3776mの頂、富士山【富士宮口~9合目】

山 歩 き

2021.8.1(日)
天気:晴れ☀とガス☁
気温:富士宮口17℃/9合目13℃~15℃
風:南東 2m/s

歩き人たかちです。

6年ぶり、2度目の日本一を1泊2日で歩きました。以前は「とりあえず登っておきたい」という気持ちでしたが、今回は「しっかり日本一を感じたい」ということで。

富士山といえば、渋滞とぎゅうぎゅうの寝床。寝返りさえうてない息苦しさと早朝渋滞の寒さ。富士山は一回登れば充分、眺める方がいいと思っていましたが、なんとなく登ってしまった日本一に後ろ髪を引かれていました。じっくり歩けるであろう今年、再び3776mの頂へ。

昨年、海抜0mの田子の浦より2泊3日の"sea to summit"を計画していましたが、改めて考えると、この猛暑の中テントを担いで歩くのは相当過酷。宿泊スタイルでも暑すぎる。素直に富士宮口から登ることにしました。

正式名称は「富士山登山ルート3776」。スタンプを集めて歩き、山頂での記念撮影をして規定の送付先に送ると、"挑戦達成バッジ"が貰えます。山頂で、CHALLENGEなんちゃらと書かれたものをザックにつけている人に写真を頼まれました。35度近い中を歩いてきたんだーと拍手。とっても嬉しそうで、素晴らしい!

*富士じかん ルート3776詳細*

「富士山登山ルート3776」とは? | 富士じかん
静岡県富士市公式ウェブサイト | 「富士山登山ルート3776」は、富士市が設定した海抜0メートルから富士山頂(海抜3776メートル)までの新たな登山ルートです。

富士山駅(or一合目馬返し)~吉田口五合目の山歩きも、富士山の裾野の広さ、樹林の美しさを感じられるのでおすすめ◎「麓を歩く方が好き」という人も多いです。

行程・アクセス

バスでのアクセスだと日帰りは難しくなりますが、登りと下りで違うルートを歩きたいという場合は便利です。

バスを往復利用すると片道の運賃が結構安くなるのでお得ではありますが、せっかくなので違うルートで。

今回は登りを富士宮ルート、下りを御殿場ルートに設定。

【行程】

 

1日目:CT 3時間50分
富士宮口5合目-雲海荘(6合目)-御来光山荘(新7合目)-山口山荘(7合目)-池田館(8合目)-萬年雪山荘(9合目)

▲標高差:1070m

2日目:CT 7時間25分
萬年雪山荘(9合目)-胸突山荘(9合5勺)-頂上富士館-お鉢めぐり途中でご来光-久須志神社-▲剣ヶ峰(3776m)-頂上富士館-御殿場ルート下山-八合目-赤岩八合館(7合9勺)-砂走館-日の出館(7合目)-走り六合-馬の背-宝永山-馬の背-大砂走り下山-次郎坊(新5合5勺)-大石茶屋-御殿場口新5合目

▲標高差:登り316m/下り2336m

【アクセス】

◾︎ 富士登山バス(富士急行バス)

往路
三島駅(7:40) → 富士宮口5合目(9:55)

復路
御殿場口新5合目(12:00) → 御殿場駅(12:30)

富士山は9月10日で閉山ですが、吉田口(富士スバルライン)五合目と富士宮口へのバスは8月末で終了。発着地によって、8月中旬過ぎに終わってしまう時間帯のバスもあるので、要確認。

*富士急行バス*

https://bus.fujikyu.co.jp/rosen/fujitozan

富士宮・御殿場ルートのこと+ウェア

富士宮ルート

◾︎富士山登山道最短コース、片道約4.3km
◾︎富士宮口五合目2390m
◾︎標高差約1400m

富士宮ルートは山頂までの最短コースのため、傾斜は一番急。6合目から山頂まで急登が続きます。吉田・須走は九合目からゴロゴロした岩場となりますが、富士宮ルートはそれまでの岩、ガレ、ザレの道が続きます。下山は特に滑りやすく転倒に注意。

他ルートの下山道のような、ザクザク下る、足が埋まるような"砂走り"はないので、ローカットシューズで歩くなら富士宮ルートでの下山が一番いいと思います。(スパッツを使用しない場合は他に比べて砂が入りにくい)ただ、下山時の捻挫や転倒のリスクは一番高そうです。

富士山登山道で唯一登りと下りのルートが一緒のため、混雑しやすいことが難点。最短コースということもあり、吉田ルートの次に人気です。しかし、山小屋の数は吉田ルートが圧倒的なので、ツアーの団体は吉田ルートほど多くはありません。

山小屋が一合ずつあるので休憩も取りやすく、8合目の「池田館」には診療所が併設されているので、高山病などの体調不良や怪我の場合も安心です。

御殿場ルート(下山)

◾︎富士山登山道最長コース
◾︎登り距離11km、下り8.5km
◾︎御殿場口新五合目1440m
◾︎標高差約2300m

富士山登山道の中で最長であり、一番人が少ないコース。登り、下りともに混雑することはあまりありません。営業小屋は少なく、水や食料、体調も万全の状態で歩きたいコースですが、マイペースに歩きたい場合は一番いいと思います。

山頂から7合目までは岩、ザレ、ガレ中心の道であり、富士宮ルートほどの急登はなく、比較的下りやすい傾斜だと感じました。

下山の核心部は、7合目の日の出館(休業中)より始まる「大砂走り」。コースの大半を占める大砂走りは長く、傾斜も急で果てしなさを感じます。早く下れる砂走りですが、御殿場ルートの場合は長くてちょっと嫌になりました。

自他ともに巻き上げる砂埃で、自分も装備も砂だらけ。帽子やザックに砂が積もっていました。(レインカバーをして下ることを推奨。ザックのあらゆる隙間に砂が入り込み、バスに乗るため拭くのに一苦労。)

ザクザクした砂礫は足首近くまで埋まるので、ミドルカット以上の靴でスパッツ併用がおすすめです。(ミドルカット、ロングパンツ、スパッツ無しで下りました。スパッツはあると快適ですが、小石が少々入った程度。ショートパンツなどで足首が覆われない場合はスパッツ推奨)

*富士山オフィシャルサイト*

富士登山オフィシャルサイト
環境省・山梨県・静岡県による富士登山のための総合サイト。富士登山に必要な情報を登山者にお届けします。

ウェア装備

◾︎化繊アンダー(モンベルクールメッシュ)
◾︎ウール半袖シャツ
◾︎アームカバー
◾︎山と道ライトパンツ
◾︎ウールソックス厚手
◾︎ミドルカット登山靴

天候によりますが、晴れ間があれば行動時は普通に暑いです。登りは普段の夏山スタイルで。

着替え・防寒
◾︎薄手ウール長袖アンダー
◾︎化繊ジャケット(モンベル、ULサーマラップジャケット)
◾︎薄手ダウン(モンベル、スペリオダウンラウンドネックジャケット)
◾︎レインウェア

*朝3時の9合目は3℃、山頂は2℃(風により体感は0℃以下)でした。予報よりも4〜5℃低かったです。

ダウンは、汗などで濡れると保温力が低下するため、付け足しの防寒として薄いものを持参。行動中は汗抜けのいい化繊ジャケットで。前回の富士登山では、早朝の風とガスによる濡れが寒く、ダウンもレインも全て着て登りました。

"腹巻き"も付け足し防寒具として便利です。

◾︎水2ℓ、グリーンダカラ600㎖

高山病予防で出発時は多めに。普段は水のみですが、電解質を取れるものをプラス。足りない分は山小屋にて調達。

*トイレの使用料は200円〜300円が相場のため、100円玉は多めに準備を。小屋により、宿泊者の有料無料は変わります。

慣らしながら。5合目~新7合目

*富士宮口5合目~雲海荘~新7合目御来光山荘:CT 1時間25分*

三島駅7:40発の富士急行バスに乗車。駅からの乗車は10人くらい。2時間程の長いバス旅です。

途中で「水ヶ塚公園」で一時停車。富士山では今年、検温の実施を行っており、こちらの駐車場か登山口で行います。検温とアンケート記入後に"確認済み"のリストバンが渡され、腕やバッグなど見える位置に取り付けて登ります。また、「富士山保全協力金」もこちらで。支払うと缶バッジが貰えます。

常設のトイレは水ヶ塚公園の駐車場が最後。検温とトイレのために一時停車しますが、発車時刻を過ぎても人数が揃うまでは待ってくれます。

10時頃、五合目に到着。

富士宮口五合目では冬季閉山期間に火災が発生したということで、レストハウス、公衆トイレが使用できない状態になっているとのこと。今期は、コンテナハウスの売店と仮設トイレが設置されています。

駐車場の端っこでおにぎりを食べ、ストレッチをしながら少しでも2400mに身体を慣らします。本当は一時間くらい経ってから登るのが理想ですが、ゆっくりゆっくり登ることにして出発。

駐車場で検温をしない場合は登山口で。

登り始めるとすぐに公衆トイレ。環境省が設置したトイレとのこと。

6合目の雲海荘までは、少し登ったあとに山の斜面を横切りながら歩きます。富士宮ルートの緩傾斜区間。30分足らずで雲海荘、宝永山荘に着くので、ウォーミングアップがてら。

富士山にたくさん自生するオンタデ。斜面にオンタデの緑が目立ちます。

今日の天気は晴れ、午後は霧に包まれる時間もあるという予報。晴れたりガスったりですが、基本ガスに巻かれていました。2400mからのスタートとはいえ、太陽を遮るものがない富士山登山は普通に暑い。しかし、ガスに包まれれば涼しく、快適に登ることができます。

20分程で雲海荘、宝永山荘に到着。火口を見るために六合目まで登る観光の方も多いので賑わっています。

ラムネをグビッといきたいところですが、瓶を持って登りたくないので我慢。

富士宮ルートは火口を見ながら歩けることも魅力の一つですが、生憎ガスで見えません。明日見られればいいので、急登区間へ。

ここから岩とガレとザレの道に。

急傾斜で一気に登っていくので、早くならないように呼吸を意識しつつ。

呼吸は"吸う"ことを考えがちですが、しっかり吐けばその分自然に吸えるので、"吐く"ことを意識した方が上手く酸素を取り込めます。"吐かないと吸えない"という考え方。

広めのスペースに出ました。こういう場所では積極的に立ち止まって水を飲み、お菓子を食べる。ガスで涼しいと食欲がそこまで損なわれないので、それはそれでありがたい。

イワツメクサがたくさん咲いていました。

日曜日ということで、下山の方も多め。それでも通常の富士山に比べれば大分少なく、山頂まで渋滞になることはありませんでした。

傾斜のある滑りやすいガレ、ザレに、下山も大変そう。滑っている方も多かったです。

宝永山が見えた。

淡々と。

新7合目の「御来光山荘」が見えました。

下界を見たいなあ。

夏山の青空と雲。暑いけど、晴れるのはいいな。

2790mに到着です。

ベンチは埋まっていたので、ちょっと登った岩に座って一休み。

今日は風が2m/sという予報で、ガスの中少し長めに休憩してもあまり冷えずに快適。時間もあるし、まったりと。

今日はここまで。新7合目~9合目

*御来光山荘~元祖7合目山口山荘~8合目池田館~9合目萬年雪山荘:CT 2時間25分*

「富士山をしっかり感じる」ため、周囲を観察しながら一歩一歩。

富士山は"青"で表現されることがほとんど。遠くからは青く見えるし、やっぱり青が似合いますが、近くで見ると黒に近い。実際に登ると溶岩の"赤"も多い。赤、グレー、緑。青い山なんてないですが、イメージとのギャップがまた面白い。

葛飾北斎の富獄三十六景では、青空に赤い富士山が描かれた「赤富士」がありますが、あの色だなーと感じます。晩夏の頃、晴れた日の早朝に山肌が赤く見えるときがあるとか。

晴れたりガスったり。夏山らしい。

ガスの中に、元祖7合目「山口山荘」が見えました。

えっちらおっちら3000m。

元祖七合目。3000mに達してスタート時よりも大分涼しくなりました。風は穏やかですが、汗をかいた身は冷えていきます。

頭痛や気持ち悪いという高山病でうずくまっている人、息切れが激しく辛そうな人の姿も見られはじめました。

アルプスで3000mを歩くときは酸素の薄さを特に感じませんが、富士山だと感じます。"富士山=高山病"という意識の問題なのか。3000mに達してもまだ776m残っているという高さに対する意識も強い。周囲から聴こえる「はあはあ・・・」という息づかいも他の山以上だし、自分もいつもより息切れするし。

深呼吸しながら冷えない程度に一休み。やっぱり富士山は富士山で、なんだか特別。

ここから先も同じような道で、同じような傾斜。一合登るごとに山小屋があるので、歩き始めると次の山小屋がすぐに見えます。

オンタデは高山植物の一つで、雪崩などで低標高まで運ばれたそうです。御殿場ルートの下の方まで自生していたので、生息環境が幅広い。

下界は相変わらず。

「池田館」の手前は岩場の急登。

ゆっくりゆっくり登り詰めて、3250mの池田館に到着。日本で2番目に高い北岳の標高も超えました。ここで最後の大休止。

ここから今日の宿泊地である「萬年雪山荘」まではラスト45分。時間も13時20分でたっぷり。

最後、登っていきます。

10分くらい登ると、ガスの中に今日の目的地を確認。

美しい。

夏の雲。

今年は梅雨明けが早めだったものの、連日のように山では雷雨or雷雨警戒予報。午前中晴れて午後は雨という日々。短時間雨が降るだけならまだしも、雷とセットとなると躊躇う。小屋が予約制のため、テント泊で安易に歩けず悶々としている2021年の夏です。

何年か前に穂高岳山荘で体験した雷は相当なものでした。3000mの雷は何もかも半端ないスケール。雨風強まりテントから小屋泊にしましたが、2組そのままテント泊の人たちが。自分だったら死を覚悟したレベル。小屋でも生きた心地がしませんでした。

なんかいっぱい刺さってる。

道は相変わらず、ガレ、ザレ。この変化のない単調な道のりも、空気の薄さに意識が向く原因か。アルプスなら樹林やお花、雷鳥、山並み・・・と、五感が忙しくて空気への意識が皆無。

3460mの萬年雪山荘に到着。今日はここでお世話になります。

今日のコースタイムは3時間50分と短め。14時頃でまだ登れますが、身体のことを考えると初日はこの辺りが丁度良い。ここから山頂までは1時間20分と、それほど遠くもありません。

個人的には、くねくね登る吉田ルートよりも登りやすく、山頂の近さを感じて良いルートだと思います。急登である分、ゆっくり登ることと呼吸をしっかりすることへの意識も強い気がする。

萬年雪山荘でまったり

酸素が薄くてあくびを連発。寝ると呼吸が浅くなり高山病になりやすいので、到着後は眠くても最低一時間は我慢。

寝床は2段に仕切られ、中には3人分のシュラフ。今はコロナのこともあり個室利用。

以前の富士山ではすし詰め状態。仰向けで寝るのも窮屈だし、寝返りもうてないようなギュウギュウの雑魚寝。トイレに行こうものなら、おそらく寝床がなくなります。

富士山では二度と小屋泊をしないと誓いましたが、今回は嘘のような快適さ。「例年より大分少ないですね・・・」と小屋の方は肩を落としていましたが、コロナが収束し、海外旅行がまた始まったら賑わうのか。それとも、しばらくは予約制が主流になり、すし詰め状態の光景はなくなるのか。

売店と食堂。

萬年雪山荘の食堂は朝の2時から営業しています。しかも、メニューにあるもの全て注文可能。朝ごはんをしっかり食べてから登れるように、また、夜から登り始める人もしっかりエネルギー補給と休憩ができるようになっています。

夜は19時までの営業で、20時には消灯。

寝床を整えて、玉子うどんを注文。お腹に優しい。

外はすっかり晴れて雲海となりました。

雄大な富士山の裾野。何もかもちっぽけだ。

「どちらさま?」と言わんばかりに見つめてくるイワヒバリ。七合目辺りに一番棲みついているようで、澄んだ歌声が聴こえます。あまり警戒心もなく、足下にも普通に寄ってくる。みんなが食べたおこぼれを摘まんでいるのかな。

気温は13℃程。風はなく、太陽の温もりがよい。

もくもくと形を変える雲を眼下に見ながらまったり。この夏はまだアルプスを歩いていないので、3000mを超えるのは今年初。

下界のうだるような暑さが嘘のようです。大気が不安定な状態がずっと続いていますが、まあ、自然に合わせてゆっくり待つしかない。歩ける山に行くしかない。

出発前、明日は夕方頃から天気が崩れる予報でしたが、お昼前から崩れる予報に変わりました。山小屋でご来光を見てから登ろうと思っていましたが、山頂でのご来光に予定変更。

日の出は4:54。空が焼け始めるグラデーションが好きなので、3時頃出発することにしました。しっかり寝るために17時に就寝。17時~18時頃チェックインする人が多かったので消灯までは夢現でしたが、なんとか寝ていた。

ちなみに、シュラフのインナーシーツは借りられるようです。電話でシーツ持参の有無を聞いたところ、「こちらで用意もあるので、持参しなくて大丈夫です。」とのことでした。チェックイン時に説明はありませんでしたが、シーツ返却BOXがありました。

富士山に小屋泊する場合、"虫除けシート"の持参をおすすめします。コロナのこともあり以前よりはいいと思いますが、夏の2ヶ月間に人が押し寄せて忙しいのと、天候が悪い日は布団が干せないということから、寝ている間にダニなどの虫に刺されることも少なくありません。

前回は足全体がやられました。痒みはあまりなかったのでダニだったのかは不明ですが、足全体が赤いブツブツだらけ・・・。数日で治りましたが、身体全体をシートで拭いてから寝ると安心です。あるいは、インナーシーツを持参。

*富士宮ルート 山小屋一覧*

富士山表富士宮口登山組合−富士山山室宿泊情報
富士登山ガイド『富士山表富士宮口登山組合...

明日は日本一の頂からの眺望に期待して。2日目に続きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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