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天城峠から修善寺へ!43kmの伊豆山稜線歩道ロングトレイル#1【天城峠 – 宇久須峠】

ロ ン グ ト レ イ ル

 

2021.4.7- 4.8

歩き人たかちです。

豆桜がちらちら咲く頃、1泊2日で"伊豆山稜線歩道"を歩きました。伊豆山稜線歩道は、修善寺温泉近くの"修善寺虹の郷"から"天城峠"まで続く42.8kmのトレイルです。

虹の郷からだるま山高原レストハウスの間は、車道を出たり入ったりしながら登る"修善寺歩道"。修善寺駅から戸田峠までバスが出ているので、その区間の約10kmはパスする人も多いです。

電車の時間や寝床への距離を考えて天城峠スタートにしました。修善寺温泉がゴールになる方がテンションも上がるかなと。

トレイル上のトイレは"だるま山高原レストハウス""天城峠"で、最初か最後。中間地点では、風早峠か仁科峠からトレイルを外れ、"あまぎの森駐車場"か"西天城高原牧場の家"に行けばトイレがあります。

距離的に1泊2日で歩きたいものの、中間地点のトイレが遠いことが犬猿されがち。そのため、早朝出発やトレランで日帰りする人も。テント泊の場合は特に"携帯トイレ"持参で。

水場はなく、西天城高原牧場の家に自動販売機があるとのこと。トイレの水はそれぞれ飲用できるかは不明。水は3L担ぎ、足りなければ自動販売機を利用することにしました。

1日目の天城峠〜宇久須峠までの記録です。

 アクセス
ーーーーーーー
◾︎ 東海バス 5番乗り場「河津駅行」

修善寺駅(8:15)ー天城峠(8:58)

   行程
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1日目
天気:晴れ☀︎時々曇り☁︎
気温:1000m付近:10/4℃
風:北西→西 午前1〜2m/s 午後3〜5m/s

天城峠バス停ー天城峠ー古峠ー二本杉峠ー滑沢峠ー三蓋山ーつげ峠ー猫越峠ー猫越岳ー後藤山ー仁科峠ー風早峠ー宇久須峠(泊)

▲ コースタイム:6時間45分
▲ 歩行距離:17.9km
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2日目
天気:晴れ☀︎
気温:11/5℃(1000m付近)
風:2〜3m/s → 8〜10m/s

宇久須峠ー魂の山ー土肥峠ー南無妙峠ー棚場山ー船原峠ー伽藍山ー達磨山ー戸田峠ー金冠山ーだるま山高原レストハウスー修善寺温泉(ホステルノット泊)

▲ コースタイム:8時間5分
▲ 歩行距離:29.9km

 

使用したのは昭文社の登山地図ですが、修善寺温泉の宿にトレッキングマップが置いてありました。下山後に入手。

アップダウンもわかりやすい。

伊豆山稜線歩道に特化したガイドマップで、コースタイムは山と高原地図よりもゆっくりめの設定です。

反対面には、花の紹介もありました。

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苔の森。天城峠 ー 二本杉峠

*天城峠バス停ー旧天城トンネルー天城峠ー古峠ー二本杉峠:CT1時間35分*

 

学生の頃、ダイビングの合宿で年に3,4回修善寺駅に来ていました。その頃に比べて見違えるほど綺麗になった修善寺駅。セブンイレブンもあります。

5番乗り場の東海バス「河津駅行」に乗ります。平日ど真ん中ということもあり、天城峠まで乗車していたのは私1人でした。

バス停の目の前に伊豆山稜歩道の道標があり、早速はじまりはじまり。

 

旧天城トンネルまで300m、天城峠まで700m。(マップでは800m。マップと道標の距離は微妙に違いました。)

天城峠まで一気に登り、そこから比較的緩やかに歩いていきます。

 

 

 

 

苔多めのトレイルを登って行くと、天城山隧道(旧天城トンネル)に出ます。ここに東屋とトイレ、駐車場。

隧道は雰囲気があり、歴史を感じますね。

 

東屋の横から再びトレイルへ。天城峠までせっせと登っていきます。

苔が非常に豊かでした。苔好きは歩が進まなそう。ちょっと湿ったマイナスイオンたっぷりの瑞々しい森。

空気はひんやりして、温度計は4〜5℃。

 

 

 

スミレもたくさん咲いていました。

根っこかっこいい。

すぐ先に"天城峠"。テーブルベンチが1つありました。

そのまま3.9km先の"二本杉峠"を目指します。

ここからは平坦な道が続きます。

トレイル上には、台風により崩れた場所もちらほら。ところどころ修復されていました。ザレて滑りやすい箇所や、道が細い場所があり「足元注意」の看板もちょこちょこありました。

 

 

 

ふっさふさ〜ふぁっさふぁさ。

結構細め。

トレイル脇は、急斜面で高さもそれなりだったり。

 

 

こちらも大分上から崩れています。

 

 

ロープが張ってある場所も。

 

 

新芽があちこちでキラキラ。

日が差すと輝きを増して美しい。

"古峠"に到着。特に何もありません。

 

 

古峠から2km程歩き"二本杉峠"に到着。

ベンチとテーブルがあり、ゆっくり休める広めの空間。ここで初めてハイカーにお会いしました。今日会ったハイカーは3人だけ。非常に静かなトレイルです。

 

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マメザクラ。二本杉峠〜三蓋山

*二本杉ー滑沢峠ー三蓋山:CT1時間10分*

 

このあとも緩やかな道が続き、三島駅で買った「ようかんぱん」を食べ歩き。お遍路で食べた、菱田ベーカリーの羊羹パンをすっかり気に入っていたので買ってみました。

粒あんのあんぱんの上に薄っすら羊羹、真ん中にホイップ。菱田ベーカリーの羊羹パンはこしあんで、ホイップはありませんでした。どちらも素朴で美味しい。

子どもの頃に親しんでいた訳ではありませんが、なんだか懐かしい感じがする羊羹ぱん。羊羹がうっすら乗っているだけで、あんぱんではなくなる不思議さ。

エネルギーを補給して、歩き続けます。

 

 

ヤマザクラやマメザクラがちらちら咲いていました。トレイル上はマメザクラがメインです。見頃は例年4月中旬以降とのことですが、今年は既に終わりかけ。道には花びらがたくさん落ちていました。

新緑の黄緑、針葉樹の濃い緑、その中にポツポツ点在する桜のピンク。春はこのパッチワークが本当に綺麗です。"山笑う"を感じながら歩きます。

 

しばらく歩いて"滑沢峠"。ベンチがひとつ。

途中に崩壊地。通行できます。

石がゴロゴロしている場所も数箇所ありました。

 

三蓋山の手前で階段がズラリ。結構上まで続いています。

階段から急斜面に。

 

ぐ~っと標高を上げていくと、道幅が広く緩やかになりました。

 

根っこがアート。伊豆の木は自由奔放な感じ。

天城山から三筋山に縦走したときもそうでしたが、伊豆の山は、だだっ広い場所でも赤テープなどの目印がないことが多い。踏み跡が薄かったり、落ち葉がたくさん積もる秋、ガスなどの視界不良のときは少しわかりにくいと思います。

こことか右が正しいけれど、歩いていると左の方が広くて行きたくなる雰囲気。実際に踏み跡があるので、左を歩いている人も多いようす。左に行ったとしても先で合流はできますが、こんな感じの場所が伊豆の山は多い印象です。

右に行くと、少し先に道標がありました。

 

 

鳥たちの食事の散らかし具合がまた可愛い。

人間の落とした食べ物を鳥たちがつつきますが、人間も鳥が落とした物を拾いたくなる。

"三蓋山"に到着。ふーっと一息。

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植生豊か。三蓋山〜猫越岳

*山蓋山ーつげ峠ー猫越峠ー猫越岳:CT1時間45分*

 

つやつや✴︎☆

三蓋山から下っていき、平坦になってきたところで桜がたくさん咲いていました。見頃の時季はとても綺麗だと思います。

 

 

 

マメザクラは小ぶりで、下を向いてちょりんと咲くところが愛おしい。

 

 

 

桜ロードを抜けると"つげ峠"に着きました。

この辺りは「黄楊のツゲ峯 希少個体群保護林」となっています。天然の疎林の中に群生し、天城山ではここに限られて自生する、とても貴重な保護林とのこと。

歩いていると、本日2人目のハイカーにお会いしました。

男性もまさか反対側から人が来るなんて…ということで「こんにちは〜すみません、大声出していたの僕です。誰もいないと思って。」と言われました。特に声は聞こえませんでしたが、歌でも歌っていたのかな?気持ちはすごくわかる。

 

ヤマルリソウも。

 

細めの道を歩いていると、本日3人目のハイカー。

なんと、マウンテンバイクでした。どこまで行くのか、天城峠まで行くのか。私だったらバランス崩して滑落しそう・・・

2.7kmで20分は嘘でしょ。平地でもきついぞ。

 

アセビのトンネル。咲き乱れていました。

アセビの中を歩いていると、道標に手書きで"大ブナ峠"と書かれていました。

大きなブナ。自由に枝を広げ気持良さげ。

これとか、どうなっちゃてるの!って言いたくなる。生命力。

 

だいぶ青空が広がってきました。

日が出ると身体も火照る。13時を過ぎて、温度計もいつの間にか15℃を超えている。個人的に15℃を超えると歩いていて結構暑い。

 

 

"猫越峠"。道の途中にちょこんと道標があるのみ。

 

ここから低木の中を進んで行きます。雨だとべっちょりしそうな粘土質の土。

 

この辺りも桜が綺麗です。

三蓋山からは植生がすごく豊かで、猫越岳に近づくにつれコロコロ風景が変わるので楽しいハイク。

 

少し広いスペースに出ると、そこが"猫越岳"。展望はなし。ベンチも特にないのでそのまま進みます。

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これぞ山稜線。猫越岳〜仁科峠

*猫越岳ー展望台ー後藤山ー仁科峠展望台ー仁科峠:CT50分*

 

猫越岳の少し先に展望台の案内。そういえば、猫越岳山頂の池を見ませんでした。モリアオガエルの産卵地とのこと。

 

 

海も見えます。

 

 

 

 

 

下って登って、トレイルの状況がコロコロ変わり"後藤山"。今日の目的地まで2kmを切りました。

階段が出てきたところで、視界が開けました。奥の丸みを帯びた感じが伊豆山稜線歩道のイメージ。しかし、その景色は全体を通して一部でした・・・思っていたよりも全然少なかった。

天城放牧場と思われる場所が見えます。

 

車道を横切り、仁科峠を目指します。

振り返る。

笹が刈り払われたトレイルを登ると"仁科峠展望台"に到着。ここを下った場所がと"仁科峠"。仁科峠は駐車場になっています。

 

仁科峠にはテーブルベンチがあり、この横にテントを張れそう。しかし、仁科峠近くのトイレは"西天城高原牧場の家"という施設で、2kmほど離れています。ここでテント泊をする方もいるようです。

牧場の家では食事もできます(水曜定休)自動販売機があるので、水分補給が必要な場合はそちらで。しかし、"自動販売機に水がなかった"という情報もありました。

今日は水曜日なので営業していません。牧場ということで、ソフトクリームか、牛乳プリンか、いちごみるくを食べたかったけども。営業していたら仁科峠泊でもいいですね。

ちなみに、牧場の家は宿泊施設もあります。コテージで1棟貸しなので、グループ山行なら利用しやすいと思います。

ここから1.3km先の"風早峠"を目指します。

*西天城高原牧場の家*

牧場の家 | いこうよ西伊豆
海と山の生んだ夕陽のまち「西伊豆町」四季折々に、朝に夕にと表情を変える美しい自然環境が西伊豆町にあります。

 

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風早峠のご夫婦。仁科峠〜宇久須峠

*仁科峠ー風早峠ー宇久須峠:CT45分*

仁科峠の全景。テーブルベンチの横なら車の邪魔にもならなそうです。

 

「山稜線」という名にぴったりの風景。

 

 

車道脇の風早峠"に到着。

「風早」というだけあって、ここは風の通り道。風の弱い日を選びましたが、テントを張るにはちょっと気になる風の強さでした。

ここから車道を800m程下ると"あまぎの森駐車場"があり、トイレがあります。伊豆山稜線歩道の中間地点では、トレイルから一番近いトイレです。

風の影響があまりなければここにテントを張ろうと思っていましたが、とりあえずごはんを食べて、トイレで洗面系のことを済ませてから考えることに。

お湯を沸かしていると、一台の車が停まりました。70代のご夫婦で、毎年ここに桜を見に来ているとのこと。今年は少し早めに見に来たようですが、それでも既に散り散り。「ピンクが少ないな〜。」と仰っていました。「結構散っていて終わりかけでした。」という話をしながら、今年は本当に早いねーと。

ご主人は若い頃に岩登りをかなり本格的にやっていた山屋さん。私には眺めるだけで十分な岩壁の話や、おすすめの山小屋、スイスやネパール、カナダなどの海外の話をたくさんしてくださいました。

2年程前に脊椎を骨折して、今は海外に行くことも山登りもできないけど「人生に悔いはない」と力強く語っていました。奥さんの理解もあってどっぷり山に捧げた人生。目を輝かせて話すご主人のいいお顔。海外では夫婦で一緒にトレッキングをして、奥さんもとても満足していると。とても素敵なご夫婦でした。

珈琲を飲みながら1時間くらい談笑。ご夫婦が帰り、私も片付けをしてあまぎの森駐車場へ。

すると、先ほどのご夫婦がいらっしゃいました。「あれ!?なんだ、乗せてあげればよかったね~。」と。お二人はイタドリを採取していて、峠の方から帰るからとのことで、峠の方まで乗せて下さいました。800m戻るの面倒だなと思っていたので、とてもありがたい。

結局、風早峠は風が気になったので"宇久須峠"まで行くことに。携帯トイレもあるし、トイレにこだわる必要はないのですが、近くにあると便利ですね。

風早峠をちょっと越えた先まで送ってくださり、宇久須峠まで620m。

私が見えなくなるまで見送ってくださり、最後に遠くから手を振ってお別れ。トレイル上では3人しか会わなかったので、お喋りが楽しくて心が温まりました。

 

 

 

 

登って行くと、宇久須峠の東屋発見。すごくいいロケーションで、それだけでこちらにして良かったと思う。

仁科峠も風早峠もスカイラインの脇ですが、ここは隣接していないのでとても静かです。

*トレイル上にテント指定地はありません。自己責任かつ現状回復。立つ鳥跡を濁さずで。

 

他のハイカーがいないので、東屋の中にテントを張りました。

先ほどご主人に「鹿が多いから、マダニには十分注意してね。鹿が周りをウロウロしていれば東屋の中にもいる可能性あるから。」と忠告を受けました。

伊豆ではマダニ被害が多いようです。

身の回りにくっついていないことを確認し、水平線に沈む夕日を眺め、テントの中で早速寝袋に潜り込みました。

思っていたよりもひんやり。ここ最近暖かい日が続いていましたが、ちょうど寒の戻りで朝晩が結構冷えました。

夜は、鹿らしき動物がウロウロする音。キャーン!という甲高い鳴き声もかなり近くで。

いつも衣類の入ったスタッフバッグを枕にしていますが、中綿ジャケットを着ながら寝たため高さがなくなり寝心地が悪い。何度も目を覚ましながら夜が更けました・・・

2日目に続きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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