2023.2.16-2.17
DAY1:八方池山荘
DAY2:唐松岳ピストン
歩き人たかちです。
2月中旬に2日間晴れるチャンスが訪れたため、数年前から虎視眈々と狙っていた唐松岳へ。前回の天狗岳がガッスガスだったので、太陽リベンジのために一週間ずっと天気予報と睨めっこ。
白馬八方への夜行バスは冬季も運行しているので、夜行日帰りで登ることも可能な唐松岳。しかし、始発のリフトを乗り継いでスタートし、そこから最終便までの持ち時間は6〜7時間程度。土日と平日で営業時間は異なり、混み具合によってはもっと少ない持ち時間になります。
そのため、八方池山荘に泊まってゆっくり堪能しようと兼ねてより計画していましたが、これが大正解でした◎
美しき冬の北アルプス!
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往路・復路
◾︎ ハイウェイバス
中央道府中(8:01)-白馬八方(12:48)
白馬八方(15:00発)-中央道府中(19:47)
*バスターミナルからリフト乗場まで徒歩10分程
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八方池山荘までは、3つのリフトを乗り継ぎます。
① 八方尾根ゴンドラリフト
② アルペンクワッドリフト
③ グラートクワッドリフト
山麓から八方池山荘までは標高差約1,060m。乗車時間は合わせて20分で、混雑なくスムーズに乗り継いで30分ほど。
*往復料金は¥3,800(2023.2現在)
八方アルペンライン
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天気:晴れ☀︎ → 霧 ☁︎
気温:-17℃
風:西 → 西北西 10〜13m/s
八方池山荘-八方山-八方池-丸山ケルン-唐松岳頂上山荘-▲唐松岳-唐松岳頂上山荘-丸山ケルン-八方池-八方山-八方池山荘
▲ コースタイム:7時間35分(夏道)
▲ 歩行距離:9km
▲ 累積標高差:+950m
-950m
冬季唐松岳コース概要
八方池山荘から唐松岳までの距離は片道約4.5km。累積標高差は約1000m。
緩急を繰り返しながら段階的に登っていく道のりです。急登は5,6箇所あり、登った先に急登、登った先に急登・・・の繰り返し。
道幅は特に狭くはないですが、丸山ケルン〜唐松山荘の間は比較的細め。慎重に歩けば問題ないですが、終始風が強い山域なので身体を持っていかれないように要注意。
天気が良く、トレースがあれば道自体の難易度は高くありません。しかし、降雪後・ノートレースの状況ではガラリと変わると思います。今回は良い条件で登ることができました。
急登、特に山頂からの下りなどはピッケルがあると安心だと思いますが、今回は前日も好天でトレースバッチリだったため、ストック使用の人が多かったです。私はピッケルを持っていきましたが、結局使いませんでした。雪が緩み、雪崩が起きやすい時期はピッケルの方が安心だと思います。
スタートから展望が最高に良く、鹿島槍ヶ岳〜白馬岳までの後立山を前方に見ながらの山歩きはとても爽快。朝のはじまりも目を見張る景色で、八方池山荘に泊まっての1泊2日がおすすめです◎
1日目・八方池山荘に泊まる
高速バスで白馬八方へ。八方池山荘はリフトを乗り継いだ先にあるので、時間には余裕があります。予約時、15時くらいまでに到着するよう言われました。
バスターミナルからリフトまでは歩いて10分ほど。歩き出すなり、ここは日本か?と疑うほど異国の人人人。8〜9割方訪日でした。コロナ禍の日本に慣れてしまうと、コロナ以前の日本に戸惑いますね。
リフト乗場の近くのお店にサンド系のパンが売っていて、八方池山荘で食べようかなと覗いてみました。しかし、扉と地面の隙間の雪が凍っていて開かず・・・店員さんが助けてくれました。
そんなお洒落なお店のパンはというと・・・とっても高い。
ちょっと大きめのBLTサンドが¥1,000。¥1,500くらいのパンもあるし、スコーンも¥500とか。予想外の値段でしたが、扉のこともあり何か買わないと気まずい雰囲気で、結局BLTサンドを購入(値段は見なかったことにする)。
登山者は受付横にある登山届を書いてからチケットを購入します。この時間のなので並んでいる人もおらずその場で書きましたが、早朝並ぶ場合は書いたものを持参した方がスムーズです。
チケットは往復¥3,800。数年前に比べて¥1,000くらい値上がりしていますね。
一つ目は「八方尾根ゴンドラリフト」。ゴンドラなので相乗りで。
"兎平"に到着。天気が良くてみなさん爽快に滑っています。今日は珍しく唐松岳自体も6〜7m/sくらいの風で、ゲレンデもポカポカ。今日登るのがベストでしたが、まあ仕方がない。1日中晴れている補償があれば、下山時に八方池山荘に泊まるのもありですね。
2つ目は「アルペンクワッドリフト」。こちらはスキー場で乗る普通のリフト。登山者(観光客)とスキーの人たちとで入口が違い、よくわからず右往左往してしまいました。恥ずかしい。
スキーの人たちはIDカードで通過するような方を通り、登山者はその横の何もない方を通ります。
"黒菱平"に到着。景色が壮大になっていく。
3つ目の「グラードクワッドリフト」。3本目にもなると風が少し寒くなりました。
ということで、八方池山荘に到着。14時過ぎにチェックイン。今回は素泊まりで。
食堂奥には雑誌や本当とともに漫画がズラリ。バカボンドとかリアルとか、そんな漫画もたくさん置いてありました。むしろ漫画が一番あったかな。
一番奥のテーブルは夕食時自炊用になり、バーナーを使うことができます。お湯はポットが用意されていて、自由に使うことができます。水道の水は飲用可。
八方池山荘にはお風呂があり、15:00〜20:00までシャワーを浴びられます。この時期はお湯を張っていないので、利用している人は少なめでした。私も写真だけ・・・
トイレは男女別であり、水洗のとても綺麗なトイレです。登山者やスキーの人たちも利用するため、靴のまま入ることできます。
階段にら高山植物が描かれたかわいいロッカーがあり、不要なものはデポOK。ただし、鍵はかからないので自己責任です。
今日の宿泊は20人ほど。2段になっている相部屋には、私とご夫婦が1組だけでした。他の方々はグループごとに部屋を使っていたようです。平日なので空いていますね。
食堂からテラスに出ることができ、とりあえず高級BLTサンドをじっくり味わう。
今日はゆっくり珈琲でもと思っていましたが、ガスが晴れて唐松岳方面もすっきりした青空になったので、ちょっくら散歩へ。
1日目・夕刻の八方尾根散歩
この日のリフトの最終は15:10で、15時を過ぎるとスキーヤーとボーダーはサーッといなくなりとても静かな山の時間に。登山者もみんな帰るので、ここからは宿泊者だけの特権アルプス。
すでに満足・・・というほどの好天。今日は風も穏やかで、きっと最高の登山日和だっただろうな。
白馬三山
爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳
秋に繋げて歩いた後立山連峰を一望。グリーンシーズンとは全く違う景色が広がっていて、大興奮。木々が雪に埋まりまっさらなせいか、白馬岳も鹿島槍ヶ岳もとても近く感じます。
鹿島槍ヶ岳〜五竜岳の八峰キレットはすごく思い出深い道。個人的に三大キレットの中で一番歩きごたえがあると感じました。大キレットも楽しかったけど、八峰キレット良かったなあ・・・
"八方山"に到着。お散歩はここまで。
16時を過ぎると太陽が隠れ、気温が一気に下がりました。
唐松岳に繋がる"不帰ノ嶮"の美しさよ。"天狗ノ大下り"は体感でも長かったですが、改めて見ても長いですね。白馬岳から唐松岳に向かったので下りでしたが、唐松岳から歩いた場合ラスボスにあの登りかと思うとなかなか大変なのでは。
今見えている世界、全てが美しくてかっこいい。すでにそんな状態で、明日はどうなってしまうのか。
リフトでぶらぶら上がってきただけですが、北アルプスの圧倒的な存在感はやはりすごい。
夕暮れの後立山連峰
「お家へ帰ろう」
そう思ったとき、テントでも山小屋でも、そこが大自然であることの幸せを噛み締めながら戻りました。
白馬モルゲン[八方池山荘-八方池]
八方池山荘-八方池:CT1時間30分
同室の方に「いびきが本当に酷いのですみません・・・」と昨日言われましたが、そんなこともなく、部屋も暖かくて爆睡(聞く前に寝ただけか?)。
5時過ぎに外に出てみると、星がキラキラ。昨日と比べて風は強く、ちょっと歩くと餌食になる。
黒から濃紺、紺、薄い青に変化する世界でぼんやりと浮かび上がる白馬三山。濃い青のキャンバスに白を薄く広げた絵画のようで、冬の夜と朝の間がおそろしく美しい。
部屋に戻り、少しずつ色を変えていく壮大なアルプスを小窓からじっと眺める。はじめは準備をしながら見ていたけど、途中から動きをピタッととめて。
薄い青にオレンジが混じり始めた頃、ゆっくりしすぎた!と慌てる。帽子、オーバーパンツ、ハードシェル、手袋、アイゼン、ピッケル・・・あぁ、冬は忙しい。
6時過ぎ、歩き出して少しすると白馬三山のモンゲルロートがはじまった。昨日の八方山まで登れば、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、不帰ノ嶮、白馬三山という豪華なモルゲンロートを見られると思います。何人かそこでご来光待ちをしていました。
そこまではもう間に合わないので、小屋の少し上からゆるゆる鑑賞。この朝を見るためだけでも、八方池山荘に泊まる価値はありますね。唐松岳までは登らず、アルプスの写真を撮りに来ている人もいました。
八方尾根の朝
今日がはじまり、空が雪山ブルーになったところで再び動き出す。グリーンシーズンは木道や樹林帯、岩などいろいろありますが、何もないまっさらな白い道。朝一、小屋から八方山への急坂を一歩一歩。
昨日のお散歩終了地点。時間や太陽の位置によって、印象が全く異なります。
八方山のトイレと第二ケルンの間は強風域で、シャカブラの芸術作品が広がります。小さな何かがバチバチ当たりながら駆け抜けていく。塵のような雪が生き物のよう。この区間で起こる雪煙を写真に収めようと、三脚を立てて風に耐えながらシャッターを切る人も。
第三ケルンを過ぎて、振り返る。北側には白馬三山を美しく映し出す八方池ですが、冬は雪に埋まり池の気配は何もなく、ただただ白い雪原が広がるだけ。
青空は続く[ 八方池-唐松岳 ]
八方池-丸山ケルン-唐松岳:2時間50分
八方池を過ぎて、下ノ樺、上ノ樺と歩を進めます。雪から顔を出しているダケカンバを見ながら、ここはこんな景色だったかなあと、記憶を探りながら。冬山で夏を想う、夏山で冬を想う。日本の四季が好きだと実感する瞬間。
雪に埋まったダケカンバの上、急坂を上がる。
綿あめが浮かんでいる
ここを登ったらどんな景色が・・・と毎回思いますが、その先に見えるものは急坂。周囲の山並みは少しずつ変化していくものの、まだかまだかと唐松岳の全貌を待ちます。
まあるい山にケルンあり。丸山ケルンを確認しました。
のっぺりした坂の先の丸山ケルンに到着◎
丸山でiPhoneをいじっていたら、寒すぎてバッテリーが落ちました。カイロとともに胸ポケットに入れているものの、取り出すたびに電池の消耗が激しく、3時間持たずにフル充電は0に。その後もカイロで回復させながら使用していましたが、どうしても風にやられてしまう。谷川岳ではじめてバッテリー落ちたときは、壊れたと思ってちょっと焦りました。
そんな状況でもミラーレスは意外と平気。耐寒性能は特になく、使用温度は0℃となっていますが、なかなか優秀。天狗岳でも耐えてくれました。
五竜岳がいちいちかっこよくて、一番多く写真に収めていました。
丸山ケルンを過ぎて、見覚えのある岩とか網が露出していてラストパートに気合いを入れる。
丸山〜唐松岳頂上山荘の間は、一番道幅が細くなります。慎重に歩けば問題ないですが、強風に煽られてバランスを崩さないように注意。
山頂付近しか見えていなかった唐松岳が全貌を現しました。八方池山荘泊まってよかったと心からの思える青空。昨日は一日を通して晴れていたようですが、今日は午後から曇り空の予報。
唐松岳頂上山荘に到着◎
剱岳と立山連峰こんにちは。あぁ、この景色を見たかったのです。感無量・・・感無量だけど、谷から吹き上げる風がさらに、猛烈に、体当たり。そそくさ山頂を目指します。
猛々しい筋骨隆々の五竜岳と対になる、滑らかなでスラッとしたシルエットが美しい唐松岳。五竜岳と唐松岳が向かいあっていることに奇跡すら感じます。
唐松岳頂上山荘〜唐松岳の間が今日一番の爆風でした。山頂どうなっているの?と思いつつ、最後の急坂に取り付く人間のちっぽけなことよ。
そして、そして、そして・・・
唐松岳、登頂〜◎
立山方面から容赦なく吹き付ける風は寒いというか、もはや痛い。それでも先ほどの爆風よりは少しましだったり。
昨日ならちょっくら腰を下ろすか〜なんてできたかもしれませんが、そんなことをする余裕はなく、必死にカメラのシャッターを切る。命懸けでスマホを取り出すと60%まで回復した充電はすぐに5%まで落ちる。寒いんだなあ。
10時過ぎですでに怪しい雲が迫りつつありましたが、大展望の唐松岳に大満足。部屋が一緒だったご夫婦は「体力的に最後まで行けるかわからない」と仰っていましたが、早めに出発して無事に登頂。とっても喜んでいて、私まで一緒に喜んでしまいました。でも、山にある笑顔はやっぱり素敵です。
唐松岳山頂より
山は朝だ[ 唐松岳-八方池山荘 ]
唐松岳-丸山ケルン-八方池-八方山ケルン-八方池山荘:3時間15分
20分くらい滞在していると寒さの限界。コロコロ転がっていかないように、山頂直下を慎重に下り下山開始。再び爆風地帯を抜けて剱岳にさよなら。またいつかね。
立山方面に迫っていた雲は徐々に山頂を覆い、どんよりした灰色の空に。さらに、白馬三山と五竜岳も飲み込もうとしていました。雲ひとつない青空の下歩いていましたが、割とギリギリのタイミングで登頂。30分遅ければ青空はなかったな。
一息つきながら登っていた急坂も、下りはサクサク、いや、モフモフ。登りで多少時間がかかったとしても、下山が早いのは雪山のいいところ。
あっという間に八方山まで下りてきました。振り向くともう真っ白。
前方の裏銀座は相変わらず青空。直線距離は大したことないけれど、山脈ひとつ違うだけでこれほど天気が変わるのかと実感します。高い山があるってすごいことですね。
ケルンを次々と過ぎて、八方池山荘に到着。12時頃だったので、小屋の中はお昼対応でてんやわんやでした。注文の待ち列をくぐり抜け、デポしていた荷物をそそくさ回収。アルペンラインを乗り継いで下界へ。
念願だった唐松岳。晴れ渡る青い空の下、大満足の1泊2日でした。アルプスは連なる山脈がかっこよく、冬の存在感も素晴らしいですね。夏に歩いた縦走路を眺めるだけでも心が満たされます。
雪山は谷川岳、伯耆大山、八ヶ岳が特に好きですが、唐松岳も仲間入り。日本海が近いため天気が難しいですが、豪雪地帯は何か惹きつけられる魅力がありますね。自然の厳しさが一目でわかるような雪の芸術に圧倒されました。
白馬の麓で巨大ハンバーガー
白馬は訪日も多いせいか、ジャンキーなお店が結構多いです。お腹ペコペコで向かったのは・・・
HUMBERGER BAR「UNJAUNE」
ここのハンバーガーはとても大きいという噂ですが・・・
めちゃくちゃでかい。
運ばれてきたとき、一瞬目を疑いました。自分の手を広げて親指から小指までの直径があります。15〜16cmくらい?
注文したのは「THE あんじゃね」という一番シンプルでスタンダードなハンバーガー。シャキシャキの野菜がたっぷり入っていて、ソースがめちゃくちゃ美味しい!!!
腹ぺこだったので食べ切りましたが、他のメニューだったらちょっときつかったかと。それくらいボリューミーなハンバーガーです。¥1,800とお高いですが、白馬にきたらまた食べたいと思うハンバーガー。
HUMBERGER BAR「UNJAUNE」
CAFE DE 4260
リフト乗場の目の前にある「カフェ・ド 4260」。こちらでもハンバーガーが食べられますが、豚丼が人気のようです。
Sounds Like Cafe
「サウンズ・ライク・カフェ」は、白馬で一番人気のハンバーガーのお店とのこと。歩きでは難しいですが、車の場合は寄り道にいいと思います。
八方の湯
温泉に関しては、バスの場合、バスターミナルのすぐ近くにある「八方の湯」がおすすめです。
バスターミナルの中にはカフェやモンベルもあり、待ち時間も楽しめます。
画像出典:ふるさとチョイス
お土産コーナーにはノースフェイスとコラボのTシャツも販売されており、2022年版は白馬三山がプリントされたTシャツですごくかっこいいです(サイズがなかった)。
バスターミナルから白馬駅の間にもいろいろなお店や施設があります。リフト乗場から白馬駅までは2.6kmなので、電車の場合も歩いて楽しめるのがいいところ。
◾︎ THE NORTH FACE GRAVITY HAKUBA
◾︎ パタゴニア白馬/アウトレット
◾︎ LAND STATION HAKUBA(Snow Peak)
◾︎ 好日山荘白馬店
さすがアウトドアフィールド白馬、という感じ。ノースフェイスの「GRAVITY HAKUBA」は以前立ち寄りましたが、一周しただけ。カフェが併設されているので、次回はちゃんと立ち寄りたいなあと。パタゴニアのアウトレットは店員さんがすごく活き活きしていた印象。アウトドアフィールドで働いている人は目の輝きが違う気がする。吸ってる空気が違うのか・・・なんて。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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