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早月尾根から裏剱へ!3泊4日テント泊静かな奥剱のディープな縦走#2【 剱沢雪渓・池ノ平 】

北 ア ル プ ス

2023.8.5-8.8

歩き人たかちです。

 1日目:馬場島-剱岳-剱沢キャンプ場
★2日目:剱沢キャンプ場-池の平小屋
 3日目:池の平小屋-仙人池-阿曽原温泉
 4日目:阿曽原温泉-欅平駅

縦走2日目。昨日は馬場島から早月尾根で剱岳に登頂。別山尾根を下って剱沢キャンプ場で剱岳時間にどっぷり。

今日は、日本三大雪渓のひとつである"剱沢雪渓"を下って真砂沢ロッジ。沢沿いを進んで仙人新道を登り返し、池ノ平小屋を目指します。見え方を変えていく剱岳に冒険心をくすぐられながら、剱岳の奥と裏へ。

       行程
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天気:晴れ ☀︎
気温:20〜25℃
風:南1〜2m/s

剱沢キャンプ場-剱澤小屋-真砂沢ロッジ-二股-仙人峠-仙人池-池ノ平小屋

▲ コースタイム:6時間50分
▲ 歩行距離:10.4km
▲ 累積標高差:+649m
                      -1123m

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コース概要

剱沢雪渓
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日本三大雪渓の一つである"剱沢雪渓"。剱沢小屋から下っていくと雪溪上端に到着し、状態が安定しているところから雪溪歩きへ。状態は毎年違うため、最新情報を要確認(現場では、剱沢キャンプ場の管理棟や真砂沢ロッジで確認できます)。季節が進むにつれて崩壊が進み、状態が悪い場合は夏道を(平蔵谷出合まで右岸、それ以降左岸)。夏道もスラブ状の岩場など歩きづらい箇所もあるため、雪溪を歩けるならその方が断然楽です。

傾斜が緩やかな箇所はスプーンカットに沿ってアイゼンなしでも歩けますが、基本はアイゼン着用。傾斜がある箇所はアイゼンがないと滑るため(主に下り)、6本以上が好ましいです。自分はチェーンスパイクで歩きましたが、チェーンスパイクは凍結向け & 歯が小さいことから、落石時に素早く行動することも考えて6本以上がベスト。

雪溪が安定しているところまでは雪溪歩きが可能ですが、長次郎谷出合から先は基本的に左岸の夏道へ。今年は雪溪が崩壊しており、とても歩ける状態ではありませんでした。ピンクテープが巻かれた石が点々と置かれ、それに沿って夏道に入り真砂沢ロッジへ。ロッジ手前で若干の雪溪歩き。大きめのクラックなどもあるため要注意。

真砂沢ロッジ-仙人新道
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真砂沢ロッジ〜仙人新道までは剱沢の脇を歩いていきます。大雨、増水時に通行不可となる箇所もあるため、事前に要確認。剱沢キャンプ場の管理棟や真砂沢ロッジで最新情報を得られます。

鎖がつき、川岸のへつりを歩く箇所もあります。水平歩道のように落ちたら死ぬわけではないですが、濡れるリスクがあるため足場に注意(水量に注意)。

二股吊橋に到着すると、剱沢から離れ"仙人新道"へ。仙人峠まで一気に上がる急坂で、途中ベンチの置かれた休憩スポットが1箇所あります。はじめは樹林帯、ベンチ以降は岩場が増えていき、裏剱の迫力ある絶景と対峙。仙人峠〜池ノ平小屋までは下り基調のトラバース道になります。



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剱沢雪渓[ 剱沢-真砂沢ロッジ ]

剱沢キャンプ場-真砂沢ロッジ:CT2時間

昨日はやはり疲れたのか、気候がちょうどよかったのか、朝までぐっすり。剱岳アタックの人たちが動き出しているのも気がつかないくらい熟睡…4時に剱岳をチラ見すると、岩壁にはヘッドランプの列が輝いていました。

真っ黒なシルエットのこの時間が好き。今日の行程は6時間ほどなので、優雅に紅茶オレを味わいながら暗闇のシンプルな剱岳シルエットを目に焼き付ける。

テントは昨日の雨粒が残りしっとり。耐水圧が低いマイホームも、昨日の雷雨には耐えてくれた。ベンチレーションからちょっと吹き込んできたけど、特に支障なし。撤収して剱澤小屋へ。

 

 

 

剱沢からガレ場を下ると、すぐに剱沢雪渓の上端。中が空洞で不安定なので、はじめは右岸の夏道。

真砂沢ロッジに泊まっていた人たちとすれ違いはじめ、一体何キロ担いでいるんだという山岳部のザック隊。THE山岳部の風貌で、誰もストックを使っていないけど膝悪くしないのかな・・・と心配になってしまう。若さゆえの体力で身体を壊す人や、大怪我をする人を結構見ているから、山岳部の伝統や文化が良いとは限らないのでは?なんて。

厚みが十分にあり安定したところで雪溪へ。スプーンカットの斜面は割と歩きやすく、はじめは何もつけず(*素早く動くためにもアイゼンははじめからつけた方がいいです)。落石もあるのでヘルメット着用。

朝でも太陽を正面から浴びれば暑い。しかし、雪の斜面を流れる風が天然クーラーとなって身体をちょうどよく冷やしてくれる。気持ち〜い!

傾斜が増すところでチェンスパ装着。時折クラックがあったり、大きめの穴があったりするので、そういう箇所に近づかないようにしながら広い雪渓をザクザクと。細かい落石がところどころあり、ドカンと大きな岩も転がっています。

今度は池ノ平小屋泊の人たちとすれ違いはじめましたが、ほとんどの人は室堂からの往復。欅平から入る人って少ないのな?たまたま?仙人谷の雪渓の様子を聞こうと思っていたけど聞けず。

平蔵谷を過ぎて長次郎出合付近へ。この先は雪渓が崩壊しており、左岸の夏道へ。ピンクテープが巻かれた石が横一列に点々と置かれ、夏道へ誘導していました。

激しい水の流れ。この雪溪の下に落ちたら絶望だろうな…谷が深い。

涼しい道のりは終了し、一気に気温が上がる。ちょっと横にズレるだけでこれほど気温が違うのかというほど。

夏道から再び雪溪の上を歩くとすぐに真砂沢ロッジ。このクラックの下はどうなっているのだろうか…

賑やかな室堂や剱沢とは違ってとても静か。真砂沢ロッジがポツンと一軒家のように佇んでいます。小屋前のテント場も日当たりが良くて気持ちよさそうでした。ひっそりしたこじんまりのテント場大好き。

小屋では、越冬のペットボトルがちょっと安めの300円で売られていました。しかし、ジュースは池ノ平小屋でのお楽しみに。

空き缶潰しチャレンジ

この先の剱沢の状況を確認。特に問題なさそう。

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剣沢と急登[ 真砂沢-池ノ平 ]

真砂沢ロッジ-二股-仙人峠-仙人池寄り道-池ノ平小屋:CT4時間50分

二股までは剱沢の脇をちまちま歩きます。これが暑くて、できることなら轟々流れる剱沢にドボンしたいくらいでした。沢沿いですが、涼しさが微塵もないという…

 

樹林帯に入ったり、河原を歩いたり。

河原にはピンクテープが巻かれた石がちょこちょこ置かれています。

 

鎖がつき、川岸のへつりを歩く箇所。鎖を持って、丸太の上を歩きます。増水もしていないので、落ちても濡れるだけ。

迂回路になっている箇所もあります。

 

最後に広い河原を歩くと、二股吊橋に到着。渡ったところに「上流100m 仙人新道入口」と赤いペンキで書かれていました。

二股で休憩と思っていましたが、日向すぎて無理なのでとりあえず仙人新道へ。剱沢から離れて歩いていくと、右手の樹林帯にピンクテープ。仙人新道入口の日陰で少し休憩。

仙人峠までは2時間30分の急登。急登は巻き巻きしやすいので、できる限り晴れているうちに仙人池に寄りたい。

初っ端からあちい・・・早月尾根は日陰だった分標高を上げれば涼しくなりましたが、ここは標高を上げるにつれて日当たりが良くなるので全然涼しくならない。むしろ暑い。

中間地点のベンチ・・・日向かい!

と、文句を垂れつつも裏剱は美しくなっていく。自分の知っている剱岳ではなくなっていくことが、新しい世界にきたみたいでなんだか嬉しい。

ベンチから先は日向日向日向・・・風が優しすぎて汗が止まらない。

 

一歩ずつ進むことだけに集中して"仙人峠"に到着。ガスはまだ大丈夫そうで、時間もあるので"仙人池"に寄り道。明日も通りますが、せっかくなので昼と朝の裏剱を両方。

分岐から仙人池ヒュッテまでは地図上15分ですが、歩きやすい道なので6〜7分くらいで到着(戻りも7〜8分)。

味のある"仙人池ヒュッテ"

小屋の正面から「おお、これが噂の〜」と思いつつ、なんか違う?と思ったら、「この奥からだと剱が正面に見えますよ」と小屋の人が教えてくれました。もうちょっと奥だったか。

風で水面が少し靡いていたのでくっきり映ってはいませんが、仙人池からガスを被る前の勇姿を見ることができました。美しい・・・

どの山域も"奥"に入るというのは特別。こんなに素敵なのに静かすぎる。みくりが池とは明らかに違う空気と時間の流れがある。それを否定するわけではないけれど、こういう場所にくると"自然って何だろう"としみじみ考えてしまう。

明日の朝に期待しながら分岐に戻り、池ノ平小屋へ。30分ほど下り基調のストラバース道を歩きます。早く炭酸を一気飲みしたい。

道の先に赤い屋根とテント場が見えました。今のところ2張だけ。優雅な1日になりそう。

池ノ平小屋

こちらもまた渋くて"裏"に合う。小屋の人たちが外でお茶をしてまったりしていました。受付は13時からとのことで、先にテントを張って待つ。

 

草のないこんもりしているところはヘリポートですが、今日は使っていいとのこと。雨のときは水が溜まらないからおすすめと。今日も15時前後から怪しいですが、先客がいるので端っこの草のないところに。降っても降り続かない前提で。

今日は早く着いて太陽サンサン ☀︎ ゆっくりしたいものの、テント内はサウナ状態。みなさん端の日陰で昼寝をしたり、グランドシート的なものの上で日傘をさして寝ていたり。湿っていた寝袋は一瞬でカラカラ。自分も日傘で陰をつくりつつ、あちーとなりながらテントでゴロゴロ。しかしながら、池ノ平小屋にはゆったりした時間が流れていてとても落ち着く。

"平ノ池"までお散歩することもできますが、暑くて行く気にならず。明日の朝にしよう。

C.Cレモンを一気飲み。疲れた身体に炭酸は最高である。池ノ平の水は湧水を引っ張ってきていますがぬるめ。小屋手前の登山道に「水源につき立ち入り禁止」という看板が立てられていました。

左奥がトイレ。毎日なのかはわかりませんが、池ノ平小屋ではシャワーを浴びられます。受付時に「800円でシャワー浴びられますが、どうしますか?」と聞かれました。面倒なので浴びず。

池ノ平小屋では手ぬぐいやモンベルのオリジナルTシャツが販売していますが、これらは宿泊者のみ購入可能(確か手ぬぐいも)。立ち寄りで購入することはできません。Tシャツを散々迷いましたが、キリがないので諦め。

 

テント内が暑いので、外をウロウロ。とはいえ日陰はほぼなくて、そろそろ曇っていいよくらいに思う。昨日はテント場で太陽を欲していたのに、人間てなんて勝手な生き物・・・

15時前に男性が1人到着。ヘリポートにテントを張り、隣の女性と話しているのを聞くと(聞こえた)富山駅からの始発に乗ってここまできたとのこと・・・

え?早すぎない?9時半頃歩き出して、この暑さの中をコースタイムの半分のとんでもないスピードで水平歩道やら曇切新道を抜けてきたのか。北陵に行くとのことで普通に重装備だし・・・やはり裏には強者がおりますな。

16時になるとガスが出てきて、テント内がようやく快適に。ガスりつつ青空も見せつつ、今日は雨が降らないらしい。

12時頃テント場に着いてダラダラ過ごすのは久しぶりでしたが、ゆとりのある(ありすぎる)テント泊は心に余裕ができていいですね。剱沢雪渓は気持ちよかったし、仙人池からの裏剱はかっこよかったし、とてもいい1日でした。

明日も同じく6時間ほどの行程で阿曽原温泉を目指します。欅平まで一気に下ることも考えましたが、朝の仙人池が忙しなくなるためやめました。欅平駅の終電は16時台なので、一気に下るなら早出になります。せっかくの裏剱、贅沢に楽しみます。


池ノ平小屋

北アルプス 奥劔 池ノ平小屋 公式ホームページ
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