2022.4.7
小辺路2日目
天気:晴れ☀
気温:朝→5℃/伯母子岳山頂12時→13℃
風:南南西6m/s→西南西10m/s
歩き人たかちです。
昨日は、高野山奥ノ院を散歩をしてから大滝集落まで歩き、休憩所にてテント泊。
2日目の今日は、小辺路の中で一番標高の高い"伯母子岳"に向かいます。伯母子岳から15分程下った場所が"伯母子峠"で、避難小屋と水場があるので今夜は山泊まり。少し長めのロード歩きを交えながら、360度の展望を目指して出発です。
1日目:高野山散策ー大滝集落
★2日目:大滝ー大股ー伯母子岳
3日目:伯母子岳ー十津川温泉
4日目:十津川温泉ー熊野本宮大社
5日目:湯ノ峰温泉ー小雲取越ー小口
6日目:小口ー大雲取越ー那智大滝
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大滝集落-高野龍神スカイライン出合-水ヶ峰-大股-萱小屋跡避難小屋-檜峠-伯母子岳分岐-伯母子岳-伯母子峠
▲コースタイム:6時間40分
▲歩行距離:約18km
ロード多め。大滝-伯母子岳
*大滝集落-スカイライン出合-水ヶ峰-大股:CT 3時間20分*
日の出は5時半頃。夜が明け始めると鳥たちが一斉にチュンチュン、ピーピー、ホーホケキョ。自然のBGMで目覚めるとスッキリしますね。澄んだ声がスーッと脳に入ってきます。
↓朝5時過ぎの癒しBGM↓
テント内の気温は5℃で、ひんやりした朝。5時半頃、早速熊鈴の音が聴こえ、休憩所前を通った人がいました。トレランで1泊2日、あるいは1日で本宮まで行ってしまう人もいます。
"葵の井戸"に水を汲みに行き、大きな杉にご挨拶。この杉、やっぱりかっこいいなあ。
昨日2時間分進んだので、今日は伯母子岳まで6時間40分の行程。6時半頃出発し、ゆるゆる歩いていきます。
休憩所から民家の前を通り、すぐに山道に入ります。今日も今日とて杉林の中を。
森に光が射し、爽やかな朝の風が吹き抜ける。極上の時間。
途中、赤松が多い場所は松茸の森になっているようで、「無断で取らないでください」的な注意書きと防犯カメラの絵がありました。
気持良く歩いていると、車道に出ました。ここから水ヶ峯入口まで、30分程高野龍神スカイラインを歩きます。
こんな看板も。道と人を大切に。お遍路にもありましたね。
車道を緩やかにぐんぐん登って行くと、和歌山県から奈良県に入りました。最後はまた和歌山県になります。
そして、"水ヶ峰入口"に到着。一旦山の中に戻ります。伯母子岳の登山口がある集落"大股"まではここから7.7km。
100〜200mくらいぐーっと登り、平坦になったところで展望がチラリ。今日も山々が美しい。
かつてはこの辺りには"水ヶ峯集落"があったとのこと。最盛期は明治の中期で、8軒の宿があったようです。しかし、交通網の変化とともに巡礼者などの往来は減少。農業には条件が悪く、昭和27年に廃村になったとのこと。
傾斜がきついこの場所に、どんな風に集落あったのかなあと思いを馳せてみる。
再び車道に出ました。大股まで6.3km。ここから3km弱"タイノ原林道"のロード歩きで、林道の開通記念碑の先から車道と交差しつつ山道を歩いていきます。
途中に東屋のある休憩所。平坦でテントを張りやすい休憩所ですが、水場とトイレはありません。気持ちがいいのでしばし休憩。
杉の中はひんやり涼しいですが、ロードは暑い。コンクリート暑い。
暑い暑い思いながら歩き続けて完全なロードが終了。車道に沿いながら山道を進みます。日陰がありがたい。
芽吹き。4月は本当にいい。命の躍動が目に見えるところがいい。
熊野古道らしい影。
日本の古道にはこれですね。
足元にも春色がチラリ。
薄暗い杉林の中も、観察するといろいろあります。
セクシー。一緒に育っていますね。
ルンルンで山道を歩き、大股まで1.4km。
一旦車道に出て、この階段か・・・と思いましたが、その左側の下りの道。大股まで1km弱、一気に下ります。
"大股集落"に到着です。登山口前でトイレ休憩。手洗いの水が出ませんでした。
登山届を書いていると「パトロール」と書かれたトラックが駐車場に一台停車。中からおじちゃんが出てきて、「山に登るん?」などいろいろ聞かれました。
「小辺路を歩いている」「高野山からきた」と何度か話しましたが、その度に「この車で来たん?」とか「また戻ってくるん?」とか、話が噛み合わない面白さよ。
「今日は避難小屋に泊まって、明日十津川温泉まで行きます。」と言うと「おっそろしい〜迷子にならないでよ〜」とのことで、ようやく伝わったか?
さて、伯母子岳に出発!
静かな山、伯母子岳
*大股-萱小屋跡避難小屋-伯母子岳-伯母子峠:CT 3時間*
トイレ前の橋を渡った左側には水道があり、水を補給できます。
伯母子峠から5~7分程下った場所に水場がありますが、"時期によっては涸れている"との情報。時期的に涸れていないと思いますが、念のためここで水を汲んでおきました。
登る前にずっしり重くなるのは嫌だけど、命の水だから仕方ない。
川が綺麗。マイナスイオンたっぷりの風が気持ちよい〜
集落の急坂を登って登山口へ向かいます。ここが今日一番の急坂かな。
坂道の途中にも水場があります。ここで補給でもいいと思います。
アスファルトの急坂辛かった。土の優しさが足から伝わってくる。
まずは"萱小屋跡避難小屋"まで一気に登ります。伯母子岳登山の中ではここが一番急坂。40分前後、つづら折りにえっちらおっちら登っていきます。
登り初めが辛いと心して登り始めましたが、割とすんなり避難小屋に到着。
トイレ、水場ともにないですが、ここでテント泊をする人も多いですね。かわいいログハウス風の避難小屋。薪も置いてあります。
中で寝るのは大人3~4人くらいが限界か。窓があるので明るいです。
外の丸太に腰をかけてちょっと休憩。グループでテント泊したら楽しそうな場所ですね。
再び登り始めると、男性2人組とお会いしました。少し立ち話をしましたが、今日は登っている人が少ないとのこと。天気はいいけど、日帰りの2人しか会わなかったと。今日は避難小屋も一人かなー。
地元の方でしたが、「東京から歩きに来てくれるのは嬉しいなあ〜」と。地元だと中々縦走しないようですが、トレランでやってみようかな~なんて。熊野古道、魅力いっぱいだと思います。
萱小屋跡避難小屋を過ぎると、平坦な道もちょこちょこ出てきて、徐々に緩やかなになります。上の方は広葉樹も多く素敵な森。
"檜峠"に着きました。ここから伯母子岳はまだ1時間程あります。大滝集落スタートなのでゆるゆる歩いていますが、高野山スタートだと結構長く感じそうですね。
広葉樹の落ち葉でふかふか。
崩れてちょっとゴロゴロしているところも。
檜峠以降はほとんどトラバースで、非常に歩きやすいです。
途中でくっついちゃったらしい。
森の雰囲気が変わったところでいろいろな分岐に着きました。とりあえず伯母子岳に登ります。あと1km。そのままトラバース道を行くと伯母子峠です。
山頂に向けてラストスパート。最後にぐーっと登る。
ブナの多い道を登り、気持ちの良さそうな場所に出ました。山頂です。
伯母子岳に到着◎
標高は1344m。小辺路の中で一番標高の高い場所。地図上では小辺路のルートから外れる寄り道の山頂になっていますが、熊野古道の道標はしっかりあります。昔の人も伯母子岳に登っていたのかな。
三角点にたくさんの小銭。巡礼道らしいですね。
360度独り占め。今日は夕方から風が強くなる予報ですが、14時前で既に強めの風が時折吹いていました。
↓伯母子岳の展望↓
天気がいいので山頂でテントを乾かしながらコーヒーミルをガリガリ。開けた山頂で珈琲を飲むのは久々です。テント場とか森の中でゆっくり味わうのもいいけど、展望がいいと山で珈琲飲んでる〜!感が強いですね。
誰もこないし、1時間ほどゆっくり日向ぼっこ。風が寒くなってきたところで避難小屋へ。
伯母子岳避難小屋
*伯母子岳-伯母子峠:CT 15分*
山頂をあとにすると"迂回路"がありました。避難小屋からの本道が崩れているときはこちらへという案内。
落ち葉が散らばる道をズンズン下る。
稜線が美しい。この辺りはまだ冬景色。
避難小屋から山頂までは登りで20分程。今日は夕日が綺麗だと思いますが、またここを登るのはちょっと面倒だなあ・・・と思いながら。風が寒いから多分行かないな・・・
避難小屋が見えると同時に、女性が一人見えました。今日は一人静かな夜になると思いきや、先客!しかも女性!
伯母子峠避難小屋は8~10人くらい泊まれそうな広さ。上の方でちょっと光が入るくらいなので、昼間でも扉を閉めると暗めです。
小屋脇には、冬季使用中止のトイレと通年使用可能な簡易トイレがあります。小屋の中にトイレットペーパーの替えも。ありがたい。
水場は"三田谷"方面に5~7分程歩いた場所。登る前に汲んだ水で足りたのでこの日は行きませんでしたが、下山時に確認すると水量は十分。
看板などはなく、この橋が目印です。避難小屋からほぼ平坦な道なので、汲みに行くのも苦ではありません。
避難小屋が一緒だった女性によると、伯母子峠へのトラバース道の方にも、"汲めそうだな"という感じの流れがあったようです。
小屋裏は広めで、テントを張るならここ。テント泊の人が使った石が点在していました。風が強く寒いので、今日は迷いなく避難小屋で寝ます。
今年は雪が多く、3月中旬の伯母子岳の記録ではまだ残雪が結構残っていました。2週間でどれくらい溶けるかなーと思っていましたが、もう跡形もなく・・・。気温が一気にあがり、すっかり消えていました。
一息つきながら女性と山のお話を。同じく東京の方で、昨日高野山のゲストハウスに泊まり今日スタートしたとのこと。明日の朝山頂へ登り、迂回路で下山するようです。山歴の長い大先輩で、とてもかっこいい女性でした。
私は明日、十津川温泉で両親と伯母と合流するので宿泊まり。十津川温泉周辺はテント泊が禁止されているので、女性は宿泊場所をどうしようと悩まれていました。十津川温泉の手前か、果無集落より先へ進む必要があります。
三浦峠のあとは十津川温泉まで約10kmのロード。山と道の小辺路2泊3日ULハイキングの行程では、三浦峠を下山したところにある"川合神社付近"が2日目の宿泊場所になっていました。トイレもあるし、下山してすぐ水場もあります。
結局、女性は西中から十津川温泉までのロードはバスでスキップし、果無峠手前の"観音堂"でテントを張るということ。昭文社の地図にトイレマークはありませんが、簡易トイレが3つありました。水もジャブジャブ出ていて、テント泊適地です。
結局、夕日は見に行かずに18時頃寝袋に潜り込む。夜は風が唸りをあげながら吹いていて、小屋内も意外と寒かったです。
今日は伯母子岳までゆったりと歩いた一日でした。前半ロード多めで、後半は山。集落を通りながら山を歩くと、ロングトレイルを歩いているなあ~という感じ。しかし、4月でも天気がいいとやっぱり暑いですね。今週、気温が上がり過ぎ。
明日3日目は伯母子岳から1000m程下山して、三浦峠へ700m程登り返し、そしてまた800m程下山。その後ロードを10km歩いて十津川温泉まで。下り多め、ちょっと長めの一日になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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