スポンサーリンク

木曽駒ヶ岳の先に広がる世界。紅葉の中央アルプステント泊縦走#3【池山尾根】

山 歩 き

2021.10.6(水)
天気:晴れ☀
気温:6時→8℃/12時→12℃
風:西北西 11~14m/s

歩き人たかちです。

最終日の3日目。昨日は、アップダウンをしながら黄色く染まる中央アルプスの稜線に目と心を奪われながら駒峰ヒュッテまで。温かいヒュッテで一夜を明かしました。

今日は"池山尾根"で菅ノ台へ下山。およそ10kmの行程です。

池山尾根の林道終点には駐車場がありますが、その下の駒ヶ根高原スキー場の駐車場から上の駐車場までの林道区間は、一般車は通行できません。落石や崩落の危険から、今年はゲートが閉まっているとのこと。

池山尾根は"長い"といわれる尾根ですが、紅葉がとても綺麗でした。秋の森は個性が溢れるので、森歩きがとても楽しくなる季節です。急な箇所もありますが、最後まで爽やかに歩けました。

【行程】

駒峰ヒュッテ-駒石-空木平-ヨナ沢の頭-迷い尾根-小地獄-大地獄-マセナギ-池山小屋への遊歩道-タカウチ場-林道終点-菅の台バスセンターこまくさの湯

▲コースタイム:6時間5分

スポンサーリンク
スポンサーリンク

駒石の上。駒峰ヒュッテ-空木平

*駒峰ヒュッテ-駒石-空木平:CT 40分*

今日は風が11~14m/s予報のため、昨夜から風の吹き荒れる音がすごい。テントではないのでぬくぬくと温かく、気持ちよく寝ていました。急ぐ必要もないので、駒峰ヒュッテから朝日を見てゆっくり出発。7時頃にはチェックアウトしてくださいという感じです。

4時半頃に1階へ降りると、ストーブの上にやかんが置かれ、小屋番さんに「お湯よかったら使ってね。」と。起きてお湯ができている幸せ。土日で宿泊者が多いとそうはいかないと思いますが、これも平日で5人という少なさの特権か。

日の出は5時45分頃。また遅くなったなあ・・・と冬を感じます。駒峰ヒュッテからは朝日が綺麗に見えるので、5時15分頃に特等席へ。西風を小屋がちょうどよく柔らかくしてくれたおかげで、我慢できないほど寒くもなく夜明けを待ちます。

3日目間、南アルプスのシルエットに釘付け。

雲が赤く染められ、今日も素敵な一日になりそう。

おはようございます☀

テラス側は寒いけど、昨日歩いた道を感慨深く見つめる。歩いてきたんだなあと見つめるこの時間が好き。

小屋へ戻ろうとすると、昨日の女性が空木岳より下りてきました。早い・・・木曾殿山荘を4時に出発し、空木岳の山頂手前で日の出を見たとのことでした。そのまま軽快に空木平避難小屋方面へ。

私はゆっくり準備。非常に居心地のいい避難小屋で、また利用したいです。次はテラスでゆっくりと・・・。小屋番さんも、「越百山方面の稜線もすごくいいからまた来てね。」と。檜尾避難小屋と空木平避難小屋を経て、越百小屋に行こうかな。

6時半過ぎに出発。駒石方面への道はテラスの奥から続いています。

小屋番さんがかっこいい。

空木平避難小屋方面は谷を行きますが、駒石方面は稜線を。空木平の紅葉を眺めながら歩くことができます。

気持がいいなあ。

空木平避難小屋が見えます。葉が落ちはじめ、あずき色になり出した斜面がいい色。

ナナカマドも終わりです。

下って行くとヘリポートがありました。ここからヒュッテまで歩荷するのですね。

その先に大きな駒石。小屋番さんに、「駒石と空木平の紅葉と南アルプスが綺麗に写真に納まるから、下りすぎずに立ち止まってみて」と言われました。駒石は大きいし、下りすぎると紅葉が入らないとのこと。

見せていただいた写真はこんな感じでした。左に駒石、右に空木平の紅葉、奥に八ヶ岳と南アルプスの山並み。朝のやんわりした光で紅葉がわかりにくいですが、肉眼ではとても綺麗でした。

ご立派。空木岳ワールドがまだ続いているかのようです。「駒石登れるから登ってみて」とも言われました。空木岳から下ってきて、右側に回り込むと登れる斜面があります。

せっかくなので登る。

空木平の紅葉がさらに深く見える。

避難小屋側もよいな。

木曽駒ヶ岳方面。

そして空木岳。

駒石の上でまったりしていると、トレランの女性が来たのでお互いに写真を撮り合う。ソロだと誰にも撮ってもらえませんが、私が登っているところを見て登ってきたと。お互いタイミングが良かった。

お姉さんは黒川平の駐車場に車を停めて3時に出発、檜尾岳まで行きそこから下るとのこと。空木岳はトレランの方も多く、ピストンの人もいれば、日帰りで木曾駒ケ岳の方へ行く人、お姉さんのように檜尾尾根から下山する人・・・すごいなあと思います。

私はそのまま駒石の上でちょっとゆっくりしてから空木平へ。

小屋番さんがいなければ駒石は見上げて終わりでした。

 

 

空木平からは樹林帯になるので、惜しむようにゆっくり歩く。

 

少しずつ標高を下げて"空木平分岐"に到着。ここからは秋の森歩き。

スポンサーリンク

爽やかな秋の森。空木平-マセナギ

*空木平-ヨナ沢の頭-小地獄-大地獄-マセナギ:CT 2時間10分*

森へ。

樹林帯に入ると風は柔らかくなり、とても爽やか。ところどころ色づく木々に足が止まります。

新緑と秋の森歩きは一年の中で一番好きです。新緑はフレッシュグリーンの新芽に命のエネルギーを感じて、秋はそれまで緑一色だった葉の個性が溢れます。

葉っぱの枯れ方や色のつき方、模様もみんなそれぞれ違う。こんなところにこの葉っぱが〜とか、この木が~とか、発見がいっぱいの秋。

上を向きたくなる秋。

光が差すのもいい。

足下も彩られます。

落ち葉をカサカサ踏みしめながら歩いていると、またまた女性にお会いしました。空木平避難小屋で朝ごはんを食べていたとのこと。下山後に"光前寺"に寄るとのことですが、アニメ「ゆるキャン△」の中に出てくる聖地のようです。「こまくさの湯」が出ているのは知っていましたが、光前寺には"早太郎みくじ"という、かわいいわんこのおみくじがあるとか。

麓も含めて楽しむのはいいですね。これぞ山旅。

 

気持良く歩いていると"ヨナ沢の頭"に到着。

この先に"迷い尾根"があり、小地獄、大地獄など細い道や鎖場が出てきます。池山尾根の中ではこの辺りが一番歩きにくい箇所。

 

 

 

 

 

ステップがついていたり。滑らないように注意。

 

"迷い尾根"のはじまり。急峻でやせ尾根が続くので、転落・滑落に注意してくださいとのこと。

 

土砂崩落もあるようで。

 

一人分の幅を行きます。すれ違いは要注意。熊鈴が鳴っていると、登りと下りの人それぞれ早めに気が付いていい感じに譲り合いができます。

鉄パイプが組まれた階段や鎖場のはじまり。

 

 

頭ををゴツンとぶつけるような木にも注意。

 

岩場をどんどん下って行く。

 

やせ尾根が終了しました。

また歩きやすい道となり、マセナギまで600m。

途中ですれ違ったお兄さんに駒峰ヒュッテの売店はやっているかと聞かれ、昨日小屋番さんがいたのでと答えましたが、小屋番さん何時に出発するのかな・・・とお別れしてから思う。バッジを買いたかったようで、それは売り切れだったというと残念がっていましたが、間に合うといいな。ゆっくり出発とは言っていましたが、期待させておいて出発後だったら申し訳ない…と今でもちょっと気になっている。

空木岳のバッジはこまくさの湯にもありました。木曾殿山荘で売っている靴型のものはありませんでしたが。

何気なく落ちているものに惹かれる。

 

 

熊笹の道となったところで"マセナギ"に到着。同じく避難小屋に泊まっていた方がごはんタイムで休憩していました。

看板にある「簫ノ笛山」は地図には道がない山。見える範囲は熊笹が刈られ歩きやすそうですが、先はどうなっているのか・・・

スポンサーリンク

秋色の木々。マセナギ‐林道終点

*マセナギ-遊歩道-分岐-タカウチ場-林道終点:CT 1時間15分*

 

歩き出すと、すぐに"尻無"という標識がありました。

ここで道は二手に分かれます。池山小屋を経由してその先の分岐に出るか、池山小屋を通らない遊歩道を経由して分岐に出るか。遊歩道の方が100m短いようです。

池山小屋を見たい気持ちも少しありましたが、遊歩道が気持ちよさそうだったので遊歩道へ。池山小屋と分岐にはそれぞれ水場があります。分岐の方の水場は出ていないこともあるようなので、水を補給するなら池山小屋経由が確実かと。

遊歩道の道へ行くと、とても歩きやすい散歩道のような感じ。まずはシラビソの中を。

 

そこから緩やかにぐねぐね下り始め、周囲はダケカンバになっていました。

ダケカンバの森が本当に気持ち良くて、落ち葉を踏みしめながら、いい香りを楽しみながら、ルンルンで。

分岐に到着。池山小屋はここから100m。ここでまたまた女性と再会。池山小屋で大休止していたとのこと。「特に何もなかったよ」とのことだったので、まあいいかと分岐で休憩。

分岐の水場はチョロチョロと水が出ていました。

ここまでのすれ違いは10人もいない感じで、夜から明日にかけて天気が崩れる予報なので、登る人もそこまで多くないようで。

再び森歩きを。下るごとに気温があがり、ちょっと暑くなってきた。

上を見上げると今度はカラマツ。

カラマツの紅葉が本当に好きで、何度も見上げてしまいます。スーッとのびた幹、明るく森を照らす黄色とオレンジ。真っ直ぐのびやかなカラマツは、なんだかスッキリした気持ちにさせてくれます。

カラマツの紅葉が圧巻だったのは"浅間山"。上から見てもオレンジ、下から見てもオレンジ。とにかく綺麗でした。

以前池山小屋はこの辺りにあったようで。下には沢があります。

稜線も進まないけど、森も進まない。

 

深呼吸しながら"タカウチ場"に到着。林道終点まで1.1km。

ここまでくると紅葉はまだちょろっとしかはじまっておらず、緑のトンネル。

緩やかに下り続けて"林道終点"に到着。

東屋とトイレがありました。

麓が近い。ここから下の駐車場まで残り2kmほど。先の登山道より再び下っていきます。

スポンサーリンク

下る下る。林道終点-こまくさの湯

*林道終点-空木岳登山口-こまくさの湯:CT 2時間10分*

登山道を通らず林道経由でも下れるようですが、それは7.3km。車の道なのでかなりプラスになります。

もうここは暑い。登山口へラストハイク。

林道を横切りながらどんどん下って行きます。

看板によって登山口までの距離が違いますが、たぶんこのタイプが正しい。

 

途中には沢がありました。

このあたりは"遊歩道"とも交わっていて、森の中を歩けるコースがあるようです。

街の音が聞こえてきて、無心で下り続けました。

そして、池山尾根登山口に到着。遊歩道の看板がありますが、結構ぐるーっと周れるようです。

駐車場はそこまで大きくないですね。

最後に少しだけ下山道を下ると「2万年前の土石流堆」という看板が。

麓は暑い。今日は結構暑い。"こまくさの湯"へ直行。

周辺にはソースカツ丼のお店がたくさんあります。ちょうど12時頃なので、有名な"明治亭"にもたくさんの車が。他にも"喫茶ガロ"など。喫茶ガロもゆるキャン△に出てきたお店です。

ソースカツ丼は以前どこかのお店で食べましたが、山盛りのキャベツに大きなカツたちが乗せられ、量が多くて必死に食べました。なので、今回はこまくさの湯で"ミニソースカツ丼"と決めていました。

「入浴食事セット券」というものがあり、入浴+決められた5つのメニューの中からひとつ選んで¥1,200。入浴が700円、ミニソースカツ丼が670円なので¥170お得です。あまりがっつり食べないという方にはおすすめ。

食堂にはテラス席もあり、木曾駒ケ岳をチラリと見ながら食べることができます。川を目の前に爽やかな風を浴びながらソースカツ丼をいただく・・・いい時季。

ミニソースカツ丼美味しかったです。以前食べたソースカツ丼はカツ全体がソースにたっぷりつけられたような感じでした。お店によっていろいろ違うので、好みを探すのも楽しいと思います。

露天風呂からも木曾駒ケ岳のカールが見えて、ゆっくりと身体を温めました。下山後に温泉に入ると、身体が冷えていたんだなあと実感します。だからこそ、心臓から温まっていく感じがたまらない。

こまくさの湯の目の前からバスに乗れますが、高速バスまで少し時間があったので、そのまま駒ヶ根ICまで歩きました。2.2kmほどで、歩道もあるし、ずっと下りです。

ずーっと下って「女体山入口」のバス停までくると、高速バスの乗り場の案内がありました。水曜日ですが、帰りはほぼ満車の状態で、やはり人気ですね。

3日間の中央アルプス山行が終了しました。木曾駒ケ岳は朝発でも行ける近さやロープウェイの便利さがあり、ついつい北アルプスなどを優先してしまっていたのですが、また歩きたい素晴らしい縦走路でした。

お花の時期と迷いましたが、空木岳北側斜面の紅葉のかっこよさ、池山尾根の気持ち良さから、秋にして良かったなあという印象。空気が澄んで南アルプスの稜線もくっきり綺麗に見えるし、気候もよく歩きやすい。紅葉のピークなら9月下旬になると思いますが、木曾駒ケ岳が今回よりも混むことを考えると、やはりピークをちょっと過ぎたくらいがちょうどいい。

頂上山荘のテント泊も、駒峰ヒュッテもとても居心地が良かったし、何より空木岳の世界観にやられました。北アルプスや南アルプスに比べたら規模は小さいですが、中央アルプスでしか見られない景色もたくさんあり、とってもおすすめです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村

よろしければ、応援よろしくお願い致します。

コメント

Copied title and URL