歩き人たかちです。
なかなか背中に合うULザックが見つからない中、ようやく見つけた私の相棒。
ご紹介するのは、愛用しているULザック
if you have の「hug」
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やっと出会えた自分サイズのU.L.ザック。ロングトレイルのために購入しましたが、今ではこればかり。
製品の詳細情報は、if you have のHPにこれでもかというほど詳しく記載されているので、ここでは実際に使用している上でのお気に入りポイント重視でご紹介させていただきます。
私の悩み…そして出会ったU.L.ザック
私の悩み、それは身長が低いこと。147cm。
"平均サイズ"は、基本的に合いません。
学生時代、アウトドアショップで初めてザックを選んだとき、壁には色とりどりのザックが並んでいましたが、「んー、グレゴリーかオスプレイですね。」と言われました。そのときはオスプレイの34Lを購入し、スペインの巡礼路を歩きました。その後、テント泊用にグレゴリーの43Lを購入。
現在は、女性用の展開も幅広くなり、当時に比べると選択肢が広がっています。
しかし、ULブランドでは男女兼用がほとんどで、背面も小さくて45cm〜とか。
勤めていたメーカーでもそうでしたが、「平均」の需要が一番ある。平均から離れるほど需要は減り、"あるかないか"になっていく。
当時のULブランドをほとんど調べたのでは、というほど調べました。
そして、見つけました・・・
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それが、if you haveの「hug」◎
if you haveの山口貴史さんは、マルチフュエルストーブ「TiMNY」で2014年にデビューしたそうです。ザック「hug」は2017年12月に発売されました。
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見た目は山と道のザックに似ているので、山を歩いていると
「それ、どこのブランドですか?」
「そのザック山と道ですか?」
と何度となく聞かれます。
いろんな方から「かっこいいザックですね〜」とお褒めいただいて、ちょっと嬉しい。
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ネットで見つけた時は発売されたばかりで完売でした。2018年の購入時は発売から1年経っておらず、レビューもほとんどない状態。
HPを読み込み、使用している自分を想像。再販のお知らせがきたとき、ワクワクしながらポチッと。
◎小柄な人にも嬉しい3サイズ展開
私が「hug」を選んだ最大の理由は、背面長の展開が42cm〜であること。
サイズ | 背面長 | 容量 | 重さ |
size 1 | 42〜47 | 37L | 610g |
size 2 | 47〜52 | 40L | 630g |
size 3 | 52〜57 | 43L | 650g |
*現在モデルは、旧モデルよりも重量が30〜40gほど増えています。初期モデルは1:570g、2:600g、3:620gでした。
ザック選びでとても大事な"背中のフィット感"。背中が合っていなければ、肩が痛い、腰が痛い、グラグラする、最悪…と。
if you haveは、ULブランドには珍しく3サイズ展開。女性の背面長の平均が45cmと言われますが、平均−3cmからのスタート。この3cmの差がすごく大事。
size1だと37Lですが、私はアルプスのテント泊縦走もこれで十分。ダブルウォールテントを使用した4泊5日、食料をすべて持った4泊5日もみんなhug。
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1泊2日でちょっと細身。ヘルメットがちょっと出ちゃっている…
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本体の素材はX-PAC。フロントとサイドポケットはCORDURA500、底部はCORDURA1000。強度は十分です。
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生地が薄いと擦れによる破れのリスクが高くなりますが、前面と底部の生地強度が高いので、岩陵帯やハイマツの藪漕ぎでも安心感があります。強度のある37L、570g(旧モデル)。十分な軽さではないでしょうか。
◎「hug」されているような背負い心地
一番の特徴は、「hug」いう名前の通り"背負い心地"です。
試着できる場所がなかったので背負い心地に関しては一か八かでしたが、背負ってみるとびっくり。
背中にピタッとフィットして、本当に「抱きつかれている」感じ。小さい子が大人にピタッとくっつく感じ。フレーム類はありません。
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中のパッドが良い働きをしているようです。なんだか不思議なパッドで、初めての感触。すごく軽いけど、硬さのある素材。
発泡スチロールを少し硬く、しっかりさせたような。でも、これがなんだかしっくりくるのです。
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「背面パッドは多少硬さがあった方が背負いやすい」ということで、適度な硬さのものが採用されています。厚さは実寸8mm。
背負っているうちに、背中のカーブに合わせて自然に変形していきます。購入時はまっすぐシャキーン!としていましたが、今では私の背中の形になっていて、時が経つにつれてフィット感が向上。
フレームを取り出して、背中のカーブにちょっとずつ合わせて…なんていうものより断然良い。
入れるときは向きを間違えないように。
硬さのある素材ですが、パッキングを適当にやると背負い心地が悪くなります。一度クッカーの向きを間違えたまま背負ってしまい、パッドが変形していました(元に戻ります)。
「背面パッドはマットにできます」というULザックが多いですが、これもサブマットとして使えます。足元の付け足しで使用。
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背面の生地は波打った形状。
特殊な「3Dメッシュ」が採用されています。ぴったりとハグされる分、少しでも空気を通して蒸れを軽減するための構造。
しかし、私はその微妙な感覚に疎いので、オスプレイとかドイターみたいにがっつりとした空間がないと涼しさは感じません。なので、蒸れます。しかし、それは他のザックでも同じなので、致し方ないかなと。
最初のオスプレイは背面が空いたザックで、振り返ると、夏場にあの構造はやはり快適だった。
少し気になったのは生地が汗を吸ったときの臭い。他のザックに比べると、少々臭いやすいかもしれません。汗と化繊独特の臭いが混ざったような感じ。
お遍路中、宿泊まりの日はしっかり拭いて乾かしていたので、「臭い」「不快」という程ではありませんでしたが、夏のがっつり汗をかく縦走になると、ちょっと気になるかもしれない。
ミョウバン水をかけながら縦走してみましたが微妙で(自分のつくったミョウバン水がダメだったのかも)。アルコールが臭い消しとして結構効果があり、コロナ禍になってからテント場でシュシュっと吹きかけています。
最近気になっているのは「A2Care」という、除菌消臭スプレー。空港や機内でも使用されているものです。
芳香成分の入った消臭剤は臭いを包み込む作用ですが、A2Careは菌そのものを除去してくれるということで、効果が長持ち。アルコールフリーで、さまざまなものに使用できるようです。
夏場は使用後にザックを水洗い。長めの縦走で汚れが酷いときや、シーズン終わりには中性洗剤で洗います。
吹き上げて、乾かして、終了!というときは、こういうスプレーが役立つと思います。
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◎ザックを覆うショックコード
ザック本体は、ショックコードで覆われています。ボトム、サイド、トップの3ヶ所でギュッとコンプレッションさせて、荷重のバランスを調整する仕組み。
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3箇所にコードロックがあり、ボトムから締め上げて最後にトップで調整。荷物が少なくても、中身が揺れることなく背負えます。ショックコードは自分で交換できるとのこと。
四国の山歩きからのお遍路で50日ほど連続で使用しましたが、故障箇所はなし。
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一番細かく調整していたトップの肩の部分は少しモケモケしてきましたが、まだまだ大丈夫そう。
普段の山行と合わせて100日以上使用しましたが、耐久性のあるコードが採用されており、3年以上経ちましたが問題なし。購入前はヘタリが心配でしたが、現在は信頼に変わっています。
どのザックにも共通のことですが、背負うときに片方のハーネスだけで持ち上げてしまうと生地に負荷がかかり、壊れる原因になります。ベンチなどに置いた状態から背負う、あるいは、背中のループを持って一度膝に置き、片腕を通して背中に回す、そしてもう片方の腕を入れる、といった背負い方をすると長持ち。
コードがビヨーンと伸びるとちょっと心配になるので、ガツガツ使ってはいますが、他のザックよりも優しく扱ってはいます。
使い始めの頃は、10kg程度の荷物を入れると、「なんかグラグラする」「肩のコードがなんか緩む」という感覚がありました。ゴムだから?と思いましたが、私の調整が下手だったようで。HPを再度見て、少しずつ扱いに慣れていきました。現在、その感覚はありません。
ショックコードの一番のお気に入りポイントは、バックルを外さなくても、コードを横に外すだけで中身を取り出せるところです。
これ、非常に便利。
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バックルはそのままで。
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コードを外せば…
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パカーッ!
バックルの取り外しは割と面倒ですが、あーしまい忘れた、あー出し忘れた、となっても苦にならない。
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ソーラーパフも取り付けやすい。でも、こうするとバックルを外さないと中身へアクセスできない。
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底部のショックコードは片方に2本。スリーピングマットや寝袋などを外付けできます。前面に加え、底部のコードにもフックのパーツが付いていて、幅の狭い小さめのものも外付けできます。
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蛇腹の折り畳マットのときは前面に。ロール式のマットは底部に。幅の狭い登山道を歩くときは、ロール式も前面に縦に取り付けたりと、その時々で自由に。
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ショックコードの左右の輪がヘルメットを付けるのに丁度良かったり。お遍路では笠を被らないときに外付けしていました。
ヘルメットの外付けは専用のホルダーがいいと思いますが…
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このショックコードには無限の可能性というか、何通りもの使い方がありそうなので、工夫次第で非常に使い勝手がよくなると思います。
ストックやピッケルも固定できるし、スノーシューもOK。一年中大活躍のhugです。
◎テントはサイドポケットにすっぽり
3つ目のお気に入りポイントは、大きなサイドポケット。
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大きいです、ほんと。ペットボトル2本は余裕。これにテントのポールを入れて丁度良いくらいでした。背負いながら取り出せる距離感、高さなので、ストレスもありません。
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中に調節のコードが隠れていて、ギューッと締められます。
お遍路で軽量なテントを使い始め、理想は「テントをサイドポケットに入れたい」でした。
サイドポケットに収まれば撤収がめちゃくちゃ楽になる。フロントポケットでもいいのですが、とにかく、テント内でパッキングを完璧に済ませて外へ。テントをサイドポケットにサッとしまって完了!にしたかったのです。
また、サイドポケットや前面ポケットにテントを入れておけば乾燥もスムーズ。
濡れたテントはテント場ではなく休憩中に乾かすことが多いので、サイドポケットにあれば中をガサゴソする手間もないし、面倒でもない。
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ダブルウォールは厳しいですが、軽量なシングルウォールであれば収まります。
軽量テントはモンベルの「U.L. ドームシェルター1型」を使用していますが、すっぽり。スタッフバッグは、モンベルのステラリッジ1型のを使用して、出し入れにゆとりを持たせています。
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南アルプス南部4泊5日。雨が降っていてもギリギリまでテント内でパッキングし、手早くテントを撤収。
◎小さなお気に入りポイント
[ 必要最低限のヒップベルト ]
私自身、ヒップベルトが頑丈すぎると逆に体系に合わないことが多いので、最低限の方がしっくりきます。
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このコンパクトさと薄さがちょうどいい。必要十分で、しっかり包み込んでくれます。
ヒップベルトは別売です。8kgくらいまでならなくても大丈夫とのことですが、私としては8kg以下でも欲しい。57gでしっかり固定してくれるので、ある方が断然歩きやすいです。
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取付方法は、ヒップベルトとザック側の腰部分にパーツを通すループが付いているので、そこに通すだけ。
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パーツを通して、カチッとロックして完了。
[ ショルダーハーネス ]
薄すぎず、厚すぎず、ちょうどいいショルダーハーネス。厚さは10mmで、少し硬めの素材。内側はヒップベルトと同じメッシュ。
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ショルダーハーネスの幅は、一番太い部分で約7cm(サイズによって形状が変わります)。山と道のmini2(旧モデル)と同じような幅でした。
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緩やかなカーブを描き、肩だけでなく、胸の方まで荷重を分散してくれる仕様。
ショルダーハーネスは、形状によって首の付け根に当たったり、パッドの厚さで曲線を描きにくく隙間ができたり、「なんかしっくりこないなー」ということがあるので、試着できるのならした方がいいです。人によっては、もう少し細い方が好きかも…となるかもしれません。
付け根から少し離れた部分からパッドが始まり、必要十分な厚みなので背中から肩へと自然な曲線を描いてくれます。
[ 各お部屋 ]
中はシンプル。どんどん詰め込むタイプ。
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アウトドアを始めた頃はザック前面にU字型のジッパーが付いていて、中間や下にある荷物を取り出せるタイプが便利だと思っていました。
しかし、今は断然シンプルな方が好みです。結局パッキングが上手くできていれば、途中で中間から荷物を出すということはないし、雨蓋式のようにアクセスが面倒でもないので。
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小物を入れるポケットなどはありません。カラビナループは背面パッドを入れる場所にちょこんと付いているので、車のカギなど絶対失くしてはいけないものはここへ。
HPの注意事項にもありますが、ハイドレーションには対応していません。私はボトル派なので問題ないのですが、ハイドレーション派の人は要注意。
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フロントポケットも大きいです。テントのインナーシートやら、ソフトボトルやら、ウィンドシェルやら…たくさん入ります。サイドポケット同様、内側のドローコードでしっかり絞れます。
[ チェストストラップ ]
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チェストストラップは、スナップボタンで取り外して高さを調整できます。
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ポイントはストラップの片方(写真右側)がゴム仕様になってるいこと。
両方ナイロンテープで作られているものが多く、なんか窮屈であまり好きではありません。しかし、片側がゴムだと身体の動きに合わせて伸び縮みするので、締め付けは柔らかい感じ。これがまたしっくりくるのです。
最後に
「hug」という名前に負けないように、とにかくフィット感を重視した作りになっています。実際に使用してみて、その背負い心地には驚きました。
もちろん、個人差、好き嫌いはありますが、自分にこんなにフィットするザックがあるのかという衝撃。
従来のしっかりした作りのザックが合うか、UL系のシンプルなザックが合うか。これは、使用してみないとわかりません。どちらがいいというわけでもなく、メリット、デメリットは両者ともにあります。
私は、少なくとも背中と腰周りに関しては、フレームやパッドがしっかりした従来型のものよりも、簡素なUL系のものの方が身体のラインに沿ってしっくりきます。
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hugを使い始めてからはhugばかり。他のザックはお蔵入り…。こんな風に、道具がどんどん取捨選択されていく。
ULを広めた立役者でもある、ハイカーズデポの土屋智哉さんは「まずは重量を大幅に減らせる大きなものから見直すべき」と話しています。オスプレイとグレゴリーのザックは1.2〜1.4kgほどあるので、600〜800gの軽量化。
ULザックをお考えの方はif you haveの「hug」も、ぜひチェックしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうござました。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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