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火山の風景を辿る「雌阿寒岳」キャンプ場から歩く阿寒湖畔コースで火山満喫!北海道山旅#3

北 海 道

2023.7.10(月)

 1日目:東京→札幌→清里町
 2日目:▲ 斜里岳

 3日目:▲ 羅臼岳
 4日目:ウトロ → 阿寒湖
★5日目:▲ 雌阿寒岳
 6日目:ウポポイ → チロロ林道
 7日目:▲ 幌尻岳
 8日目:富良野観光 → 倶知安
 9日目:▲ 羊蹄山
 10日目:天候が回復せず帰宅

歩き人たかちです。

北海道の山旅5日目。3日目に羅臼岳に登り、昨日はウトロから阿寒湖までローカル線でゆるゆる移動してきました(羅臼岳については下記#2にて)。

今日は、昨日泊まった阿寒湖畔キャンプ場からフレベツ林道を歩き、コースの中でも一番長い"阿寒湖畔コース"で雌阿寒岳を目指します。"歩いて行ける"というだけで選んだコースですが、硫黄の香りが漂う火山体の中をそろりそろりと堪能できる素敵なコースでした。人が少なくとても静かで、火山を感じながら歩きたい人におすすめです◎

       行程
ーーーーーーー
天気:晴れ ☀︎
気温:山頂13〜15℃
風:南西5m/s

阿寒湖キャンプ場-フレベツ林道入口-雌阿寒岳登山口-1合目-2合目-3合目-4合目-5合目-6合目-7合目-8合目-9合目-▲ 雌阿寒岳-往路を下山

▲ コースタイム:8時間30分
    (駐車場から往復5時間30分)

▲ 歩行距離:24km
▲ 累積標高差:1196m

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阿寒湖・雌阿寒岳へのアクセス

阿寒湖へ

阿寒湖へのアクセスはバス。阿寒バスより、何種類かバスが出ています。

◾︎ 定期路線バス
◾︎ 都市間高速バス
◾︎ 空港連絡バス
◾︎ ガイド付き観光バス

道東エリアをいろいろと周るバスで、各方面から出ているため、時間と出発地に応じて選択。百名山では"道東三座"でまとめられることが多いですが、公共交通機関で周る場合、実際どこに雌阿寒岳を持ってくるか結構迷いました。知床とくくるか、大雪山系とくくるか・・・


阿寒バス株式会社

AKAN BUS - 阿寒バス株式会社
北海道釧路市、阿寒湖・屈斜路湖・摩周湖・知床や釧路湿原などを巡るなら阿寒バス。道東の大自然を満喫しましょう。

"阿寒湖鶴雅グループ"の宿に泊まる場合、札幌駅・南千歳駅・新千歳空港発着の送迎バスがあり、通常よりも安く移動できます。ただ、宿がお高いので旅人というより観光の人向けですね。

あかん湖エクスプレスバス|鶴雅トラベルサービス
さぁ、でかけましょう。北海道リゾート鶴雅の宿をめぐる旅へ。郷土力あふれる北海道のそれぞれの地の物語を満喫する旅へ、ようこそ。鶴雅トラベルサービスは北海道の新しい旅のカタチをご提案しています。

[ ウトロから阿寒湖への移動 ]

① 路線バス:ウトロBT→ 知床斜里駅
② 鉄道:知床斜里駅 → 北見駅
③ 特急バス:北見駅 → 阿寒湖BT

今回は羅臼岳からの移動で、北見駅から出ている特急バスを利用。ウトロから阿寒湖へ直行する場合、ガイド付き観光バス"知床釧路号"を利用すれば可能ですが、運行前だったので電車とバスを乗り継ぎました。観光バスは観光地を周りながらなので時間はかかりますが、安く、楽に移動できます。

①は普通の路線バス。当日、ウトロのバスターミナルで乗車券を購入します。コンセントがあり、充電できる仕様でした(全席かは不明)。北海道の路線バスはたまに充電可能なので、旅人は常に構えておくとよいです。このときは降車10分前に気がつき後悔しました。

③の北見駅〜阿寒湖へは"特急「釧北号」"を利用。こちらは予約制です。特急や高速バスは予約と非予約のものがあるため、要事前確認。ネットの予約画面で残席数がわかるので、直前予約でも問題なし。充電は不可でした。

雌阿寒岳へ

雌阿寒岳へのバスはないため、車以外のアクセス方法はタクシー、徒歩、レンタル自転車のいずれか。

温泉コース・オントネーコース
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野中温泉の登山口は温泉街の端(キャンプ場)から16km、オントネーの登山口は18km。このコースを歩く場合、タクシー利用が一般的です。

また、阿寒観光汽船では"E-Bike"というスポーツタイプの電動自転車のレンタルがあり、サイクリングがてら登る(登山がてらサイクリング?)という手段も。20km弱ありますが信号はほぼないし、電動なので苦ではないかと。実際に、これを利用した雌阿寒岳への登山も提案されています。

これを利用して温泉コースとオントネーコースの周回にしようと計画しましたが、E-Bikeの利用条件に"最低身長150cm〜"とあり、諦めました。3cm低いだけで乗れないの?とも思いますが、予約して実際乗れなかったら困るし、150cmの壁で痛い思いもしているので・・・

紅葉期などは特にいいのではないでしょうか。


阿寒観光汽船

モーターボートのご案内:阿寒観光汽船

阿寒湖畔コース
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徒歩で向かうならこのコースが現実的。阿寒湖畔キャンプ場から車道を350m歩くと「雌阿寒岳登山口」という看板があり、フレベツ林道に入ります。ここから登山口まで5.2kmありますが、車を気にせず歩けることがメリット。

あるいは、キャンプ場の奥に「白湯山」の展望台に通じる道があり、気持ち一山越えてフレベツ林道に下って登山口に辿り着くことも可能。距離はこちらの方が短く、コースタイムはフレベツ林道を歩く方が短い。展望台への道はスキー場を登ると地図にあったため、自分はフレベツ林道を選びました。

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阿寒湖畔コース概要

◾︎ 温泉コース
◾︎ オントネーコース
◾︎ 阿寒湖畔コース

雌阿寒岳に登るコースは上記3コース。温泉コースとオントネーコースはメジャーで、歩く人が多いコース。オントネー湖の遊歩道を利用して周回することも可能。

今回歩いたのは"阿寒湖畔コース"という、少しマイナーなコース。フレベツ林道を5.2km歩いて登山口、そこから山頂まで5.5km、キャンプ場から雌阿寒岳を往復すると20km超(登山口から往復11km)。

フレベツ林道が少しダートで、他2コースと比べて距離も長いので利用者は少ないですが、深田久弥が歩こうとしていた趣深い道。距離が長い分緩やかで、途中からは硫黄の香りに包まれながらの火山堪能コース。火山体の景観は迫力があり、見応え抜群。砂礫地に咲く花に迎えられながらの山歩きは、樹林帯とは一味違う楽しさが溢れています。

道は綺麗に整備されてとても歩きやすいので、実際の距離ほど長いとは感じませんでした。登りも下りもサクサクと。500mごとに各合目の看板が設置され、よい目安になります。

はじめの方は淡々とした樹林帯ですが急坂もなくなだらかで、人気がない代わりにリスを3,4回目撃。静かに、ひしひしと、荒涼とした大地を感じながら歩きたい人におすすめです。

徒歩ということで消去法で選んだコースでしたが、すっかり気に入った素敵なコース。下山時に整備の方がいらっしゃいましたが「僕もこのコースが一番好きなんですよ。景色がすごく綺麗で」と。登山口まではちょっと距離がありますが、静かで雄大な阿寒湖畔コース、ぜひ◎

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ウトロから阿寒湖へ

夜明けを告げるウトロの鳥たち。澄んだ歌声を聴きながらメッシュ越しの緑を眺める。素敵なBGMには素敵な香りを。朝から珈琲を嗜んでみたりして、そそくさテントを片付けなくていい朝、至福・・・

ウトロからのバスは9:30発。少し早めにキャンプ場を出発してバスターミナルへ。国設知床野営場は地元?の人にも愛されているようで、管理人さんと仲が良さげに「今日はこれから仕事なんですよ〜」と話している若いご夫婦?カップル?がいたり。キャンプ場もいいし、管理人さんも優しいし、近くに住んでいたらたぶん来ちゃうなあ。そんな、素敵なウトロでした。

セイコーマートでカツゲンを買う。カツゲン毎日飲んでます。

バスターミナルに到着。乗車券の購入にはPayPayも使えます。

バス待ちしていると「あれ?」と声をかけられ振り返ると、なんと木下小屋のご主人!用事があってこちらの方に来たとのこと。

知床斜里駅へ向かうバスはスカスカでも混んでいるわけでもなく、濃ゆい青の北の海の脇をひたすら走る。また訪れるときは、さらに奥の知床を見てみたい。先端の方にも行ってみたいなあ。

知床斜里駅に到着。8年ぶりの知床斜里駅は記憶とだいぶ違う気がしましたが、以前もこの駅舎だったはず。中には観光センターが併設されています。

電車まで少し時間があるので、セイコーマートのHOT CHEF商品"道産ポテトのフライ"で小腹を満たす。北海道には山を歩きに来ているのか、これを食べに来ているのかわからないくらい大好きなポテト。来る度にお世話になっている、もはや主食。結構ボリューミーなので満たされます。カツゲンと道産ポテトはマストですね。北海道では"セイコーマート以外のコンビニには行かない"というのがマイルール。

まずは、知床斜里から網走へ。クリオネデザインの可愛い電車でした。下から窓を開けられる、電車というより列車のローカル線。海風を浴びながらガタンゴトン揺られる幸せ。車は早いし自由ですが、ローカル線の旅は好きです。移動で1日かかるけど、この時間が何とも言えず贅沢・・・

網走で乗り換え。ローカル線は車内で乗り換えのアナウンスがされ、ホームに電光掲示板はないことが多い。ローカル線は"ガタンゴトンうるさすぎてアナウンスが聞こえない"ことがあるあるなので、駅員さんがいれば最終確認して乗車。

以前九州で、ギリギリで駅に到着し、駅員さんもおらずホームがわからないことがありました(アナウンスは既に終了)。駅にいた地元のおばちゃんに聞くと、どっちにも停まると・・・「ちょっと待ってね、見ててあげるから」と言われ、迫る電車の切り替えポイントをおばちゃんが凝視。切り替わった瞬間「あ、あっちだ!あっち!」と言われ階段ダッシュ。しかし、その数秒後「あ!ごめん!こっちだったー!」という叫び声で私も切り替えし。「ごめんね〜」と言われながら、おばちゃんと一緒に笑ってしまいました。

電光掲示板があればこんなことは起こらないけど、スマホで簡単に情報を得られる時代にホームがわからず笑い合う。切り替えのポイントでホームを見極めるって・・・今でもクスッとなる旅のよき思い出。ローカル線はそのままでいてほしいな、なんて。

羅臼岳まで車に乗せてくださった方も「山での出会いを大事にしている」と仰っていました。電波や情報のない環境は人を優しくする。助け合わないと生きていけないから。というより、本来はそうだったわけで。時代が進めば進むほど、この心地良さを忘れないために山に登って、知らない街を歩いて、旅をする。たぶんそれは、自分が自分でいるために必要なこと。だから、やめられないんだろうな。

13時頃北見駅に到着し、バスまで2時間弱の待ち時間。すぐ近くに「コミュニティプラザ Parabo」という商業ビルがあり、その地下にスーパーがあるので食料調達も楽ちん。周辺にはコンビニやカフェもあるため、特に困りません。近くのモスバーガーでは充電もできるようです。

16:15阿寒湖に到着。阿寒湖周辺を散策しながらキャンプ場へ。登山バッジはお土産屋「かと里」で販売しています。温泉コースの登山口にある野中温泉のバッジはかっこいい感じですが、こちらのは可愛らしいデザインで。雄阿寒岳と同じデザインなので、セット購入にはいいかと。

 

アイヌコタンの方まで続く湖畔沿いの小径。阿寒湖は歩いて周れるコンパクトシティという感じで、北海道では珍しい?(今まで訪れた場所を比較すると)歩ける街は公共交通機関ハイカーにとっては本当にありがたいし、すぐ好きになっちゃう。阿寒湖、めちゃくちゃ良い。

ちなみに、バスセンターには"秘密の天然温泉"があります。秘密というか知る人ぞ知るって感じ?結構知られていると思いますが。

阿寒湖周辺のホテルは宿泊も日帰り温泉も高いので、安く済ませたい場合はこちらの宿と温泉へ。もともと、バスの運転手さんのための宿泊所だったそうです。中に受付があり、日帰り入浴をお願いすれば案内してくれます。内風呂のみの簡易な温泉ですが、¥500で入浴できるので旅人には嬉しいですね。

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阿寒湖畔キャンプ場

阿寒湖畔キャンプ場はバスセンター1km、15分弱で辿り着けます。

◾︎ 受付:9時〜17時
◾︎ 料金:¥1,000
◾︎ 水は「くしろ阿寒百年水」
◾︎ ゴミ捨てOK
◾︎ 男女別水洗トイレ
◾︎ 天然温泉の足湯あり
◾︎ コインランドリーあり
*最新情報をご確認ください
「夜間(17:00〜翌9:30頃 )の管理人不在時にキャンプ場を利用される場合はキャンプハウス入口にて申込書を記入し、集金箱へ料金の支払いをお願い致します」と貼り紙がありました。到着が遅れる場合も利用できます。
阿寒湖の賑わいエリアからも近く(コンビニや日帰り入浴もすべて徒歩圏内)、歩いて利用できる嬉しいキャンプ場。水は美味しい湧水で天然温泉の足湯付き、立地も施設も◎。コインランドリーもあるので気にせず連泊可能。充電設備はないので、バッテリーは十分にご準備を。
エリアはおおまかに4等分という感じの空間。全体的に樹林帯で木陰が涼しいですが、手前の受付側は日当たりが良い草地。日中はサウナ状態なので、夏場は木陰の方が過ごしやすいと思います。ただ、訪れたときは奥側のトイレが閉鎖中で、駐車場が近いこともあり手前の方に張っている人がほとんどでした。
右がBBQ棟で、左奥が炊事棟。BBQ棟の近くにあるテーブルベンチ横にテントを張りました。トイレと炊事棟の中間あたり。電気は夜通し点いていたと思うので(あまり覚えていない)、寝るときは暗い方がいいという場合は、奥の方がいいかと。
右奥が足湯、中央奥が閉鎖中のトイレ。奥の方は本当に静かでしたが、誰も張っていませんでした。

ヒグマが絶対来ないというわけではないため、食糧やゴミの管理は厳重に。ゴミ箱は割と普通で、ウトロのキャンプ場のように厳重ではありませんでしたが。朝、鹿は遊びに来ていました。

 

足湯。この日は誰も使っておらず、足を出したり入れたりしながら1時間居座る。この先の天気と睨めっこしていたら、心臓まで身体がぽっかぽかになっていました。さすが天然温泉。

このキャンプ場のいいところは、なんといってもこの"くしろ阿寒百年水"。雌阿寒岳に降り注いだ雨や雪を山裾に広がる原生林が吸収し、100年近くの歳月をかけて濾過した湧水。以前までボトルウォーターとして販売されていましたが、2023年3月末で販売終了。

受付の人も「美味しいですよ〜」と言っていましたが、冷たくて美味でした◎ハイカーにとって、湧水をがぶ飲みできるほど嬉しいことはないですね。日本素敵。

日曜日で、10張もありませんでした。休日どの程度混むかはわかりませんが、のびのびこじんまりしていて居心地のいいキャンプ場です。

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阿寒の山裾[ キャンプ場-7合目 ]

阿寒湖畔キャンプ場-フレベツ林道-登山口-1合目-2合目-3合目-4合目-5合目-6合目-7合目:CT3時間45分

4:00起床、4:30出発。鹿が一匹遊びに来ていました。まだ静まり返るキャンプ場を1人トコトコ抜け出し、フレベツ林道へ。フレベツ林道の入口はキャンプ場から350mですぐです。

登山口まで5.2km。さすがに熊鈴を鳴らしながら涼やかに朝一の林道を。月曜日、天気はいいけどこのコース誰か登るのだろうか。

林道は平坦な歩きやすい砂利道からはじまり、次第に坂になってゴロゴロした石ころ道に。凸凹した感じもあり、歩くには全く問題ないですが、車だとちょいダートなようで。途中で車が1台通過。どうやら仲間がいるらしい。

1時間20分ほど歩いたところで登山口に到着。先ほどの車が1台だけでした。ゲート前に登山者名簿の入った木箱があります。記入してさらに林道を進む。

雌阿寒岳もヒグマの生息エリア。知床に比べたら密集率は下がりますが、目撃情報は普通にあるので油断はせずに・・・ここ人いないし。

ゲートの数百メートル先から山道スタート。山頂まで5.5kmの道のりです。

阿寒湖畔コースは、距離が長い分緩やかに登っていきます。しばらくはこのような針葉樹林中心の樹林帯を黙々と。

1合目。各合目の間隔は500mで、とてもわかりやすい。人が少ないマイナーコースではありますが、登山道は綺麗に整備されていてとてつもなく歩きやすい。傾斜が緩いこともあり、サクサク歩けます。トレラン向きのコースですね。

 

平地を歩く感じで500mが過ぎていく。時間的には7〜15分くらいの幅で、まだ〜?と思うことは一度もありませんでした。それくらい歩きやすい。

樹林帯では時折リスが登場。そして、4合目を過ぎると硫黄の香りが漂ってきて、半分もいかないうちに火山を感じるように。木々の背丈も低くなり、ハイマツが中心となっていく。そして・・・

!?!?!?

槍ヶ岳か!というような、槍沢から登って初めて槍ヶ岳を見たときのような光景でした。とんがりは何でもかんでも槍ヶ岳にしがち。火山体の土の色と、ハイマツの濃ゆい緑のコントラストが素敵です。

振り返ると、お隣の"フップシ岳"が優美なお姿で。

 

 

5合目に到着。どんどんひらけてきて、気分がどんどん上がります。このジワジワ感いいですね。

 

 

6合目から少し歩くと樹林帯を完全に抜け、周囲の景色を一望。


阿寒湖畔コース、いいぞ!


 

7合目に到着。ここからは火山体を好む花々が足元を彩ります。

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火山地帯[ 7合目-山頂 ]

7合目-8合目-9合目-山頂:CT1時間

 

雌阿寒岳の山容がどんどん露に。斜里岳、羅臼岳と山頂がガスだったので、もうこの時点で満足していました。

イワブクロ。別名「タルマイソウ」。北海道の樽前岳に多く自生している花。鳥海山にも咲いていましたが、荒涼とした大地に似合う、逞しそうな花です。

エゾマルバシモツケ。丸くてポンポンしていてかわいい。地を這うように、あちこちに根を張っていました。

コマクサの残りみっけ

 

ザクッザクッと歩く火山地帯。旭岳の宇宙感にも圧倒されましたが、雌阿寒岳はまた違う。火山の山ってこんな感じでしょ?と思いがちですが、実際は山ごとに雰囲気や空気がまるで違うので、どの山も魅力的だなあと思います。

何より、この阿寒湖畔コースは、こんな素敵なところ独り占めしていいんですか?とね。

風が吹き抜け、暑さが緩和される。阿寒湖に来たときは、やっぱり雄阿寒岳にも登らないと完結しないかなあなんて思っていたけど、そんなことはない。十分すぎるくらいの満足度。

火山の色合いは同じような感じかもしれない。でも、一山一山、混ざり具合が違う。それぞれの絵の具のパレット模様が面白い。


阿寒湖畔コースの醍醐味


メアカンキンバイ。今回、会いたかったお花。柔らかい黄色がとても優しい。貧栄養地で、あえてこの環境を選んで、みんな必死に生きている。どんな環境でも、なんとしてでも生き抜くことが大事だということを教えてくれる。

足元に赤マークのついた岩が転がり、これを辿って山頂へひと登り。だだっ広いので、ガスっているときはマークの石が頼りになると思います。

9合目。あと500m。5.5kmがあっという間でした。それくらい山裾からここまで楽しめて、さらに・・・

阿寒富士どーーーーーん!!!

火口の向こうに綺麗に聳える阿寒富士。火口には丸くてかわいいサファイアブルーの青沼。上からは小さく見えるけど、近づくと結構大きいんだろうな。

波を固定したような形の火口壁の縁。

 

雌阿寒岳、登頂◎

ああ、やっぱり山は晴れがいい。たぶんそれは、雨の日も、ガスの日も知っているからこそ感じる感謝の気持ち。青空しか知らなかったら、太陽の温もりにも感謝しないかもしれない。


雌阿寒岳山頂より


メアカンフスマ。7合目を過ぎてからちょこちょこ咲いていました。羅臼岳にも咲いています。

登頂した人たちは、お決まりのように阿寒富士に流れていく。片道1時間。本家の富士山のようにジグザグした登山道がよく見えて、登るか、眺めるか・・・眺めるに留めました。さきほどの青沼が綺麗に見える場所で一休み。

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下山[ 山頂-阿寒湖畔キャンプ場 ]

山頂-登山口:CT2時間15分(キャンプ場まで3時間30分)

 

なんだかんだ1時間以上阿寒富士を眺めていました。火口とセットで眺めるふるさと富士、とても美しかった。登るとまた違う景色が広がっていると思いますが、登らずにぼーっと満喫するのもいいですね。

はあ・・・美しきトレイル・・・

オントネーと野中温泉のコースも気になりますが、阿寒湖畔コース大変気に入りました。他のコースは紅葉の時期にまた歩いてみたい。

今日このコースを歩いていたのは自分を含めて4人でした。なんてゆったりした百名山。

正面に"雄阿寒岳"を見ながら下る。グレートトラバースで田中陽希さんが「雌阿寒岳と雄阿寒岳は2座で1座」と仰っていて、雄阿寒岳にも登りたいなあとは思っていたのですが、日程の関係で今回は登れず。

雄阿寒岳は阿寒湖から近いので、あれこれ交通手段を考えずとも登れます。タクシーを利用して1日で2座登ることも考えましたが、雄阿寒岳もコースタイムがそれほど短いわけではないのでやめました。でも、雌阿寒岳だけでも十分心が満たされました。

 

緩やかな登山道は下山もサクサクで、あっという間に登山口に到着。最後まで片道5.5km本当にあった?というほど感覚的には早くて、すごい魅力的な山なんだなあと、そんな視点からも思わされる。

ゲートのところには整備の方々が来ていて「このコース、すごくいいですね」と話すと「僕もこのコースが一番好きなんですよ。景色がすごく綺麗で」と。

距離が短い、アクセスが良い、人が歩いている。メジャーなコースはそんな風に選ばれるけど、ちょっと余所見をするのも面白い。いい意味で期待を裏切られました。阿寒湖畔コースはそんな感じの道。

日が差し込み、針葉樹林と広葉樹林の混ざるフレベツ林道はとてつもなく爽やかになっていました。整備の方の車が通り過ぎるとき、窓から先ほどのお兄さんが笑顔で手を振ってくれました。山と対峙して、山に登る人と対峙して、山に関わる人に対峙する。山っていいなあ。

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下山後「釧路駅」そして「札幌」

キャンプ場に戻ると、周りのテントは総入れ替え状態。昨日のテントはすっからかんで、自分のテントだけサウナ状態。暑い日差しを浴びながら、満足気に撤収。とりあえず、温泉へ。

アイヌコタン。昨日ゆっくり見なかったので、この辺りを散策しながら。アイヌ料理を食べられるお店もありましたが、結構いいお値段で。平日の今日は訪日の方が多かったです。

かの有名な木彫りのクマのイヤリング発見。一目惚れ。

コロポックルいた。かわい。

さて、温泉はどうするか。阿寒湖バスセンターの"秘密の温泉"を予定していましたが、時間がたっぷりあるため露天風呂のある"御前水ホテル"の日帰り入浴でゆっくりすることに。真昼間の13時から入る人もおらず、貸切でした。日帰り入浴¥800で、バスセンターの次に安いです(歩ける範囲・自分調べ)。


ホテル御前水

ホテル御前水 | 北海道阿寒湖の温泉旅館【公式】
阿寒湖のほぼ中央に位置し、アイヌコタンや遊覧船乗り場から近くて大変便利。 源泉100%の掛け流し大浴場でゆっくりとおくつろぎください。

さっぱりしたら、セイコーマートでお約束の道産ポテトとカツゲンを買って阿寒湖でまったり。何度食べても、飲んでも、飽きないですなあ。

海の街とはまた違うけど、水のある街独特の空気が流れている阿寒湖でした。

 

16:00発の釧路駅行の阿寒バスに乗り、18:00に到着。広大な釧路湿原があるせいか、釧路の街は濃霧がすごかった。どこからともなく霧が流れてきて、周囲は一気にのみこまれました。これが湿原の街・・・

駅近くのコインランドリーで洗濯をして、スーパーで次の"幌尻岳"の食料調達。明日の朝、新千歳空港で友人と合流するため、釧路駅からの夜行バスで札幌に向かいます。釧路から札幌まで夜行バスのイメージはありませんでしたが、調べてみるとあるものですね。北海道は広い。

釧路駅の中にはパン屋さんとか食事できるお店がちらっとあります。閉店間際で安くなっているパンをGET。

釧路駅の待合室は数年前にリニューアルされ、USBポートのついたカウンター席がつくられました。

到着時、人はまばらでしたが、20〜22時頃は電車待ちの人や何かの打ち合わせをしている人でそれなりに。最初からここで充電をさせてもらう計画で、iPhone、カメラ、モバイルバッテリーを順番に。最終的に人が少なくなったらUSBポートを3つ使わせてもらうという厚かましさ。

初日から 夜行バス(コンセントなし) → 山小屋 → キャンプ場 → キャンプ場 → 夜行バス(コンセントあり*今ここ) → 車中泊 → テント泊(山) 」という流れのため、しっかり充電できる環境が貴重。釧路駅、ありがとうございます!

電車と鹿が衝突して15分遅れというアナウンスを聞きながら夜行バスを待つ。出発は23:45。眠い。テントで18時に寝たり、深夜近くになったり・・・旅してるなあ。

明日は、前職の友人と富良野在住の先輩と"ウポポイ"で遊び、百名山のボスである"幌尻岳"の麓へ。ついに幌尻岳を登るときがきた・・・日高山脈の奥山、どんな山なのだろう。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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