2020.8.16
歩き人たかちです(@takachi_aiina)
2020年8月16日〜8月20日の4泊5日、槍ヶ岳から北穂高岳に至る「大キレット」を目的に、折立から上高地へ抜けるテント泊縦走をしました。
2日目:薬師峠キャンプ場 ー 黒部五郎岳 - 黒部五郎小舎
3日目:黒部五郎小舎 ー 双六岳 ー 槍ヶ岳
4日目:槍ヶ岳 ー 大キレット ー 北穂高岳
5日目:北穂高岳 ー 奥穂高岳 ー 上高地
山仲間のKさんから「大キレット」のお誘いをいただき、Kさんは常念岳から、私は「西鎌尾根」から入り、槍ヶ岳で合流することに。
天気に恵まれた北アルプス豪華大縦走。百名山を交えながら、最高の夏山を味わいました。
1日目は折立から「薬師岳」に登り、薬師峠キャンプ場に泊まります。
折立 ー 三角ベンチ ー 五光岩ベンチ ー 太郎平小屋 ー 薬師峠キャンプ場(テント設営)ー 薬師岳山荘 ー ▲薬師岳 ー 薬師岳山荘 ー 薬師峠キャンプ場
▲ コースタイム:10時間10分
▲ 歩行距離:約13.5km
▲ 累積標高差:+1,750m/-800m
「折立登山口」公共交通機関でのアクセス方法
\ 利用可能な公共交通機関 /
◾︎ 電車(電鉄富山)+ バス
◾︎ 夜行バス
富山駅からの直通バス
7月中旬〜8月下旬の毎日と、8月下旬〜9月下旬の土日祝、富山駅から折立登山口の間で直通バスが運行されます。
* 詳細は「富山地方電鉄」のHPをご覧ください
富山駅周辺に前泊、あるいは、夜行バスで富山駅に6時前に到着できれば利用可能(1日1便)。
予約なしでも乗車出来ますが、"予約優先"のため満席の場合は乗車できません。
電車(電鉄富山) + バス
直通バスの時間に間に合わない場合、電車からバスに乗り継ぎます。
* 詳細は「富山地方電鉄」のHPをご覧ください
折立登山口の到着が11時頃。樹林帯を抜けて稜線に出ると隠れる場所がなくなるため、雷には十分ご注意ください。
夜行バス
東京・名古屋からは、まいたび「毎日あるぺん号」の夜行バスが運行されています。
4列シートなので快適とは言えませんが、直接アクセスできるので便利。7時前に到着するので、焦らずスタートできます。
5時半頃セブンイレブンでバスを乗り換え、有料の有峰林道が開く6時まで待機。朝ごはんやトイレはここで済ませ、6時42分、折立登山口に到着しました。
折立登山口から薬師岳!コース概要
折立 - 薬師峠キャンプ場
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折立登山口のトイレは2箇所。水場、自動販売機はありません。
登山口から三角点があるベンチまでは、樹林帯の急登が続きます。登山道が抉れて、段差が高くなっている箇所がところどころあり。
ベンチから先は傾斜が緩みますが、ダラダラとした登りが続きます。徐々に頭上が開けてきて展望が良くなり、ダラダラと長い階段を上がると「五光岩ベンチ」。
木道と整備された道でなだらかな展望の稜線歩きを楽しみ、「太郎平小屋」に到着。小屋から15分ほど歩くと「薬師峠キャンプ場」です。
薬師峠キャンプ場から「薬師岳」往復
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キャンプ場から、樹林帯の少し急な岩場をしばらく登ると周囲が開け、広めの道に出ます。
進んだ先の右手にケルンがあり、その奥に登山道が続きますが、ガスなどで視界不良のときは道迷いに注意。ケルンが見えない可能性があり、周辺は迷いポイントになっています(視界があれば問題なし)。
ケルンから先は展望が良くなり、「薬師岳山荘」に向けてお花畑が広がる気持ちがいい道。斜面を登りきり、10分ほど歩くと小屋に到着します。
小屋からはガレ場の登り。登りきった地点に石積みの小さな避難小屋とケルンがありますが、山頂はさらにその先。アルプスらしい展望稜線を辿り、薬師岳に到着です。
北アルプスの貴婦人「薬師岳」へ!
折立 ー 薬師峠キャンプ場
折立 ー 三角ベンチ ー 五光岩ベンチ ー 太郎平小屋 - 薬師峠キャンプ場:CT5時間15分
夜行バスはほぼ満席。普通の4列シートなので、チビな自分でも少し窮屈。しかし、折立登山口に直行できるのはありがたいかぎり。
有料の有峰林道は6時まで閉鎖されており通行不可。道路が狭くなるため、手前のセブンイレブンでバスを乗り換えました。
休憩を兼ねていたので、朝食や水、行動食をここで購入する人も。30〜40分ほど待機時間があり、朝ごはんとトイレはここで済ませました。
上高地の「小梨平キャンプ場」でのクマ事件が大きなニュースになりましたが、折立のキャンプ場でもクマが出没し閉鎖中。コロナ禍で登山者が減り、野生動物の行動範囲が広がっているとのことで、他の山でも要注意。

「折立登山口」到着

今日は、午後からにわか雨の予報。テントを張るときに降っていたら面倒だなあ、と思いつつ出発。

スタートから一気に登っていきます。樹林帯は無風で蒸し暑く、初日のザックの重さがずっしりきて、さっそく滝汗。
折立から太郎平小屋までのコースタイムは5時間ですが、急登なので巻きやすい(個人的には、起伏が少ない道のコースタイムほど巻きにくい)。3〜4時間ほどで登っている人が多い印象です。
小学校高学年くらいの男の子がお父さんに喝を入れられていました。装備的に普段からいろいろな山に行っているようですが、夏の登り出しはキツいよなあ。

ひたすら樹林帯を登り、三角点のあるベンチに到着。特に名前はありません。

ベンチから先、傾斜は緩くなりますがダラダラとした登りが続きます。


こんなに遠かったっけ?を繰り返す。崩れる予報の天気は、逆に回復傾向。

雲ノ平を縦走したときも、折立は雨予報でしたが見事に晴れました。折立とは相性がいいのかもしれない。

「五光岩ベンチ」に到着。階段続きで息が上がりましたが、太郎平小屋も見えてあと2km。ここまでくれば、もうひと頑張り。

ベンチから先の木道は、アルプスに入り込んでいる感じがしてすごく好き。


10時半頃、「太郎平小屋」に到着
今回楽しみにしていたのは、太郎平小屋の名物「太郎ラーメン」。

太郎平小屋の前はとても広くて、ベンチもいっぱい。ここでは誰かしらラーメンを食べていますが・・・あれ?誰も食べていない。
むしろ、お湯を沸かしてカップラーメンを食べている人がちらほら。売店のメニューにもラーメンがない。今年はラーメンなし?
売店はジュースを買う登山者でごちゃごちゃして忙しそうだったので、「今年はラーメンをやってない」ということにしてキャンプ場へ向かいました。
下山後に調べたら、小屋の中で注文するようですね。コロナ禍なので、小屋の中は覗きませんでした。次回のお楽しみにしよう。

キャンプ場は小屋から15分前後。薬師岳、晴れてるな〜!

11時頃はまだガラガラ。薬師岳をピストンして、これから撤収の人もいます。
太郎平小屋の売店に「テント泊の受付は14〜17時半頃」という看板がありました。季節により時間が変わるようなので要確認。

テントを先に設営し、薬師岳へ
薬師峠から「薬師岳」往復
薬師峠キャンプ場 ー 薬師岳山荘 ー 薬師岳 ー 薬師岳山荘 ー 薬師峠キャンプ場:CT4時間50分

はじめは少し急な岩場をぐんぐん登る

小さな沢を横切る

頭上が開けてくると、道幅が広くなる
地図にはケルン周辺に「迷」の文字。視界があれば問題ないですが、視界不良だとケルンが見えない可能性があります。奥の右側にケルンがあるので、そのまま先へ進まないように。

ケルンの奥に登山道が続いています

ケルンを過ぎると展望がよくなり、お花畑になっていく。ニッコウキスゲが咲いていた。

ガレ場を少し登ると・・・

青と緑のコントラスト!夏山!

お花畑が広がり、気分爽快で薬師岳山荘へ

斜面を登りきると小屋への看板があり、10分ほどで「薬師岳山荘」に到着します。
ロケーション抜群。「太郎平小屋」は各方面への交差点になっているため人が多いですが、「薬師岳山荘」は落ち着いています。休日は混み合うと思いますが、平日なのでとても静か。
五光岩あたりでお会いしたご夫婦が休憩されていました。日帰りで来られていて、薬師岳に登頂する時間はないから、ここでお昼を食べて下山するとのこと。
「初めての山にしてはえらいとこ来ちゃったかなー。」と奥さん。ご主人に誘われて来たそうですが、折立からの登りがなかなかきつかったと。ご主人はアルプスの景色を見せてあげたかったんだろうな、と思うと素敵。登頂しなくたっていい。
晴れて良かった〜!と、くしゃっとした奥さんの笑顔が本当に素敵で。マスクなしの生活はいつ戻ることやら・・・

ご夫婦とお別れして、まずは避難小屋が見えるページュのピークを目指す。

ガレ場を右へ左へ、くねくね登ります

登りきると、石積みの小さな避難小屋とケルンがあります。

読売新道と裏銀座の稜線

最高の景色の中を歩いて歩いて・・・


「薬師岳」登頂!
「北アルプスの貴婦人」と称される薬師岳。たおやかな山容にゆとりを感じ、"貴婦人"の表現がお似合いだと思いました。
「北アルプスの女王」である燕岳とは、やはり雰囲気が違います。女王と貴婦人、表現した方の絶妙な感性にあっぱれ。

「スゴ乗越」方面。立山のゴールデンルート

結局雨は降らず、素晴らしい薬師岳にみなさん大興奮。厚い雲がきても、すぐに切れて青空になる。そんな天気を繰り返し、見事な晴れを勝ち取った。1時間ほどまったりして下山。

名残惜しく戻る足は遅い

ガレ場を一気に下る


静かに、可憐に山を彩る小さな主役たち。チングルマは、フォルダに何枚保存されているかわからないほど。
今年は梅雨が長くてアルプスのスタートが遅かったですが、無事にお花も見られて嬉しい。

この木道もゆっくりしたいスポット。ベンチがあるので、ボーっとしている方がいました。

「薬師峠キャンプ場」でテント泊

16時頃キャンプ場に戻り、テントの受付。今日はまだまだ余裕あり。受付付近は比較的平坦でした。
*キャンプ場の売店は、テントの受付終了の17時半まででした(季節で営業時間が若干変動)
薬師峠キャンプ場は"若干斜め"なところが多く、完全にフラットな場所は少ないので、早めの到着がおすすめ。休日で混雑していると、"結構斜め"なサイトしか残っていないことも。

今回は到着が早かったので、フラットな場所を確保できました。

夕食をサッと食べて珈琲タイム。「寝る前にコーヒー?」とよく言われますが、私は普通に寝られる体質。山は特に、心地よい疲労でカフェイン効果ないので問題なし。

水場は、冷たい水がバシャバシャ出ていて最高です。足を洗ってリフレッシュ!

トイレは男女。綺麗に清掃されており、手洗いの水道もあります。

テント場から夕陽は見えませんが、水場の木々の隙間からチラリ。
この日は"ペルセウス流星群"が綺麗に見える日だったようで・・・知らずに寝ていた。
2日目の明日は、「黒部五郎岳」を経て黒部五郎小舎でテント泊。
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