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花の山「早池峰山」開山日に登る百花繚乱の東北百名山【小田越】

東 北

2023.6.11

歩き人たかちです。

公共交通機関でのアクセスが限られている早池峰山。6月の開山日含む土日と、7,8月の連休,9月を合わせて13日だけ。バスがあるだけいい…くらいのアクセスレベル。

小田越コースの反対側、マイナーな"門馬コース"を歩く場合は盛岡駅から路線バスでアクセス可能。しかし、できれば早池峰山のひらけた岩陵帯側を歩きたい。お花を見たい。

雷やら台風やら、毎年機会を逃してきたので今年は初っ端の6月に。天気を選んでいる暇はない。早池峰山は仕方ない。

        行程
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天気:曇り・ガス → 雨パラパラ
気温:五合目13℃ / 山頂10℃
風:南南東6m/s → 南7m/s

小田越ー五合目ー▲早池峰山ー五合目ー小田越ー河原坊

▲ コースタイム:7時間15分
▲ 歩行距離:8.5km
▲ 累積標高差:+693m
                      -880m

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公共交通機関でのアクセス

公共交通機関でのアクセス方法は2つ。

◾︎ 花巻・新花巻駅発の直行バス(特定日)
◾︎ 盛岡駅からの路線バス

*早池峰山は登山口付近の交通混雑を避けるため、マイカー規制を行っています。規制中は、マイカーの場合も"岳駐車場"より先へはいけません。登山口までは特定日(令和5年は6月11日〜8月6日の特定の土日祝18日間)に運行するシャトルバスか、徒歩になります。

花巻・新花巻駅から直行バス
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電車の場合、早池峰山への直行バスは"花巻駅""新花巻駅"から乗車できます。以前は盛岡駅からの直行もありましたが、コロナ禍になってから運休が続いています(令和5年も運休)。

直行バスは完全予約制で、予約は5日前まで。満席だと予約できなくなるため、天気うんぬんはおいといて、早めに予約した方がよいです。早めの予約は普通かもしれませんが、自分のように直前まで天気見る人はご注意を。日程変更やキャンセルは前日までに電話すればいいですと言われました。

新幹線を利用すれば、東京から日帰り登山も可能です。


ファマリー観光・直行バス

プランのご案内-ファミリー観光|岩手県花巻市,紫波町|貸切バス、バス観光
ファミリー観光オフィシャルサイト。プランのご案内ページ。バスに乗って旅行、観光をお考えの方へ。ファミリー観光がお手伝いさせて頂きます。四国八十八か所めぐりを始め、各地巡礼の旅や貸切バスで団体旅行の計画は是非ご相談ください。

盛岡駅から路線バス
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盛岡駅より岩手県北バスを利用し、バス停「門馬」で下車。バス停から1時間半ほど歩くと登山口に到着します。

平日の方が便は多く、始発に乗れば6時台に到着。東京から盛岡への夜行バスは多く、5時台に到着する便もあるため、公共交通機関ハイカーとしては利用しやすいと感じます(休日は2便くらい減るため、往復ともに待ち時間が結構発生)。

地図を見て「平津戸駅」からも歩けると思いましたが、平津戸駅は2023年3月に廃駅となりました。利用者減が原因だそうです…


岩手県北バス[ 106特急・急行 ]

岩手県北バス(公式サイト)路線バス・高速バス・貸切バスの情報
岩手県北バスの公式ウェブサイトです。

日程に縛られるのは面倒なので、当初は路線バスで計画。門馬コースから登頂し、小田越コースを下山。河原坊のキャンプ場に1泊し、翌日大迫バスターミナルまで24km、あるいは新花巻駅まで38km歩くのはどうかと。あるいは、下山後だけ直行バスを利用するか。

結果、雨だと面倒だし、雨模様だったので直行バスを予約しました。山形に行く用事ができたのもあって、もう楽しちゃえって感じで。

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コース概要

小田越コース
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登山口から樹林帯を20分前後歩くと岩陵帯。そこから剣ヶ峰分岐まで、ずーっと岩場を登っていく。蛇紋岩で滑りやすく、雨が降るとツルツル。のっぺりした大きな"天狗の滑り岩"にはハシゴが2段になってかかっています。樹林帯を抜けたあとは日陰がないため、夏場は熱中症などに注意。隠れる場所がないため、雷にも要注意。

*河原の坊コースは2023年現在通行止め

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百花繚乱の「小田越コース」

前日、山形に用事があり仙台に前泊。土曜日で安宿に空きがなく、こういうときは"快活クラブ"を利用。女性専用ブースがある(ない店舗もある)漫画喫茶です。始発電車で動くときは、むしろ積極的に利用します。夜間8時間利用なら¥1,800(土日祝は300円UP)。今回は時間があるため、12時間利用の休日料金で¥3,080。どこでも寝られる体質は便利極まりない。

電車の関係で仙台にしましたが、地方都市の中でも賑やかな仙台。東北随一の大きな都市。私は山形の方が落ち着いていて好き。

花巻駅に到着すると、すでに直行バスが待機していました。駅にはいい感じの待合室もあるし、コンビニもあります。

乗車時に往復分をお支払い。ICカードは利用不可で、現金決済です。今日は開山祭ということで、絵馬をいただきました。開山祭には間に合わないけどね。

新花巻駅でのピックアップを含めて20人ほどの乗車でした。ギリギリ満席ではないという感じ。岳駐車場にはたくさんの車が停まっており、その先は細めの林道。

ガタガタと進み、11時頃小田越登山口に到着。すでに下山したバス待ちの人も何人かいましたね。登山口では携帯トイレの販売がありました。

登山口で雨がパラッときたものの、降ることはなくスタート。樹林帯区間はとても短く、20分前後で岩陵帯になります。

昨年、開山前に入ったご夫婦を熊が襲う事件がありました。下山時、ご主人が少し前を歩いていて、この樹林帯で奥さんが来るのを待っていたほんの数分の出来事だったそうです(バスの中で盗み聞き)。今日は開山祭で人が多く熊の気配は微塵もありませんが、そういう季節になりましたね。今年も気を付けねば。

森の中をミツバオウレンが照らす

巨岩歩きが始まればもうすぐひらける。樹林帯がさっさと終わってしまう、早池峰山特有の道のり。

ミヤマキンバイ

この手の黄色の花は、似たものにミヤマキンポウゲ、ミヤマダイコンソウ、キジムシロ、ミツバツチグリなどがありますが、葉っぱの形がそれぞれ違います。個人的にはミヤマダイコンソウが覚えやすかったです。ミツバツチグリは春の花、キジムシロは春〜夏にかけて咲きます。

キバナノコマノツメ

スミレの中で、唯一名前に"スミレ"がつかない子。

ミヤマオダマキ

特徴的な形をしていますが、これから咲くようですね。いまかいまかという感じがかわいい。

ミヤマシオガマ

小ぶりなシオガマ。ピンクが素敵。

樹林帯を抜けたあとはずーっと岩陵帯なので、夏本番はなかなかの暑さになるかと。

さすが開山祭なのか、バスの運行する土日はこんな感じなのか、どんだけ山頂いたの?という感じに人が下ってくる。普段は山に登りませんというような服装の人もいたりして、開山祭感ありあり。

6月4日は蓼科山にいましたが、ちょうど八ヶ岳の開山日でした。狙っているわけではないけれど、今年2度目の開山日登山。東北もついに、夏山の幕開け。

ハヤチネウスユキソウ

早池峰山に登るならハヤチネウスユキソウを見るんだ!と毎年狙っていましたが、結局登りに来た今日はちと早い。ウスユキソウは諦めていましたが、一輪だけ、ほんの少しひらいているものがありました。

ふわふわほやほやのハヤチネウスユキソがかわいい…上の方はまだまだだったし、自分で見つけたのはこの一輪だけ。

岩陵帯をしばらく登り、空がちょっと明るくなったところで振り返ると、ガスが晴れて緑がまあ綺麗だこと!このコースを登るならこの景色。下の方だけでもありがたい。晴れていたら爽快だろうなあ。

チシマアマナ

ヒメコザクラ

楽しみにしていたヒメコザクラもちょこちょこ現れはじめ、そのうちあちこちに。白くて小さいヒメコザクラは早池峰山特産種。純白の白が無垢で、本当に素敵◎

 

下山者が多くなっていく中、バス組がひたら登っていく。

ナンブイヌナズナ

本州では早池峰山にしか咲いていない固有種。北海道では一部の地域に咲いています。早池峰山は会いに来なきゃいけないお花がたくさんありますね。

花を見て、ガスの切れ目を見て、ガスの山頂を見上げて、岩を登る。そんなことを繰り返していると"五合目"に到着。休んでいる人が多く、そのまま先へ。岩・ガレ場は続きます。

イワウメ

標高が上がるにつれて風が強くなる。気温はかろうじて2桁だけど、風の冷たさに東北を感じる。吹き曝しの岩陵帯で身体がひんやり冷やされて、岩の陰でレインジャケットを羽織る。風をシャットアウトして胴周りが一気に温かくなる。動いているときは防寒をあまり着ないタイプなので、こういうときにアウトドアウェアってすごいと実感。

のっぺりした岩にかかる名物のハシゴ

ハシゴからもう少し岩場を登ると"剣ヶ峰分岐"に到着。山頂に向けて方角を変え、木道を緩やかに歩いていく。

ミネザクラ

ショウジョウバカマ

昨年、尾瀬の山小屋で働いていたときに毎日のように見ていたショウジョウバカマ。今年も会えた。

山頂手前には少しだけ雪渓が残っていた。そういえば、この時期東北の山を登るのは初めてかもしれない。

何も見えないけど、早池峰山登頂◎

ここで開山祭が行われていたのかな。せっかくなら見たかった。

バス組しかいない静かな山頂で早池峰山にご挨拶。晴れていたら穏やかな山頂なのだろうけど、今日は吹き荒れている。

神社の奥には"鶏頭山"への縦走路。岳駐車場に下山できます。早池峰山をがっつり歩きたい場合は良さそうですが、公共交通機関で日帰りするには時間がちよっと厳しい。トレランならいけるかな?

 

避難小屋はとても立派。風が寒いので中でしばし休暇。緊急時以外の宿泊はできませんが、居心地がとても良さそうで。リメイクされたようなかわいいちゃぶ台は山座同定になっていた。

40分くらい休み、人っ子一人いない山頂をあとにする。いつの間にか私最後?バスまで時間があるから、天気が良ければ思いっきりゆっくりするのだけど・・・雨も落ちてきそうだし、下山へ。

 

ガスだし、雨降りそうだし、スタスタスタスタ・・・早池峰山は蛇紋岩なのでツルツル多め。下りながら花を見るものの、足元の確認も忙しくてチラ見程度。ハヤチネウスユキソウ、どこにあったっけ・・・

標高を下げると風は弱くなり、気温も上がる。レインジャケットを脱ぐついでにちょっと休憩〜とザックを下ろすと、雨がパラパラ降ってきた。なんだよお・・・仕方なく背負い直しす。雨に濡れると余計にツルンツルン。

岩陵帯にお別れしてはじめの樹林帯に突入。どんより薄暗いクマザサ空間は、いかにも熊が潜んでいそうな雰囲気を醸し出す。

クマザサは60〜120年に一度しか枯れないという生命力抜群の笹で、枯れるときに花を咲かせます。今年、浅草岳と利尻山で笹の花を見ました。

写真はともに利尻山。花なんだこれ、という感じなので知らないとスルーしますが、なかなか貴重。寿命なんだね、お疲れ様〜!という気持ち。

下山。小田越には特に何もないので、ビジターセンターのある"河原の坊"まで舗装道を30分ほど歩く。登山バッジはビジターセンターで販売しています。直行バスの人たちはみなさん河原の坊からの乗車でした。

小田越の登山口向かいには"薬師岳"の登山口もあります。往復2時間半くらいなので、合わせて登る人もいるようです。早池峰山の眺望がいいとか。

ビジターセンター前にはトイレ(携帯トイレ用)、駐車場、キャンプ場。ビジターセンターのトイレは水洗です。

当初の計画で泊まろうと思っていた河原坊キャンプ場を見てみました。駐車場脇にある炊事場のところでいいのか?炊事場の奥にテントサイトっぽい空間がポツポツあるけども、めっちゃ熊でそう…

ビジターセンターの中はテーブルとイスがあり、ゆっくり待つことができます。早池峰山周辺の山域の模型や花の写真のパネルがあるこじんまりしたビジターセンター。

外で雨音を聴きながらバス待ち。関東も梅雨に入りジメジメと蒸し暑いですが、このあたりはまだ肌寒い。東北もそろそろ梅雨入りかなあ。

展望はほとんどなかったものの、足元の花を楽しめた早池峰山でした。コースのほとんどが岩陵帯という、日帰りの山としては独特な山。隠れる場所もないため、雷の時期の前に登れたのはよかったかなと。

岳駐車場近くにある"早池峰ロッジ峰南荘"が可愛らしいお宿で、併設の「お山カフェ・アスチルベ」の食事がまた美味しそうで。車ではない場合、前泊・後泊でゆっくり楽しむのもいいかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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