも会わず静かに歩きたい人にはいいトレイルかもしれませんが、1人も会わないのもなあ…。歩く人は少しずつ増えているそうですが、温泉に合わせてルートを少し変えながら歩くのがかなり良さそうで、そちらで考え中。

ご興味のある方はぜひ。

ぐんま県境稜線トレイル

売店のメニューにある「自家製ジュース」が気になりいただきました。夏みかんと生姜のジュース。炭酸で割ってあり、この夏空にぴったりのさっぱり爽やかな味。すごく美味しかったです。

またな、仙ノ倉山。

ということで、9時頃下山へ。

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6月の青空。平標山の家~三角山

*平標山の家~三角山:40分*

昨日「暑い、暑い」と言って歩いた稜線を戻ります。

すっかり雲もガスもなくなった青空。2000m以上じゃないと暑くて歩けない時期がすぐそこまで来ています。街もかなり暑いですが、街で見る夏の空と雲も嫌いではない。自転車でスーッと走っていると、いいなあと思います。

なんだかんだ快晴の稜線は気分が上がる。お花の色も、光が届いて濃くはっきり。太陽を浴びて元気そう。

樹林帯の中も木漏れ日がいっぱい。日陰に入った瞬間に涼しくなる。木のありがたさをしみじみ感じる時期でもあります。

帰りももちろん野鳥観察。コマドリが何度も近くで鳴いていましたが、やっぱり姿は見えない。日本三名鳥見たかった。

平標山~仙ノ倉山の谷筋ではカッコウが鳴いていました。今日の朝まで同じ場所で「カッコウ、カッコウ」と。カッコウも声はよく聞きますが姿は見たことない。

谷川岳の方もすっきり。今日はどこも良さそう。

 

平標山も少しずつ見えなくなっていく。何度も振り向きながらお別れします。

昨日のハクサンシャクナゲの印象もまた違う。お花は本当に綺麗でした。また来たいと思える山、素敵です。

「明日行こう」と話していた大源太山への分岐に到着。ピストンなのでザックを置いて行けば楽に登れますが、暑さにやられ結局行きませんでした…。谷川岳に続く稜線が綺麗に見えると思うのですが。

道標周辺にはマイヅルソウが群生。

ここから三角山まで10分。少し登って到着です。

三角山は展望がよくやはりいいですね。ここでエネルギーを補給。

苗場山も良さそうだ。

ここから細かいアップダウン区間に入ります。

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暑いよー。三角山~三国峠

*三角山~三国山巻き道~三国峠:CT1時間40分程*

早速三角山を下って行きます。

 

三国山手前の無名ピーク。これの登り返しがなかなかでした。

草のむんむん、むしむしした感じがすっごく夏。この区間は特に羽虫が多く、口を閉じて歩かないといつの間にか食べてる。目に入らないようにサングラスも推奨。この虫の感じも夏。

「暑い~頑張れ~美味しいごはんが待ってる~温泉~…」と、自分たちを鼓舞しながら最後の登りを。こんなに急坂だったけ?という感じ。下りと登りでは印象が違うのも山。

サンサンと降り注ぐ太陽光に汗を垂らしながら、三国山と巻き道の分岐に到着。帰りは巻き道へ。

 

すぐに天国の階段の場所に出ました。

あとはひたすら下るのみ。

途中にあるベンチで休みながら下って行きます。

三国山にハイキングに来たという女性2人組の方とお会いしました。メスティンなどでランチ中で、見ているとお腹が空く。三国山だけでもいい山登りができます。

ひらすら下る。もうすぐで終わりだ。

下りはあっという間で、気が付いたら三国峠。ここで最後の休憩を取り、残すは樹林帯の野鳥観察。

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双眼鏡片手に。三国峠~三国峠登山口

*三国峠~三国峠登山口:CT30分*

樹林帯が涼しい…標高はどんどん下がるけど涼しい。

種類はわかりませんが、蝉も元気に生命を燃やしていました。街ではまだですが、もう少しで家の近くの遊歩道は蝉が出てきた穴だらけになる。何年も土の中で育って、外に出るとひと夏で終わってしまう。自然は儚いけれどそれが美しいのであって、「うるさい」とは言わずしっかり夏を感じたい。車や電車の音より断然いいと思うけどなー。

ツツドリの「ホホ…ホホ…」という特徴的な声が聴こえます。

何度か飛び跳ねる鳥を捉えるも、やっぱり双眼鏡を一発で合わせるのが難しい。

先頭を歩いていたバーダーの人は「コルリ、ゲット~」と嬉しそう。オオルリ、コルリはぜひとも見てみたい。

沢まできて登山口ももうすぐ。

沢に小さな鳥を発見。しかし、名前を忘れた…。あまり見られない鳥らしいけど、何だったか。

樹林帯はあっという間に終わり、登山口に到着しました。

樹林帯を出るとやっぱり暑い。8,9日は特に気温が上がり、下界では30℃を超す場所も多くありました。

今回はお花を楽しみにしてきましたが、まさかの野鳥に夢中になった山行でした。鳥は動くからこそ楽しくて、お花とは違う良さがある。なかなか見つけられないからこそ、一生懸命視線を動かし耳を澄ませる。つまり、自然はなにもかも面白い。

地元の公園と近郊低山で、まずは自分で見つけて双眼鏡で捉える修行。バーダーの気持ちに少し踏み込んだ山行となりました。

山をしんみり歩くのもいいけれど、喉が枯れるほど笑う山歩きもいい。それぞれの得意分野が集まると、自分の知らない世界にたくさん踏み込ませてもらえる。勉強しようとやる気も出るし、何より楽しい。

今年は、自然界をより深く見る山歩きをしていきたい。

山頂はガスガスでしたがそれは多くの中の一つの目的で、全体的に最高の山歩き。

 

蕎麦を食べて、温泉に入って、帰宅。蕎麦屋の前の電線でサンショウクイを見ることができました。街に戻っても野鳥観察が続きます。

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コメント

  1. ぐんま県境稜線トレイル、ぜひ踏破してみたいですね。西部は特に笹の繁茂が酷いので、無雪期は刈払いがなされているかどうかがポイントかと。
    歩いた事があるのは以下の部分のみ。
    ①白毛門〜朝日岳〜清水峠〜蓬峠
    ②茂倉岳〜谷川岳〜万太郎岳〜仙ノ倉山〜平標山
    歩いたのは40年ほど昔のことなので、山の様子も随分と変わりましたね。5月の週末と言うのに、元橋でバスを降りたのは私独り。平標山も独り占め。山の家の客も私独り。夕食はインスタントのカレーのみ、翌日、谷川岳へ縦走したのですが誰にも会わず、そんな山登りでした。写真を見させていただいて、木道や階段が整備された登山道、立派になった山の家等に感慨深いものがあります。皆さん本当に山を楽しんでおみえですね。羨ましい。昔の山は質素で何か修行に行くかのような覚悟が必要でしたので。
    三国山からもう少し下って、与謝野晶子が愛用したという法師温泉にも泊まってみたいです。
    深田久弥の山友、フジさん、こと藤島敏夫の「山に忘れたパイプ」の白砂山もすっかりポピュラーになってしまいましたし、かつての湿原だった野反池を知る人ももう居ないでしょう。
    あいいね、に紹介される山は本当に良い山のオンパレード、今後もご活躍を期待しています。

    • すいません、
      「あ、いいな」でした。

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