2020.8.4.-8.5
歩き人たかちです。
昨日は室堂から剱沢キャンプ場まで。剱岳の勇姿を見ながらの贅沢なテント泊でした。
今日は剱岳に登頂し、室堂まで戻ります。2日目も天気は上々◎
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① 夜行バス
バスタ新宿ー富山
② 富山地方電鉄
電鉄富山ー立山
③ 立山ケーブルカー
立山ー美女平
④ 立山高原バス
美女平ー室堂
*電鉄富山→室堂 ¥2,200
*夜行バスは「毎日アルペン号」
*黒部アルペンルート*
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2020.8.4(1日目)
室堂ー雷鳥沢キャンプ場ー雷鳥坂ー剣御前小舎ー剱沢キャンプ場
▲コースタイム:3時間25分
2020.8.5(2日目)
剱沢キャンプ場ー剱澤小屋ー剣山荘ー一服剱ー前剱ー平蔵の頭ー平蔵のコルーカニのタテバイー▲剱岳ーカニのヨコバイー平蔵のコルー平蔵の頭ー前剱ー一服剱ー剣山荘ー剱澤小屋ー剱沢キャンプ場ー剱御前小舎ー室堂新道ー雷鳥沢キャンプ場ー雷鳥荘で温泉ー室堂
▲コースタイム:8時間35分
朝日を浴びて。剱沢ー前剱
*剱沢キャンプ場ー剣山荘ー一服剱ー前剱:CT 1時間30分*
昨日はラジオおじさんにより21時過ぎまで寝られず。必死に目を瞑り、なんとか夢の世界へ。一体何時まで流していたのだろうか。
3時出発予定で2時15分に起床。月が煌々と輝いています。
早朝は胃が食べ物を受け付けなくて、テント泊のときはいつも流し込みスタイル。昨日炊いたご飯の残りにみそ汁をぶっかける。
トイレと水場に行くためテントを出ましたが…全く見えない。近いトイレの屋根が灰色なので完全に闇に消えていました。水場も全くわからない。ここまで見えないことあったかな?
記憶を頼りに適当に歩き、見つけたと思ったらトイレより上にいました。水場も記憶に頼り適当に歩くと通り過ぎていて、最終的にホースを辿って到着。5分で済ませるところ15分程かかってしまいました。ここはある程度トイレと水道の近くがいいかもしまれません。見えてなかったのは私だけ…?
自分のテントは灯りを付けたままにしたので問題なし。テント泊にソーラーランタンは本当におすすめです。
↓詳細はこちら↓
3時5分、出発です。
剱澤小屋まで下り、そこから剱山荘までは岩のペンキマークに沿って歩きます。
ペンキが多くわかりやすいところもあれば、少なくて迷うところも。明るければ問題ありませんが、完全に迷った場所が…
岩場を下りていくと雪渓にぶつかります。雪渓には踏み跡があって、そこをトラバースしますが闇でトラバース道が見えていませんでした。最後のペンキマークから先が全く見当たらず、ウロウロ探しながら雪渓の上部まで歩くもやはりマークがない。
下山時の確認した写真。
雪渓のトラバースが始まるところにはポールがあります。ポールは見つけたのですが、そのさらに上の岩場にペンキマークが付いていたので、そちらへ進んで立ち往生していました。
雪渓の縁に沿って行ってもいいのですが、沿って行く場合は完全に沿うというか、雪渓上部の終わりまで到達したらまた下らないと登山道に合流できません。下がる途中の岩場に一箇所「⇔」が書かれていましたが、上からは見えない感じ。
雪渓の下にある岩に続きのペンキマークがあるのか。雪渓の残り具合はそとのきそのときで違うので、事前に道を確認しておくと安心です。
雪渓の上部に沿って歩いていると、後ろから男性が来ました。その方も「適当」と言ってガンガン剱山荘に向かって進んでいきました。小屋は見えるのでそちらに進めばいいのですが、高山植物帯なので…
できる限り踏まないように進んで行くと、正規の登山道とぶつかりました。雪渓上部からそのまま横へ歩いたので、登山道より大分上の方を歩いていました。
やっとの思いで剱山荘に到着し、水を補給してヘルメットを装着。ここからガレ場と鎖場が少しずつ始まります。まずは一服剱へ。
明るくなり始めた空と、眠りから覚め始めた山々を見ながら。静寂が終わります。
剣山さんから鎖場が始まりますが、初めは鎖を使わなくても通れるような岩場です。
一服剱に到着したときはまだ薄暗かったので通りすぎてからパシャリ。小屋から20~25分くらいで一服剱に到着しました。
正面に聳える前剱へ向かいます。
4時半過ぎ、空も結構明るくなってきました。
一服剱からガレ、ザレの道を緩やかに進んだあと、前剱に向けて一気に登っていきます。下から見上げると前剱は遥か上…急斜面のはじまり。
落石、浮石に要注意。自分が落としてしまったら…と考えると恐ろしいゾーンなので、Kさんとも少し距離をとって登っていきます。
振り返って一服剱。どんどん小さくなる。
岩場のスケールも大きくなります。
振り返るとこの景色。
朝と夕方は特に、空も雲も刻々と変化するので、できればじっくり立ち止まって見ていたい。登って撮って、登って撮って…一瞬を逃すのが本当に惜しい。
朝日が完全に出ていますが、前剱まで登らないと見えません。
2時頃出発していた方もいらっしゃいました。きっと素敵な朝日を拝んだことでしょう。
ところどころ鎖場を登り、最後の方は大きな岩場。
早く登り切りたいけど、後ろの景色も見たい。山頂に行けば全て見られるとわかっているのですが、いろいろな角度から剱岳を見たい。
そして…
一服剱から45分程、前剱に到着◎
眩しい朝日がお出迎えです。ボスの剱岳も目の前に。
前剱から岩場、鎖場の核心部に入り込んでいきます。エネルギー補給をして出発。
核心部の岩と鎖。前剱ー剱岳
*前剱ー平蔵のコルー平蔵の頭ーカニのタテバイー剱岳:CT 1時間20分*
前剱を下り、"前剱の門"という鎖場を下りていきます。
剱岳の鎖はどこもピカピカで綺麗です。
5番目の鎖場。足場はしっかりしていますが、切れ落ちているので踏み外し、転倒に要注意。
前は小学生の女の子とお父さん。娘を連れて剱岳、格好いいですね。岩場は案外こどもの方が身体も柔らかく、身軽でバランスが良さそう。大人の方が危なっかしい…。
太陽も上がって、空の青さも増します。
岩場を歩いて
平蔵の頭から平蔵のコルへ。
振り返るとこんな岩。真ん中の上部が丸っこい岩を下りてきました。
お次はカニのタテバイ。先行者1名。
下からはこんな岩場。遠くからと近くからでは印象が違います。
登っている最中に下を見ると高度感はありますが、目の前の岩に集中しているため、特に気になりませんでした。
チビだからか、足を上げる間隔は高いように感じました。感覚は人それぞれですが、個人的にはヨコバイよりもタテバイの方が高度感があるのではないかと。「ヨコバイの方が怖い」とよく言われますが、ヨコバイは割とあっさり終わったなという感想で、体力はタテバイの方が使いました。
剱沢から辿ってきた道を一望。
タテバイを乗り越えたら、山頂までラストスパート。
もう少し…
振り返る。
振り返る。
前見て、後見て、前見て…
山頂の祠が見えました。
もう少し先に進んで
7時前、剱岳に着きましたー◎
遮るもののない360度の展望。風もなく、ガスもなく、ベストコンディションです。
先行していた親子も至福の時でしょうか。父と子が黙って同じ方向を見つめている姿が素敵すぎる。この写真すごく好き。10歳くらいのこどもはここで何を感じるのか。
東西南北、どの方角も良い。
北西には馬場島からの早月尾根がのびています。次回はここから登頂したいです。
ご一緒したKさんとはここでお別れです。Kさんは往復のバスを予約したので、12時台に室堂発のバスに乗らなければなりせん。私は再びアルペンルートを戻り、富山からの夜行バスで帰るので時間は十分あります。「せっかく登ったのでごゆっくり」とのことで、Kさんは先に下山開始。
今日は本当に穏やかな気候で、1時間以上山頂に滞在しました。剱岳は2999m。若干3000mに届かないこの数字がすごく好きですね。
何時間いても物足りないですが、人が多くなってきたのでそろそろ撤退。
振り返りながら。剱岳ー前剱
*剱岳ーカニのヨコバイー平蔵のコルー平蔵の頭ー前剱:CT 1時間10分*
テンションMAXの状態なので、油断せず慎重に。
カニのヨコバイいきます。
ヨコバイはタテバイより難しいとは言われていますが、長くはありません。
"初めの一歩"を置く場所は赤くマーキングされています。「この一歩が怖い」と言われますが、身長147cmの自分でもしっかり届きました。両足を置けるくらいのスペースがあったので、ここでしっかり整えて、トラバースへ。
トラバースの足場もしっかりしています。小股でカニ歩き。
ヨコバイのあとは長めの梯子。こちらも踏み外すとどこまでも下に落ちてしまうので慎重に。個人的にはトラバースよりもこちらの方が嫌な感じ。下ったあともそろりそろりと。
平蔵のコルまで鎖場が続きます。
平蔵のコルまで戻ってきました。振り返るとカニのタテバイにみなさん取りついています。「ファイトいっぱーつ!」と、仲間の掛け声。(決してふざけてはいません、たぶん笑)
遠くから見るとやはり結構垂直です。
平蔵谷の美しさよ。
しばらくタテバイを観察していると、ゴロゴロ…ゴロゴロ…石が転がる音。谷を見ると、おりました。平蔵谷を登っている人発見。雪渓が少ないので登りにくそうです。
平蔵の頭を登り返します。
前剱へ戻る。
"前剱の門"の鎖場。
直射日光が暑い…。ヘルメット用のキャップを被るといくらかいいのでしょうか。
名残惜しく剱岳を振り返りながら。
登頂を終えて、前剱からの剱岳を楽しむ人たちで賑わっていました。登るのもいいけど、眺めるのもいいですね。
お花を見ながら。前剱ー剱沢
*前剱ー一服剱ー剣山荘ー剱沢キャンプ場:CT 1時間15分*
腰を上げて前剱下山開始。
前剱からは、こんなに登った!?というくらい下りました。登山あるあるだと思いますが、下りでどれほど登ったか実感することが多いですね。
振り返ると前剱がちょこん。朝と同じアングル。
ラストの一服剱へ。
一服剱からの前剱。
剣山荘と一服剱の間にある鎖場はこんな感じでした。
剱山荘までのガレ場を下り、小屋に到着。
剱山荘は剱岳まで一番近いですが、剱岳の雄姿をどーんと眺めるなら剱澤小屋。どちらも魅力的な山小屋です。
水を汲んで、売店に寄ってキャンプ場へ戻ります。キャンプ場の水は煮沸して下さいとのことなので、ここで帰りの分も汲ませていただきました。
剱山荘周辺もお花畑です。
間違えた道を確認しながら。
帰りはしっかり雪渓を歩きます。
無事、キャンプ場に帰還。
デポしたテントも無事でした。
悲しいことに、剱沢キャンプ場は盗難が多いです。デポして登りに行く方が大半なので、とても狙われやすいエリア。雷鳥沢キャンプ場もしかり。
初めはKさんも心配していました。ジッパーに南京錠をつければ少しばかり安心なのか。名前を書いたり、シルクスリーンのプリントをしてオリジナルにしたり、転売できない状態にして盗難されないようにする人も中にはいます。特に良いテントは狙われやすいのでご注意を。
そんな人がいなくなることを願います。
剱岳を眺めながらお昼を食べて、剱御前小舎まで登り返し。剱岳に心を支配されている中で、テント泊装備がずっしりくる。
"岩の殿堂"と呼ばれる剱岳。とてもお似合いだなあと感じました。岩場のスリル感を好む人も多いですが、3点確保で一歩、一手と進めていき、目の前の自然と戯れつつ近づいていく感じが私はとても好きです。自然と真摯に向き合っている感じがします。もちろん、稜線歩きや樹林帯、ハイキング、すべて好きですが。
本当は欅平から裏剱を見るコースで登る計画でした。しかさ、今年は休業の山小屋もあり登山道が整備されず、藪漕ぎルートファインディングの可能性が高いとのことで室堂往復に変更。裏剱は来年以降のお楽しみに。
そろそろ剱岳とは完全にお別れです。またいつの日か!
だいぶ雲が出てきました。
ミヤマダイコンソウ
トウヤクリンドウ
剱御前小舎からは室堂新道で下山します。雷鳥坂よりも緩やかで、こちらはずっとお花畑の中を歩いていきます。
チングルマロード
以前は8月下旬だったのでお花は終わっていましたが、今回はチングルマやハクサンイチゲ、イワカガミを中心に綺麗に咲いています。
ハクサンイチゲ
イワカガミ
ハイマツの実好き。
足元はガレ場。剱岳の岩場と戯れた足を早く温泉で癒したい気持ちと、下ったら終わってしまう寂しさが入り交じる。
最後は木道を歩いて川を渡り、雷鳥沢キャンプ場へ。
川を渡ると、道のど真ん中に雷鳥がでーんとお座りになられていました。
土の上でパタパタ…バタバタ…。砂浴び?周りには3羽のこどもがちょろちょろ走っています。
全く逃げないので、足に怪我でもしているのかと思いましたが、しばらくして走り去っていきました。
そして、キャンプ場からは辛い階段。やはりここの登り返しが一番くる。雷鳥荘の温泉に着いたときには、またもや汗だく。日帰り温泉に無事入ることができ、室堂までさらに階段を上がります。
気持ちのいい風が吹き上げてくる。
最後にみくりが池温泉の売店でブルーベリーのソフトクリームを食べてまったり。
夜行バスで帰るので、最終便に近いバスで室堂を出発。いろいろ乗り継いで富山駅まで戻りました。
富山といえば"白えび"。山行後のご当地名物うまーい◎
夜行バスの時間まで、スターバックスで。目の前は川でロケーション最高という、有名なスタバ。遅い時間でも賑わっていました。
長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございます!
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
コメント
今から20年ほど前、私も小学校高学年だった息子を連れて、劔に挑んだことがあります。
一日目は快晴、剱沢小屋までの予定が、元気な息子に対して運動不足で体力低下と重荷の私は、雷鳥沢からの長い九十九折の道に疲れてしまい、剱御前小舎で泊。
翌日は何故か小雨と一面ガスになってしまい、剱沢小屋で小休止の後、剣山荘で待機。朝暗いうちから登った方が下山してきて言うには、岩が濡れていて危険極まりない、スリップして危ない目にあった人もいるので、今日は登らない方が良い、とのこと。我々も仕方なく来た道を戻るハメに。大日岳経由で帰ろうかとも思うも、下調べなしではとこれも断念。地獄谷の景観を楽しんで室堂に戻りました。
たかちさんの写真はため息が出るほど美しく、大気感にあふれ臨場感たっぷりですが、剱御前小舎から剱沢小屋まで、草の滴るような道だったはずが、小広い砂礫道に、また全般に少しずつ緑の後退、浸食を感じます。
小窓を越える裏剱をお考え、実にチャレンジングですね。小窓の王、チンネなどの迫力ある写真を見てみたいものです。
劔は思った以上に脆く危険な山ですね。悪天で断念して返って良かったようです。昔は誰もヘルメットなどかぶりませんでした。中アの宝剣岳も小1の息子を連れてヒョイヒョイ往復したものです。安全意識の変化と各地の山岳の風化浸食の進行を感じます。