熊野古道中辺路②【大雲取越】

ロ ン グ ト レ イ ル

2022.4.11(月)
天気:晴れ☀のち曇り☁
気温:21/13℃
風:北東→南東 2~3m/s

歩き人たかちです。

熊野古道の旅も最終日。昨日は、湯ノ峰温泉から歩き始め、小雲取越をして小口自然の家でお花見キャンプ。

6日目の今日は、中辺路で一番大きな峠である"大雲取越"を歩いて熊野那智大社まで。小雲取越・大雲取越についての情報は、上記5日目の記録をご覧ください。

小雲取越と同様、この大雲取越についてもほぼ何も覚えていませんが、森が綺麗だったという記憶が残っています。前回は那智大滝もあまりゆっくり見ることができなかったので、ラストハイクもゆるりと楽しく◎

 1日目:高野山散策ー大滝集落
 2日目:大滝ー大股ー伯母子岳
 3日目:伯母子岳ー三浦峠ー十津川温泉
 4日目:十津川温泉ー果無峠ー熊野本宮大社
 5日目:湯ノ峰温泉ー小雲取越ー小口
★6日目:小口ー大雲取越ー那智大滝

  行程
ーーーーーーー
小口自然の家-円座石-楠の久保旅籠跡-同切坂-越前峠-石倉峠-地蔵茶屋跡-林道分岐-色川辻-舟見峠-舟見茶屋跡-登立茶屋跡-那智高原公園-青岸渡寺-那智大滝-大門坂-大門坂駐車場-那智ねぼけ堂

▲コースタイム:7時間(那智大滝まで)
▲歩行距離:約19km

↓熊野古道ウォークマップ↓

熊野古道ウォークマップ|田辺市熊野ツーリズムビューロー
熊野古道ウォークマップをダウンロードできます。各コースの詳細は、熊野古道中辺路、熊野古道大辺路、熊野古道小辺路 の各ページをご覧ください。 熊野古道中辺路 熊野古道ウォークマップ(紀州路田辺熊野古道めぐり地図帳)の全ペー

急坂をひたすら。小口-越前峠


*小口自然の家-円座石-楠の久保茶屋跡-同切坂-越前峠:CT 2時間40分*

5時起床。朝の気温は5℃くらいでした。キャンプ場は結局一人だったので、とても静かな夜でした。川の音をBGMにぐっすり快眠。しかし、川の近くはやっぱり結構結露しますね。

せっせと片付けて6時頃出発。出発前に宿へ少し寄らせていただいて、管理人さんと少しお話。これからGWを迎え、5月のキャンプシーズンになるとキャンパーで混み合うようです。しかし、マナーの悪い人も多いようで、「中国人の悪口なんて言えないよ、ほんと。」と苦笑いでした。

ゴミとか、どんちゃん騒ぎとか、トイレや炊事棟の使い方とか・・・山でもキャンプでも"立つ鳥後を濁さず"。マナーの悪さで閉鎖になるキャンプ場も少なくないし、本当に中国批判の前に自分たちの行為を見直さないとですね・・・

さて、昨日の橋を渡り大雲取越の登山口へ。

中辺路は紀伊田辺駅から始まり、中間に本宮があって那智へと繋がっています。昔は、本宮に到着したら熊野川を小舟で下り、新宮と那智を巡拝したのちに大雲・小雲を越えて本宮に戻っていたとのこと。

 

小口から中辺路最高所の"越前峠"までは約5km。石畳の急坂が連続します。小口の標高は60〜70.m程で、越前峠が870m。標高差は800m。

昨日は登り初めが9時で暑かったのですが、今日はまだひんやりした空気感。大雲取越には石畳が非常に多く残されています。

段差が大きい訳ではないので個人的には登りやすいですが、雨の日はめちゃくちゃ滑りそうな道です。ここまで晴れ続きですが、石畳はしっとりしていて苔むしています。見るからに滑りそう。

人間の気配を感じる道。

30分弱登ると"円座石(わろうだいし)"に着きました。大きな苔むした岩には梵字が3つ刻まれています。右が阿弥陀仏(本宮)、中央が薬師仏(新宮)、左が観音仏(那智)を表していて、熊野三山の本地仏の表現とのこと。大きな岩です。

 

ここからもがんがん登る。

 

急坂、緩やか、急坂、緩やか・・・を繰り返しながら進みます。

 

休憩所に到着。この休憩所には水道が2つあり、水を補給できます。この先の水場は休憩所のある"地蔵茶屋跡"に自販機があります。越前峠を下りた場所には川が流れているので、浄水器があれば補給可能です。

森の中の東屋涼しい・・・静か・・・

那智山まで12.4km。

 

 

再び石畳を登り、"楠ノ久保茶屋跡"に到着。大正年代まで旅籠が営まれ、「豆腐あります、風呂沸いています」の宣伝文句だったとか。非常に賑わいのある旅籠だったようです。

まだまだ続く。

 

 

そのうち、ながーーーい登りに入ります。ここが"同切坂"。越前峠まで2.4km、登り続けます。

振り返る。

今日もスミレを見ながら。

 

以前のことはほとんど覚えていませんが、この看板を見て記憶が少し戻りました。そういえば、最後延々長くて疲弊した坂があったなあ・・・と。大雲取越・小雲取越の中で最大の難所とされています。

 

同じような傾斜でせっせと登る。下りも辛いよなあ。

登り詰めていくと緩やかになり、終わりの気配。

平坦で広々した空間に出ると"越前峠"に到着◎

越前峠は標高870mで、中辺路の最高所となっています。しかし、このあとの舟見峠の看板には883mと書いてあり、大して変わりませんが実際どっちなのか。

ここにも茶屋跡があったようですが、はっきりとわかっていないようです。しかし、空間を見る限り茶屋があっただろうなーという感じ。

ベンチなどはなく、本当に"峠"という雰囲気。山頂と峠は、やっぱり空気感が違いますね。しばしザックを下ろし、ひんやりした杉と檜の中で一休み。

この先はアップダウンを繰り返しながら進みます。

美しい森。越前峠-舟見茶屋跡


*越前峠-石倉峠-地蔵茶屋跡-林道分岐-色川辻-舟見峠-舟見茶屋跡:CT 2時間*

ここから川のある林道まで石畳の急坂を下っていきます。

こちら側の石はしっとりもせず乾いている。小刻みにリズミカルに下る。

ここまで誰にも会っていません。静かすぎる山歩き。

同切坂もそうだけど、石畳をつくるの相当大変だっただろうな。

 

下り続けて川に出ました。

 

端の方にテント張れそう。

 

川に沿って林道を緩やかに下っていくと、分かれ道。そのまま林道を進まないように注意。

石倉峠に向けて登り返します。

 

この辺りの丸い大きな岩は覚えている。大昔は、この辺りも海の中だったんだろうなーというような丸い岩が道中ちらほら。

 

"石倉峠"に到着。

 

ここから600m下ると東屋、トイレ、自販機のある"地蔵茶屋跡"に着きます。

一番記憶にあるのがこの区間。地蔵茶屋跡で休んで登り始めると、途中で獣に「がるるるるる・・・」とか「ううぅぅぅ・・・」だとか唸られ、何何何何!?とプチパニック。姿は見えず結局何の動物だったのかわかりませんでしたが、あのときは怖かった。そんな記憶ばかり強く残りますね。

そんな思い出深い道を歩いていくと記憶にない景色が。

めっちゃ伐採されておる。たぶん、こんなんではなかった。

大雲取越には、那智山を基点に1〜28までの番号道標が500mごとに設置されています。距離の目安になって歩きやすいです。

記憶の風景は最後の最後で出てきました。動物に唸られたのは、こんな苔むした道だった。

そして、車道に出て"地蔵茶屋跡"に到着。

 

ここには東屋の他に大きな休憩所があります。

 

立派な建物で、中もとても綺麗です。奥には台所までありました。宿泊はできません。雨の日はありがたい休憩所ですね。

自販機でジュースを買ってしばし休憩。一気飲みしてしまいました、うめぇぇぇ・・・

ここで"吉野の桜"情報を調べると、上千本辺りがまさに満開になっているとのこと。元々は、このあとに吉野の桜を見て帰る計画でした。しかし、天気が微妙で短縮。結局晴れるみたいだけど…

毎年「見たいな~見たいな~」と思っていますが、果無集落の枝垂桜で満足していました。道中ポツポツある山桜が綺麗で、すでに春をたんまりいただきました。最後に人混みで終わらせるのもなんか違う。なんだかんだ静かに見る桜が一番ですね。

地蔵茶屋跡からは30分程車道を登り、最後のピーク"舟見峠"を目指します。越前峠と同じような標高なので、下ってきた分じわじわ登り返します。

地蔵茶屋跡から林道分岐まで半分以上車道を歩きます。昭文社の地図では林道分岐へ向かう方がコースタイムが短いのですが、登りが続きます。反対方面からはほぼ下りなのに、そちらの方がコースタイムが長い。謎。

車道が終わり再び山の中へ。

気持ちのいい~風が吹き抜けて、素敵な森。杉メインですが光が届きいい感じ。

 

林道を横切るところが"林道分岐"

 

 

 

再び古道を歩き、"色川辻"に到着しました。

ここから最後の登りで"舟見峠"です。石段の急坂ですが、ここもなぜか反対側からの下りの方がコースタイムが長くなっています・・・なぜ?

2020年の地図なので、そこまで古いわけではありませんが。

 

急坂が終わり、平坦地になったところで"舟見峠"。883m。越前峠より7m高いことになっています。860mという情報もあり、どれが正解なのかわかりませんが、一応越前峠が最高所なのでしょうか?

この先の舟見茶屋跡の休憩所からは熊野灘を望むことができます。東屋があっていい休憩所なので、おすすめスポット。

 

舟見茶屋跡の看板から少しだけ登ると東屋が一つ。

熊野灘!風が気持ちいい~

久々に海を見ました。ずーっと山の中を歩いてきて海が見えると、心が一気に解放される。大斎原で感じたようなものに似ています。

パアーっと、空と大地が開ける海はいいですね。日当たりも良くてこの東屋めちゃくちゃいい。前回スルーしたのか、記憶にあるような、ないような。伊勢路ではずっと海を見ていたからスルーしたのかも。

あとは那智大滝までひたすら下るのみ。

誰にも会わない。舟見峠-那智大滝


*舟見茶屋跡-登立茶屋跡-那智高原公園-青岸渡寺-那智大滝:CT 1時間20分*

石畳を淡々と下る。

登る場合の景色。あまり変わらないか。

 

"登立茶屋跡"に到着。ここの茶屋は田辺から運ばれた日用雑貨や、勝浦からの海産物を商う商店でもあったとか。国道42号線が整備されるまで、大阪と和歌山方面への唯一の道だったそうです。

あと30分程で青岸渡寺。

下る。

下る。

3番まで来ました。あと1.5km。

 

山から出ました〜。このあとまだ長い階段がありますが、ひとまず。

那智大滝まで、まずは"那智高原公園"の中を歩いていきます。この公園はよく覚えています。

 

なんて気持ちの良い公園なのか!!という印象の、のんびり、のほほんとした雰囲気の公園です。春が似合いますね。

長い滑り台もあったりして、子どもが思いっきり走り回れるような広さ。しかし、今日は誰もいない。平日とはいえ、誰もいなさすぎやしないか?

というか、小口を出発してから結局ここまで誰にも会いませんでした。いや、まだ会っていないので、階段下るまで誰にも会わないか。

今まで、平日にマイナーな山に行っても絶対一人は歩いている人がいましたが、まさか大雲取越で誰にも会わないとは。以前も平日でしたが、10人弱の人と会いました。コロナで訪日の人がいないとはいえ、6時間の山道で0人だったのは初めてですね。

公園の中を標識に沿って進んで行き、最後は階段をひたすら下る。

この階段を登ったのも覚えていますが、記憶よりも長かった。

1番。あと500m。

 

こちらは一丁。

下り切った~!13時、到着です。

早速"黒飴ソフト"を食す。うまーい。でも、下のお店ではワッフルコーンでした・・・そっちがよかったな・・・

那智高原公園に出たときにあった案内板。

那智大滝と青岸渡寺三重塔。

那智大社で"大樟胎内くぐり"とリアルな八咫烏を見ようと思っていましたが、完全に忘れていました。頭はすでに那智大滝へ。

車道をショートカットするときに下っていきます。

 

"飛龍神社"に到着。

 

那智大滝!

この時期は水量少なめです。前回は11月でしたが、たぶん同じくらいだった。同じように、流れ落ちる水が風になびいていました。梅雨時期は水量が多くなり、迫力満点になると思います。

↓那智大滝↓

 

飛龍神社には"日本一のおみくじ"があります。でかい。

那智大滝を満足に見て、ここから"大門坂"を下ります。そして、大門坂駐車場付近でごはんを食べてバスで那智駅へ。那智駅には温泉施設がありますが、今日はちょうど定休日でした。営業していればそのまま那智駅まで歩きましたが、新宮駅でお風呂に入るのでバスでスキップします。

大門坂駐車場から800m程下った場所に"やたがらすの湯"という、食事処もある施設があります。そこも考えましたが、入浴が16:00〜。バスと電車の時間を考えるとゆっくり入れなさそうだったので、新宮にしました。

前回は新宮駅から夜行バスで帰りましたが、夜行バスの運行が4月下旬頃からで残念ながらこのときは運行なし。ちょっと面倒な帰宅になります。

大門坂ハイキングコース


*飛龍神社-大門坂-大門坂駐車場-那智ねぼけ堂:CT 1時間*

飛龍神社から観光センターなどがある方面へ行くと、大門坂に繋がる道があります。

前回那智駅から歩いているはずなのですが、那智大滝までの記憶が微塵もありません。大門坂ってどんなだっけ?と写真を見ても記憶が戻らない。

もしかして歩いていないのか?実は那智駅からバスに乗ったのでは?なんて思い帰宅後に当時の日記を見ましたが、しっかり歩いていました・・・

石段の坂を下る。休日は歩く人も多いと思いますが、今日は人が少なくて静かです。

黒飴ソフトを食べたお店で買ったしそサイダーを飲みながら。うまー。

大門坂には立派な巨木が立ち並びます。

静かだと趣もある。

樹齢800年の大樹。

最後の石畳が終わり、1km程のハイキングコース終了。大門坂は登る人の方が多い印象です。

 

ちょっと歩くと広い大門坂駐車場があり、ほの近くに「グリル一喜」というお店があります。美味しそうでしたが、今日はCLOSE。

もう少し先へ歩いて「那智ねぼけ堂」へ。

ここにある食事処で"まぐろのカツカレー"をいただきました。熊野灘は黒潮の通る場所。マグロの一本釣りが盛んな地域なので、マグロ関係の食事が多いです。

ねぼけ堂はお土産屋さんでもありますが、今日は?この時間は?誰もいませんでした。中の工場でせっせとお菓子をつくっている従業員の人だけが動いている感じ。

ここには"元祖黒飴ソフト"があります。あら~ここで食べればよかったな~なんて思いましたが、実はここも前回寄っていて、しかも黒飴ソフトを食べていました。ほんと何も覚えていない。

70代くらいのおじいちゃんが店番をしていて、「寝袋持って歩いてるん?」などと話しかけられ、のんびりした空気が流れるお土産屋さんでした。

一周して"黒飴ばっふぇる"が美味しそうだったので旅のお土産に。

また、那智山の伏流水を引いていて水を汲むことができます。帰りの水をGET!

ねぼけ堂からちょっと戻り、バス停「二の橋」から那智駅へ。

那智駅。温泉が営業していれば楽だったのになあ。

ポストかわいい。

ワンマン電車に揺られて新宮駅で下車。ホームでお花見ができる駅。

写真を撮っていると、駅員さんに「熊野古道ですか?」と聞かれました。登山をされる駅員さんで、セクションハイクはするけどなかなか繋げては歩かないそう。何より、"交通が大変だから"と。

私は大阪まで夜行バスでビューンと出て電車で高野山。ほとんど寝ている間の移動なので、別に大変ではありません。しかし、ここから高野山へ向かうとなると、特急を使っても6時間半くらいかかります。途中の集落から歩くにしてもやっぱり時間がかかるから、どうしても車になりピストンで歩くと。直線距離は近いけど、移動が大変な紀伊山地。

新宮駅前には黒飴ソフトを売っている小さくて可愛いお店があり、多くの学生が駅前のベンチで食べていました。ソウルフードですね。

駅から5分程の公衆浴場"なぎの湯"。味がありますね。

このあとは、乗り継ぎ乗り継ぎで名古屋へ向かい、そこから夜行バスで帰りました。

新宮駅から名古屋駅まで高速バスもありますが、夜行バスまで2時間くらい待ち時間ができてしまうので、待ち時間のないような時間帯の電車で。途中特急に乗っても5時間半の長旅。長かったです。

名古屋駅で一気に都会になり、駅中のお店の人に出口への道を聞きながら無事に夜行バスに乗車。山道の方がわかりやすい。

ということで、6日間の熊野古道の旅が終了しました。

結果、雨にも降られず連日晴天に恵まれ、暑い暑いと言いながらも素敵な景色をたくさん見て、感じて、歩くことができました。熊野古道ってやっぱりいいですね。お遍路も巡礼の道ではありますが、また違う雰囲気です。

交通が難しい地域で、紀伊山地の奥深さを改めて感じました。現代でもそうだから、昔は本当に大変だったのだと、しみじみ感じることができる道。

山とともに、川とともに、海とともに生きてきた背景を感じることができる道。大きく蛇行する熊野川には、自然の恵みとともに驚異も感じます。この地に神聖なものを感じたことを頷けるような、そんな場所だと思います。

民家の脇に神社とか祠があって、今でも暮らしの中に溶け込んでいるその空気がとても心地いい。まさに"日本の古道"だなと。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村

よろしければ、応援よろしくお願い致します。

コメント

Copied title and URL