2022.5.7(土)
天気:晴れ☀︎時々曇☁︎
気温:登山口25℃/山の家20℃
風:東 1〜2m/s
歩き人たかちです。
GWからの好天が続きそうな週末。2泊3日で大杉峡谷〜東大台ヶ原〜西大台ヶ原を歩きました。
大台ヶ原のある紀伊山地は本州で一番雨の多い地域。大台ヶ原の年間雨量は約4,000mm、東京の約1,500mmと比べると圧倒的な雨量です。
大杉峡谷も、何年も恋焦がれた場所のひとつ。毎年4月下旬〜5月に狙うも、休みをとっても雨雨雨・・・。梅雨に入ると、この地域はひたすら雨雨雨雨雨。やっと、ようやく、歩くことができました。
「何年も待ってよかった・・・」
3日間歩いた感想はそれに尽きました。大杉谷ブルーは凄まじく、とてもメルヘンで展望のいい東大台ヶ原。そして、豊かで美しい原生林の西大台ヶ原。峡谷から登り詰め、水とともに大台ヶ原の深くて雄大な大自然に入り込んだ山旅でした。
1日目は、桃の木山の家までの峡谷歩き。
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◾︎ 夜行バス
バスタ新宿(24:00)ー松阪駅(8:15)
◾︎ JR伊勢本線
松阪駅(9:24)ー三瀬谷駅(10:14)
◾︎大杉谷登山バス(エス・パール交通)
道の駅奥伊勢おおだい(10:30)ー大杉峡谷登山口(12:00)
*片道 ¥ 3,000
*3日前までの完全予約制
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大杉峡谷登山口ー大日嵓吊橋ー能谷吊橋ー地獄谷吊橋ー日浦杉吊橋ー千尋滝ーシシ渕ーニコニコ滝ー平等嵓ー桃の木山の家
▲コースタイム:5時間20分(昭文社)
4時間35分(パンフ)
▲歩行距離:6.2km
大杉谷登山バスについて
大杉峡谷登山口へは、三重県の"エスパール交通"が運行している登山バスを利用します。
新緑の4月中下旬頃〜紅葉の11月下旬まで運行しており、"3日前までの完全予約制"。GWの特定日は、出発時刻が少し早い特別便も運行しています。
運行期間 | 2022年4月19日〜11月23日 最少催行人数:10人 *催行されるか要確認 |
場所・時間 | 道の駅奥伊勢おおだい:10:30発 (最寄駅:JR三瀬谷駅) 大杉峡谷登山口:12:00着 |
料金 | 片道 ¥ 3,000 *キャンセル料* 2日前:¥ 1,000 前日:¥ 1,500 当日:¥ 3,000 |
予約 | エスパール交通株式会社 電話・FAX・申込フォームより |
注意点として、期間中平日も運行していますが、予約数が10人未満の場合は運行されません。HPで予約状況を確認できるので、ここは要確認。以前は最小催行人数4人だったようですが、現在は10人となっています。
平日優先で考えていましたが、そもそも平日は予約が入っていない日もあるし、10人未満では運行されないという落とし穴。
休日でも、5月8日の日曜日は「運休」となっていました。週の初めなど、ガラガラが予想される曜日や季節は結構リスキー。
予約は電話、FAX、申込フォームから。電話の場合は平日の10:00〜17:00までのため、GWのような連休のときは要注意。
直前まで天気を見たい人(自分)には、3日前までの予約というのが少々ネックですが(休日は満席になってしまうことも)、5日前に予約しました。
↓大杉谷登山バス詳細↓
エスパール交通の登山バスを利用しない場合、"大台町営バス"でバス停「大杉」まで行くことができます。そこから登山口まで約10kmのロードになりますが・・・
三瀬谷駅7:45発 → 大杉8:45着、2時間程で登山口となると、「到着時間は登山バスとあまり変わらないな」と考えたこともありました。料金は¥300なので、登山バスと比べると大きな節約にはなります。
↓大台町公共交通についてをクリック↓
大杉峡谷を歩く
大台ヶ原の日出ヶ岳へ至る一つに、"大杉峡谷"を歩くコースがあります。
大杉峡谷登山口から日出ヶ岳までの距離は約15km。標高差は1415m。累積標高差は2000m超え。
↓大杉谷登山道ガイド↓
昭文社の登山地図ではコースタイムが5時間20分、いただいたパンフレットでは4時間35分。歩いた感じ、昭文社の方はかなりゆとりのあるコースタイムだと思います。4〜4時間半で小屋に到着している人が大半でした。
コース上には山小屋が2軒、避難小屋が1軒あり、バス利用の場合は多くの人が"桃の木山の家"で1泊します。
粟谷小屋近くの"堂倉避難小屋"には水、トイレともにありませんが、粟谷小屋前の水場と外トイレを利用できるので、困ることはありません。歩いて5分もかからない距離です。
大杉峡谷の魅力は、エメラルドグリーンの半端ない透明度の川、水量が豊富な滝群、湿潤な気候がつくりだす苔の森、迫力ある岩崖(嵓)、多くの吊橋、豊かな植生など、自然美そのもの。
梅雨に入ると毎日雨、というほどの雨量があり、昔から「弁当は忘れても雨具は忘れるな」といわれているそう。
大台ヶ原までは標高差があるため、低山帯から高山帯までの植物が分布し、日本の植物の約1/4が生育しているという楽しい森。人の手が及んでいない自然林も残り、静かでダイナミックな営みを感じながら歩くことができます。
大杉谷ブルー。登山口ー千尋滝
*大杉峡谷登山口ー能谷吊橋ー日浦杉吊橋ー千尋滝:CT2時間20分*
一応平日の金曜日だけどGWといえばGW。しかし、夜行バスは遅れず、時間通りに松阪駅に到着。少し早く着く電車はスルーして、500円をケチって鈍行で三瀬谷駅へ。
三瀬谷駅、小さくてかわいい。ここから"道の駅奥伊勢おおだい"は、歩いて10分弱。線路を渡るためにぐるーっと回ります。
道の駅に着くと、先に着いていた人たちがワラワラと50人前後くらいか。受付でバス代を支払い、登山バスに乗車。20人程のバスで、この日は3台での運行でした。座席は予め指定されています。
大杉峡谷登山口までは1時間30分。1時間程走った場所でトイレ休憩があります。ここで入山協力金(¥1,000)を支払い、オリジナルバッジをいただきました。バッジ2種類とストラップの中かな選べますが、シシ淵のバッジの色合いがすごくかわいい。
細い道を30分、登山口に到着。何箇所か駐車場がありましたが、どこもキャパは少なく、すれ違いのできない道。落石などもあることから、登山バスの利用が推奨されています。
下車するなりヒル下がりのジョニーを靴に噴射。気温も上がりヒルも活発になりつつあり、すでに被害も多いとのこと。
ヒルは木の上からも落ちてくると思っていましたが、それは"たまたま落ちちゃった"ときだそう。基本は足元から這ってくるということで、足回りを入念に。ハッカ油、アルコール、塩を持っていきました。塩が一番効くようですね。
靴下は長めのもので、パンツの下にレッグカバーを。いつもはアームカバーのところ長袖アンダーを着用。できる対策をしてきましたが、このときの気温は25℃近く、暑くて暑くて・・・無理。
結果的には、ここまで5日間くらい晴れ続きで登山道はカラカラ。ヒルの姿は見ませんでした。ザックは下ろさないようにしましたが、ヒルの被害にあったという話も聞かず。
スタートして林道をてくてく。
早速えぐられた岩壁に鎖のついた道。
そして、美しき大杉谷ブルー!
今日は曇り予報でしたが、太陽が頑張ってくれたのでブルーが鮮やかでとても素敵です。この色合いがどのように移り変わっていくのか楽しみ。
大日嵓吊橋
峡谷歩きという雰囲気満載でいいですね。「渓谷」と「峡谷」をあまり気にしていませんでしたが、より幅の狭い場所が「峡谷」。狭い、広い基準はわかりませんが。
春の大杉谷を満喫。
能谷吊橋
結構涼しいイメージでしたが、そうでもない。というか、普通に暑い。温度計は常に20℃以上で、レッグカバーも長袖アンダーもめちゃくちゃ暑い。
風がたまーに吹くくらいで、意外にムシッとしています。今日は。
地獄谷吊橋。橋の形状はすべて一緒。次々と渡っていきます。
時々このうな鎖場になります。雨が降っていたら嫌な感じの場所もチラチラ。
苔と広葉樹林の森。晴れ続きで雨を欲しているようなカラカラ加減。
熊さんもいます。
休憩しやすい河原の横を。遠足みたいで、みなさん楽しそうです。
ゆっくりゆっくりとね。
滝も出てきました。
場所や光りの加減によって、水色の具合が少しずつ違います。
大杉峡谷めっちゃいいな〜と歩いていると、"千尋滝"の休憩所に着きました。
見上げる形の千尋滝。新緑の奥、岩肌に白い糸を引くように流れる姿が美しき。
獅子の横顔。千尋滝ー桃の木山の家
*千尋滝ーシシ渕ーニコニコ滝ー平等嵓ー桃の木山の家:CT 2時間15分*
桃の木山の家までの標高差は200m程ですが、細かいアップダウンの道。ぐっと登る、トラバース、ちょっと下るを繰り返し、子ども用のジェットコースターのような道。
シシ渕が近づいてきました。
スベル。
おお、きたきた。
水の滴る岩をくぐります。普通に濡れる。
そして・・・
シシ渕◎
もう少し後から撮りたかったですが、人が多かった。
ここに来てちょっと雲が多いぞ。シシ渕まで太陽出ているかなーとそわそわしていましたが、ちょっと雲が厚くなってしまいました。写真には収められませんでしたが、着いた直後は太陽の光が射し込み、水がキラキラと宝石のように輝いていて、とっっっても綺麗でした◎
早々着いた人たちは結構堪能できたのかな。曇りでも十分美しいシシ渕。右側のちょっと出っ張った岩が、確かに獅子の横顔に見えます。
広々と大きくて、大杉谷ブルーは最高潮の色。夏だったら思わず飛び込んでしまいそうな色ですね。手をつけると冷たいですが、温かみのある水色です。
ここで長く休憩するためにサクサク歩いている人も多かった印象。登山口12時スタートなので、ところどころ長く休んでいると日没になってしまいます。毎年4月、5月で狙っていたのは日が長いから。紅葉も綺麗だと聞きますが、秋は日が短いからちょっと焦りそう。
太陽は難しそうなので、30分くらいゆっくりシシ渕を眺めて出発。あとは桃の木山の家を目指すのみ。
登り始めてすぐ、見惚れる滝がお出迎え。新緑の柔らかい色と、濃い岩肌のコントラストがいい。
ちょこっとツツジ。
シシ渕から先は、岩場がちょっと多めの道を登っていきます。
すると、ザーーーッと勢いのある音とともに"ニコニコ滝"が出現。もう少し上に東屋がありますが、その手前でいい感じに見られる場所があったのでちょっと寄り道。
水量があって迫力があります。目の高さで流れている分、4月の那智大滝よりも迫力があるのでは・・・?
↓ニコニコ滝↓
東屋から見ると少し上からになり、木々の奥に見る感じだったので、東屋手前が一番迫力がありました。
日浦杉吊橋からは、ズドーンと大迫力の岩崖の"平等嵓"。これには思わず「おおー!!」と声が漏れます。峡谷をちまちま歩いているからこそのスケール感ですね。
吊橋を渡り、マークに従って岩場を登る。
桃の木山の家まで30分のかわいい看板。
加茂亮吊橋
久々に渓谷とか峡谷とかいう場所に来たので、新鮮に感じてあっという間でした。
ラストスパートの森歩き。とっても静かです。
そして、今日の最後"桃の木吊橋"。
目の前には、桃の木山の家!!
かわいいと渋いが合わさった、いい雰囲気の山小屋。やっと来ることができたなあとしみじみ嬉しい。
続々と到着する登山者に、受付と売店は忙しそう。今日は土曜日なので、それなりに人がいます。
手を洗ってから受付用紙を記入。夕食は17:00、17:40、18:20の3回転。16時の到着で一番最後の18:20でした。
部屋も3階。割と最後の方の到着っぽいな。知らない男女が隣り合わせにならないように配慮されていました。
一人分のスペースも充分。コロナ禍で山小屋は大変だと思いますが、雑魚寝も非常に快適。
欲しいなと思っていた手ぬぐい。新緑バージョンをいただきました。大杉谷ブルーと新緑の黄緑と濃いめの緑。この峡谷の風景そのものでお洒落。
食堂兼休憩所は、窓ガラスの向こうに渓谷美。1日中座っていても飽きないですね。
お風呂は15:00〜19:00までだったかな?定員は3人くらいなので、男女ともに並んでいました。夕食が最後なのでとりあえず後回しにし、17:00過ぎに覗くと誰もいなかったのでそそくさ入浴。木のお風呂、気持ちがいいです。
まだ時間があるので、山小屋前をぶらぶら。
下の方までいけます。
相変わらずの透明度。
↓小屋周辺の峡谷↓
やっぱり日が長いのはいいなあ。18時過ぎまで岩の上でボケーっとして夕食へ。
外のベンチテーブルはひとつ。寒くないので、外が気持ちよさげ。
カツカレーでした!うまい!!
ということで、憧れの大杉峡谷に足を踏み入れました。歩き初めから目に飛び込んでくる水色は美しさが凄まじく、ワクワクが止まらないまま山小屋に到着。今日は濡れている箇所も少なく、鎖場の岩も歩きやすかったです。
明日は、東大台ヶ原の日出ヶ岳までひたすら登る1日です。さらに迫力を増す渓谷美と滝群。大台ヶ原の奥へ奥へと深く入り込みます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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