歩き人たかちです。
2014年の屋久島をきっかけに、山歩きの人生が始まりました。そして同じ年、スペインの巡礼路(カミーノ)でロングトレイルに魅了されアウトドア業界へ。
屋久島では山屋の伯母に全身の装備を借りて、靴と寝袋は要らないというものをいただいてGO。日本の森はこんなに美しいのか!と、衝撃を受けて帰宅。それから自分の装備を少しずつ揃えていきました。
現在の装備になるまでは紆余曲折あり、1泊2日の小屋泊まりで10kg、テント泊では15kg近く背負って疲弊したことも多数。今の装備が100%ではないですが、登山道具の歴史を振り返ってみました。
登山靴:ミドルからロー
一番はじめの登山靴はいただきもので、モンベルの「ワオナブーツ」。
出典:Yahoo!ショッピング
足のサイズも特に測らず、「23cmなら大丈夫っしょ」というノリで(測ってからは22.5cmの靴)。
合う、合わないなど考えず"登山靴だからOK"という感じ。履き方も何も知らないまま出発しました。痛みもなく問題なかったものの、無知とは恐ろしい。
出典:SPORTS AUTHORITY
そして、スペインの巡礼路を歩くために購入したのは、KEEN「PYRENEES(ピレニーズ)」。
選んだ理由は、デザインと名前。クラシカルなレザーっぽいデザインが気に入り、ピレネー山脈越えから始まる巡礼路にぴったりだ!という、しょーもない理由だけで選びました。
屋久島から成長した点は、エルブレスでちゃんと試し履きをしたこと。しかし、足のサイズは測らずやはり23cmで(屋久島で問題なかったから)、他にもっといいやつがあるかもとは考えず、これしか試着しませんでした。
それでも良き相棒で、学生の間はこれで1500kmくらい歩いて履き潰しました。ところどころ破れてソールもツルツルですが、耐久性は割と良かったですね(メンテナンスはほとんどしていない)。
そして、アウトドアメーカーに就職し、初任給を握りしめて買いに行った登山靴がgoro「ブーティエル」。オールレザーを自分で育てることに憧れていました。それに加え、右足だけ外反母趾気味で、メッシュ以外の靴は側面に当たって痛みを感じるものが多いのです(上記2つは運良く痛くならなかっただけ)。
goroでは既製品の形を少し変える"セミオーダー"ができると知り、相談も兼ねて訪れました。
足のサイズはもちろん、幅や周囲長を細かく計測し、自分の足の特徴を教えていただきました。足を見ただけで歩き方の癖や選びがちな靴まで当てられて、プロってすごい・・・と思うと同時に、はじめて自分の足と向き合った日になりました。
踵の形を合わせてもらい、骨が出ている右足の小指部分をちょっとだけ広げてもらい完成(当時は2〜3ヶ月の納期でした)。決して軽い靴ではありませんが、"自分の足に合った靴を履くと軽い"ということを学びました。「思ったより軽いでしょ?」と言われましたが、手で持ったときの重さと履いたときの重さの印象がまるで違う。下山後は心を込めてメンテナンス。
ローカットを履くようになってからは出番が少なくなりましたが、低山からアルプスの岩場まで、あらゆる山を一緒に歩いてきた頼れる相棒。少し雪が積もった初冬の低山などでは活躍しています。
「既製品の靴はどうも合わない」という足の悩みをお持ちの方は、一度お店を訪れてみてください。
goro
出典:Amazon
ローカットのはじめては、サロモン「XA PRO 3D」。会社の先輩と八ヶ岳の全山縦走(スピードハイク)を計画し、石井スポーツのお兄さんに相談して購入したのがはじまり(アウトドアメーカーに勤めていましたが、自社製品は合わなかった)。
それまでは"登山靴は防水"という意識でしたが、スピードハイクの観点から蒸れや通気性を重視して非防水を勧められました。そして、「蒸れにくくて快適!非防水いいな!」と、ここで学ぶ。
また、サロモンの"クイックレースシステム"の虜になり、履き潰すごとに同じモデルを購入。さらに、同じモデルの防水仕様「XA PRO 3D GTX」も追加して、ミドルカットの出番がどんどんなくなっていくことに。
ちなみに、サロモンの「X ULTRA」や「SPEEDCLOSS」も試着しましたが、踵がパカパカして自分の足には合わず。「X ULTRA」は特に、同じような形に見えますが、やはり履いてみないとわかりませんね・・・
そんなサロモン時代を経て、気になっていた"ベアフット・ゼロドロップ"デビューへ。アルトラ「ローンピークオールウェザーロー」を選びました。詳しくは記事をご覧ください。
5本指ソックスが好きですが、それとの相性が抜群。足元が"新感覚"で、新しい山の歩き方を発見した気持ち。足の指までしっかり使って、動物本来の歩行を感じます。長めの縦走を考えて防水にしましたが、結果的には非防水でよかったかなと。
穴が空いても履き続け、1000kmほど歩いてさすがにソールがツルッツルで穴が空きそうだったのでさようなら。この春に新しく購入したものは・・・
アルトラ「オリンパス5」
ゼロドロップのモデルではありませんが、厚めのソールを試してみたかったので。オリンパスに関しては、また改めて。
靴の歴史はこんな感じ。メンテナンスが楽な化繊のミドルカットを1足買おうと思ったこともありますが、ローカットがメインになったのでやめました。ローカットも、ベアフットに慣れてしまうとあんなに溺愛していたサロモンにもちょっと違和感を持ったりして(特に防水モデル)、これからもベアフットモデルが中心になると思います。
ーー ベアフットのトレイルシューズ ーー
◾︎ ALTRA
◾︎ Topo Athletic
◾︎ Vivobarefoot
◾︎ pentapetala
◾︎ XEROSHOES
「pentapetala」は、100マイルを走破するための0ドロップシューズを開発しているブランド。現段階では25.0cm〜のつくりしかなく、入手も困難ですが、いつか小さめサイズができたら試してみたいです。「XEROSHOS」はサンダルを検討中。
中・大型ザック:頑丈からシンプル
ザックも屋久島のときは借り物で、モンベルの何か。調節の仕方は一切知らず、荷物がそこまで重くなかったこともあり適当に背負っていました。山のことは何も知らなかったので、縄文杉1泊2日のツアーに参加。ガイドさん含め5人のとても愉快なツアーで、テントや食料をみんなでわけわけ。しかし、パッキングもまあ、めちゃくちゃでしたね。
そして、カミーノのために自分のザックを購入。オスプレイ「シラス 36」をチョイス。
チョイスというか、エルブレスの店員さんに背面長を測ってもらうと「んー、オスプレイかグレゴリーですね」とのこと。カラフルなザックが所狭しと並ぶ中、私は2択。女性用は他のメーカーにもありましたが現在ほど充実しておらず、背面長38〜40cmくらいのサイズから展開されているのがオスプレイとグレゴリーでした。
「シラス 36」を選んだのは、背中が涼しそうだったのと、2気室が使いやすそうだったから。毎日30km前後歩く中で、この背中の風通しの良さはとっても良かったです。背中が暑いと感じたことはほとんどありません。
ただ、このタイプは背中が沿った形状をしているため、クッカーなどの硬いものをパッキングするときはちょっとガチャガチャします。カミーノにはカップしか持っていきませんでしたが、のちにクッカーを買ったときに気になりました。
王道の雨蓋式で、U字型のジッパーにより前面がガバッと開く仕様。気質を分ける部分にはジッパーがついており、1気質・2気質は自由に変えられます。はじめは2気質が使いやすそうと思いましたが、結局ほとんど1気質で使っていました。2気質にするとパッキング時の隙間ができやすく、形がなんか歪なのです(歪というか、なんか気になる感じ)。前面が大きく開くので、2気質である必要もないなと思いました。
テント泊をはじめるまでは、このザックでいろいろ旅しました(バックパッカーに憧れていた)。内側のコーティングやスタビライザーに破れがあるものの、まだ使えます。思い入れのあるザックなので、出番はほぼないですが捨てるに捨てられない子。
そして、テント泊をするために購入したのは・・・
グレゴリー「アンバー44」
このときもやはり、オスプレイかグレゴリーで選びましたが、今度はグレゴリーにしてみようと。「ブラックのザックかっこいい!」という感じで。
オスプレイと違い、こちらは背中に隙間がほとんどない。背面は厚めのパッドで覆われ、腰ベルトも頑丈。これでテント泊も安心だと思いましたが、実際の第一印象は「背中が暑い・・・!!!」ということ。背中が暑いザックの方が断然多いですが、最初のザックがオスプレイということもあり、はじめは蒸れが気になって気になって・・・
山小屋泊やテント泊はこれを中心に使っていましたが、44Lあるがゆえ、無駄なものもあれこれと(何を入れてそんなに重かったのかはわからない)。山小屋1泊2日で10kg近くあったり、テント泊になると15kgくらい。
上高地から初めて表銀座を縦走したときは、2泊3日のテント泊で15〜16kg。それでも軽いという人もいるかもしれませんが、私にはなかなかの重さでした。歩けど歩けど姿を現さない槍ヶ岳に、照りつける直射日光。槍沢を過ぎてからの体力消耗が激しく、ひぃひぃ言いながらの1日目。
「槍ヶ岳はどこにあるんだー!!」
と、ガレ場にザックを放り投げて顔を上げると、目の前に槍の穂先がどどーん!と聳えていてポカーンとなった。それで元気を取り戻したものの、憧れの槍ヶ岳山荘までは辿りつけず、手前の殺生ヒュッテで肩と腰の限界(槍ヶ岳山荘までの最後のガレ場を見て心が折れた)。17時頃の静まり返った槍の穂先は至福でしたが、今でも鮮明に覚えている苦しい登山。
そんな思い出もありますが、徐々に背面のパッドと腰ベルトに違和感が。痛くなりはじめるのが早くなっていきました。オスプレイで痛みを感じることはなかったので、「もしかして、しっかりしたパッドが自分には合っていないのか?」と思うように。オスプレイの背面はただのメッシュで凸凹は何もない。腰ベルトもグレゴリーは頑丈だけど、オスプレイは薄めで柔らかい。
ちょうど"U.L."に興味を持ち始めていたので、調べに調べて見つけたものが・・・
if you have「hug」
思いきって購入した軽量ザック。詳しくは下記をご覧ください。
凸凹した背中のしっかりパッドはなく、腰ベルトは薄くてとても簡易的(腰ベルトはオプション)。しかし、これが驚くほど自分の身体に合っていました。
頑丈なザックの背面や腰ベルトは負担をなくすためにいろいろ考えて開発されていますが、それが必ずしも合うわけではない。もちろん、背負える重量はそれだけ多くなりますが、身長147cmで需要が極端に少ないサイズ。何もない方が逆に楽だったのです。
*2022年に短期で山小屋バイトをしましたが、久しぶりにグレゴリーを使いました。シャンプーなどもあって「hug」では小さかったので。結果、やはり肩と腰が痛くなりました。尾瀬だったけど・・・
そんな経緯で「hug」を愛用して5年ほど。背中の蒸れに対する快適さはオスプレイが断トツですが、反っている形状になっていない限り、これを解決するのは厳しいですね。諦めています。
しかし!軽量なザックでもあるのです。
出典:Zpacks
Zpacs「アークブラスト」
アメリカのガレージブランド「Zpacs」。背中が涼しいだけではなく"反り具合を調節できる"という優れもの。寒ければ真っ直ぐのままで、暑ければ空間をつくるという神ザック。背中が涼しい軽量ザックがほしい!という人にはぴったりですね。
残念ながら小さいサイズでも背面長は43cm〜で、海外のガレージブランドということで体格の問題もある。自分にはおそらく合わないでしょう。しかし、背中が涼しい軽量ザック、欲しいですね・・・。日本では未販売なので直輸入になります。
Zpacs
現在、ニュージーランドのロングトレイル"テアラロア"に向けてザックを新たに検討中。
◾︎ オガワンド「OWN」
◾︎ ULA Equipment「CDT」
◾︎ ハイパーライトマウンテンギア「Junction 2400」
候補は上記のあたり。今のところオガワンド「OWN」に傾いていますが、もう少しじっくり考えます。
おまけに、日帰り用ではL.L.Beanのアタックザックみたいな超簡易的なものからはじまり、OMM「classic 25」へ。OMMはさすがトレラン仕様、背負い心地と使い勝手がとても良かったです。
現在は山と道「MINI2」をメインにしていますが、もう一回り小さいサイズのザックがほしいなと。今は優先度が低いので眺めているだけですが、気になっているのは下記ザック。
◾︎ Pa’lante「ultralight」
◾︎ OMM「phantom 25CL」
◾︎ ZimmerBuilt 「Pika Pack」
◾︎ Gossamer Gear「Minimalist」
テント:ダブルからシングル
荷物を軽くするならば、大型のものを。テントは、ダブルウォールの安心感から抜け出して、シングルウォールの楽さへと移りました。
旧型なので、レインフライ、本体、ペグ、張り綱を合わせて1.4kgほど。はじめはグランドシートも使用していたので、テント一式で1.5kgほどありました。現モデルは生地が薄くなり、吊り下げ式。300〜400gほど軽くなっています。
「山岳テント = ダブルウォール」という意識だったので、ダブルウォールに対しての不満は特にありませんでした。それよりも"グランドシートの面倒臭さ"をどうにかしたかった。撤収時、結露と砂でぐしょぐしょになりがちなグランドシート。雨が降ろうものならもうドロドロで、別でビニール袋に入れたりして・・・めんどくさっ!!
気にしない人は気にしないと思いますが、気になっちゃいました。あまりにもドロドロのときは、出発前に水場で洗い流したことさえあります。ということで、まずグランドシートをやめました。
フロアの保護のために使用した方がいいとは言いますが、個人的に使わなくても問題ないなと(テントのご案内で売っていたくせに)。フロアの生地厚にもよりますが、別にそんなヤワではないし、何より撤収時のストレスがなくなりました。
グランドシートを使わない代わりに、テント内にSOLの「エマージェンシーブランケット」を敷いています(結露対策)。緊急時にはもちろん、シートとしても使えて一石二鳥。エマージェンシーシート特有のガサガサ音が少なく、何度も使用可能なのでその点がとてもいい。
そして、お遍路を歩くことを機にシングルウォールを検討。悩みに悩んで選んだのは、モンベル「U.L. ドームシェルター1型」。詳しくは記事をご覧ください。
ステラリッジに比べ、重量は約半分の780g。軽いのはもちろん、設営、撤収、メンテナンスが圧倒的に楽。結露も慣れてしまえばなんてことないし、前室がないことにも慣れる。「シングルって〜」と、いろいろ言い訳していましたが、使ってみたらどうってことなかった。
現在は低山から高山までこればかり。ステラリッジがどんどんお蔵入りに・・・それほどテントの重さが負担になっていたことを実感しました。帰宅後も、洗う生地が1枚だけという幸せ。ただ、ダブルに比べるとやはり寒いので、気温がマイナスになる場合はステラリッジを引っ張り出したりします。体感は人それぞれですが、-5℃でドームシェルター+3シーズンシュラフ+ペラペラになった化繊のインシュレーションで寝たときは寒かったです。
そして、今年新たなテントを購入しました。これもテアラロアを見据えてですが、選んだのは・・・
ZEROGRAM「Thru Hiker 1p 」
アウトドアギアで韓国のブランドは初めて。レビューが少なくて相当考えましたが、使ってみようかなと。
日本と同じように雨が多く、湿度の高いニュージーランド。日本とは逆で冬に雨が多く、夏の方が湿度は低いのですが、寒暖差が激しい。「1日の中に四季がある」と言われるほど天気もコロコロ変わります。夏でも朝5℃くらいになったりするし、結露は日本以上でしょう。
乾燥したトレイルを歩くなら「U.L. ドームシェルター」でいいし、なんならツェルトでいい。テアラロアをツェルトやワンポール、シングルウォールで歩いている人ももちろんいます。しかし、睡眠はしっかり取りたいので、天候や風、湿度を考えての選択。ステラリッジにしようか悩みましたが、スリーブ式面倒だわ・・・とね。
もっと軽いダブルウォールもある中でゼログラムを選んだ理由は、"結露が圧倒的に少ないモノフィラメント"がどんなもんかと。何ヶ月も歩くので、どうせダブルウォールにするならちょっと異端児というか、快適なものにしようと。今季日本でも試してみたいと思います。詳しくはまた後日。
ZEROGRAM
出典:Nordisk
軽量なダブルウォールとして他に気になったものは、ノルディスク「Lofoten 1ULW」。ダブルウォールで500gという、とんでもない軽さ。その代わり犠牲になるものはもちろんありますが、気になります。
Nordisk
出典:イワタニ・プリムス
ニーモ「ホーネットエリートオズモ1P」
ダブルウォールで657g。Y字フレームはすべて繋がっており、半自立式。設営も撤収も非常に楽だと思います。インナーがメッシュで、ニーモはフライも短めなので通気性は抜群。このタイプも結露は少ないと思います。ただ、寒さはちょっと犠牲になる。そして、人気すぎて在庫がない。ニュージーランドの風なども考慮して、諦めました。
ニーモ「ホーネットストーム1P」
こちらは760gのダブルウォール。同じような構造ですが、インナーはメッシュではないためエリートオズモより重量があります。
イワタニ・プリムス
シュラフ・マット:底身長を活かす
睡眠に重要なマットとシュラフ。マットは特に、「クローズドセル→インフレータブルマット→エアマット→クローズドセル」と一周しました。マットに関しては記事をご覧ください。
シュラフは最初からずっとモンベル。屋久島のときに伯母からいただいた寝袋は「ダウンハガー800 #5」でした(レギュラーサイズ)。夏用の薄いモデルですが特に問題なく、「これで十分なんだ」と屋久島で思いました(これが間違いだった)。カミーノでは巡礼者用の宿に泊まるため、#5で事足りました。
カミーノ中、とある宿で「洗濯機使うなら寝袋も洗っちゃいなさい!」と、宿を管理している方が素早く私の寝袋を洗濯機に突っ込みました。アウトドアの知識が浅かった私ですが、さすがに「えーー!」とあたふた。
そのまま乾燥機にかけられて、戻ってきた寝袋は生地がなんかザラザラに。使い続けて、洗濯を繰り返すと生地の光沢は徐々になくなっていきますが、どんな洗剤を使ったのかもわからないし、ショックでしたね。
そんなこともあったし、レギュラーサイズが自分には大きかった(無駄に長い)ので、"温かさはこれで十分"という勘違いをしたまま、同じく#5のレディース用を購入。
夏用を3シーズン使っていましたが、晩秋にもなればやはり寒い。ダウン上下を着込みながら使っていたものの、11月初旬の雨飾山でのテント泊では、さすがに寒くて寝られませんでした。なぜ"#3"ではなく"#5"にしたのかと後悔。高山や秋のテント泊の寒さを知りませんでした(9月下旬の涸沢は大丈夫だった)。
現在は#3を使用しています。私自身あまり寒がりではないため、"#3"でも特に問題ありません(限界温度2℃)。寒ければインナーシーツやエスケープビビィを足して対応。
しかし、このモンベルの"#3"はとても微妙な温度域であるとお聞きしました。真夏でも、高山では寒いと#2を選ぶ人が増えているようです。
3シーズン用なので、1個目のシュラフとしては大体"#3"を勧められると思いますが、寒がりという自覚がある場合はじっくり考えた方が良さそうです。
シュラフ自体をワンランク上げるか、インナーシーツやシュラフカバーを併用するか。
そして、ずっと#5でやり過ごしてきましたが、数年前にようやく新しいシュラフを。モンベル「ダウンハガー800 ハーフレングス#3」。これも詳しくは下記記事にて。
これを選んだ一番の理由は、"身長が低く、肩までダウンに覆われるから"です。#5と同じような重さでワンランク上の温かさを得られる。身長の低さはネックになることがほとんどですが、これに関しては恩恵を受けています。
ただ、広げて掛け布団のようには使えないので、暑さを感じるときはちょっと不便。現在は、キルトタイプに惹かれています。
クッカー・火器:自分に合う火は?
火器とクッカーに関しては、変化があまりないのですが・・・
出典:naturum
はじめてのクッカーは「山クッカー 角型2」。角型2は現在廃盤で、フライパン付きの「山クッカー 角型3」のみ販売されています。
「四角いクッカーがパッキングしやすいよ〜」
「インスタントラーメン茹でたり、お湯を注ぐのに四角いと便利だよ〜」
ということで、こちらを。誰かと山に行くときは大きい方を、ソロなら小さい方を、キャンプなら2つ、という感じで使っていました。重量は特に気にしておらず、確かに丸よりも使いやすいなと。
その後「メスティン超便利だよ〜」と聞いて、トランギア「TR-210 メスティン」を購入。
固形燃料で放ったらかし炊飯できるし、焼きも蒸しもできる。さらに"オーブンOK"なので、パウンドケーキを焼いてそのまま山に持って行けたりと、とにかく便利です。DAISOのメスティンが一時期話題になりましたが、そちらはオーブンNG。オーブン調理をしたい人にはトランギアがおすすめです。
山でも生米派なので、今はメスティンばかり。「山クッカー」は次第に活躍の場がなくなり、人に譲りました。メスティンならラーメンも食べやすいし。シェラカップと上手く使い分けながら現在に至ります。
そして、海外ロングトレイルで検討しているクッカーは、Evernew「MP500 FLAT」。お米を炊くことがほぼない海外では、メスティンはただ大きくて重いだけ。お湯沸かしを中心にしつつ、ラーメンやパスタが食べやすいクッカーが必要だなと。
エバニューの「Ti MUG POT 500」の方は、専用ゴトクとの相性を良くするため底部に段差があります。その段差をなくして汎用性のあるモデルとして登場したのが「MP500 FLAT」。ガスバーナーと合わせるならどちらでもいいと思うのですが、固形燃料が好きなので、どんなゴトクでも合うようにフラットなモデルで考えています。良いと感じている点は以下。
◾︎ 持ち手と蓋の取っ手が熱くならない
◾︎ メモリがある
◾︎ 蓋に湯切りの穴がある
◾︎ 注ぎやすい(珈琲はドリップ派)
◾︎ 550mlが絶妙(110のガス缶入る)
◾︎ 鍋としてもカップとしても◎
TOAKS「Light Titanium Pot 550ml」も良さそうですが、こちらは持ち手などが熱くなります。重さが大して変わらないなら、シリコンと注ぎ口がある方にしようかなと。
ガスバーナーはSOTO「ウィンドマスター SOD-310」をずっと愛用。すり鉢状で、風に強いところが◎。4本ゴトクは別売りですが、安定感が全然違うので4本がおすすめです。
バーナーに関しては、プリムスとSOTOが2強かなと。ウィンドマスターに不満はないので、たぶん壊れても同じものを買うと思います。ただ、プリムスはガス缶の種類が分かれており、完全な寒冷地用もあるため雪山ではプリムスの方が心強いと思います。加えて、プリムスのガス缶はどこに行っても大体販売していることが強み。SOTOのガス缶があるかどうかはちょっと賭け。自己責任で売っているガス缶使いますが。
ガス缶高いな・・・
ガス缶捨てるの面倒だわ・・・
と思って購入したのは"固形燃料"。王道のエスビット「ポケットストーブ」でした。開く角度を変えられるので、メスティンでもシェラカップでもそのまま乗せて使えます。
一番最初は専用の固形燃料を使いましたが、クッカー底部に煤がつきます。底を拭き取ると真っ黒・・・面倒だし、燃料も割高なので、旅館で使われている青い固形燃料に変更しました。アルミホイルのゴミは出ますが。
Amazonで安く買えるし、これ一つでちょうどよく炊飯できるのでとっても便利。煤もつきません。湿気る前に使い切る必要がありますが、夏場はほとんど固形燃料なので、春に購入して9月頃使い切るようにしています。寒いと固形燃料の火力ではちょっと足りないので、晩秋〜冬はガスバーナーと使い分け。
固形燃料とアルコールストーブ、どちらが使いやすいのかな?と、トランギア「アルコールバーナーTR-B25」も使ってみました。しかし、自分にはいまいちアルコールストーブが合わず。というか、たぶん使い方がヘタ。なんかあたふたしてしまうのです。慣れだと思いますが、燃料漏れを心配するのも面倒だし、固形燃料の方が必要量がわかりやすいと思ってアルコールストーブはいじらないことに。
せっかく固形燃料で軽量化するなら燃焼台をもうちょっとコンパクトにしようと、100均のアルミの受皿と風防(兼ゴトク)だけにしてみたり試行錯誤(高さを出すためにいい感じの石を探す)。しかし、カップやシェラカップのように底の直径が小さいものが乗らない。小さい網を使ってみたりしましたが、しっくりこない。
固形燃料のいいゴトクないかな〜と探して、自分にピッタリであろうものを見つけました。
Trail Hut「Q(quadruped) 45」
4本柱で、マグカップもしっかり乗る。まさに求めていた形状です。縦走で試してから、また詳しく綴りたいと思います。
Trail Hut ONLINE STORE
小物:ヘッドランプ
小物だとヘッドランプ。屋久島用にエルブレスで適当に買った(何もかも適当に買いすぎですね)、「Energizer(エナジャイザー)」というもの。Amazonで安く売られていました。
買い替えたいと思いつつ、壊れなかったのでそのまま使っていました。何ルーメンなのかもよくわからないのですが、おそらく200ルーメン前後。しかし、昨年ついに本体がパキッと割れた・・・念願の買い替えです。
迎えたのは、PETZL「ビンディ」。ついに自分もPETZLユーザー。
ヘッドランプの購入にあたり、悩んだ点は"電池式 or 充電式"。これからは充電式が主流になっていくという中で、はじめは電池式にしようと思いました。万一を考えると、アナログな方がいいのかなと。
しかし、思いきって充電式に。予備電池の持ち歩きが面倒というのもそうですが、私の場合、夜間の行動を積極的にはしません。できる限り景色を見て歩きたいので、夜明け頃か、明けてから歩き出すことが圧倒的に多いのです。夜間行動は日の出を見るためか、1日の行程がえらく長いとき。つまり、ヘッドランプ自体大して使わない。そんなことで、充電式にしました。詳しくは、山で使ってから。
ちなみに、電池式で検討していたのはマイルストーン「MS-A6」。単三電池1本という手軽さに惹かれました。あとは、"赤色LED"があること。テント場でも、小屋でも、白色は人に迷惑をかけやすい(自分も当てられると、うっ…となる)ので、個人的に赤色が必須。使っていたヘッドランプにはたまたま赤色がありましたが、これがとても便利でした。
ヘッドランプについては、また後日まとめたいと思います。
まとめ
大した歴史ではないですが、さまざまな経験をして、思いを経て、少しずつ道具を変化させています。ガレージブランドもどんどん増えて何がいいのかわからなくなると同時に、自分に合うものも増えている。
人それぞれいろんな悩みがあると思うので、"おすすめ"とか"人気"ということだけに捉われず、本当にしっくりくるものをじっくり選べばいいのかなと。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
コメント
はじめまして。
いつも楽しみに拝読しております。
ギア紹介は経験者ならではの視点から吟味されていて読んでいるだけでワクワクしています。
登山やロングトレイルの記事も文章がとても上手く長編エッセイのように続きを早く読みたい衝動に駆られるほどです。
毎回とても楽しみにしております。
これから海外へ行かれるとのこと。
どうぞお気をつけて楽しんでらしてください。
道中の安全をお祈りしています。
ルルル様
コメントありがとうございます!
短く纏められず、だらだらと長い文章になってしまうのですが、そのようなご感想をいただけてとても嬉しいです!
海外のワイルドなロングトレイルにはきっともみくちゃにされるので、そんな様子も綴ることができたらと思います。ありがとうございます!
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。