2023.5.16-5.19
★1日目:天川川合-弥山小屋
2日目:弥山-八経ヶ岳-釈迦ヶ岳-持教の宿
3日目:マダニに噛まれてエスケープ
ーーーー 当初の計画 ーーーー
3日目:持教の宿-笠捨山-玉置神社
4日目:玉置神社-熊野本宮大社
歩き人たかちです。
昨年、天気が芳しくなく断念した大峯奥駈道。オオヤマレンゲの咲く頃に・・・と思ったまま、結局歩きませんでした。GWが過ぎ、暑くなりすぎる前にリベンジを!と、はりきって歩き出しましたが、持教の宿でテント泊をした翌朝・・・
足の甲にマダニが噛みついている!!
よりによってアクセスが大変なトレイルで・・・と思いつつ、無念の撤退。山のリスクを改めて考えるきっかけとなりました。悔いの残る大峯奥駈道でしたが、2日間でもなかなかのトレイルで。
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◾︎ 夜行バス
バスタ新宿(22:15)ー京都(6:00)
◾︎ 近鉄京都
京都駅(6:40)-下市口駅(8:35)
◾︎ 奈良交通バス
下市口駅(8:47)ー天川川合(9:41)
東京からは"大和八木駅"まで夜行バスが出ているため、そのバスが一番楽です。今回は奈良、京都、大阪で比べ、時間に余裕がありつつ乗り換えが楽、そしてトータルで安い京都を利用しました。大和八木駅への夜行バス+電車よりも¥4,000ほど安く出発(平日・土日祝・バスの空き状況で変動します)。
奈良交通
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天気:晴れ ☀︎
気温:20〜23℃
風:北西7〜8m/s
天川川合-(川合道)ー栃尾辻ーナベの耳ー高崎横手出合ー狼平避難小屋ー弥山小屋-▲弥山
▲ コースタイム:6時間
▲ 歩行距離:13km
▲ 累積標高差:+1473m
-229m
大峯奥駈道とは
熊野古道の一つである大峯奥駈道は、奈良県の吉野から和歌山県の熊野を結ぶ修行の道。JR吉野駅〜熊野本宮大社までの総距離は約100km、累積標高差はエベレスト級の約8000m。さらに、熊野三山まで繋げる場合は総延長170kmほど。熊野古道の中でも飛び抜けて険しい道とされています。
その歴史は1300年続いており、四国お遍路よりも古い道(お遍路は1200年)。修験道の開祖である役の行者が開き、"日本最古のロングトレイル"ともいわれています。道中の山上ヶ岳は現在も女人禁制で、女性がスルーハイクをすることはできず迂回をしなければなりません。
また、険しいのは道だけでなく、水場の乏しさとアクセスの悪さも加わります。山深いだけに、何かあれば命取りになるような大峯奥駈道が続く大峰山脈。遭難の多い山域でもあります。事前の計画が重要になりますが、甘くはない日本の山深さを感じられる、情緒のある縦走路です。
女性が大峯奥駈道を歩くには
大峯奥駈道中にある"山上ヶ岳"一帯は現在も女人禁制が続いており、女性がスルーハイクすることはできません。歴史が守られているとはいえこのご時世どうなのか・・・というよりも、性別は選べないのだから歩かせておくれよという気持ち。
山開き前に、夜間や早朝の暗いうちに通過、男装して・・・などのお話を聞く一方、面倒な迂回をしっかりされている方も。迂回は面倒だしその分日数が増えるため、私は弥山・八経ヶ岳から歩くことにしました。
吉野からスルーハイク(正規)
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② 五番関から林道を下り道の駅杉の湯川上(迂回路)
③ バス or 徒歩でバス停「柏木」へ
④「柏木」近くの登山口から奥駈道へ
上記が、女性が通しで歩く上での迂回ルート。林道もロードも長く、正直とっても面倒ですね…
五番関から天川村へ
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「道の駅杉の湯川上方面に迂回は面倒」
「普賢岳周辺は歩かなくてもいいや」
上記のような場合、五番関から"洞川温泉・天川村"方面へ下山するのもありだと思います。普賢岳周辺は歩かないことになりますが、温泉あり、キャンプ場ありでちょっと楽しみながら歩けそう。天川村から川合道を登り、弥山から再スタート。
大普賢岳からスタート
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女人結界から1時間20分歩いた場所にある"大普賢岳"。迂回は面倒だけど弥山より手前から大峯奥駈道を味わいたいという場合、大普賢岳から歩くのもいいと思います。
その場合、大和八木駅から登山口の「和佐又口」へのバスを利用(大台ヶ原を往復するバス)。10時半頃の到着で少し遅めですが、最初の"行者還避難小屋"までは6時間弱で日の長い時期なら日没前に到着できます。
閉鎖した"和佐又ヒュッテ"の跡地でのキャンプは禁止されているため(跡地整備中とのこと)、小屋までにいいビバーク地点があればそれでも。和佐又ヒュッテが営業していればいろんな利用の仕方ができるのですが、跡地はどうなるのか・・・
奈良交通
当初は大普賢岳から歩くか、五番関から天川村へ下るかで計画していました。日程の都合などで天川村スタートとなりましたが、弥山より手前はいろいろとアレンジができますね。
大峯奥駈道の計画
大峯奥駈道に限らず、山を縦走する上で一番大事なものが"水"。確実な水場が限られる大峯奥駈道では、水場を中心に計画を。
今回、計画するにあたり参考にさせていただいたのは、大峯奥駈道(釈迦ヶ岳より南)を有志で整備・管理してくださっている"新宮山彦ぐるーぷ"さんの情報。HPとFacebookにて、水場や奥駈道の最新情報を確認して計画しました。
新宮山彦ぐるーぷ
地図は昭文社「大峰山脈」に全行程が記されています。
水場
大峯奥駈道の水場は限られていることに加え、"枯れやすい"というのが特徴。通年枯れない、頼りになる水場は非常に限られています。
渇水期に限らず、"2〜3日雨が降らなければ枯れる"というような場所もあるようで、水場の最新情報は要チェック。上記「新宮山彦ぐるーぷ」さんの情報に加え、YAMAPの記録などで最新の水場情報を得ていました。
天川村〜持教の宿までに利用した水場 (予定していた水場・情報を得た水場も) |
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狼平避難小屋 |
小屋脇の沢(弥川)。利用するなら小屋より上流で。 |
弥山小屋 | 有料(1L¥100) *宿泊者は無料 |
鳥の水 |
"孔雀の覗"の少し手前。前日まで雨だったこともあり、 *登山道脇の水場のため、ここは確保したい |
かくし水 |
釈迦ヶ岳から深仙の宿に下る途中(正規ルートを若干逸れる)の水場。 *登山道にあり、危険もないため確保が容易 |
持教の宿 |
小屋から林道を5分ほど。 *小屋にも水のストックあり。時間がなければ。 |
玉置神社 |
境内に水場あり(駐車場からは少し歩く)。 *この先、昭文社の登山地図には水場の記載は |
2023.5時点の情報 |
今回は、確実な水場で常に3Lを満タンにしながら縦走しましまた。2日目は27℃前後と夏前の暑さになり、弥山〜持教の宿まで3Lほど消費。蒸し暑く、さらに汗が出る季節は最大4〜5Lほど持ち歩けるようにした方がいいと思います。
宿・小屋・テント場
大峯奥駈道で"正式なテント場"は少なく(弥山小屋くらい)、基本的には小屋のある場所でテントを張るか、ビバークになります。
今回、マダニの被害を受けて天川村〜持教の宿で打ち切りとなりましたが、その区間に関しては、ビバークポイントは意外にあるなという印象です。アップダウンは多いですが、テントを張れる平坦地も結構あります。
"確実な水場"の前後をテント泊候補地としつつ、辿り着かなければビバークというスタンスで歩きました。
大峯奥駈道の小屋(コース上) | |
山上ヶ岳の宿坊 (有人) |
・喜蔵院・桜本坊・竹林院・東南院・龍泉寺の5軒 ・2食 ¥9,000/素泊まり ¥5,000(一律) ・お弁当も頼める ・5/3〜9/23(営業日は毎年同じ) ・食事やお風呂も基本的に同じ |
弥山小屋 (有人) |
・宿泊(2食)¥8,500・他1食、素泊まりなど *4月下旬(基本昭和の日)〜11月中旬までの営業。 |
管理小屋 | ・持教の宿 ・平治の宿 ・行仙の宿 *小屋利用 ¥2,000 *GWなどの連休中は管理者滞在の場合あり |
無人小屋 |
・二蔵宿小屋(11〜3月使用不可) ・小笹の宿避難小屋 ・行者還避難小屋 ・楊子ヶ宿小屋 ・深仙小屋 |
2023.5時点の情報 |
行仙宿山小屋のあとは小屋がないため、ビバーク。玉置神社の駐車場は、大峯奥駈道を歩く人のビバーク地点として暗黙の了解を得ています(夕方以降、参拝者・車がいなくなってから)。玉置山展望台は屋根のある東屋があるため、雨が結構降るならそこでと思っていました(トイレは老朽化で使用不可)。
歩く時期
大峰山脈は近畿最高峰の八経ヶ岳(1915m)を主峰とする、1200〜1900mの山々が連なる山脈。
水場、行動時間、気温を考慮すると、GW前後が一番歩きやすいと思います。4月以前はまだ雨が多くないため水場が心配。しかし、紀伊半島は日本屈指の多雨地域。降るときはすごく降る、そんな山域なので梅雨時期は避けたい。岩場・鎖・アップダウンの難易度が上がります。
個人的にはある程度雨が降り、ある程度晴れて日の長い5月がベストではないかと。ただ、5月は夏日のように暑くなる日もあり、身体が暑さに慣れておらず疲労しやすい時期でもあるため、体調管理にはご注意を。そんな日もあれば、5月初旬のGW頃に弥山・八経ヶ岳で雪や雹が降ることも珍しくはありません。
ということで、毎年5月中旬を虎視眈々と狙っていました。GWは歩く人も多く、水場の最新情報も得やすくなります。夏はいくら水があっても足りないと思うし、秋は渇水期で日も短い。分割で歩くならまだしも、スルーハイクならば5月がいいのではないかと。
エスケープルートについて
2日目に持教の宿でテント泊をしました。そして、寝ている間にマダニの被害を受けて3日目に下山。
今回の反省点は、エスケープルートは見ていたものの、バスの時間までは調べていなかったこと。山深い地域でもあり、バスが1日1便というのも珍しくありません。詳しくは改めて記しますが、万一のためにエスケープ場所の交通機関やバスの時間は要確認。
下山したのは、持教の宿から白谷池郷林道を10km下った"池原"というバス停。登山地図には「大和上市駅〜池原 1日1便」と記載されています。持教の宿は電波がないためバスの時間がわからず、一か八かで下山。結果、1日1便のバスには間に合いませんでした。しかし、その他に巡回バスがあり、遠回りになりますがそれで脱出することができました。
マダニに噛まれた部位、そのときいた場所、巡回バスと、今回は運良くエスケープして病院へ直行できただけのこと。山域に対しての危機意識、リスク管理が甘かったと反省しています。
川合道[天川川合-狼平避難小屋]
天川川合-(川合道)-栃尾辻-ナベの耳-高崎横手出合-狼平避難小屋:CT4時間55分
夜行バスで京都に降り立ち"下市口駅"へ。通勤・通学の時間帯とはいえ、近鉄利用の学生の数が半端ない(奈良は学校が少ないため集中する)。橿原神宮前駅での乗り換えはホームに人が溢れて進まず、発車1分前に飛び乗りました・・・朝からひやひや。平日の通勤・通学の時間帯にはご注意を。
無事に下市口駅に到着し、バス乗り場へ。マイクロバスに乗って"天川川合"へ向かいます。
天川川合のバス停前には天川村総合案内所があり、ここの広いベンチで諸々準備。隣には公衆トイレもあります。案内所のおばちゃんがとても気さくで「弥山八経?登山届出した?」など、気にかけてくれます。
天川村は渓谷ウォーキングコースや散策路、キャンプ場があったり。もう少し先には"洞川温泉"もあり、どちらも稲村ヶ岳への起点。稲村山荘がまた良さそうで、ちょっと気になっている山です。
天川村に前泊するならここと思っていたゲストハウス"POST INN"。郵便局だった建物をDIYしていて、形もブルーの色合いもとってもかわいい。1階はカフェ&バーになっており、珈琲豆の焙煎も行っています。
POST INN
民家脇の橋からエメラルドグリーンの素敵な川を眺め、登山口へ。登山届はネットで提出していますが、遭難の多い大峰山脈。一応紙でも提出しました。登山届には衣服の色の記述もあり、さすがだなあと。
はじめは杉林ハイク。ソロで山に入るのはなんだかんだ1ヶ月以上ぶり。背中にズシっと衣食住を携えて1人静かに歩く山・・・うーん、よい。
鉄塔のある開けた場所で天川村に別れを告げ、木の根の蔓延る登りをぐいぐい登っていく。暑いけど爽やかで、爽やかだけど暑い。5月だなあ。
針葉樹林と広葉樹林にぱっくり分かれている尾根に上がります。
幹はまっすぐ、枝は広がらない針葉樹林に対して、太陽を求めて枝をこれでもかと広げる広葉樹林。広葉樹林の下では光が当たらず針葉樹林は育ちにくい。針葉樹林の中では枝を広げられず広葉樹林は育ちにくい。植林によってぱっくり分かれている場所が多いですが、もともと、あまり一緒には育たないのです。
緩やかな道を歩きつつ、徐々に標高を上げる。ミズナラの木々を抜けていく風が気持ちよい。今日は雨上がり好天だけど、北西のカラッと涼しい風がオーバーヒートを邪魔してくれる。
途中、林道を少し通りながら歩いていきます。今日も明日も天気はいいけれど、天川村からの道のりはとても静か。弥山小屋まで、登りと下り合わせて5人しか会いませんでした。
のんびり歩き出して、のんびり歩いているせいか"栃尾辻"までが長く感じましたが、尾根歩きが気持ちよい〜と思っていたら到着。
避難小屋というより物置ですな。悪天候では屋根と壁があるだけで幸せだけど、天気のいい日にわざわざ泊まらないなあ〜という荒廃具合。
すこーし休んで斜面を上がっていくと、ブナ林が広がっていました。標高を上げるにつれてブナ林が大きく広がっていき、とても素敵な川合道です。
岩岩した"天女の頂"を巻いた先のブナ林は、まさに天女がいそうな森でした。弥山小屋までの道のりで一番素敵なブナ林。同じブナ林でも、東北のそれとはまた違う。西大台とかに雰囲気が似ていますね。
新緑にはそれぞれ色がある。ブナのように光輝くもの、控えめなフレッシュグリーン、無垢な色合い・・・爽やかで、森が活き活きとしているこの時期は、一年の中で一番好きな季節。
針葉樹林と広葉樹林が繰り返され、"頂仙岳"を巻くと苔ロード。苔の絨毯とともにミヤマカタバミがあちこちに咲いています。登山道を鹿が横切り、ジーッとこちらを見つめていた。
間もなく"高崎横手"の分岐に到着。ここから弥山・八経ヶ岳を周回することも可能です。
弥山小屋方面へ向かい、沢の音が聞こえてくると"狼平避難小屋"に到着。かわいらしい三角屋根の避難小屋。扉の前に草地が広がりベンチがある。小屋脇には沢があり、住めそうな雰囲気の避難小屋。ロケーション、めちゃくちゃいいですね。
小屋は2階建で、1階には7〜8人くらい泊まれそう。小屋裏にはテントスペースも。
弥山小屋では水が有料(小屋宿泊者無料)なので、ここで汲んでいくことに。上流方面に向かって、できる限り小屋から離れた場所へ。奥の方に滝のようになっているところがあり、そこまで行こうとしましたが、水量が多く渡れませんでした。
3Lたっぷり汲みましたが、狼平避難小屋から弥山方面に少し登った場所にもっと汲みやすい沢の流れがありました。小屋脇より、そっちの方がいいと思います。
日当たりがいいので、ちょっと日向ぼっこをしてから出発。
大峰山脈[ 狼平避難小屋-弥山 ]
狼平避難小屋-弥山小屋-弥山:CT1時間
弥山小屋まであと1時間。ずっしり重くなったザックを背負ってラストスパート。鹿避けのネットをくぐり、段差の低い階段をトントントントン・・・
避難小屋から少し登ったところ、木段脇に沢の流れがありました。こちらの方が断然汲みやすいじゃないか。小屋より上だし。踏み跡があるので、ここで汲む人もいるようで。なんとなく、浄水していない1L分だけ汲みなおし。
しばらく木段を登る。嫌いな階段だけど、段差が低くて歩きやすい。標高が1600mを超えると、暑いけど涼しい。そんな季節です。
鹿避けネットとともに木段が終了。大黒岩付近までくると、枯れ木の先の弥山が迎えてくれました。ずっと樹林帯だったこともあり、弥山ブルーが広がって気持ちが高まる。大峰山脈らしい森の風景で、大峰山脈を歩いているんだと実感。
大中小の石が転がる、緩やかでも急でもない道を上がっていくと、近畿最高峰の八経ヶ岳にこんにちは。今日は朝から雲ひとつない青空です。雨の翌日、空気中の塵埃が綺麗さっぱり洗われて、なんだかすっきりしています。
そして、ずーっと来たかった場所に着いた。弥山小屋に着いた!
山頂はあとにして先にテントを。扉を開けて目に飛び込んできたのは「全て売り切れ」の文字。なんと、バッジが全て売り切れだった・・・残念。
落ち込みつつ、テント泊代500円を払う。コロナ前は500円が普通の感覚だったけど、今は安いなあ・・・と思いますね。小屋前の草地がスタンダードな場所なのかな?気持ちのいい草地ですが、意外に凸凹しています。
翌朝知りましたが、"国見八方覗"という朝日が見られる場所にもテントを張れるスペースがありました。小屋からちょっとだけ奥に入るので、静かでとてもいい場所でした。
今日は小屋には5〜6人、避難小屋に1人泊まっている模様。平日はのんびりなイメージだったけど、やっぱりのんびりしているらしい。
テントを張って山頂へ。小屋から1〜2分、行者堂のある弥山に登頂◎特別広くはないですが、八経ヶ岳方面が綺麗に見えます。ベンチは3つ。独り占めしたくなる山頂ですね。
夕日までまだ時間があるので一度退散。夕食を食べて、夕焼け小焼けを待ちます。そして、18:30頃またまた山頂へ。小屋の人も見に来ているかと思いきや、だーれもいない。
枯れ木の先の山間に沈んでいくオレンジ色の光。山頂がこんなに近いのに誰も来ないのかと思ったら、ギリギリのところでカップル?の人たちが。
色を濃くしながら沈む太陽。完全に沈むまではなんだかスローモーションのようでした。近畿らしい風景の夕日、とても素敵。日没は19:00ですが、18:50頃山に沈んでいきました。
グラデーションの空を少し眺めて下山。同じく天川村から登ってきたお兄さんが「夕日綺麗でしたか?小屋で寝てしまって、外見て急いできたんですけど・・・」と。
立派なカメラを持ったお兄さんはグラデーションの山頂へ。夕日ひとつでも見方は人それぞれ。沈む前を楽しむ人、太陽だけ見送る人、沈んだあとも楽しむ人・・・自分の好きな風景を探すのは楽しくてキリがないので、何度見ても飽きないですね。自然に対して飽きる・飽きないという思いは特にないけど。
テントに戻って夕闇に包まれると、小屋前のベンチで話声が聞こえる。
「綺麗だなあ・・・」
私に気を遣ってか、静かな声でご夫婦が話していました。どうやら星が綺麗らしい。今日は風が強く、しかも北西の風で寒い。ご夫婦が寒さに耐えかねて小屋に戻ったあとテントから顔を出すと、おお〜!というほどの星が瞬いていました。弥山、星を見るために登るのもいいですね。
2日目の明日は、八経ヶ岳と釈迦ヶ岳を越えて持教の宿を目指します。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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