眼と肌を守るサングラス考。SWANS「DF-Pathway」

山 の 道 具

 

歩き人たかちです。

肌と同じように、しっかりと紫外線対策をしなければならないのが「眼」

ウェアや靴を揃えるだけでも大金が飛んでいくアウトドア用品。はじめは軽視されがちなサングラスですが、市街地に比べ紫外線量の多い山では「角膜炎」「白内障」になる恐れがあります。

眼のウェアとして、とても重要なサングラス。

初めは雪山のみの利用でしたが、眼の健康を考えてしっかり身につけるようになりました。

サングラスの重要性、選び方のお話とともに、愛用品をご紹介します。(愛用品については一番最後です。)

山の紫外線はすごい

 

山では、標高が1000m高くなるごとに紫外線の量は10~20%増える(季節や大気の状態により変化)といわれています。高山ほど大気の量が少なくなるので、紫外線は吸収、散乱されにくくなり、人体に届く紫外線量が増えます。

晴天に比べれば曇りや雨の日は少なくなりますが、紫外線が0になることはありません。曇りだと快晴時の約6割、雨の日は3割ほどの紫外線量になります。

雪山では、雪面に反射した紫外線の80%が跳ね返ってきます。上からも下からもバンバン光が飛んでくるわけです。

日焼けだけでなく、紫外線によって“疲労”も蓄積されます。また、人体に悪影響が多い「UV-B」は、ひどい場合は皮膚がんなどの原因にも。

サングラスの重要性

眼が紫外線を浴びることで角膜炎、白内障、翼状片、黄斑変性症などが引き起こされます。どれも進行すれば視力低下に繋がり、眼鏡では矯正できなくなることも。

また雪山では雪目が生じます。雪面から反射した紫外線によって引き起こされる「角膜炎」のことです。紫外線を浴びたあと、数時間経ってから目に激痛が起こり、涙がポロポロと大量に出ます。酷い場合は2,3日目が開けられないような痛みを伴いますが、網膜には影響しません。しかし、雪目を繰り返して発症することで「白内障」になる恐れがあるため、スノースポーツでは特に、サングラスやゴーグルは必携です。

“眼を守る”のはもちろん、肌の日焼けの対策にもサングラスは重要です。

眼が紫外線を浴びると角膜が炎症を起こします。その刺激が脳に伝わり、防衛本能として肌にメラニン色素を生成。メラニン色素が生成された肌に「UV-A」を浴びることで沈着し、肌が黒くなります。

つまり、眼から浴びた紫外線によって肌が日焼けします。身体全体の日焼けを少しでも抑えるためにも、サングラスは必須。

また、炎症による刺激は“ストレス”として脳に伝わり、疲労の蓄積の原因にもなります。

しっかりした足取りで健康に歩くためにも、サングラスによる紫外線対策は非常に重要です。

 

サングラス選びのチェックポイント

デザインで選びがちなサングラスですが、アウトドアで使用するものは「フィット感」を優先します。現在はアジアンフィット、ジャパンフィットのモデルも増えているので、根気良く自分に合うものを探すことが大切。

以下、サングラスのチェックポイント。

レンズにまつ毛が当たらないか

瞳とレンズの間に10㎜~15㎜の隙間があることが理想。まつ毛がレンズに当たるとストレスにもなりますが、まつ毛が触れることによる“ズレ”が発生します。

隙間が大きすぎると光が入り込みやすくなるのでNG。

レンズの大きさは適正か

レンズの大きさはモデルによって様々。スモールサイズからワイドサイズまで展開しているモデルも。レンズが小さくて眼の周りまで充分に覆えないと紫外線が入りこんでしまいます。

レンズの縁が必要以上に視界を邪魔していないかも確認。

レンズ下部と頬の距離は適正か

レンズの下部が頬に当たっていると“ズレ”の原因になります。隙間が大きいと紫外線が入りやすくなります。また、風が入り込んでズレることも。近すぎず、遠すぎずの確認を。

頭を上下左右に動かして違和感がないか

顔に対する幅が合っていないと、サングラスが安定しません。岩場などでは手が塞がる場面も多いため“揺れ”“ズレ”が生じないか、頭を動かして確認。

視界に歪みやブレはないか

視界に歪みなどの違和感がないか。歪みを感じると体調不良を起こしやすくなってしまいます。

カラーによっては陰影がはっきりしにくいものもあるので、視線を動かして視界を隈なくチェック。

ノーズパッドのフィット感

鼻の高さ、形状も人それぞれ。ここでも“ズレ”が生じないようにフィットしたものを選びます。高さや幅の調整ができるか、どの程度調整ができるかを確認。

テンプルのフィット感と長さ

きつすぎず、緩すぎず。きついと頭痛の原因にもなります。ある程度の時間かけないとわからないことですが、かけた瞬間に「きつい」とか違和感のあるものは特にNG。少しでも違和感がある場合は、後々痛みの原因になりやすいです。

テンプルの長さが適切かも要確認。

確認ポイントは多々ありますが、重要なことは「ぴったりフィット」

レンズの種類

サングラスのレンズは主に4種類。

①偏光レンズ
②ミラーレンズ
③調光レンズ
④ノーマルレンズ

偏光レンズ(PLレンズ)

アウトドア界で一番使用されているレンズだと思います。太陽から真っ直ぐ届く光に加え、水面や雪面などあらゆる場所で反射した光も目に入ります。乱反射した光も効果的にカットしてくれるのが「偏光レンズ」。ギラギラする水面などもクリアに見せてくれます。

偏光度が90%以上のものが「偏光レンズ」とされています。数値が高ければ高い程可視光線透過率は低くなり、視界の歪みも少なく眼の疲労が抑えられます。

あらゆるアウトドアに対応するのでおすすめ。

ただし、スマホの画面は見にくくなります。

ミラーレンズ

レンズに当たる光を効果的にカットすることで眩しさを軽減。反射率の高いレンズ。晴天時に向いています。目元を隠したいという場合にも適していますが、どちらかというとスポーツ向けな印象。

"見た目がかっこいい"というファッション要素もあると思いますが、目元が見えた方が相手の表情がわかるので、初めましての多い登山ではミラーではない方が親しみやすいと感じます。(個人的に)

注意点としては、ミラー加工のため"隙間から内側に入り込んだ光がレンズに反射することで眼を痛める"という可能性もあります。

実際に外に出て、内側の反射が気になるようであればやめておいた方が安全です。

調光レンズ

紫外線の量によってレンズの色が自動的に変わります。

基本は透明のクリアなレンズ。晴天時の紫外線量が多い場所ではレンズが濃い色に。曇天や雨で紫外線量が減ると薄めの色に。一つのレンズで様々な天候に対応できるサングラスです。

しかし、瞬時に色が変わるわけではないので、急激な明暗の変化には対応しません。

例えば自転車で明るい場所から暗いトンネルに飛び込んだときなど、レンズが暗いまま通過ということも。また、紫外線はガラスで大半がカットされます。車の運転中、眩しいけど車内の紫外線量が少ないためにレンズが濃くならないことも。

紫外線量以外に、気温によっても濃淡が変化します。気温が低い程レンズが濃くなりやすいという特徴があるので、冬場は必要以上に濃くなることが多々あります。雪山では特に、安全性が下がるのでおすすめではありません。

長年の使用でクリアに戻りにくくなるとも聞きます。用途によっては使い勝手がいいと思いますが、便利だからという理由で選ぶと失敗する可能性も・・・

ノーマルレンズ

日常使いからあらゆるシーンに。上記3つのレンズに比べて比較的安価。

アウトドアでは乱反射が多いので、効果的にカットするためにも、多少高価ですが偏光レンズをおすすめします。

 

スポーツ、アウトドア用でないものは?

アウトドアメーカーに勤めていたとき、よく「スポーツ用じゃないサングラスでもいいですか?」という質問を受けました。

サングラスにも様々な種類がありますが、ファッションとして楽しむサングラスは、厳密には「ファッショングラス」とされています。

サングラスのレンズの屈折力には規定値があり、規定内のものだけ「サングラス」という表示ができるように定められています。屈折力が大きいと視界に歪みが出たり、見えにくいということがあるので、スポーツ用、アウトドア用の「サングラス」が安全です。

レンズのカラー

幅広くアウトドアを楽しむようであれば、目的別に使用することが◎。

ブラック
太陽光や反射による照り返しが強い場面に最適。しかし、早朝や夕方などの暗い時間、曇天などの天候では視界が暗すぎて見にくくなります。また、暗いことで瞳孔が開き、隙間から入った光によって痛めてしまうことも。

天候が変わりやすいアウトドアスポーツでは、あまり暗いものはおすすめしません。

個人的には、海のレジャーとかが一番合っているかなと。

グレー
光を均一にカットします。暗すぎず、裸眼に近い自然な色合いでクリアな視界。風景の色を損ないすぎません。長時間使用しても疲労を感じにくい色です。

グレー系は様々な天候に適するのでおすすめ◎

ブラウン
コントラストを強調。陰影をはっきりさせるので、ギラつきの多い水面を見る釣りや、凸凹道が多い登山におすすめ。晴天時の雪山にも◎

グリーン
コントラストを下げずに眩しさをカット。落ち着きある色で明るい視界。緑がより綺麗に楽しめます。早朝、夕方などの暗めの時間には最適。

オレンジ
コントラストを高めて、地面の凸凹などが識別しやすい色。明るい色で、曇りや荒天時もクリアな視界。

トレランやバックカントリーなどスピード重視のアウトドアに適しています。スノースポーツのゴーグルにもよく使われる色。

イエロー
明るくクリアな視界。早朝や夕方などの暗い時間や、曇天など天候があまり良くない日に向いています。

可視光線透過率が高いので、晴天時には不向き。

ピンク
視界が明るく明瞭。曇天や濃霧、ホワイトアウトの天候に。スノースポーツ向き。

ブルー
クールダウン効果があるので夏向きのカラー。しかし、コントラストが鈍くなるため、凸凹した岩場など足場の悪い場所では不向き。転倒などのリスクを考えると、他のカラーより安全性が下がります。

クリア
裸眼と同じように明るい視界。夜間はおすすめですが、アウトドアには不向き。日常で埃や塵を防ぐ目的で使用されることが多いカラー。

 

登山 グレー,ブラウン,グリーン,オレンジ
トレラン ブラウン,オレンジ,グレー
釣り ブラウン,オレンジ,レッド,グレー
スノースポーツ オレンジ,ピンク,イエロー

登山メインであれば、時間帯や天候に幅広く対応するグレーがおすすめ。

トレイルランニングやバックカントリー、スキー、スノボなどのスピードを出しながら瞬時に判断していくアウトドアの場合は、陰影をはっきりさせる比較的明るめのカラーがおすすめ。

釣りなどギラつきを抑えてコントラストを強調させる場合は、ブラウン、オレンジ、レッドなど。ただし、レッド目が疲労しやすいので長時間の使用には不向きです。また、時間帯や釣りのスタイル、環境によって適切なカラーが異なります。

レンズが交換できるモデルもあります。1つのフレームでカラーを変えられるので、幅広くアウトドアを楽しむ場合には便利です。

また、通常の眼鏡に取り付けられる「クリップオン」というタイプのレンズもあります。眼鏡の方にはおすすめ。

↓SWANSやmont-bellなどで取り扱いあり↓

https://netshop.swans.co.jp/smartphone/list.html?category_code=ct178
【モンベル】クリップオン サングラス ラウンド PL
お持ちのメガネに取り付けて使用するラウンド形状のサングラスです。着脱が容易なクリップ式で、使用しないときは跳ね上げておくことができます。にじみやギラつきを抑制する偏光レンズを使用しています。

可視光線透過率と紫外線透過率

「可視光線透過率」とは、レンズを通して入る光量の割合です。「可視光線透過率〇%」という表示がされていますが、この数値が低いほど光を吸収して通しにくくなり、視界は暗くなります。

グレー系のレンズだと大体40%前後。目元がわかる程度です。

レンズのカラーが暗ければ可視光線透過率は低くなる傾向にありますが、「暗いレンズは紫外線のカット率が高いか」というと、そういう訳ではありません。

「サングラス」と表示ができるものは「紫外線透過率1.0%以下」のもの。つまり、「UVカット99%以上」

視界が暗くなるほど瞳孔が開くので、「暗いレンズ、紫外線カット率が低い」ものは要注意。カットしているようで逆に取り込んでしまいます。ファッショングラスは紫外線カット率が低い可能性があるので、日常使いのものも数値を気にすることで眼の健康が守られます。

取り扱いの注意点

偏光レンズには寿命があり、おおよそ3〜5年といわれています。レンズに練り込まれた紫外線吸収剤の効果が低下します。使用状況や保管状況によっては2年前後になることも。

偏光レンズは熱や水に弱く、高温の場所に放置したり、濡れた状態で保管してしまうと、レンズの変色やコーティングの剥離など変形や機能の低下が生じます。

使用した後は汗や水、皮脂、化粧品、日焼け止めなどを拭き取りしっかり乾燥。高温多湿の場所を避け、風通しの良い場所で保管することで長持ちします。

レンズ周りや全体が変色している場合は寿命。紫外線透過率の低下は肉眼ではわかりませんが、以前より目が疲れたり、日焼けをしてしまう場合は機能が低下している可能性が高いです。

愛用。SWANS「DF-Pathway」

 

私が愛用しているサングラスはSWANSの「DF-Pathway」

「偏光ライトスモーク」というグレー系レンズ。このシリーズには様々なレンズカラーがラインナップされています。

 

サイズ W141mm × H45mm
重量 20g
可視光線透過率 40% (偏光度90%以上)
紫外線透過率 0.1%以下
(UVカット率99.9%以上)

 

このモデルを選んだ理由は、フィット感、レンズの大きさ、軽さ、デザインです。

信頼のmaid in Japan !

シンプルなデザインも気に入りましたが、フィット感の高さに感動。

それまではモンベルの「トレールグラス」を使用していましたが、長時間かけていると耳の後ろが痛くなることがしばしば。スポーティなデザインでもあったので、近場のサイクリングなど日常使いできるデザインがいいなと。

レンズが大きめなので、眼をしっかりと覆うことができます。レンズはポリカーボネート。アウトドアには嬉しい対衝撃性に優れたモデルです。

フレームも光沢のないマッドなブラックで素敵。

レンズのカラーは暗すぎないライトスモーク。ライトグレーです。外側からも目が見えるくらいの色。

光を均等にカットしながらも自然色を損ないすぎないグレー系。晴天時の登山、雪山、どちらにも最適。曇天など天候が微妙なときも暗すぎず、視界はクリア。眼の疲れも感じません。

テンプルの一番先の、耳の後ろにくる部分がちょっとだけ外側に反れています。微妙にカーブしていることでテンプルの先が頭部に触れず、これが私にとって痛みを出さないデザインになっています。

モンベルのトレールグラスは先がそのまま内側に入るデザインなので、テンプルの先が頭部に沿って触れる形状。フィット感向上には繋がると思いますが、逆にそれが痛みとなっていました。

滑り止めの素材が埋め込まれているので、しっかりフィット。先が反れていても"ズレ"はなく問題なし。きつすぎず、緩すぎずの良いかけ心地。長時間かけていても全く問題なしのぴったり感。

鼻パッドの幅も調整できます。

段階的にカチカチ高さを変えるタイプのサングラスもありますが、こちらは微妙な調整ができるので、納得のいくフィット感を得られます。

また、パット部分も固定ではなく上下左右にカタカタ動く仕様。かけたときに、鼻の形状に合わせて自然にピタッと。これがすごくよい◎

鼻パッドの調整はこんな感じ↓

 

紛失、落下防止のストラップも付属。

たまに置き去られたサングラスが岩やベンチの上にあります。落下によるレンズの傷つきも多いため、ストラップがあると安心です。

店頭に並ぶサングラスを片っ端から試着して出会ったSWANSの「DF-Pathway」。万人に合うわけではないですが、試す価値のあるモデルだと思います。

 

https://netshop.swans.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000001147

 

まとめ

「サングラス」と一言では纏められないほど様々なカラー、形状、デザインがあります。

目的に合ったものをタイプ、カラー別で使い分けることが理想ですが、登山メインのアウトドアであれば「偏光レンズ、グレー系、可視光線透過率30〜40%、UVカット99%以上」がおすすめ。あとは、顔の形状に合うものを。

欧米人に比べ、蔑ろにしがちな日本人の眼の紫外線対策。自然の風景をいつまでも楽しむためにも「アイウェア」の意識を忘れずに!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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