2022.6.17
天気:曇り☁︎→晴れ☀︎
気温:20〜23℃
歩き人たかちです。
山小屋バイト24日目。今日は待望の1日休み〜♪ということで、気になっていた裏燧林道を歩き、水芭蕉がまだ綺麗と噂の尾瀬沼へ。
電車にもバスにも乗らず、生活空間からそのまま飛び出して行くのは不思議な気分。
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見晴ー尾瀬温泉小屋ー(段吉新道)ー裏燧橋ー天神田代ーノメリ田代ー上田代ー御池ーー(バス)ーー沼山峠登山口ー沼山峠ー大江湿原ー長蔵小屋ー三平下ー長蔵小屋ー浅湖湿原ー沼尻ー白砂田代ー白砂峠ー見晴
▲コースタイム:約9時間
▲歩行距離:約16km
▲累積標高差:登り約450m
下り約740m
裏燧林道
*見晴ー尾瀬温泉小屋ー(段吉新道)ー裏燧橋ー天神田代ーノメリ田代ー上田代ー御池:CT3時間55分*
おにぎりを持って、6時45分出発。温泉小屋まではいつもの散歩道。入山したときは雪の残っていた湿原も、日に日に爽やかな緑が広がっています。
ミズバショウの葉はぐんぐん成長中で、見晴周辺ではもう終わり。
温泉小屋はポツンとしていて、至仏山は見えませんが静かなロケーション。
温泉小屋から先は"段吉新道"で御池へ向かいます。6月上旬にトガクシショウマを見るために途中まで歩きました。そのときの残雪はすっかり消えて夏道に。
段吉新道は緩やかな山道で、三条の滝方面の道に比べると格段に歩きやすい。
群馬県側の木道に比べ福島県側は傷みが激しく、登山道と一体化しているところも多いです。他の山域や尾瀬沼の方に力を入れているようで。
もはや木道がない方が歩きやすいですが、なんだか時を感じる雰囲気も嫌いではない。
尾瀬ヶ原の竜宮が県境となっていて、沼尻川を渡ると一気にガタガタになります。歩荷さんがちょっと可哀想だなあ・・・という感じ。
トガクシショウマの自生地には、鹿に食べられないようにネットが張られていました。花はすでに終了。もう一つのポイントにもネットが張られ、枯れ気味でしたが1株だけ咲いていました。
5月29日のトガクシショウマ。透明感のある薄いピンクは花びらではなく萼片。中の黄色が花となっています。繊細で上品な佇まいがとても素敵な花でした。日本特産の花で絶滅危惧種に指定されています。
ブナのエネルギーが漂い始めた。裏燧林道はブナ林が綺麗なコースです。
ブナは下から撮りたくなりますね。幹のくねくねっとした感じや枝の広がり方に個性を感じます。ところどころ、巨木がひっそり佇んでいます。
三条の滝への分岐を過ぎ、ここからは未踏。ちなみに、ここから三条の滝への道は結構な急登です。
美しく、格好よく、爽やかに。
裏燧橋に到着。ベンチがあり、ちょっと座る。
橋を渡ると木道が綺麗目に。
背泳ぎミズバショウ。
天神田代を過ぎて横田代、ノメリ田代と進んでいきます。小さくて白い、可愛いミズバショウがお出迎え。木道脇はポツポツで、奥の方に群生していました。
こんにちは ♪
見晴周辺よりも季節がちょっと遅れている感じ。
ちょっとだけ残雪。
大きな湿原に出て、ここが"上田代"。なだらかな傾斜の湿原の真ん中にテラスがあります。裏燧林道の写真でよく見るのはここ。
太陽はまだ靄の中。燧ヶ岳は見えませんが、白くて幻想的な湿原。近くでカッコウが鳴いているなあ~と森を眺めていると、大きな鳥が枝から枝へ。カッコウ、初めて見た。
広い広い尾瀬ヶ原の中心に比べれば目立たないコースかもしれませんが、人が少なく静かで、ブナが綺麗で、とてもいい道だと思います。
上田代まで来れば御池ももうすぐ。登山口周辺の御池田代は防鹿ネットで保護されています。
ミズバショウがわんさか。守られている場所と、そうでない場所の違いが歴然。鹿の被害は深刻ですね。
リュウキンカ。ミズバショウとともに、残雪の湿原を早くから彩っていた花。
燧ヶ岳はまだ残雪あり。今年は雪が多く、6月下旬まで厄介な燧ヶ岳でした。怪我人も出て、6月中は登る人も少なかったようですね。
サンカヨウ
イワナシ
花を見ながら御池に到着。この日は、沼山峠へのバスが30分間隔で運行されていました(日によって30〜40分間隔)。御池は初めてでしたがちょうどバスの発車時刻だったので売店も何も見ず、切符を買ってそのまま乗車。沼山峠までは、ミズバショウの群生地やブナの原生林を見ながら20分くらい。
沼が近い。沼山峠ー長蔵小屋
*沼山峠ー長蔵小屋ー三平下ー長蔵小屋:CT1時間55分*
沼山峠の休憩所でおにぎりを食べてから出発。
幅が広めの木道をゆるゆる登っていきます。木道脇に少し残雪が残っていました。
なだらかな道のりで、30分弱登れば下りになります。ただ、平坦な場所でも木道が湿気っていてちょっと滑りやすいので注意。
太陽が出てきたぞ。
リズミカルに下って行くと"大江湿原"。沼山峠の登山口から尾瀬沼までは1時間程であっという間でした。あれ?もう沼見えるのか、という感じ。とても歩きやすいコースです。
大江湿原にも見頃のミズバショウがまだありました。ニッコウキスゲも大江湿原が一番綺麗だったので、ワタスゲとかいろいろおすすめの湿原。
ショウジョウバカマもいい感じ。
タテヤマリンドウ
湿原には爽やかな風が吹き抜けて最高。沼山峠へ向かう男性に「ビジターセンター近くのサンカヨウが満開でしたよ~!」と教えてもらいましたが、着いた頃には忘れていました。
燧ヶ岳も見えています。
長蔵小屋の売店。いつもついつい覗いてしまう。尾瀬のお土産ならここが◎
初めて尾瀬を歩き、燧ヶ岳に登ったときに泊まった長蔵小屋。尾瀬を開拓した一番古い小屋です。100年以上の歴史があり、重厚感のある雰囲気がやはり素敵。
尾瀬ヶ原や尾瀬沼はダム化の計画が持ち上がったこともあり、長蔵小屋の小屋主を中心に自然保護運動が行われました。ダムにならなくて本当に良かったと心から感謝ですね。
庭のシラネアオイが満開。
中のカフェもとても素敵で、軽食も食べられます。尾瀬沼に泊まるなら長蔵小屋はおすすめ◎
*長蔵小屋*
ミズバショウいっぱい。
長蔵小屋の近く、燧ヶ岳が綺麗に見えるベンチでお昼休憩。尾瀬沼の南岸から見る燧ヶ岳が好きなので、三平下まで歩いて戻ります。
三平下までは木道も広くて歩きやすい道。
南岸からの燧ヶ岳。途中にはテラスがあり、その辺りからの燧ヶ岳は裾野が広く見えてとても綺麗です。
テラスで折り返してもよかったのですが、せっかくなので尾瀬沼山荘の花豆ジェラートを食べに行きました。
尾瀬沼南岸から沼尻へ抜ける道も考えていましたが、北岸ほど整備はされていません。雪解けも遅く、残雪があるとちょっと歩きにくいとのこと。雪の状態を確認せず来たので長蔵小屋へ戻りました。
南岸からの燧ヶ岳はとてもいいですが、なんだかんだ長蔵小屋から見る燧ヶ岳が一番好きだったりする。
↓水の音とともに見る山、いいなあ↓
尾瀬沼のビジターセンターは新しくなっていて、とても綺麗でした。
すっかり青空が広がり、爽やかな初夏の尾瀬沼。北岸をゆるゆる歩いて、見晴へ戻ります。
燧ヶ岳の裾野。長蔵小屋-見晴
*長蔵小屋-浅湖湿原-沼尻-白砂田代-見晴:CT 3時間55分*
大江湿原にさよなら。日陰が涼しい木道を歩き、長英新道分岐を過ぎる。燧ヶ岳に登ったのは6月中旬で、雪解け水で登山道は川、沼状態。ミドルでも中に泥が入る程最高にドロドロでした。
燧ヶ岳は基本的にいつもドロドロですが、次は秋に御池から登ってみたいなあ~と思います。山頂から見る尾瀬ヶ原の景色は魅力的です。
長英新道は長いコースですが、改めて見ると山頂遠いですね。
時折沼を見ながらクマザサの繁る木道を進みます。
湿原に出ると、ところどころ綺麗なミズバショウが残っていました。ナデッ窪コースにはまだ結構雪がありそうだ。
沼尻に到着。休憩所がありますが、2015年に焼失。2018年に営業を再開しましたが、コロナによりまた閉鎖。今年もトイレは使用不可となっています。
ここから見る尾瀬沼が静かで好き。どこかで淹れようと思って持って来た珈琲豆をガリガリして一休み。尾瀬沼の南岸コースを歩く場合ここに出ます。
長蔵小屋周辺は人が多いので、広くて人のいない沼尻は落ち着きます。
雪渓の空洞の中にも元気なミズバショウがいて、雪解けの花だなあとしみじみ。
そして、大好きな"白砂田代"。
大きくて目立つような湿原ではありませんが、池塘に映る森がとても綺麗で、初めて訪れた時に一目惚れした湿原。梅雨ですが雨が少なく、池塘がちょっと小さめですがやはり綺麗。
テラスがあるのでゆっくりできます。
雲も夏に向かっている。
ミズバショウは大きくなっていますが、変色が少なく美人さんが多め?
白砂峠へ登ります。見晴までの道のりで白砂峠は一番最後まで雪が残る場所。岩場にも少し残雪があり、また、雪解け水が登山道を流れていました。滑らないように。
登り切ったら"段小屋坂"を下る。段小屋坂は山道多め。木道ばかり歩いていると山道でテンションが上がります。やっぱり土がいい。
緩やかな山道を下っていくと再び木道。
新緑と木漏れ日でキラキラ。
以前この辺りの木道でクマに遭遇。見晴新道分岐のところにいたという話も聞き、早朝などはウロウロしているクマが結構いるかも。
ということで、見晴に帰宅。
裏燧林道と沼山峠。歩いたことのない道を繋げたコース取りでしたが、御池~沼山峠のシャトルバスが随時運行しているのでスムーズに歩くことができました。
尾瀬沼は雪解けが遅いので、ちょっと時間が戻った気分。白くてかわいいミズバショウにブナ林が◎。静かな裏燧林道、沼に映る燧ヶ岳、お気に入りの沼尻と白砂田代。湿原の雰囲気もいろいろで、道によって奥が深く、歩き回るのが楽しい尾瀬。今回は山小屋で生活しているからこその歩き方で、とてもいい周回でした。
「七入~沼山峠もブナが綺麗で秋は特におすすめ」と聞きました。御池から燧ヶ岳に登って尾瀬沼に一泊。沼田街道で七入まで下山という計画も良さそうだと、妄想が膨らみます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
コメント
確認ですが、国土地理院の地図にあるように従来、燧裏林道と呼ばれていたと思うのですが、橋の銘板は裏燧、裏燧林道と名前が変わってしまったのでしょうか? 沼尻は「ぬしり」のままですよね。
私がここを歩いたのは40年以上昔のことです。大学の秋休み一人で本当に静かな尾瀬を満喫しました。
マイクロバスで鳩待峠へ、そして下田代へ、竜宮から温泉小屋へ、泊。平日だったこともあり、長い木道上に殆ど人影なし、天気もやや不良で秋色の尾瀬ヶ原は本シーズンの終わりの予感。温泉小屋と元温泉小屋と迷い、とりあえず温泉小屋に。自炊でしたが、他に宿泊者の気配なし。
翌日、燧裏林道を御池へ、現れる代赭色の湿原を楽しみながら歩く。他に歩行者なし、独占。新し目な御池ロッジでゆっくり休む。ここから沼山峠までは自衛隊が演習で開いたと聞いています。朝一番のバスで上がり峠を越す。大江湿原ではヤナギランの丘に寄りそびれる。長蔵小屋から沼の南岸を廻って大清水平から皿伏山、白尾山、富士見峠小屋、泊。このルート、人気なくアップダウンある上に山上湿原殆どなく疲労する。展望もなし。誰にも会わず。自炊でろくな物を食べていないせいか疲労するばかり。小屋の赤い尾瀬リンゴを一つ百円、幾つもいただく。美味。4日目はアヤメ平を見たあと富士見下へ気持ち良い林道歩き、バスで沼田へ、帰京。当時はまだ富士見下までバスの便がありました。
平日の上に大して降られはしませんでしたが天候は良くなく、殆ど人に会うことのない静かな尾瀬。バスも小屋もボランティア状態でした。尾瀬は春、一畳に3人計算のあり得ない定員、夏はテン場ガラガラ、秋は人気なし、そんな時代でした。