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北アルプスのパノラマ縦走。槍ヶ岳の眺望「表銀座」テント泊#3【長塀尾根】

北 ア ル プ ス

2022.9.15-9.17

歩き人たかちです。

最終日の3日目。昨日は、大天井岳から常念岳を越えて蝶ヶ岳まで。少しずつ見え方が変わる山々に見守られながら、縦走の醍醐味を味わいました。

下山は、蝶ヶ岳から長塀尾根を下って徳沢園へ。燕岳側とはまた雰囲気の違う森で、比較的歩きやすい道でした。そこからはいつもの道を、いつものように。最後は岳沢湿原で上高地の美しい水に触れる寄り道を。

 1日目:中房温泉-燕岳-大天井岳
 2日目:大天井岳-常念岳-蝶ヶ岳
★3日目:蝶ヶ岳-徳沢園-上高地

     行程
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3日目
天気:晴れ☀︎→薄曇り☁︎
気温:蝶ヶ岳6時→5℃
風 :南 5〜6m/s
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蝶ヶ岳ヒュッテ-徳沢園ー明神館-河童橋-岳沢湿原-河童橋-上高地バスターミナル

▲ コースタイム:5時間30分
▲ 歩行距離:13.6km
▲ 累積標高差:上り129m
                      下り1283m

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蝶ヶ岳の朝

昨日は夕方頃から風が少し強くなり、テントは一晩中バタバタと。今日も結露はなく快適な朝でした。

4時過ぎにのそのそ起き出し、なんとなく朝ごはんを食べて、なんとなく片付け。今日は、徳沢園まで下ってしまえばいつもの道なので気が楽で、急ぐ必要もない心穏やかな朝。

温度計は5℃で風もありますが、めちゃくちゃ寒いわけではありませんでした。とはいえ、レインウェアを上下着込み、今日の始まりを見つめる。

雲の芸術。

台風が迫り、全体的に雲多め。濃紺の暗がりに、ボヤ〜っと見える槍ヶ岳のシルエットも良かったです。

富士山が綺麗に見えている。

常念岳方面。一面雲海です。

日の出は昨日よりも1分遅くなり、5:23。1日で1分も進んでしまうのかと、寂しさを感じます。

今日も太陽はなかなか顔を出さず、じわじわと雲をオレンジ色に滲ませていく。

ようやく強烈な光が放たれました。

そして、モルゲンロートがはじまる。大天井岳とはまた一味違います。東西南北をキョロキョロして忙しい。

常念岳へ向かう人、まったりと朝日を鑑賞する人、小屋へ戻る人、上高地へ下山する人。蝶ヶ岳はなんだか自由な山でした。

焼岳、前穂、奥穂。

光と影が美しい。これもほんの束の間。


↓モルゲンロートの朝↓


最終日、悔いはありません。

ゆるゆるとテントを片付けて、小屋の周りをウロウロして、そろそろ行くか〜とザックを背負う。6時15分、下山開始。

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長塀尾根

*蝶ヶ岳ー徳沢園:CT3時間*

堪能した稜線に別れを告げ、蝶ヶ岳山頂を横切る。ハイマツ帯を少し進んだあとはすぐ樹林帯に入ります。

本当はこのまま徳本峠の方へ行き、クラシックルートで上高地から去りたかったのですが、昨年に引き続き今年も通行止め。

さよなら。また来ます。

樹林帯に入りすぐに出てくる妖精ノ池。

 

 

ナナカマド。色づきはこれから。

蝶ヶ岳はとても賑わっていましたが、こちらはとても静か。登りの方ともまだすれ違わず、まったりした森歩き。

序盤は急な箇所もなく、とても歩きやすい道。少し登り返して"長塀山"に到着。展望は特にないので、一息ついて出発します。

徳沢園までに出会った下山者は1人だけでした。登りは20人ほど。

素敵な森が続きます。燕岳側とはまた違いますね。熊笹のない森はやっぱりいいなあ。

 

 

 

葉っぱが季節の境目を告げる。

徳沢園2km手前くらいから傾斜を増します。そこまでは総じて歩きやすい。

妖精ノ池よりも大きな池。地図には記載のない名もなき池。倒木がいい感じにベンチっぽくなっていて、休憩にちょうどよさげでした。

 

森は森で楽しい。

 

 

こんな感じの斜面がちょいちょい出てくるようになりました。

それでも全体的に歩きやすい。

4km下ってきて徳沢園まであと2km。

ここまでの4kmは森遊びをしながら割とあっという間でしたが、残りの2kmが異様に長く感じました。時間にしたら30分〜40分くらいなのですが、森がちょっと単調になってしまったからかもしれない。

次第に熊笹の森になり、くねくねと下っていく。

気持ち的にもう1kmを切っているところで1kmの看板。あ、そうなの。

 

 

徳沢園から蝶ヶ岳に登る場合、最初の2kmがちょっとキツそうな印象。森の景色があまり変わらず単調です。夏はかなり暑そうで、水場のない6kmはなかなか…

 

 

徳沢園の賑わいが耳に届き、赤い屋根の建物群が見えたところで到着。

徳沢園のキャンプ場の片隅で一際目立つノースフェイスの黄色いテントたち。これは、3年前から始まった「ぶらキャン」。何も持たず、一級品のアウトドアギアをレンタルしてキャンプができるというもの。

荷物が多くなりがちな小さい子どもを連れての家族キャンプにはいいかもしれません。なかなかのお値段ではありますが…

↓「ぶらキャン」の詳細は徳沢園HPで↓

ぶらキャン | 上高地 ─ 氷壁の宿 徳澤園
Supporter Companyこんなときだからこそ趣向を変えて、憧れの山岳テントデビューしませんか?山岳テントって何を揃えたらいいのかわからない...過酷すぎて過ごせるか心配...山小屋泊しかしたこと...

今年はソフトクリームではなくコーヒーソフトを食べるんだ!と意気込んでいましたが、標高を下げたとはいえ1,500m。普通に涼しくてアイスの気分ではなく、食べている人もほとんどいませんでした。

食事はピザやらカレーやら何種類かありますが、9時頃だったせいかカレーのみの販売でした。

結局、昨夜つくったおにぎりを食べて歩き出す。コーヒーソフト、また次回。

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いつもの道と岳沢湿原 

*徳沢園ー明神館ー河童橋ー岳沢湿原往復:CT2時間30分*

 

気持ちよさそうだなあと、いつも横目で通過のキャンプ場。一回くらい泊まってみたいですね。

徳沢ロッジはいつも通り静か。ハルニレの木が爽やかで、このあたりの森はとても好きです。ニリンソウの時期に徳沢園でキャンプをしてウロウロしたいなあと思うけど、いまだにやったことがない…

上高地はいつも夜行バスで入るので林道にある宿はいつも素通りですが、2年前に両親たちと初めて宿泊。静かな方がいいかなと徳沢ロッジにしましたが、とっても良かったです◎

 

徳沢ロッジにはカフェラウンジもあり、静かに珈琲を飲んで帰りたいという方にはおすすめです。ガトーショコラが美味しい!

入口には、徳沢ロッジ限定の上高地グッズや手ぬぐいもあります。

明神岳かっこいいなあ。

台風接近中ですが、3連休初日ということで大きなザックを背負った登山者とひっきりなしにすれ違います。

長い林道歩き。ここを歩くと上高地にいる実感が湧いてきます。時間のかかる道だけど、少しずつ北アルプスに入り込む感じが好き。帰りは山行を振り返りながら名残り惜しく。

年に何度も来るようなら面倒に感じると思いますが、1,2回ならウォーミングアップとして。たまにすっ飛ばしたくなるときもあるけれど。

徳沢園と明神館の真ん中あたりにある"古池"。木がわさーっとなっていて、明るい雰囲気はなく、目立ちもしない。

上高地のところどころにある湿原や池、水の流れには個性があり、色や雰囲気がそれぞれ違います。その中でも、私はこの古池がとても好き。

古池は湧水池で、波紋が静かに円を描いています。地図上に記載はあるけれど看板などは一切なく、大きさがあって林道横にあるにも関わらず素通りする人も多い池。そんなところがまたいいのですが。

2年前の豪雨災害の痕跡は今も残っています。2020年の上高地で"山は逃げる"と思いました。

年々異常気象が激しくなる中で、土砂崩れや林道崩壊で登れなくなる山もある。人気の山はすぐに整備されることが多いですが、"いつか"がこない山もあるかもしれない。そんな気持ちになりました。"今"がいかに大事か。

明神館に到着。明神館にも一度泊まって、早朝の明神池を見てみたいですね。

隠れ?名物のりんごジュース。これが美味しいのです。乾いた喉が癒される。

今年の夏は水が豊富な山を歩いて際限なく喉を潤していたので、この3日間冷たい山水が恋しくて仕方がありませんでした。水があるとは素晴らしいこと。

河童橋まで一気に歩いていきます。

 

 

 

小梨平キャンプ場。こちらにもテントがたくさんありました。

河童手前の清水橋。綺麗な水にしか育たないバイカモがゆらゆら気持ちよさそうに揺れています。ここは古池と同じく大好きなスポット。

夏には白いバイカモの花が咲いて、それがまた美しい。バイカモが好きだと言ったら「渋い」と言われましたが、水の中に咲く花は綺麗ですね。


↓清水川↓


河童橋に到着。さらに賑わっています。

 

穂高も焼岳も綺麗に見えていました。

2年ぶりの上高地なので、岳沢湿原に寄り道。岳沢湿原の色合いがすごく好きなので。

河童橋から10〜15分程度。枯れ木が美しい湿原が現れます。木道の寄り道スポットになっていますが、私はこちらよりもその先の橋からの湿原が好きです。

こちら。ここの色合いがとっても素敵なのです。

反対側。ソーダ水のような水色がなんとも言えません。日本の水の美しさには惚れ惚れします。

今回は左岸を歩いてきましたが、右岸の方が静かで梓川が近いです。歩きやすいのは左岸ですが、せかせか歩く人が多いので、ゆっくり散策するなら右岸がおすすめ。川を隔てただけで雰囲気がガラリと変わります。

やっぱりソフトクリームが食べたくて、アップルパイが人気の「トワサンク」でりんごのソフトクリーム。りんごのソースがとろりとかけられ美味。アップルパイもりんごたっぷりで美味しいです◎ホールで買ってみようかと思いましたが、3,000円くらいしてて手が引っ込みました…

上高地から松本行きのバスはコロナ禍になって予約制となりました。さわんど駐車場へのバスは別なので、徳沢園で予約したときは席に十分余裕あり。しかし、当日バスターミナルで切符を買うこともできるため、結局ほとんど満席の状態でした。

バスで新島々駅、そして松本駅へ。以前は上高地から新宿へのバスをよく利用していましたが、結構値上がりしてしまって。今回は下山の時間も早いので、バスと電車を乗り継いで帰宅。新宿まで行くと遠回りということもあり、コロナ禍以降はこちらがメイン。

そんなこんなで、表銀座パノラマコースの縦走が終了。何度見ても、何度歩いても、北アルプスには圧倒されます。個人的には常念岳がすごく良かった。歩いていない道には知らない魅力がたくさんあって、歩くほどに奥深さを知る。秋のなりかけ、とても素敵な山旅でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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