2022.12.27-12.28
歩き人たかちです。
2022年の登り納め、歩き納めの年の瀬。冬になると、長い距離を無性に歩きたくなるときがあります。湿度が低く、気温がよく、空気が澄んで、低山をひたすら長く長く歩きたくなる衝動。
ということで、機会があればと思っていた"笹尾根縦走"を実行することに。さらに、せっかく奥多摩に行くので「奥多摩むかし道」と「島勝(食事処、とろろが美味い!)」の計画もセットにして充実の1白2日に。
低山だからと侮るなかれ!
そんな低山もたくさんありますが、笹尾根もその一つ。
ちなみに、本当は奥多摩むかし道ではなく、奥多摩湖沿いの「いこいの路」を歩こうと思っていました。しかし、11月末で冬季閉鎖ということで、今回はむかし道に。
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天気:晴れ ☀︎
気温:奥多摩10/1℃ 三頭山1℃
風:北西3m/s→西1m/s
奥多摩むかし道奥多摩駅ー奥多摩むかし道入口-サイカチの巨樹-不動の上滝-境橋-しだくら橋-西久保の切り返し-バス停「水根」—バス移動—バス停「留浦」(島勝にてお昼ごはん)-深山橋-(ムロクボ尾根)-ヌカザス山-入小沢ノ峰-鶴峠分岐-▲三頭山-三頭山避難小屋
▲ コースタイム:むかし道3時間40分
三頭山3時間55分
▲ 歩行距離:17.7km
▲ 累積標高差:+1746m
-649m
三頭山へのアクセス
三頭山にはコースがいくつかありますが、最短は「都民の森」からのコース。よく整備された道で急坂も特になく、歩く人も多いです。奥多摩湖からの場合は「ムロクボ尾根」か「ヌカザス尾根」。
武蔵五日市駅から都民の森へのバスは季節運行(運休日要確認)。冬季は、都民の森5km手前「数馬」までの運行となります。しかし、車道をショートカットする登山道があるため、数馬からの登山も可能です。
ヌカザス尾根の場合、深山橋手前の「小河内神社」で下車し、「麦山の浮橋」を渡る方が近いです。しかし、浮橋は渇水時に外されていることもあるため、要事前確認。
その他、小菅村からのコースもあります。また、御前山とセットで歩いたり(御前山は避難小屋あり)、登山道が至る所にあるので自由に道を組み合わせて楽しむことができます。
奥多摩むかし道 概要
画像出典:奥多摩町HP
「奥多摩むかし道」とは、奥多摩駅から奥多摩湖までを繋ぐ約10kmの古道。旧青梅街道であり、現在の国道411号と並走する形でハイキングコースとなっています。
大半は舗装道ですが、廃線跡から始まり、里に散らばる奥多摩の歴史に触れながら歩けるアップダウンの少ない緩やかな道。道自体に味のある静かな古道ハイキングは、登山とはまた違う、心地よい穏やかな空気が流れています。
トイレは、奥多摩の綺麗なトイレが定期的にあるため心配なし。ただ"西久保の切り返し"の休憩ポイントにあるトイレは冬季閉鎖の場合もあります。
奥多摩むかし道のことは「奥多摩ハイキング案内」で知りました。紹介されているコースや周辺のグルメが自分好みで、このシリーズのガイドブックがお気に入りです。
笹尾根縦走 概要・水場
深山橋(ムロクボ尾根)→ 高尾山口 |
|
歩行距離 | 約40km |
コースタイム | 約18時間 (高尾山1号路下山) |
累積標高差 | 上り:約3000m 下り:約3200m |
三頭山と高尾山を繋ぐ、30km超の長大な尾根である「笹尾根」。累積標高差はどちらから歩いても3000m前後で、奥多摩湖の登山口から高尾山口駅まで繋ぐと約40km。
どこからどこまでが笹尾根かという解釈はいくつかあるようですが、三頭山〜和田峠までが一般的なようです。しかし、"笹尾根縦走"となると高尾山までという認識。
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![](https://takachi-ho.com/wp-content/uploads/2023/02/44A8CD1B-AC2C-4F89-9D27-17BFB6CF6945.jpeg)
東京・神奈川・山梨を跨ぎ、日本山岳耐久レース「ハセツネCUP」や「関東ふれあい道」の一部でもあります。いくつもの峠を越え、何度となくアップダウンを繰り返すタフな縦走路。
針葉樹や見事なブナの広葉樹林など植生を変えながら歩くので、紅葉や桜、新緑の季節がいいと思います。日の長さを考えたら春がおすすめ。しかし、ほとんど展望のない1000m前後の樹林帯を延々と歩くため、単調な道が苦手な人には辛い山歩きになるかと。
とにかくがっつり歩きたい!走りたい!
そんな人にはいいコース。歩き通すには気合いがいりますが、エスケープルートはたくさんあるため不安なく歩けます。不調が出たり、飽きたら麓の温泉にでも寄って帰ればいい。精神的にはハードルの低いロングコースです。
今回は三頭山避難小屋を利用しての縦走でしたが、ロングコースゆえに避難小屋の存在がとてもありがたかったです。避難小屋は本来"緊急時用"の小屋なので利用に関しては賛否両論あると思いますが、節度を守って利用する分には問題ないと考えています。日本では緊急時のビバークなどを除き、野営指定地以外でのテント泊を禁止していることがほとんどで、その代わりに避難小屋が建てられていたりするので。ただし、中には「宿泊目的の利用不可」となっている避難小屋もあるため、そのあたりは要確認。
避難小屋は三頭山側にあるため、利用しても高尾山までの距離は30kmほどあります。そのため、浅間峠でビバークする人も。大きめの東屋があり、平で広い峠、行程のちょうど真ん中あたりということで。その場合も、節度を守ってこっそりと。
奥多摩湖と高尾山、どちらから歩くかはお好みで。
奥多摩湖スタート
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◎ 標高は徐々に下がるのでコースタイムは少し短め
◎ 下山後のバスなどを考えなくてよい
◎ 日没を過ぎても、高尾山周辺は歩きやすく比較的安全
◎ 三頭山避難小屋を利用しやすい
✖️ バスで登山口へ向かう場合、スタートが遅め
高尾山スタート
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◎ 朝発の場合も早めに出発できる(居住地による)
◎ 終電スタートという手もある
✖️ 三頭山まで標高を上げて歩くため体力が必要
✖️ 日帰りならバスの時間を要確認
水場
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水場は「日原峠」から人里休暇村方面への登山道脇にあります。5分ほど下った場所にあるとの情報でしたが、おそらく7〜8分。
「ないな〜まだ先〜?」なんて探していて途中で諦めました(確認したかっただけ)。地図でははじめのカーブの箇所に水マークがありますが、実際は上記赤丸あたりでもう少し先でした。"板東沢"のある谷を上がったあたりにあります。涸れることはほとんどないようですが、水量は季節によってまちまち。念のため、十分な水は持参していました。
ちなみに、三頭山避難小屋から少し下った場所で沢水を汲めるようですが、実際に見てはいません。涸れていたり、凍っている可能性もあるようなので、あまり期待しない方が良さそうです。
平日でしたが、陣馬山の茶屋は営業していました(和田峠は休み)。景信山や小仏城山の茶屋は平日お休みです(紅葉や桜の時期は営業していることも)。高尾山には自動販売機があります。
今回、三頭山〜高尾山で2L消費しました。水場が少ないので、春〜秋は特に水の量が重要。6〜9月あたりは暑過ぎておすすめしませんが・・・
三頭山概要 (ムロクボ尾根 )
ムロクボ尾根
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登り始めから急坂の尾根を上がり、緩急を繰り返す道が三頭山まで続きます。特に、ヌカザス山手前の"オツネノ泣坂"はロープの張られた滑りやすい急坂で、一番の踏ん張りどころ。他にもロープ箇所はいくつかあります。
広葉樹林のため落ち葉が降り積もり、急坂では特に注意。滑りやすさに加え、根や岩が隠れているため慎重に。
"入小沢ノ峰"を過ぎると緩やかな区間が増え、気持ちのいい森歩きで三頭山に到着します。
都民の森
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都民の森のバス停、駐車場から周回登山が楽しいコース。三頭ノ大滝のある"大滝の路"は「森林セラピーロード」として、東京都内ではじめて認定されました。
見事なブナ林を有する広葉樹林の森がとても気持ちのいいコースです。道はしっかり整備されて歩きやすく、特別急登もありません。コース上に石段があるため、雨の日などは滑らないように注意。
しっとり瑞々しい森歩きを楽しめるので、はじめての三頭山で歩きたいコース。新緑の5〜6月、紅葉の時期は特におすすめです。個人的にはサラサドウダンが美しい6月頃がとても好きです。
奥多摩むかし道を歩く
奥多摩駅-奥多摩湖:CT3時間40分
7:30、奥多摩駅着。登山者が何かしらのバスに乗り込むのを横目に、むかし道の入口がある氷川橋方面へ。奥多摩駅周辺には素敵なお店が増えていて、奥多摩登山後もいろいろと楽しめる街になっています。
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氷川橋を渡り、デイリーヤマザキの前を過ぎると"奥多摩むかし道"の大きな案内板があります。その曲がり角には「農家ヘムロック」という、ロッジ風の素敵なカフェレストラン。欧風のカレーとオムライスが看板メニューで、とても美味しそうでした。
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民家脇の道を上がりスタートすると"羽黒三田神社"。お賽銭箱がポストのようで印象的。急な階段を上がらなくてもいいように?
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むかし道には当時の"小河内線"の線路跡が残っています。トンネルもありましたが立入禁止になっていました。線路跡や隧道があると、古道感が一気に増しますね。
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「槐木」というトイレのある休憩ポイント。「さいかちぎ」と読むそうです。近くにサイカチの巨樹があるようですが(よく見なかった)、幹全体に棘のある痛々しい木で、枝が変形して棘になっているとのこと。
奥多摩のトイレは、"OPT(オクタマ・ピカピカ・トイレ)"のクリーンキーパーの方々が「世界一綺麗な観光用公衆トイレを目指す」と、清掃してくださっています。公衆トイレって、自分の家ではそんな汚さないよね?という使い方がされていたり、ゴミが捨てられていたりして、清掃は本当に大変だと思います。維持するのも一苦労だと思いますが、清掃にはかなり力を入れられていて本当に綺麗。感謝ですね。
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国道411号を歩けば何も障害はなくスムーズですが、むかし道は階段を登ったり下ったり、集落の中を歩きながら。このクネクネした感じがいいですね。
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昔の石標も定期的にあります。「右〇〇、左〇〇」というように行き先が掘られています。
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岩壁を背に建つ"白髭神社"。巨岩を御神体として祀られた神社で、秩父古生層のうち石灰岩層が露出しているのだそう。
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"弁慶の腕ぬき岩"。高さ3mの自然石で、腕が入る穴があるということ・・・
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くり抜かれたのかと思うほど綺麗な丸い穴が空いていました。腕もしっかり通る。
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"耳神様"。昔は近くにお医者さんがいなかったため、耳が痛いときは穴の空いた小石を見つけて耳神様に供えていたとのこと。点々と穴のある石が置かれています。
大学のゼミの研究で山岳信仰や麓の暮らし、自然との繋がりなどをテーマにしていましたが、日本にはこのような民間信仰が各地にあるのが面白いなあと。目の神様、鼻の神様、歯の神様、お腹の神様・・・身体のあらゆる部分の神様が自然の中に散らばっている。どんな自然物にも神様が宿るという"アニミズムの精神"は日本の誇りで、大事にすべき信仰だと思います。
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煙突から煙がモクモク出て、年末の楽しそうな笑い声が山に響いていました。
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惣岳公衆トイレ。この先のトイレ(西久保の切り返しの休憩ポイント)は事情により使えない場合があるので、ここを使ってくださいという看板があります。
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朝早くむかし道を歩くと、日陰が多く寒いです。むかし道だけハイキングする場合、冬なら9時とか10時スタートがいいかなと。
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民家の並びとはまた違う空気が流れている場所は、茶店の跡。3軒ほどありますが、崩れてボロボロに。覗いてみると、足を伸ばしてゆっくり休めそうなつくりでした。
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近くには"馬の水のみ場"。網が被せられ、落ち葉が降り積もり苔が生えている・・・時間の流れを感じます。ここで馬を休ませて茶店で一服休憩。駄菓子、うどん、まんじゅう、タバコなどがあったそうです。国道のない当時は、どれほどの賑わいだったのでしょう。
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東屋がありましたが、スズメバチの巣がある(あった)ようで、ロープが張られて立入禁止になっていました。
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そこからもう少し歩くと"西久保の切り返し"の休憩所。渓谷脇のテーブルベンチがいい感じ。
男女別の簡易トイレが一つずつあり、このときは使用可能でした。冬季で使用不可になることもあるので要注意。ここが最後のトイレポイントになります。
一息つきつつ時計を見て気がつく。バスの時間でまであと1時間。しかし、残りのコースタイムは1時間25分・・・あれ?
コースタイムが3時間くらいだったので7:30奥多摩駅着の電車にしましたが、それはバス停「水根」から奥多摩駅に歩いた場合のコースタイムでした。奥多摩駅から歩く場合は3時間40分。
ここからせっかく、唯一の山道に入りますが、ちょっとスピードアップ。バスに間に合わなければ大変大変。
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緩やかな道をガンガン登り、奥多摩湖がチラリ。
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少し前まで山道が一時通行止めになっていましたが、崩れていたのはこのあたりか?土砂が流れた跡があり、鉄パイプがひしゃげています。
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青目不動尊、六石山との分岐を過ぎて奥多摩湖がまた少し近づきました。雲取山から奥多摩駅へ登山道が伸びていますが、むかし道に出ることも可能です。
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犬が吠える民家脇から車道に出て下っていく。二ノ宮金次郎、一休みか。
と、国道を目の前にしたところで、猿に遭遇。ガードレールの上でとてもない威嚇をしてくる・・・ウギャーだかワギャーだか、めちゃくちゃで、ものすごく大きな叫び声を上げ、じわりじわりとこちらに寄ってくる。後退するも、寄ってくる・・・
万一に備え、車道脇の石を何個か拾う。バスの時間まで15分だというのに、ギャーギャーと気が立っている猿に困ってしまいました。上高地とか屋久島の猿ってかわいいな、なんて。
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猿から見えないところで待機していると、叫んだまま国道の方へ移動した様子。叫び声は続いていましたが、無事にバス停「水根」に到着。10分弱時間があったので奥多摩湖へ。
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いいー天気☀︎
広い駐車場にたくさんの休憩スペース。「水と緑のふれあい館」があり、1日20食限定の"小河内ダムカレー"もあります。
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電車を少し早めにして奥多摩湖で少しまったりしてもよかったかも。ポカポカと温かく、のんびりできるいい場所でした。
ということで、奥多摩むかし道はこれにて終了。見どころが多く、説明板を読みながら昔の奥多摩を想像して歩くのが楽しいハイキングコースでした。この日歩いている人はおらず、静かでとても良かったです。紅葉も綺麗なようなので、もう少し色のある季節が一番いいと思います。
とろろが美味い「島勝」
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奥多摩湖からバスに乗り、「留浦」まで来ました。目的は「勝島」でとろろ定食を食べること!このお店も「奥多摩ハイキング案内」で紹介されてあて、とろろ好き、和食好きとしてずっと気になっていました。テレビ東京の深夜ドラマ「絶飯ロード」でも舞台となりました。
現在、お店は11:00〜14:00までで、水・木が定休日。休日は並んでいることもあるそうです。
10:51着のちょうどいいバスがあったので、それに合わせてむかし道を歩きました。開店に合わせて来ている人もいましたね。
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6テーブルくらいのかわいいお店。お箸入れが昭和でいいですね。
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いただいたのはとろろ定食ですが、メニューは他にやまめ定食やそば、うどん、カツ丼、チャーシュー麺などなど。12〜3月は季節限定の鍋焼きうどんもあります。これが、めちゃくちゃ美味しそうでした。
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とろろ定食。ごはんはどんぶり一杯、品数も満足すぎる。和物や漬物は季節によって変わるようです。とろろは卵抜きもできます。お味は・・・
どれもこれもうまーい!!
とろろは弾力がすごくて、味もしっかり。和物もお味噌汁も、一品一品本当に美味しくて。特に、里芋の素揚げにお味噌がかかっているやつがとっても美味しかった◎
奥様が料理担当で、ご主人が運んでくれます。「山登って来たの?」とか、「これね、奥多摩全体の山のやつ」と言って地図をくれたり、とても気さくで優しいご夫婦でした。やまめ定食も美味しそうだったし、鍋焼きうどんもやばかったからまた来たいですね。
お店を出ると入れ替わりで何人か入っていき、愛されているお店のようです。お腹も心も満腹ですが、三頭山へ向かいます。
落ち葉の急登[深山橋-ヌカザス山]
深山橋-ヌカザス山:CT2時間
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留浦から深山橋を渡り、登山口までは1.8km。留浦の前には浮橋があり対岸にも渡れますが、深山橋へ続く道はダムの管理道であまり整備されていないとご主人。
国道を歩き始めると、ここまで乗ってきたバスが折り返してきました。すると、バスが止まり「大丈夫?乗っていく?」と運転手さん。私が降車場所を間違えて、登山口が見つからずにウロウロしていると思ったとのこと。
島勝でごはんを食べていて、深山橋から三頭山に登ると話すと、「あ〜そうなんだ。でも、乗った方が早いから、いいよいいよ乗りな」と。このあたりは自由降車区間にはなっていますが、1kmくらいサービスで乗せてくださり・・・
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「三頭橋渡ったらすぐに道標あるからね」と深山橋で降ろしてくれました。いやはや、なんてお優しい。ありがとうございます。深山橋の先にも食事処が2軒ほどありました。
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橋を渡ると、運転手さんから聞いた通りすぐに登山口。時刻はちょうど12:00。エネルギー満タンでムロクボ尾根を登ります。
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奥多摩湖から登るのは結構急登との情報でしたが、結論、結構急登でした。三頭山は都民の森からゆるゆる登ったことしかないので、季節は違えどこちら側は雰囲気がまた違う感じで。
何より、"落ち葉の急坂"であることがなかなかに。落ち葉が積もりに積もっていてズブズブで歩きにくい箇所もあるのですが、急坂ではズルズルと滑ること滑ること・・・
踏ん張りが必要で、身体を持ち上げようとすると何cmかズルッ、ズルッと落ちる。ソールがほぼなくなりかけているアルトラも悪いと思いますが、通常の急坂よりもエネルギーを使いました。
落ち葉が深く、足を埋めながら歩く
積もりすぎてふかふかの道は砂浜を歩いているような、踏ん張りが効かない感じ。しかしながら、これだけの落ち葉とは、葉の繁る季節はさぞ気持ちのいいことでしょう。
たまに太い枝が隠れていたり、岩があったりするので注意。また、マークが頻繁にあるわけではないので、下を向いて歩いているとちょっとコースアウトしていたり。不明瞭というわけではなく踏み跡もありますが、落ち葉で登山道が隠れている箇所もあります。
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急坂→緩やか→急坂→緩やか→急坂・・・を繰り返して静かにせっせと歩いていると、突然前方でガサガサッ!と何かが動いた。パッと見ると・・・
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カモシカ!!
毛色的にまた猿かと思いましたが、カモシカでした。ずーっと会いたいと思っていましたが今まで一度も出会えず、こんなところで突如現れるとは・・・
本当に、ジーーーっとこっちを見たまま静止。あからさまに近づくと逃げますが、ちょっと逃げてまたジーーー・・・かわいい・・・かわいすぎる。
しばらくして私が動くと、今度はピューンと斜面を下っていきました。
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ムロクボ尾根一番の急坂"オツネノ泣坂"のはじまり。根が蔓延り、土も落ち葉も滑りやすい急坂。下る方が嫌ですね。
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踏ん張りが効かないところはロープに頼りながら。
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登りきると"ヌカザス山"に到着。ここでもう一つの尾根「ヌカザス尾根」と合流です。
避難小屋の夜[ヌカザス山-三頭山]
ヌカザス山-鶴峠分岐-三頭山-三頭山避難小屋:CT1時間35分
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ヌカザス山から先はオツネノ泣坂ほどの急坂ではありませんでしたが、短めの急坂を同じような感じで。
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入小沢ノ峰を過ぎて道は徐々に緩やかに。鶴峠分岐を過ぎて三頭山への最後の登りにさしかかる。
13時を過ぎると太陽は夕方の気配を帯びてくる。冬至を過ぎて日は長くなるけれど、寒さはこれからが本番。白い息を吐きながら今日のラストハイク。
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14:45、三頭山に登頂◎
山頂には都民の森からの男性が1人いましたが、すぐに下山。ムロクボ尾根ですれ違ったのは1人でした。
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冬は初めてですが、季節が違うと山頂の雰囲気も変わりますね。枯れ木の間から見える景色が綺麗。富士山も見えます。
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冷えすぎないうちに避難小屋へ。山頂から10分ほど下った場所にあります。
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立派な丸太小屋の三頭山避難小屋に到着。音も喋り声もしないので、今日は誰もいないよう。
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とても綺麗な避難小屋。詰めれば10〜12人くらい寝られる広さ。土間があり、テーブルも中にあるので寒くても料理がしやすいですね。
小屋の中の温度計は-2℃でしたが、分厚い壁に、二重のドアと窓。テントの-2℃よりも断然温かく、十分な贅沢さ。
トイレは中と外、どちらからもアクセス可能。男性用の小便器と、汲み取り式の和式仕様。トイレットペーパーはありましたが、注意書きに「トイレットペーパー持参は当たり前」との記載。ないこともあると思うので、必ず持参を。
今回は、夏用のシュラフ(モンベルダウンハガー#5)と3シーズンのハーフレングス(モンベルダウンハガー#3)の2枚重ね。ビビィとインナーシーツは持たず、シュラフだけでぬくぬく寝ることに。以前は厳冬期用のシュラフを持っていましたが、重ねればいいやと思い手放しました。
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16:30、小屋前で太陽を見送る。今日は美味しいものを食べて、優しい運転手さんに巡り会えて、カモシカにも会えて、とても充実した1日でした。
明日のロングコースがどうなるか分かりませんが、エスケープルートはたくさんあるので割と楽観的。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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