2020.8.28-8.30
歩き人たかちです。
昨日は、20分でサクッと美ヶ原に登頂し、山本小屋に宿泊。2日目は、美ヶ原から霧ヶ峰へと続く山々を繋ぎ歩き、八島ヶ原湿原を目指します。
美ヶ原一帯は高原牧場となっているので、登山というよりもハイキングや観光目的の人が多め。幅広い年代の人が好きなように楽しめる懐の大きい百名山です。
今ではビーナスラインで楽々ですが、この開通には大きな反対運動がありました。そんな歴史に寄り添いながら、残暑の中を歩きます。
霧ヶ峰のことやビーナスラインの建設に関する本では、新田二郎の「霧の子孫たち」がとても面白いです◎
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1日目
天気:曇り☁︎時々雨☔︎→晴れ☀︎
松本駅ー美ヶ原自然保護センター▲王ヶ頭ー塩クレ場ー美しの塔ー山本小屋
▲コースタイム:1時間25分
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2日目
天気:晴れ☀︎→薄曇り☁︎
山本小屋ー塩クレ場ー茶臼山ー扉峠ー三峰山ー和田峠ー鷲ヶ峰ー八島ヶ原湿原ーヒュッテみさやま
▲コースタイム:7時間50分
▲歩行距離:約16km
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3日目
天気:曇り☁︎時々晴れ☀︎
ヒュッテみさやまー沢渡ーころぼっくるヒュッテー車山湿原ー車山乗越ー信濃路自然歩道経由ー白樺湖
▲コースタイム:2時間45分
牧場を抜けて。美ヶ原ー扉峠
*山本小屋ー塩クレ場ー茶臼山ー扉峠:CT 2時間35分*
5時起床。布団の中でぬくぬくしていましたが、バッと飛び出して日の出を見に行きました。
日の出が5時13分。
素敵な朝の始まり。朝日とともに一日をスタートするのはやっぱりいいですね。山本小屋から見られます。
朝食を食べたらすぐ出発できるように準備して食堂へ。スタッフさんが元気いっぱいでした。
朝はパン食。パンとコーンスープと牛乳はおかわり自由です。さすが高原牧場、牛乳が美味しくておかわり。スープもおかわりをいただきたかったですがお腹いっぱい。
8時5分出発。土曜日ということもあり、既にハイカーや観光の方が結構いました。
牛さんおはよう。
昨日通った"塩クレ場"まで戻り、牧場脇から茶臼山方面へ。牛たちにさよなら。
初めは柵の横を歩きます。
高原の朝は気持ちがいい。
トレイル上の1座目は"茶臼山"で、塩クレ場から3.2km。
急坂は特になく、最後に1km弱くらい山道を行き山頂へ。
「名鉄ハイキング」の旗がところどころにありました。このトレイルの踏破ツアーをやっているツアー会社もあります。
茶臼山に到着◎
展望よし!
土曜日なのでハイカーもいますが、この辺りはとても静か。扉峠の駐車場から茶臼山、美ヶ原と日帰りで登りに来る方もいます。美ヶ原は登山というよりハイキングなので、物足りない方は扉峠や三城荘、桜清水コテージ付近は駐車場があります。
次のポイントは"扉峠"。茶臼山から下り一度車道に出ます。
いいですねー。
茶臼山からの下りは徐々に急になります。笹についた朝露で岩や石が濡れていて、全体的に滑りやすい土の斜面。ツルっといかないように。
急坂を下り続けると緩やかになってきて、残り0.4kmの道標。ちょっと腰を下ろせる空間。
ここまでくると扉峠にある駐車場とレストランが見えます。ここからまた急坂になり、一気に扉峠へ。
扉峠から茶臼山へはぐっと登る感じですね。
ゴロゴロした石の道。
車道に出ると「きのこ汁」の幟があり、その先に扉峠の「和風れすとらん扉」があります。しかし、シャッターが閉まっていました。営業しているのか、閉店しているのかわからない。
ここに自動販売機があるという情報を見ましたが、ありませんでした。トイレはあるので、ツーリング方も休憩中。
*2019年より休業しているようです。また、自動販売機も撤去されたようで…
ここで水分補給をできると思って結構飲んでしまいました…。調査不足でした。水を節約しながら進みます。
このあとは"三峰山"を経て"和田峠"へ。和田峠には「農の駅 和田峠茶屋」があり、水を補給できます。
アップダウンが地味に続くので、最終的には2L以上飲みました。和田峠まで水場がないので、夏は初めから2Lくらい持っていた方がいいですね。車道を500m程歩き、再びトレイルへ。
山と峠と。扉峠ー鷲ヶ峰
*扉峠ー三峰山ー和田峠ー鷲ヶ峰:CT 4時間*
トレイルへ。
トレイルはビーナスラインに沿っている箇所も多く、休日はツーリングの方が結構いるので、賑やかです。静かに歩きたい人は平日がおすすめ。
木陰のトレイルでクールダウンしながら歩きます。ちょっとずつ勾配は急になり、気温も上がり暑い…
樹林帯を登り切ると、一気に視界が開けました。
左奥の丸っこい山が三峰山。高原っぽい風は吹いていますが、まだ8月。大して涼しくありません。
丸っこい稜線を登って、三峰山に登頂◎
景色は素晴らしいですね。
三峰山を下り、トレイルを少し逸れたところに三峰山展望台駐車場があります。そこから三峰山までちょっとした登山を楽しむ方も多いようで。
駐車場には「三峰茶屋」があり、お土産や軽食も。明らかに水分補給ができる機械が見える…
しかし、そのためにはトレイルを逸れなければなりません。しかも帰りは地味な登り。ジュースをグビッと行きたいところですが、往復が面倒だなーという距離感なのでスルー。
ここから少し好展望区間。しかし、それは暑いということ。サコッシュにぶら下げた温度計は30度。多少の誤差はあると思いますが、そりゃ暑いよね…
トレイル上には、ところどころ「中央分水嶺トレイル」の道標があります。
とても歩きやすい。
下草からの熱気がもわっと。
夏。
地味なアップダウン。
夏場のアップダウンは辛いというか、苦しいですね。
展望区間が終わりそうです。
下りきると"旧和田峠"に着きました(写真忘れた)。大きな看板のある場所で、"中山道"と交差しています。
道が3方向にありますが、中央分水嶺トレイルの道標は三峰山方面のみの記載で、あとは中山道の道標。
トレイルは中山道の"西餅屋"方面とは反対方向なので、中山道の"和田宿"方面に下ります。中山道の大きな看板の奥に登りの道があり、地図上ではそれが"和田峠"となっています。地図では、和田峠を越えてトレイルに合流できそうですが、登った方に話を聞いたところ「登れるけど先へ行けない」らしい。
和田宿方面へ緩やかに下ると車道に出て、農の駅が見えます。
「和田峠茶屋」に到着。
やっとガブ飲みできる…ソルティライチを一気飲み。生き返るーーーーー。水も購入できます。
和田峠茶屋は軽食もあり、きのこ汁もありました。この辺りの名物のようですね。おにぎりセットとかもあるようです。暑さにやられて固形物が入らないので、ひたすら水分を補給。
休憩していると、扉峠を過ぎたところでお会いした男性がやってきました。先に進んでいたので、あれ?と思ったら、中山道の看板の奥の道を進んだけど、先へ行けずに戻ってきたとのこと。
男性も扉峠で水を補給できると思っていたようで、「暑くて結構飲んじゃって、助かったー」と。
木陰でしばし休憩して出発。
車道を少し歩いていくと、最後の山"鷲ヶ峰"への分岐があります。「よし、ラスト!」と登り始めますが、ここが一番辛かった。
最初の方はまだいい、暑いけど。
どんどん勾配が急になります。
足元からだんだん笹道になり、登山道も狭くなり、そして覆われた。前方から人がガサガサ来たら、人なのか熊なのかわからなくてドキっとする。
雑誌では「鷲ヶ峰の展望最高!」と紹介されていたので期待して登り始めましたが、それは霧ケ峰側から登った場合。美ヶ原方面から登ると山頂まで展望はなく、急坂をひたすら登ります。
この辺鹿も多いし、マダニ大丈夫かなーガサガサ、ガサガサ…
いやほんと暑いな、ガサガサ、ガサガサ…
早く着いてくれーガサガサ、ガサガサ…
視界がひらけて、鷲ヶ峰に到着◎
暑かったー。
ここまで細かい地味なアップダウンを繰り返してきましたが、鷲ヶ峰で今日の登りは終了。あとは下るのみ。
湿原。鷲ヶ峰ーヒュッテみさやま
*鷲ヶ峰ー八島ヶ原湿原ーヒュッテみさやま:CT 1時間*
こちら側の展望は◎。これは紹介したくなりますね。八島ヶヶ原湿原から登っている人は多かったです。
八島湿原の駐車場が見えます。
一気に下山しました。早かった。
分岐を八島ヶ原湿原の方へ。
13時半頃、"八島ヶ原湿原"に到着。
みなさんゆったり散策する中、汗だくで歩くのが恥ずかしいけど、木道が優しい。
ヒュッテみさやままでは約1kmで、念願のランチに間に合います。
多くの花は時季を終えていますが、秋の花がポツポツ咲いています。
美ヶ原から牧場、樹林、稜線、湿原とたくさんの風景を楽しめました。トレイルは山域の広さを感じられて、"繋がる自然"を見ることができていいですね。アルプスなど、高山の縦走とは違う面白さ、苦しさがあります。
アップダウンがしっかりあり、美ヶ原方面からだと"鷲ヶ峰"、霧ヶ峰方面からだと"茶臼山"への登りが一番きついのではないかと思います。
夏は非常に暑いので、初夏や秋が一番歩きやすい季節ではないでしょうか。いずれにせよ、水分は十分お持ちください…
湿原は少しオレンジ色に染まり、秋の気配。
人間は「暑い暑い」と文句を言い、夏が終わると逆に夏を惜しんだりしますが、自然は気温の変化や太陽の動き、風、空気など些細な変化を感じて、着々ときたる季節へと準備を進めます。
自然災害に耐え、文句一つ言わない自然を見ていると、自分が情けなくなる思いです。暑いものは暑いんですけどね…でも、もっと自然に寄り添って、微妙な変化を感じとって生きていきたいなとしみじみ。
サラシナショウマ。尻尾みたいな花。
霧ヶ峰は本当に植物の宝庫。花をゆっくり見て歩くのもいいですね。
湿原も緑もすべて美しい。
「ヒュッテみさやま」の看板がありました。
以前霧ヶ峰に訪れたとき、また来るときはここに泊まると決めていた山小屋です。ここに泊まって、霧ヶ峰から美ヶ原へトレイルを歩く方も多いようです。
ヒュッテみさやま
14時頃、到着!
佇まい、雰囲気がとても素敵。展望はないですが、森の音、空気が静かに流れている心地よさに惹かれました。
お目当てのランチをいただきます。
ランチはカレーか、きのこピラフ。
どんな高級料理を食べるより、山に登って食べるカレーが最高に美味しい。和田峠でのソルティライチもそうでしたが、身体に沁みわたるとはまさにこのこと…。細胞と血が喜んでいます。活力。血肉。
テラス席が断然おすすめ。
チェックインは16時なので、そのまま外のテラスで待たせていただきました。
本当に素敵な山小屋です。
ヒュッテみさやまは、三井さんご夫婦と娘の香歩ちゃんの3人で小屋番をされています。
ご主人は小屋番10年目とのこの。先代のご主人が小屋を閉めるとなったときに、ご縁があって小屋を任せてもらったそうです。個人経営ではなく「KiNOA合同会社」が運営しています。小屋が無くならなくて良かった。
ご主人は小屋の雰囲気にぴったりの優しい方で、奥様もほんわか明るくて、香歩ちゃんは人見知りせず、とても愛嬌のある可愛い娘さんです。現在1歳9か月ということで、自己主張で喋り出しています。アイドルです。
自分の家にこんな部屋があったらなあ…
お風呂はシャワーのみの対応になっていました(2020.8.29時点)。家族風呂のような感じで、貸切で順番に入ります。
「美ヶ原から縦走してきてお疲れでしょう。一番にどうぞ。」と言ってくださったので、お言葉に甘えて。
本もたくさん置いてあります。小屋の中に本棚が3,4箇所ありました。本好きにはたまらない空間ですね。
辻まことさんや串田孫一さんの古い本もあり、連泊してゆっくり過ごしたい山小屋。
ランチが14時を過ぎる予定だったので、夕食なしで予約しました。案の定大してお腹は空かなかったのですが、夕食もとても美味しそうでした。
このときは自炊室も使用中止。「お湯が必要であれば言ってください」とのこと。外のテラスは火器を使用していいそうです。
カフェは15時までの営業ですが、宿泊者は消灯の22時まで利用できます。夕食が終わったタイミングでパウンドケーキのセットをいただきました。珈琲もケーキも美味◎
小屋も素敵ですが、何よりご夫婦の人柄に惹かれます。この日は常連の方と、もう一組と私の3組でした。ふかふかの布団でぐっすり夢の中へ。
3日目の最終日は、車山湿原の方へ。ずっと食べたかった"ころぼっくるヒュッテのボルシチ"を食べ、白樺湖に下山します。
*ヒュッテみさやま*
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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