*アフィリエイト広告が含まれています
スポンサーリンク

【裏銀座縦走④】日本三大急登「ブナ立て尾根」を下って高瀬ダムへ!烏帽子岳近くの「四十八池」がおすすめ!

北 ア ル プ ス

 

2022.10.2

歩き人たかちです(@takachi_aiina

裏銀座縦走4日目。昨日は、三俣山荘から鷲羽岳と野口五郎岳を経て烏帽子小屋でテント泊。のびやかで美しい、静かな裏銀座を堪能しました。

今日は、烏帽子岳と南沢岳の間にある「四十八池」まで朝散歩をして、北アルプス三大急登、かつ、日本三大急登の「ブナ立尾根」を下り高瀬ダムに下山します。

 1日目:新穂高温泉-笠新道-笠ヶ岳
 2日目:笠ヶ岳-双六岳-三俣山荘
 3日目:三俣山荘-野口五郎岳-烏帽子小屋
★4日目:烏帽子小屋-高瀬ダム
天気:晴れ☀︎
気温:朝5℃/午後15℃
風:東南東→南東 2〜3m/s


烏帽子小屋ー前烏帽子岳ー四十八池ー前烏帽子岳ー烏帽子小屋ー(ブナ立尾根)ー高瀬ダム登山口ー高瀬ダム

▲ コースタイム:3時間30分
▲ 歩行距離:5.6km
▲ 累積標高差:上り136m
                      下り1361m

*「四十八池」の往復分は記録していません

スポンサーリンク
スポンサーリンク

北アルプス「ブナ立尾根」概要

 

▲ 標高差:約1250m
▲ 歩行距離:約3.5km
*ともに高瀬ダム登山口より

北アルプス三大急登と日本三大急登の両方に属する「ブナ立尾根」

全体的に急な岩場や木の根、ロープ箇所が中心のアスレチック的な急登。約3.5kmで1200mの標高差がある急勾配のコースです。

0〜12の看板が設置され、0が烏帽子小屋、12が高瀬ダム登山口。標高差100mを目安に置かれているようです。

高瀬ダムに近い方がアスレチック感満載の急登が多く、手足を使いながら。等高線の詰まり具合はあまり変わりませんが、標高を上げると平坦な道を挟むようになり、多少の足休めになります。

個人的には、空木岳の「池山尾根」に雰囲気が似ていると感じました。初日に登った笠新道と比べて距離は短いですが、登山道としてはブナ立尾根の方が大変だと思います。

スポンサーリンク

烏帽子岳のモルゲンロートと「四十八池」

烏帽子小屋ー前烏帽子岳ー四十八池ー前烏帽子岳ー烏帽子小屋:CT2時間弱

4時起床。三俣山荘や七倉山荘への縦走組の朝は早く、起床した頃には、同じエリアに張っていた人たちはすでに出発していました。

七倉山荘へ下山する考えがチラッと過りましたが、ブナ立尾根を歩いてみたい。船窪小屋は泊まりたい小屋のひとつなので、またの機会に。

笠ヶ岳と三俣山荘では結露がパリパリに凍りましたが、今日は結露なし。風もなく、テント内の気温は4〜5℃。この縦走で一番暖かい朝でした。

5時頃、烏帽子小屋に荷物をデポしてご来光を見に前烏帽子岳へ。朝日が昇ったら、さらに先の「四十八池」まで足を延ばします。

日の出は5:36。今日は、日の出よりもオレンジ色に染まる烏帽子岳を見たい。

前烏帽子岳で待機していたのは4,5人。烏帽子岳に登っている人もいるけど、思ったよりもだいぶ少ない。

東の空には雲が多めでしたが、5:45を過ぎた頃、朝日が昇りました。

雲に阻まれてオレンジ感がちょっと足りないけれど、輝く烏帽子岳が美しい。

赤牛岳、薬師岳方面

三ツ岳方面

\ 6時の前烏帽子岳より /

朝日がすっかり昇ってから「四十八池」の方へ。まだ日陰ですが、到着する頃に朝日が届く・・・かな?

烏帽子岳の分岐まで下る

 

「南沢岳」方面へ。分岐から烏帽子岳までは480m。最後の方は岩と鎖で登っていくようです。

岩を越え、木をくぐり、細めの道を進んでゆく。何気ない水の中が美しい。秋の水面はなんだか特別。

鬱蒼とした樹林帯を抜け、庭園のような雰囲気になりました。四十八池は奥の方で、そこまでに小さな池が点在しています。庭園と草原を合わせたような、山間にポカンとできた、小さな池巡りの空間。

絵の具のパレットのよう

風が心地よく吹き抜ける。誰もいない、独り占めの朝散歩。

ゆるゆる歩いていくと、大きめの「四十八池」に到着。池がおすすめというより、池までのお散歩がおすすめ。

\ 四十八池から小屋方面へ /

地図にはしれっと四十八池の記載がありますが、こんな素敵空間だとは。

昨日、縦走中の方に教えてもらっていなかったら完全にスルーしていた。本当は烏帽子岳に登る予定でしたが(昨日ガスってしまったので)、一期一会の方におすすめされるがまま動くのもいい。

 

前烏帽子岳

 

烏帽子岳はまたの機会に

 

小屋へ戻る。今日も下山が惜しいほどの好天

小屋に戻ったのは7時30分。ほとんどの人は出発しており、静まり返っていました。

高瀬ダムからタクシーに相乗りする人はいるだろうか?半ば諦めながら、ブナ立尾根の下山開始。

スポンサーリンク

北アルプス「ブナ立尾根」急登を下山して高瀬ダムへ

ブナ立尾根ー高瀬ダム登山口ー高瀬ダム:CT3時間30分

 

烏帽子小屋が「0」で高瀬ダム「12」ですが、「1」の登場がすごく早かった。

大きめの岩がゴロゴロしていますが、比較的下りやすい。乾いた落ち葉を踏んで、カサカサと秋の音を立てながら。

急登ですが、標高が高いところはフラット道をちょこちょこ挟むので定期的に足休めができます。

ゴゼンタチバナ

広葉樹と針葉樹が混ざった森で、すごく素敵

 

急な箇所にはロープ

下るにつれ、アスレチック的な急登になってきて、手を使いながら下る箇所が増えました。森の雰囲気含め、空木岳の「池山尾根」に似ている気がする。

日曜日ですれ違いは20人くらい

「4」の三角点に到着

ダイナミックな木の根も増えていく

 

 

「6」の中休みに到着。少し広めで、大休止を取りやすい空間でした。高瀬ダムまであと半分。

 

下るほどに、これぞ急登という雰囲気に。フラットな道はなくなり、階段状の道も出てきました。

笠新道にアスレチック的な急登はありませんでしたが、単調で長いほうが私はしんどいかも。笠新道の「杓子平」までの樹林帯と比べると、ブナ立尾根の方が楽しく登れるかな?

 

 

 

 

「10」を過ぎ、終わりが近づいている雰囲気。

 

 

最後は鉄パイプの階段を下りました。標高差50mくらいあるようです。スタートでこれはちょっとキツそう。

「12」の高瀬ダム登山口に到着。ここからタクシー乗り場までは30〜40分ほど。もうひと頑張り。

砂が真っ白ですっごく眩しい

「濁沢キャンプ場」に到着。2022年は閉鎖中ですが、キャンプをしている子連れの家族が。思いっきりテーブルを広げ、泊まっていたようす・・・

*「濁沢キャンプ場」は当面の間、利用禁止になっています。最新情報のご確認を

 

 

トンネルを抜けるとタクシーが待機していましたが出発するところで、七倉山荘からもう一台手配してくださいました。

新穂高温泉からの縦走の2人組と同じタイミングで下山したので、運良く相乗りさせていただくことに。

誰もいなければ、七倉山荘までタクシーに乗り、七倉山荘から大町エネルギー博物館まで徒歩、そこから路線バス(大町市市民バス)乗る方法を考えていました(節約できるけどだいぶ面倒)。

*アクセスの詳細は、裏銀座縦走#1をご覧ください

タクシーが待機していない場合は、近くの公衆電話で呼べます。七倉山荘までは4.5kmなので、マイカー組は歩く人も。

スポンサーリンク

下山後に寄りたい「三俣山荘図書室」

相乗りした方々は七倉山荘で温泉に入る予定でしたが、私に合わせて大町温泉郷の「薬師の湯」に変更してくださいました。タクシー3人で、一人2,500円(高瀬ダム- 薬師の湯)。

薬師の湯から信濃大町駅までは6km。バス停「大町温泉郷」が近くにありますが(北アルプス交通)、本数が少ないし、時間があるので徒歩で。

黄金に輝く稲穂を見ながらのんびり歩く

商店街に到着。味のある商店街ですが、ほとんどシャッターが下りていました。

そんな中、インパクトある壁画が現れて「三俣山荘図書室」に到着。呉服店だった建物の3階がカフェになっています。

 

 

階段を上がると、伊藤新道復活の写真などがズラリと並ぶ。

 

山や自然に関する本がたくさん。伊藤新道に関するものも展示されています。

店内には、"サーキュラーエコノミー(循環経済)"の活動に取り組むメーカーのアウトドアギアも販売しています。

サーキュラーエコノミーとは、リデュース・リユース・リサイクルの"3R"をベースに「そもそも廃棄物と汚染を発生させない」という考えをプラスしたもの。廃棄物という概念を無くそう、という取り組みです。

アルトラやトレイルバム、enoなどなど。ネットでは常にsold outの高山植物図鑑の靴下もありました。

山々に囲まれたテラス席も気持ちがいい。ハンモックに揺られるのもあり。

立派な一枚板のテーブルとベンチを支えているのは、酒瓶を運ぶやつ(P箱)。組み合わせが斬新で素敵。あるものを利用した、というDIY感が溢れています。

信州サーモンのサンドイッチとアイスコーヒー。もっちりしたフォカッチャに、ナッツ類とクリームチーズの入ったサンドイッチ。優しい味付けでとても美味しかったです。

「ジビエサルシッチャのホットドッグプレート」と散々悩みました。サルシッチャはソーセージのこと。ジビエの種類は季節?で変わるようです。

三俣山荘図書室は"オフグリッドカフェ"で、館内の電力などの熱源はすべて再生可能エネルギーで賄われています。

エコな電力で作られた美味しい食事とドリンクをいただき、山や自然の本に浸る。次はあの山に行きたい、あの道を縦走したい、そしてまたここに来たい、と自分も循環する。

はじめは誰もいなかったですが、アウトドアウェアを身につけている人を中心にポツポツ来店。隣のテーブルには、山が好きで定年退職後に信濃大町に移住した、という男性。「どこを歩いてきたの?」と話しかけられ、自然に山の話に。

男性はよく爺ヶ岳に登りに行くとのこと。今日は、テラスからもよく見える「鷹狩山」に登ってきた帰り。北アルプスを一望できる展望のいい山で、午前中サクッと登りに行くことが多いのだとか。写真を見せてくださいましたが、アルプス一望!信濃大町に前泊して登るのもありだな。

山のように、一期一会の人と自然に山の話が盛り上がる。裏銀座の延長のような、とても素敵なカフェでした。お店の方に「どこを歩いてきたんですか?」と聞かれるのも嬉しいですね。

真田緑さんデザインのアクティビティMAPも置いてあります。裏面は街歩きMAP。

黒部といったらこの本。黒部の山域を歩く前に読むと面白いです。

雲ノ平山荘では2020年から「Artist in Regidence Program」が行われており、ちょうど製作発表期間でした。展示されていたのはスギサキハルナさん(instagram:@harunasugisaki)の作品。

 

信濃大町周辺で採取したさまざまな土や腐葉土、貝殻の粉、古民家の煤などを顔料として描かれた「山水の精霊」。

立山・燕岳・湯俣岳を訪れて、見たもの、聞いたもの、感じたものを形にしたもの。水が山からはじまり沢へ、そして生き物へと巡る様を描いている作品。

 

絵の中の無数の粒は、太陽の光や水の一滴

生き物たちが自然の中で巡り巡っているようすがとても面白い。迫力と繊細さが融合した、とても素敵な作品。無数の粒に魅入ってしまいました。自然物からつくられた顔料にはきっといろいろなものが混ざっていて、どこか力強さを感じます。

 

信濃大町駅の前にはおやきもあったり、周辺には美味しいパン屋さんもあったり、ゆっくり歩きたいと思う街。今回は電車で帰宅しましたが、信濃大町からは高速バスも出ています。

笠ヶ岳から始まった3泊4日の裏銀座縦走が終了。最初から最後まで、何度でも歩きたい稜線でした。

山から山へ繋ぎ歩き、たくさんの個性を感じる山旅。北アルプスほど、どの山を繋ごうかと悩む山域はない気がします。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

\ この記事がお役に立ちましたら /

応援メッセージでサポート!

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ にほんブログ村

よろしければ、応援よろしくお願いいたします。

コメント

  1. ブナ立尾根の最後のパイプ階段、冬季の積雪で破壊されそう。毎年作り直すのか? 冬季・春季の登山はどうするのだろう。
    大町は昔、博物館に雷鳥の資料をいただきに行きました。生態を勉強してそのおかげか、6月の西穂で撮った雷鳥の写真が「山と溪谷」の写真コンクールに入選したのは懐かしい思い出です。見どころ多い大町、また行きたいな。

Copied title and URL