2022.7.31-8.1
歩き人たかちです。
昨日は、熱中症厳重警戒が出される中、古寺鉱泉から大朝日小屋まで。随所にある冷たい水場でなんとか保ちながらの、暑い暑い山歩きでした。
今日は、朝日連峰の稜線をもう少し先へ。御影森山を経由して朝日鉱泉へ下山します。中ツル尾根は一番急なので下りはパス。鳥原山経由は、小朝日岳まで昨日の道と被るので省きました。
御影森山は利用者が一番少ないコース。アップダウンの道のりですが、平岩山まではお花畑の稜線歩き。昨日とは違う角度で大朝日岳を望めます。しかし、すれ違いは0人。小屋からの下山利用者は他に1人だけ。本当に静かでした。
1日目:古寺鉱泉ー小朝日岳ー大朝日岳
★2日目:大朝日岳ー御影森山ー朝日鉱泉
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2日目
天気:曇り☁時々晴れ☀
気温:山頂朝15℃
風 :北西7m/s
大朝日小屋-▲大朝日岳-平岩山-大沢峰-▲御影森山-クロベの巨木-水場-朝日鉱泉
▲コースタイム:6時間
朝日連峰。大朝日小屋-平岩山
*大朝日小屋-大朝日岳-平岩山:CT1時間15分*
小屋の中がガザガザ音を奏で始める4時頃起床。雨風強いようなら鳥原山経由で早めに下山しようと思っていましたが、隣の方に「外、晴れてますよ!」と朝一でよき情報をいただきました。
ヤマテン、あんなに自信満々に雨予報に変えていたのに・・・天気は難しい。
本当だ。
管理人さんもいて、夜明けを鑑賞。「あれはね、土星。あれが木星で、あっちが金星。一直線なんだよ。」と教えてくれました。あまり気にしていなかったけど、確かに一直線だ。
泊まってよかったなあ。
昨夜、小屋の外では風が音を立てて吹き荒れていましたが、予報ほどの風でもなく。雨雲を早めにどっかにやってしまったのかも。
以東岳方面に少しグレーの雲がありますが、風向き的に大丈夫だろう。予定通り御影森山方面へ歩きます。
大朝日小屋、また泊まりたいですね。次回は秋にでも、泡滝ダムから縦走したい。
朝が好き。でも、夕方も好き。
山頂には、荷物を背負ったソロの女性と男性が一人ずつ。2人とも中ツル尾根かと思ったら、男性は中ツル、女性は御影森山コースへ。一人ではなかった。
こちらへ。
下り始めます。このザレた斜面が滑りやすい。
振り返る。朝から集中力高めで。
また大きく下る。
下り切ると、たおやかな稜線歩き。
マツムシソウはドレスに見える。
夏の初めと終わりが入り混じるお花畑。今日から8月が始まりました。気温も気持ちもまだまだ夏だけど、一週間もしないうちに暦上では秋が始まります。
平岩山までは展望もよく、とても気持ちのいい稜線。朝から15℃あって歩くには少し暑いけど、ここは10m/s近い風が直接当たって涼しい。
7月の最盛期はもっともっと咲き乱れていそうですね。
のっぺりして雄大。北の山にいます。この稜線はぜひ歩いてほしい。
分岐に着きました。ほぼほぼ平岩山。気にしていなかったけど、平岩山っていう標識あったのかな?天気はさらに良くなり、日射しが眩しい。
ここから先は、アップダウンが地味に繰り返されます。道は少し細めに。クマザサやハイマツが多くなり、お花もなくなっていく縦走路。
登って下って。平岩山-御影森山
*平岩山-大沢峰-御影森山:CT1時間50分*
下草がしっかり刈られています。朝露に濡れて、これがなかなか滑るので要注意。そして、ところどころ急斜面だったりするので、油断ならない。さっきまでのルンルン気分がなくなっていくのをじわじわ感じる。
左の一番高いピークが"御影森山"。
朝日連峰の下り、総じて苦手らしい。刈られた下草にちょっとした岩の段差が隠れていたりします。思うように歩けないと、いつの間にか下しか見てない。
やがて、熊笹は背丈ほどになり展望がなくなりました。風もこない。こうなると、暑さとの闘いが始まります。
ポコポコポコと、綺麗に連なるアップダウン。こんな感じで一山一山越えていく。
グリセードみたいにズルズル滑って下りました。ストッパーのない微妙に滑るような傾斜。1本でもストックがあればなあ。
"大沢峰"に着いて、水場の案内。100m、3分。ここはスルー。
大沢峰あたりから見る大朝日岳は、御影森山の山頂から見るより綺麗です。
早朝の涼しさはどこへやら。残すピークは御影森山ですが、このラストの登りが割と急でした。最後にガツンと。
もうちょっとー
着いた・・・あっっっつい!!
涼しい顔で歩きたいところですが、昨日以上に暑く感じます。少しずつ標高を下げているからか、先が思いやられる。
看板は石楠花と熊笹の中に埋もれていました。
展望は・・・手前の草がちょっとね。やはり大沢峰と、この少し先のところが下まで見えていい感じです。
風がないと立ち止まるのも暑い。この時期の2000m以下はどうしようもないですね。
クロベの巨木。御影森山-朝日鉱泉
*御影森山-クロベの巨木-水場-朝日鉱泉:CT2時間45分*
日射しが暑くてもはや樹林帯に入りたいですが、すぐに突入するわけではありません。細めの尾根を下って行きます。
大朝日岳から
歩いてきました。
歩いてきた稜線が美しい。
オオバキボウシ
昨日からところどころにある剥き出しのこのような斜面。ここ、右側は結構な断崖になっていて、滑り落ちたら何メートル落ちるかわかりません。とりあえず命はないだろうな、という感じ。苦手意識があるので、平らですが足元をよく見てゆっくり通過。
こういう道になると安心する。樹林帯に突入していきます。
道は緩やかになっていき、やがてブナ林に。
ブナ林はやはり、東北感がありますね。葉の色を見るだけで、とても爽やかな気持ちになる。
それにしても、平日とはいえ本当に誰も歩いていない。大朝日岳は古寺鉱泉からのコースが圧倒的ですね。
それなりに穏やかに歩いていると、"大クロベ"の案内版。このコースには、日本一のクロベの巨木があります。これを見たかった。
登山道から外れて熊笹の中へ。プチ藪漕ぎです。ピンクテープと踏み跡がしっかりしているので迷うことはありませんが、葉っぱが痒い。
倒木を乗り越え
ガサガサ進むこと5分ちょいくらい。
突如として現れた巨木!
枝ぶりがすごい。カメラに収まらない。とても立派なクロベでした。
日本全国にある巨樹、巨木の「森の巨人100選」というものがあり、このクロベはその一つ。この辺り一帯は、朝日山地森林生態系保護地域に指定されており、他にもクロベの巨木がたくさん見つかっているようです。
すごいなあ。何年くらい生きているのか。
夏はあんな感じの道ですが、春先は雪に埋まり歩きやすいようで。幹に触れて、もと来た道をガサガサ登ります。痒い。
クロベの分岐から緩く登ると、上倉山山頂の看板が倒れていました。正確には山頂ではないけれど。
そこから少し下っていくと、待望の水場!
今日も命の水を求めて歩いていました。暑いと常温の水を飲んでも飲んでも気が済まない。朝日連峰はところどころ水場があるので、本当にありがたい山域。
手拭いを濡らして首に巻きクールダウン。川に飛び込みましたか?というレベルで、昨日以上に汗がやばい…
一週間ほど前に整備の方々がこのコースを歩かれたようで、その記録を見て下草刈りがされていること、ここの水場が出ていることを確認しました。早い時期だと、刈られていない可能性も。
水場から先は傾斜が増していきます。ロープありが数ヶ所。
ブナの多い広葉樹林の森。何で滑るかって、落ち葉で滑る。落ち葉の下に岩が隠れていると、そこに足を乗せてしまった拍子にズルっとね。
木の根もがっつり出ていれば足を置きやすいですが、微妙な出方。中途半端に足を置くとこれまた滑ります。ただただ急な場所が多い。
早く吊橋に着いてくれないかな・・・と、しばらくこんな樹林帯を歩きます。
すると、川の音が近くで聞こえるようになり、傾斜が少し緩んだところで吊橋に到着。
疲れた、あっつい。あとは朝日鉱泉に行くだけ~と思っていましたが…
吊橋を渡るやいなや、アブの襲撃。手前まで全く姿のなかったアブ。渡った瞬間これでもかというくらいつきまとってきました。
せっかく穏やかに歩けると思ったのに、手をブンブン振り回して、足をペシペシ払いながらの早歩き。布の上からでも容赦なく刺してくるので、10分ほどの間に5,6箇所刺さされました。
中ツル尾根との合流点。本当は写真を撮っている場合ではない。
もう一つ橋を渡りました。アブはまだついてくる。というか、こっち側にもいっぱいいる。
早く!早く!
朝日鉱泉到着です。
グリーンのかわいいお宿…なんてゆっくり見物もできず、中へ飛び込みました。汗も尋常じゃないし、入口付近にも飛び交うアブたち。
「お疲れ様でした〜!お風呂入りますか?」と、小屋の方が出てきてくれました。清算はバス代と一緒に後ほどということで、靴を脱ぐなりお風呂へ直行。
HPを改めて見ると、日帰り入浴は12~20時となっていました。私が到着したのが11時頃。すでにお風呂上がりの女性が一人。お風呂は男女で一つずつありますが、一つだけ早めに沸かしてくれたようです(朝日鉱泉は沸かし湯)。
中、特に脱衣所は3人くらいでいっぱいになる大きさ。石鹸類、ドライヤーともにあります。
大朝日岳、暑くて暑くて、身体の水分がかぎりなく出ていきましたが、それでも、お風呂はやっぱり気持ちがいい。
お風呂上がりは食堂へ。
ちょっとしたお土産も。
朝日鉱泉で楽しみにしていたのはお蕎麦!
夏季限定、数量限定の"夏野菜のごまだれぶっかけ蕎麦"。
これを食べたくて、食べたくて。見た目からして美味しいですが、これが、本当に、めちゃくちゃ美味しかった◎
揚げ浸しの夏野菜と、隠し味にマヨネーズを入れているというごまだれがすごく美味しい。ほんのりと主張しないお蕎麦と、味がしっかりついた夏野菜、ごまだれの相性が抜群です。食事の人はみんなこれを食べていました。
そば粉も野菜も自家製。お蕎麦は大盛もできるようですが、その日のお蕎麦の量によってはできないこともあります。この日は、できない日でした。
数量限定ですが、何食までかはわかりません。おそらくそれも、その日によって違うのかと。
とても居心地のいい食堂で、雑誌や漫画、本も豊富。バスは14時30分発ですが、待つのも苦にはなりませんでした。冷たい麦茶を自由に飲むことができ、「山を渡る」を読み漁っていました。
ちなみに、中ツル尾根を下ったという方とお話しましたが、ロープのある大きな急坂が数箇所あったようで、「もう二度と通らない」とのこと。結構大変だったようです。利用するならやはり登りが良さそうですね。
しかも、中ツル尾根はアブが結構多いようで。急な上にアブの襲撃をくらうのは精神的に参りそう…
バスは、10人くらい乗れるジャンボタクシーで、この日は6人の利用。崖っぷちの道を抜け、左沢駅まで1時間でした。
アクセスが遠くて後回しだった大朝日岳。枯れ姿でもいいからヒメサユリを見てみたいと思っていましたが、さすがに残っていませんでした。
しかし、今時期のお花にたおやかな稜線歩き。朝日連峰のほんの一部ですが、雄大な山並みに惚れ惚れ。もっと深い部分に触れたくなりますね。
日帰りでも登れる大朝日岳ですが、東北ならではの避難小屋に泊まる1泊2日、とってもおすすめです◎
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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