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富士山は見る山?登る山?日本のシンボル、3776mの頂へ#2【剣ヶ峰・御殿場ルート】

山 歩 き

2021.8.2(月)
天気:晴れ☀ → 雨☂
気温:9合目 → 3℃(3時) / 山頂 → 2℃(4時)
風:南 → 南東 6m/s

 

歩き人たかちです。お昼頃からの雨予報により、山小屋でのご来光鑑賞を山頂に変更。うろ覚えのお鉢を歩き、御殿場ルートで下山します。御殿場下山ルートのコース状況については1日目の方でご確認下さい。

御殿場ルートの"大砂走り"はなかなか疲弊するようですが、いかに・・・。今回この行程にしたのは"宝永山"に寄り道するため。活火山である富士山を感じながら歩きます。

 

【2日目行程】

 

9合目萬年雪山荘(2:50)-胸突き山行(九合5勺)-頂上富士館(4:00)-久須志神社方面に御鉢めぐり、途中ご来光待機-久須志神社-▲剣ヶ峰(3776m)-頂上富士館-御殿場ルートで下山-八合目-赤岩八合館(7合9勺)-砂走館-日の出館(7合目)-走り六合-馬の背-宝永山-馬の背-大砂走り下山-次郎坊(新5合5勺)-大石茶屋-御殿場口新5合目

▲コースタイム:7時間25分
▲標高差:登り316m、下り2336m

 

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日本一の頂へ。9合目~山頂

*萬年雪山荘~胸突山荘~山頂・お鉢めぐり: CT 3時間*

2時に目覚ましをセットしておくも、2時にスタッフさんが電気を点けにきたので起床。

普段の山歩きでも2時起床はほとんどないので、頭がボーっする中、高山病の症状がないことを確認。唯一体調の変化があったのは、寝ている間だけ鼻が詰まったこと。苦しかった。

準備を終えて食堂へ向かうと、既にわちゃわちゃ。空いている席で一息ついて、お腹に入るものを。4時でも食べられないのに、2時となると余計。ゼリー飲料と蒟蒻ゼリーをなんとか。

食堂のメニューにはおでんやおしるこなど、お腹に優しい温まるものもあります。がっつりカレーとか丼ものを食べている人の胃が羨ましい・・・。

早朝3時の外気温は3℃。風は南東の予報ですが、昨日と同じくほとんどないので朝から快適。山頂は6m/sの予報。

外で深呼吸とストレッチをして2時50分に出発。

夜景と登山者のヘッドランプの灯りが富士山にいることを再確認させます。

暗いので写真はほとんどありません。9合目から先も昨日と同じような岩、ガレ、ザレの道が山頂まで続きます。傾斜も同じような感じ。吉田と須走ルートは九合目以降岩場となりますが、富士宮と御殿場ルートはそれほど大きな変化はありません。

富士山で一番寒い場面は、早朝アタック時の渋滞とご来光待機時。渋滞していると動きたくても動けず、風が強かったり、天候が悪いとものすごく寒いです。以前は渋滞で、周囲はガス。霧雨のような感じで、ダウンもレインも全て着込みました。雨用の手袋がなく、秋~冬用でもとても寒かったのをよく覚えています。ホカロンが一つあるだけでも心強いです。

ダウンだけだと行動時に上手く調整ができないので、今回は化繊ジャケットメインで付け足しの防寒に薄手ダウンを。オールシーズン大活躍のモンベル「UL サーマラップジャケット」が、今回もいい仕事をしてくれました。

蒸れにくくとても快適。0~5℃くらいの気温で登る場合、自分にはこのジャケットがよく合います。(体感は人それぞれ)

 

 

30分弱で「胸突山荘」に到着。

登っている最中、何やら海外の香水のような匂いがしていて、あーこれ苦手だー・・・と思っていましたが、どうやら胸突山荘のトイレか何かから発せられていたようで。胸突山荘を過ぎたあとは匂いがなくなりました。

ニュージーランドでトレッキングをしたとき、抜けども抜けども前から香水の香りが漂ってきました。海外特有の甘い香りに気持ち悪くなり、晴天のマウントクックだったのに最終地点の氷河まで辿り着けずに嘔吐。元々匂いには敏感ですが、それ以降海外のトレッキングに少々苦手意識が…そんな苦い思い出が過ってしまった。

胸突山荘のちょっと上で一休みして出発。

山頂まで200m。ブレてた。

ちょうど4時頃鳥居に到着。渋滞がないせいか、山頂がとても近く感じました。

鳥居をくぐると「頂上富士館」がありますが、まだ開いていませんでした。吉田、須走ルートのゴール地点にある山口屋は早朝から営業しています(営業時間、コロナ対策要確認)。前回は豚汁か何か食べました。富士宮、御殿場ルートは登頂しても建物内には一切入れないため、天候があまり良くない日は、なるべく日の出の時間に合わせて登頂するのが安全です。あるいは、吉田側へ周るか。

富士宮ルート上の山小屋でも日の出は見られますが、実際に歩くとやはり吉田ルート側が綺麗に見えると思いました。浅間大社奥宮近くのちょっと高いところもご来光スポットとなっているようですが、吹きさらしで、先客もいたので真東の地点まで移動することに。

4時11分。空は焼け始めています。ここから徐々に明るくなるグラデーションの時間が好きなので、4時頃登頂してちょうどよかった。

4時32分。ヘッドランプも要らないくらいに明るくなり、下界も見えてきました。眼下には雲の下の山中湖。日本一の頂は圧倒的に高いです。

風を避けられる、大きくて良い岩があったのでそこで待機することに。山頂の気温は手持ちの温度計で2℃。風は予報通り6m/sくらい吹いていたので、体感は0℃以下。レインジャケットをさらに着て待ちます。

待機した岩陰。

 

4:56。少々雲がありますが、とても綺麗。のびやかな雲がいい。

5時7分。雲の上に太陽が出ました。3776mの朝のはじまり。

生まれたての太陽を浴びながら吉田側へ。山小屋が見えると一気に人が多くなりました。こんなにいたのかという感じ。

 

 

人が多いルートだけあって山小屋も賑やか。太陽が昇り、みなさんそれぞれの道にはけていきます。

ぼんやりとしか覚えていないお鉢めぐりへ。富士山山頂は初めてブロッケン現象を見た場所。以前はすっきりした天気ではなく、ガスのご来光。お鉢を歩いていると晴れ間が出てきてブロッケン現象が。それはそれで友人と喜びあった出来事でしたが、やっぱりすっきり青空だと心も晴れやか☀︎

神々しい。

 

 

ゆっくり、まじまじお鉢観察。

 

右手の一番高い場所が3776mの剣ヶ峰。

 

素晴らしい影富士。登らないと見られない富士山。

前回は夕焼けのグラデーションに影富士。朝も夕方も綺麗です。

 

剣ヶ峰に到着。ここはさすがに順番待ち。

文字が全く見えませんが「日本最高峰富士山剣ヶ峰」と書かれています。無事に二度目の登頂を果たしました。

頂上富士館の方へ戻ります。この下りがなかなか滑る。

山頂の広さを考えても、やっぱり日本一。

 

 

 

頂上富士館前で改めて朝ごはん。あんぱんを頬張り、日焼け止めをぬりぬり。4000m近い紫外線はえげつない。

頂上浅間大社奥宮。

以前ここでおみくじを引いたと思いますが、5人中4人が大吉で1人が吉。大吉がいっぱい入っているようで、大吉以外を引く方がレアなのでは?という確率。日本一の頂で凶だったらガックリきそうですが、凶はないのかな。

時刻は7時前。登頂してから3時間も経っていました。お昼には下山すべく、出発。

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爽快とはこのこと。山頂~わらじ館

*御殿場ルート下山~赤岩八合館~砂走館〜わらじ館:CT 1時間15分*

御殿場ルート下山開始。

 

昨日見えなかった下界も今日はすっきり。海も見えるし、利尻山のような島山の雰囲気があり、とっても爽快★

のびのびした裾野が気持ちよい。

 

御殿場ルートは、大砂走りまでの区間はガレとザレが中心。上の方が多少ゴロゴロしていますが、下るほど傾斜は緩やかになっていきます。

富士宮ルートのような急傾斜は特になく、下山しやすいと感じました。ゴロゴロと不安定なので捻挫、転倒には注意。

 

御殿場ルートは人も少なく、その辺に座って休憩がいくらでもできます。

赤い。

お昼に雨が降るのか?というほどの青空。

八合目の見晴館。建物は残骸のみ。

下には「赤岩八合館」が見えています。

宝永山を見ながらさらに下って行きます。本当に気持ちがいい。すぐ立ち止まってしまう。

赤岩八合館のちょっと先から浅間大社奥宮の境内なんですね。境内大きいな。

赤岩八合館

立ち止まりすぎていますが、ここで座って休憩。赤岩八合館のトイレ脇は全く臭いがしませんでした。

出発。足元は非常に歩きやすくなっています。

生クリームのような、綿菓子のような雲。

昨日、萬年雪山荘に泊まっていた男の子が、雲を見ながら「雲の上歩きたいな〜」と言っていました。小さい頃から空が好きで、雲は水が変化したものだと知ったとき、なんだかとてもショックだったのを覚えています。でも、大人になっても雲に乗りたい気持ちは変わりませんね。

 

眼下に須走館。

 

到着。

御殿場ルートはやっぱり空いています。登りよりも下り利用の人が多いです。

すぐ下には「わらじ館」があります。

小屋や外の休憩スペースにちょこちょここだわりを感じる楽しげな小屋でした。

Instagramの手作り枠まで。

「本日 空きあり 泊まれます」という文字を見て、なんだか久々に本来の山小屋に出会った感じがしました。コロナは仕方がないけど、目的地を決めず、自由に山を縦走できる日が本当に待ち遠しい。正直、予約の有無や埋まり具合を見て計画したり、無理のない範囲でどこまで行動するかを細かく考えることに疲れてしまいました。

昨年も、なるべく予約の必要ない山域を選んで歩きましたが、小屋の売店や食堂利用の制限はあるので、どこか縛られている感じ。山って、自然って、もっと自由だよなーと思いつつ、山小屋があるから歩ける訳で、小屋の人たちの苦労にも寄り添わないといけない。何とも複雑ですが、早くコロナが落ち着くことを祈るばかり。

ここから先、バス停400m手前の「大石茶屋」まで何も無いので、水の補給やトイレはここが最後です。

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富士山の色。わらじ館〜宝永山

*わらじ館〜宝永山:CT50分*

 

景色の変化はあまりないし、写真にするとさらに一緒に見えますが、五感が"違う"と訴えてくる。

顔を上げるごとにちょっと違う風景が飛び込んできて、だから立ち止まってパシャリ、パシャリ、パシャリ…

だいぶ下りてきました。相変わらず素晴らしい青。

やめられない、とまらない、山歩き。

富士山、よいな。

 

七合目の日の出館に到着。休業中です。

さて、この七合目から砂走りが本格化し、宝永山への分岐から核心部である"大砂走り"に入ります。スパッツの装着、レインカバーの装着(ザックが砂まみれになるので推奨)をお忘れなく。

下れば下るほど急に、砂への埋まり具合は深くなります。

まだまだ序の口。

今回、ローカットシューズで富士山に行ったらどうなるかを試そうと思いましたが、本当にやめてよかった。

スパッツがあれば多少ましだと思いますが、吉田・須走・御殿場(特に)ルートに関してはミドルカット以上を推奨。唯一、富士宮ルートは登りと下りが一緒なので、このような砂走りはありません。スパッツ無し、ローカットなら富士宮ルート下山をおすすめします。ただ、捻挫や転倒のリスクは高そうです。

宝永山が近づいてきました。

宝永山も2693mと、それなりの高さがありますが、富士山の横にポコッとあるととても小柄に見えます。どーんと構える日本一には敵わない。

分岐に到着。

とってもいい◎

束の間砂走りから解放されて歩きやすい。

宝永第一火口です。

火口へ下りて富士宮口の方へ歩くこともできます。富士宮口に戻る周回も考えましたが、せっかくなので御殿場ルートをしっかり歩くことにしました。

御殿場口からの方が帰宅しやすいことと、行きたいお店があったというのも理由ですが、やはりここから富士宮口へ行く人も多かったです。

いいー。ひたすらいいー。

 

到着。

見渡す景色もよいのですが、振り向いた景色に惚れ惚れ↓

ものすごくかっこよい!!!

これ、とっても感動しました。正直、宝永山から見える景色を下山中にずっと見ているので、そのまま下ってしまおうかとチラッと思ったのですが、寄り道して正解◎

縦。富士山よいなー。

ここから見る富士山は、一番"富士山"を感じました。

経験を積むごとに山を見る目が変わります。お気に入りの山を何度も何度も登るのも楽しいですが、5年くらい経って再訪するのもまた楽しい。再訪したい山も、憧れの山もたくさんあって、時間が足りません。

流れが芸術的。

富士山色のボーダー。宝永山からの風景に富士山の色がギュッと詰まっています。

宝永山だけ登る方もいますが、これは満足度が非常に高いと思いました。富士宮口からも2時間かからないし、晴天の宝永山はたまらないですね◎

次回はここで珈琲を飲みたいですが、富士山は基本的にバーナーなどの火気の使用が禁止されています。「山小屋周辺や人が集まる登山道を避けて使用してください」ということですが、持参しませんでした。

山小屋内も自炊室はないため使用禁止。山小屋のベンチでバーナーを使用している人がいましたが、山小屋から許可されない限りNGです。

満喫して御殿場ルートへ戻ります。

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砂まみれ。宝永山〜御殿場口新五合目

*宝永山〜次郎坊〜大石茶屋〜御殿場口新五合目:CT1時間50分*

 

宝永山馬の背。

ザクザク下って、御殿場ルートに合流します。

 

果てしない。暑い。急。でも、爽快。

砂走りの区間は人の後ろを歩かない方がいいです。自分が巻き上げる砂埃でただでさえ砂まみれなのに、他人の砂埃を受けるとさらにやばい。

普通に歩く分にもサングラスはあった方がいいですが、砂埃対策として絶対にあった方がいいです。風が吹いたときとか目が痛い。

走って下る人もいるので、追い抜きの人が来たら立ち止まって、ある程度距離をおいてから歩いていました。

右側の双子山まで行けば傾斜が緩やかになりそうですが、なかなか近づかない。

疲れてきたーというところで「次郎坊」に到着。ここから大石茶屋までコースタイム35分。

 

踵を押し付けるように下っていきますが、これが疲れる。柔らかくて不安定なので余分なエネルギーを使います。普段の山歩きで使わない筋肉がやられたか、変に筋肉痛になりました。

双子山を見上げる位置まで下りてきました。とりあえず暑い。

もうちょっとかな…若干飽きていたり。

下るほど砂が浅くなります。上部と同じテンションで踵を押し付けていると膝に悪いので、少しずつ普段の歩行に。しかし、埋まることに足が慣れてしまったせいで、地面が硬くなって足がびっくりしていました。

雲が上がりはじめた。

最後の「大石茶屋」まであとちょっと。

 

"カキ氷"の看板がそこここに。

ものすごく誘惑されましたが、下ってから炭酸を飲みたい。でも、この晴天でカキ氷は最高か…でも、下りました。

 

大石茶屋からバス停まで400m。

下山。長かった、御殿場の大砂走り。そして暑い。標高は1440mで、山頂から2336m一気に下ってきました。

ちょっとした売店と、バスを待つベンチがあります。ベンチが日陰になっているのがすごくありがたい。

写真ではわりませんが、ザックは見事に砂まみれ。あらゆる隙間に入り込み、レインカバーをすれば良かったとすごく後悔しました。どうせ水洗いしますが、公共交通機関だとさすがに…なので、ウェットティッシュで拭きあげ。メッシュポケットに入れていたサングラスケースの表面が悲惨なことになっていました。

もちろん自分も頭からつま先まで砂まみれ。黒いレザーの登山靴は限りなく白い。帽子も砂まみれ。下山時の着替えがあるといいですね。身軽に歩くために、着替えもサンダルも何も持って来ませんでした。

12時のバスに乗り、御殿場駅へ。30分で着くので楽ちん。しかしながら、富士山の涼しさが嘘のような暑さ。0℃近い環境から35℃近い環境へ…

御殿場駅から帰りたかったのはここに寄るため。

ハンバーグが美味しい有名店"炭焼き さわやか"。ここのハンバーグを目的に御殿場に来る人もたくさんいます。近くの山に行ったときと思いつつ、なかなか御殿場方面に来る機会がありませんでした。

駅から10分ほど。ワクワクしながら到着。

普段並ぶお店ですが、車がなくラッキーなのでは?と思って入口へ。すると・・・

ん?

んん?

日!?!?

あれ?定休日あったっけ…と、お腹ペコペコで絶望しながら立ち尽くしていると、中から従業員さんが出てきました。

従業員の方がコロナに感染し、今日は臨時休業しているとのこと。濃厚接触者の確認などで、本部からOKが出るまでは営業再開できないと。わざわざ外に出てきて、ご丁寧に説明してくださいました。

残念だけど、それは仕方がない。自分も接客業だったのでコロナ対策の大変さはよくわかります。飲食店となると飛沫感染のリスクが非常に高いし、本当に、たくさんのお店がギリギリのところで頑張っているのだと思います。

「営業再開したらまた来ます!」とお礼を言って、早めに帰宅。

近くにあった「KOMUGI」というパン屋さんが美味しそうだったので、買って帰りました。

無事に帰宅し、これにて二度目の日本一登山が終了。

「富士山はもう十分」と思っていたのに、改めてじっくり歩くと素晴らしい山でした。天候や混雑状況は大きく影響すると思いますが、富士山からの風景や雲、空、色…目につくものはどれも新鮮で、以前の富士山とは別の山のようでした。

「もう二度と登らない」と思った山にまた行きたくなってしまうのは、苦しい中でも自然をしっかり感じているからだと思います。もう一度登ったら何か違うのではないか?という淡い期待もあったり。

日本一の山、富士山。日本人の心の故郷であることをいつまでも誇りに思えるように、日本の大事な自然の一つとして接していければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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