南アルプス南部縦走⑤【千枚小屋-椹島】

南アルプス

2022.7.23-7.27

歩き人たかちです。

南アルプス南部縦走5日目。昨日は、荒川小屋から悪沢岳を越え、千枚小屋まで。悪沢岳、千枚岳の周りはお花がいっぱいでした。

5日目の今日は、南アルプスともさよなら。樹林帯をひたすら下り、椹島へ下山します。雨上がりの森はしっとり艶やか。優雅な森歩きで終わるつもりが、最後に待っているのは急坂。椹島まで、気の抜けない下山でした。

 1日目:芝沢ゲートー光岳小屋ー▲光岳
 2日目:光岳小屋ー聖平小屋
 3日目:聖平小屋ー▲聖岳ー▲赤石岳ー荒川小屋
 4日目:荒川小屋ー▲悪沢岳ー千枚小屋
★5日目:千枚小屋ー椹島

      行程
ーーーーーー
天気:曇り/霧☁一時晴れ☀→雨☂
気温:15~20℃

千枚小屋-駒鳥池-見晴台分岐-清水平-岩頭見晴-鉄塔下-滝見橋-椹島ロッジ

▲コースタイム:CT5時間20分
▲歩行距離:9.3km
▲累積標高差:上り148m
       下り1642m

美しい森。千枚小屋-見晴台

*千枚小屋-駒鳥池-見晴台分岐ー清水平ー林道終点地点:3時間30分*

昨夜、寝静まったあとに小屋に入ってきた男性が一人。誰かがトイレに立った物音だと思いましたが、ザックを置いて、私の3つ隣の布団を敷き始めました。時計を見ると、23時過ぎ・・・。

ツアーの団体が、寝床がバラバラになるからと、一部?別館に泊まっていました。その男性は朝、小屋の中にいたグループの人と話していて。あの時間に別館から移動してきたのだろうか。謎でした。

急いでいないけど4時起床。しかし、片付けは一瞬で終わり、4時半には暇人。朝ごはんは省いたので、魚肉ソーセージだけ齧り、30分くらいのんびりストレッチ。水を新しくして、5時15分に出発。

一日中雨の予報は、霧の時間もあるよ、という予報に変わりました。昨夜は激しく降っていた時間もあり、テント泊を回避できてつくづくよかったと。

深い森の中へ戻っていきます。霧の森は薄暗いけど麗しい。やはり、惚れ惚れする森ですね。雨上がりで、しっとり艶やか。

 

 

あっという間に"駒鳥池"に到着。ちょっとだけ下ります。

駒鳥池、寄り道すべし。

森の中にぽっかり空いた水の空間。周囲にはホソバミズゴケがこれでもかというほど群生し、鮮やかな黄緑色の絨毯。その中に埋もれる倒木。

絵本の中に出てきそうな光景でした。しばし、森の声に耳を澄ませる。

ホソバミズゴケが大好きな友人がいたら、発狂しそうなほどの群生です。

コマドリは鳴いていませんでしたが、朝の森に一匹の野鳥。毎朝ここで珈琲飲めたら…

↓早朝の駒鳥池↓

日本を誇りたくなるような森が、南アルプスにはありますね。

日本といえばブナ林だと思うし、ブナ林も大好き。でも、屋久島とか八ヶ岳とか、苔と針葉樹の森も本当に素敵です。

 

道幅は広くなり、さらに歩きやすく。シラビソのほんのり甘い香りに終始癒される。

スタスタ歩くのがもったいない。散歩のようひ下山しました。歩きたくなる森はいいですね。森好きには南アルプス南部、最高です。

根っこや岩は濡れて滑る。椹島まで2回尻もちをつきました。

 

 

 

道は細くなり、"見晴台"への分岐。霧で何も見えないのでスルー。荒川三山・小赤石岳がよく見えるようです。

そこからさらに下ると平な窪地に。ぬかるんで黒っぽい地面にシダが鮮やか。

静かに、ゆっくりと、終わりが近づいてくる。

太くて大きなオオシラビソが混ざり始める。

オオシラビソの別名は「アオモリトドマツ」。揮発性の香り成分が多く、シラビソのほんのり甘い香りが濃厚になりました。針葉樹の香りは自律神経を整える役割もあり、歩いていると幸せな気分になります。

どちらかわからない樹高のとき、葉っぱを取って嗅いで、シトラス系だとシラビソ、みかんの香りだとオオシラビソだと教わりました(逆だったらすみません…)。

↓森歩き↓

 

 

 

いい森にはアートがいっぱい。

途中、"清水平"の水場に到着しました。ベンチが一つありましたが、団体さんが休憩中。水場にも何人かいたのでそのまま先へ。

そして、林道を横切る。ここからしばらく登山道と林道が並行するような形になります。

とりあえずそのまま登山道へ。林道を歩く人もいるようです。

登山道は針葉樹でしたが、林道の方は広葉樹が多く、明るい雰囲気でした。

風がザァーっと吹く度、雨の雫が木々からポタポタ落ちてくる。雨か?と一瞬思うけど、立ち止まると違う。そんなのを繰り返していましたが、ついに雨が降ってきました。

林道にヒョイっと出られる地点で林道へ。根っこが滑るので、再び登山道となる地点まで傘をさしながら歩きました。

林道歩きで終わった気分になってしまいましたが、いえいえここからでした、このコースは。

最後に急坂。林道終点-椹島

*林道終点-岩頭見晴-鉄塔下-滝見橋-椹島:CT1時間40分*

林道でのほほんと歩いてしまったため、再び始まった登山道がやけに急に感じる。

林道を歩いている途中で雨はやみました。

ミズナラの大木。

標高が下がって暑い。ある程度下ると、"鉄塔下"まで登り返すわけですが、ここがなかなか激しかったり。

岩と根っこの登り。あれ、こういうのもういいんだけど、みたいな。気楽に下ってきただけに地味にきつい。

岩頭見晴。看板には「中部電力の高圧鉄塔巡視路を兼ねた登山道です。せっかく登ったのに少し下りがあり、もったいない道ですが、ウォームアップのつもりで、足元に気をつけて通過してください。下山の方は急な下りになります。一歩一歩慎重に下ってください。」と、書かれていました。

最後まで油断ならぬ南アルプス南部。

立派なサルオガセがありました。サルオガセ、好き。

さらにもうひと登り。うへー。

最後の最後に汗を垂らしながら、鉄塔下に到着。疲れた。

鉄塔は特に興味ないですが、好きな人は好きですね。下からのアングルで撮ってみる。

さあ、ここからが一番の急坂。

進んで行くと・・・

激坂のはじまり。最後にこれなのね、という感じです。完全な岩場の方が下りやすいと思いますが、なんか中途半端な感じで、中途半端な凹凸で、なかなかに疲れました。

見上げる。

まだまだ。

赤石岳方面への東尾根は結構な急坂と聞きますが、こんな坂がずっと続くのでしょうか。易老岳へのコースも下りたくないと思いましたが、そんな感じなのかな。でも、赤石岳の周回は千枚小屋方面から反時計回りにする人が多い気がする…

大きな岩は終了。

椹島を出発した人たちともすれ違う。「いや~もう疲れちゃった。」「私も疲れました。」なんていうすれ違い様の会話をしながらせっせと下りました。

この5日間、急坂は十分堪能したからもういいよ…と思っていると、ようやく橋が見えました。

 

渡り切ると、そこは東俣林道。もう、何もありません。終わったら終わったで、あー終わっちゃった、となったりして。なんなんだ。

看板から山道を下り、椹島ロッジに到着しました。なかなか広い敷地です。

 

宿泊棟がズラリと並び、9時半頃レストハウスに到着。

椹島ロッジで汗を流せばいいやと思っていましたが、縦走中に「白樺荘の赤石温泉すごくいいよ!」と勧められ、昨夜そのことを思い出しました。

畑薙夏季臨時駐車場から2.5kmありますが、静鉄ジャストラインは白樺荘に停まるし、10時30分椹島ロッジ発の送迎バスに乗ることができれば、十分時間はあります。

東海フォレストの送迎バスは、空きがあれば時間変更は可能。聞くと、10時30分は大丈夫とのこと。

問題は静鉄ジャストラインで、便や乗車位置の変更は前日の19時まで。電話の問い合わせ先もなく、それ以降は変更できません。

ダメ元で静鉄バスの問い合わせセンターに電話をしてみるも、南アルプス線に関してはやはり対応外。「電話番号があったような・・・お待ちください。」と言われましたが、保留の間になぜか切れてしまいました。

10分先の場所から乗りたいだけなんだけどなー、だめかなー、と葛藤しましたが、迷惑かもしれないし諦めました。平日で満席になることはないと思うし、予約しなければよかった。

ちなみに、送迎バスは椹島ロッジで受付をします。前の便が発車したあとに番号札をもらいます。

諦めて椹島ロッジのシャワーへ。受付では「お風呂なら白樺荘の方がいいですよ?」と言われましたが仕方ない。椹島ロッジは本当にシャワーだけで、お湯は張っていません。石鹼類はあります。ドライヤーはありません。

 

10時〜13時はランチタイムで、カレーをいただきました。

レストハウスはログハウスのようで、とても居心地がいいですね。

パラパラと降っていた雨は11時過ぎに土砂降りになり、雷がけたたましく鳴り響きました。白樺荘に行っていたら、バケツをひっくり返したような雨の中を30分歩く羽目になっていた。結果オーライということで。

それにしても、山の上は大丈夫だろうか・・・ちょうど赤石岳の真上に雷雲があったようです。

食後のデザート。先っぽが萎れていますが、濃厚で美味しい◎

バッジは、赤石岳、悪沢岳、笊ヶ岳、聖岳、椹島オリジナルの5種類。赤石岳はyamasankaのものでした。

手ぬぐいやTシャツも。

下山者が続々と増え、12時45分のバスは満席でした。早く下山してきた人でキャンセル待ち状態となっていましたが、結局キャンセルはほぼ出ず。朝の便の方が混んでいるかと思いましたが、2便目が一番混むようです。

大半の人は畑薙夏期臨時駐車へ。先の畑薙第一ダムで降りる人は最後に乗り込み補助席でした。車内では、工事用のヘルメットを全員被ります。東俣林道は落石注意の道。以前、走行中に落石が当たり、窓ガラスが割れたとか。ザックに守られ幸い怪我をした人はいなかったようですが、それ以来ヘルメットの着用が義務付けられています。

どんな林道なのか気になっていましたが、補助席でほぼ見えず。とりあえずガタガタしていました。おまけに激しい睡魔に襲われて、ほぼ寝ていました。

1時間後の13時45分、畑薙第一ダムに到着。静鉄ジャストラインは14時25分発なので少し待ちます。

バス停から少し奥へ歩いた、公衆電話のある場所がベンチスペースとなっています。屋根があるので雨でも大丈夫。近くにトイレもあります。

時間になってバスへ乗車。白樺荘で一人乗車して8人でした。ガラガラ。

静岡駅までは3時間半ほどの長旅。その間に2回のトイレ休憩があります。添乗員さんが一人乗っていて、ところどころ説明をしてくれました。

この静岡県葵区は、静岡駅周辺の中心街から南アルプスの山頂まである、とてつもなく広大な地区。「3時間あれば、高速で東京に着いてしまいますね~」と。その時間ずっと"静岡県"ではなく、"静岡県葵区"を走行しているのだからすごいですね。起伏が激しいとはいえ、どれだけ大きいの。

予定通り17時45分に静岡駅に到着。あれほど山深いところにいたのに、人間界に戻ってきてしまった。

虎視眈々と狙っていた南アルプス南部。きっと、すごく大きい山域なんだろうと思っていましたが、やはり大きかった。そして、険しかった。

北アルプスの岩稜帯とは違う険しさがありました。休むことを許されないような急坂が、越えても、越えても続いている。常に登っているか下っているかの道のりで、まさに己との闘い。

でも、険しいだけに美しくて、ふっと緩んだときに、その美しさをぐわーっと吸収するような、そんな縦走路でした。何より、森は、もう、本当に本当に綺麗です。森だけ歩きに行きたくなるほど、豊かで、深くて、濃い日本の森。この森があってこその南アルプス。

そして、なんだかんだ、聖岳~赤石岳への縦走路がとてもよかった。ジェットコースターのように激しいアップダウンで、きつかったゆえに記憶に残ってしまうけど、中毒性があるような道。

ぜひ、天気の良い日に☀︎

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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