化繊中綿ジャケット。モンベル「UL サーマラップパーカ」

山 の 道 具
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歩き人たかちです。

薄くて、軽くて、嵩張らず、温かくて、蒸れにくい…そんないいものないかなというときに発売された中綿ジャケット。

「アクティブインサレーション」とも呼ばれ、アウトドアメーカー各社様々なモデルを出しています。

私が4年以上、オールシーズン愛用しているモンベルの「UL サーマラップパーカ」についてご紹介します。

エクセロフトとは何だ?

エクセロフトとは、モンベルが開発した中綿素材。20年以上、改良を重ねられています。

ダウンに劣らず温かく、濡れても保温力のある中綿素材はつくれないか。そんな思いでエクセロフトは開発されました。

エクセロフトの特徴

他のポリエステルの中綿とは何が違うのか。

エクセロフトの特徴は「太さの違う3種類のポリエステル繊維」が使用され、絡み合って1枚のシート状になっています。

中綿をヘタリにくくするためには「太い繊維」を使用します。しかし、太い繊維だけで構成された中綿は硬く、隙間が多い。ということは、しなやかさに欠け、空気もうまく溜め込めない。

そこで、このエクセロフトには極太・中太・極細の3種類がブレンドされました。

画像出典:モンベル

【極太繊維】
バネのような弾力がメイン。ダウンのような回復力の役割を担います。小さく畳まれたり、丸められたりしたウェアをブワッと広げてくれるのがこの極太繊維。また、オールシーズン使用してもヘタリにくくする働きもあります。

【中太繊維】
中太繊維は適度な弾力性と柔らかさを備え、中綿全体を支える役割。極太と極細のあいだで、ロフトの保持と空気の溜め込み、両方の役割りを担い繊維を支えます。

【極細繊維】
最も細い繊維は温かい空気を保持する役割。髪の毛の数百分の一という細さで、極太と中太の隙間に入り込み、熱の動きを遮断。温かい空気をしっかり溜め込んでくれます。

中綿の素材はポリエステル100%。繊維一本一本にはシリコーンコーティングが施され、雨や汗などの濡れが生じてもかさは減らず、保温力の低下も最小限に抑えます。

ストレッチエクセロフト

エクセロフトに改良を重ねて登場したのが「ストレッチエクセロフト」

ご紹介するUL サーマラップパーカには、ストレッチエクセロフトが使用されています。

画像出典:モンベル

エクセロフトの3種類の繊維の中にさらに、捲かれ縮められたバネのような形をした繊維を投入3デニールの繊維をコイル状に加工して繊維に混ぜることで、伸びる中綿に変身隙間をさらに埋めてくれるので、保温性も向上します。

ウェア全体をストレッチさせるためには表生地だけではなく、中綿もストレッチ素材にしないと意味がありません。このストレッチエクセロフトにより登場したのが「UL サーマラップシリーズ

UL サーマラップのスペック・機能

重量・サイズ・素材

基本的な情報は以下の通り。重量はサイズによって異なります。

重量女性用Sサイズの実測192g
(スタッフバッグ込199g)
収納サイズ∅12×19cm
素材身頃:ナイロン100%
肩袖:ナイロン89%
ポリウレタン11%
中綿:ポリエステル100
撥水加工あり(ポルカテックス加工)
※防水ではありません

HPでは、女性用平均重量が217gですが、Sサイズは200gを切っていました。薄手のフード付きダウン「スぺリオダウンパーカ」の平均重量が207g。良い勝負。

収納サイズは、ペットボトルより大きい。スタッフバッグいっぱいに広がった状態なので、押しつぶせばもうちょっとスマートになります。

スタッフバッグは少し余裕のある大きさなので、入れ心地はスムーズ。長年の使用により若干ヘタって以前より入れやすくなった感じはありますが…

他のウェアや寝袋でも共通ですが、スタッフバッグの幅に合わせて畳み、細めにクルクルするとスルッと収まります。畳まずにどんどん押し込んでも問題なし。

*レインウェアなど止水ジッパーが使用されているものは、毎回同じように畳むと同じ箇所に過度な負担がかかって破損する可能性が高まるので、ちょっと気を遣って入れ方を変えてあげると長持ちします。

全ての生地がストレッチ素材ではなく、腕、肩、脇

カラー的に写真ではわかりづらいですが、このモデルはストレッチ部分の素材の色が異なっています。カラーによっては全て同色。

腕・肩・脇には15デニールのストレッチシェル素材が使用されています。擦れやすい箇所でもあるので他の部位に比べて少々厚め。ストレッチ素材以外は12デニール

実際に引っ張ってみても伸びます。

素材は少しシャリっとした感じ。

フードの形状

フードにはちょっとしたがついています。顔周りの、肌に触れる部分は柔らかめの素材。

フードにドローコードはありません。顔まわりをギュッと締めることはできませんが、ベルクロで上下のフィット感を調節し、隙間をできる限り無くすことはできます。

個人差はありますが、自分の場合、何もせず被るとブカッとした感じ。ヘルメットを中に被るとピッチリ。ちょっと窮屈。

ベルクロを調節すると隙間が少なくなり、ピッタリ目の被り心地でちょうどいい。緩すぎず、キツすぎず。

調節していない状態。

ベルクロで調節した状態。庇がくいっと持ち上がります。

ジッパーは当たっても痛くないように保護されています。

ドローコード

裾にはドローコードがついているので、ギュッと絞められます。

ポケット中にはゴムが。

ポケットの中にあるゴムが裾のドローコードの端になっているので、これを引っ張ると裾が締まります緩めるときはジッパー裏にある内側のパーツで緩めます。

ポケットに手を入れながらワンアクションで締められる仕組み。

お気に入りポイント

購入に至ったお気に入りポイントについて。

代謝がいい人にも嬉しい薄さ

代謝がいい人の悩みは"着た方がいいかな…という寒さで着ても、すぐに暑くなって脱いでしまうこと"。自分がそうです。

夏の暑さには強いので「暑がり」とは違う思っています。血の巡りがいいという感じ。

代謝の良い人ほど重ねるものを薄手にしないと、無駄に汗をかいてしまいます。なので、この薄さが雪山などの結構寒いシチュエーションで使いやすい

触ると結構薄いので「本当に温かいの?」と疑問に思うかもしれませんが、意外に温かいです。

天候が比較的安定している厳冬期谷川岳の場合、登り初めるときハードシェルなどはほとんど着ません。薄手のウールアンダーに愛用のトレールアクション。(これに関してはまたの機会に)中に半袖を着ていることも。

天狗の溜まり場あたりで風除けにULサーマラップを投入。さらに、山頂が本格的にビュービューしているようなら、肩の小屋でハードシェルという具合です。

ロングトレイルの場合、晩秋のテント泊、朝晩の気温が7℃前後くらいまではULサーマラップで過ごせます。寒ければレインを着ればOK。歩くときは、5℃くらいならちょっと羽織ろうかなという感じ。日が出て10℃近く気温が上がればアップダウンのない平地でも暑さを感じます。

普段使いだと真冬は厳しいですが、12月中旬くらいまでアウタージャケットとして使用しています。気温だと10℃くらい

薄いので中間着としても大活躍。ハードシェルと合わせても気になりません。ピッタリ目のサイズ感なので、厚手のフリースなどと合わせると着心地が悪くなります。

蒸れ感少なめ

代謝がいい人がさらに気になるポイントは「蒸れ」。レインウェアもなるべく着たくない。

ULサーマラップシリーズは、適度な防風性を備えていますが、しっかり蒸れも逃がしてくれます。半袖の上に着て地肌に触れていたとしても、ベタつく感じはありません。

暑くなったらすぐに温度調節をしますが、雪山だと「今はちょっと難しい」という場面もあったり。火照りを感じはじめたとき、多少放っておいても大丈夫という蒸れ感でおさまることが多いです。

防風性も適度にあるので、フリースとどちらが蒸れにくいかとなれば、フリースの方が蒸れにくいです。

しかし、防風性、透湿性、軽さ、嵩張りをトータルで考えると、ULサーマラップの方が使いやすい。フリースは嵩張りが悩ましい。トレールアクション以外のフリースはお蔵入りになりました。家用。

抜群のストレッチ

売りにしている「ストレッチ性」に関しては、申し分ない伸びを発揮してくれます。腕を回しても、前後に動かしても、突っ張る感じはありません。

スキーやアイスクライミングなど、激しいスノースポーツにも十分使える伸び感。スキーで使用する人は多いです。

お手入れらくらく

ダウンと違ってお手入れは楽ちん。洗濯機にポイ。

他のポリエステル素材同様、脱水が終わったあと半分くらいは乾いています。

長期ロングトレイルでジャケットを洗濯できるのは嬉しいポイント。この薄さ、軽さなら嵩張りも致命的にはなりません。

なお、洗濯するときジッパーは全て閉めます。ジッパー付きのウェアは共通ですが、ジッパーを開けたまま洗濯すると生地を傷めてしまいます。また、ジッパーの破損の恐れがあるので、ポケットも全て閉めます。ネットに入れてあげるとより長持ちします。

ここがイマイチ・・・

袖が細くなっているので、アウトドア用の腕時計をしていると着脱がしづらいことがイマイチなポイント。

着るときは押し込めば着られますがスマートではありません。

時計に被せられないくらいの細さ。袖はあまり伸びません。

苦しい。

手首の筋の部分には、ストレッチ素材が使用されています。中綿は入っていません。しかし、これだけでは伸びは不十分で、脱ぐときは特に大変。というか、時計を一度外します。

手袋も引っ掛かりやすい。冬用の手袋を1枚しているくらいなら平気ですが、雪山ではオーバー手袋をはめていることも多いので、一度手袋を外さないと脱げないという面倒な感じ。透湿性に頑張ってもらって、できれば脱ぎたくない。

ダウンか化繊か

中綿の保温着を選ぶとき「ダウンがいいか、化繊がいいか」という問題があります。寝袋にも言えることですが、簡単に。ダウンについては改めて別の機会にご紹介できればと思っています。

【ダウンのメリット】

◾︎ 保温力が高い
◾︎ 小さくなる(嵩張らない)
◾︎ 軽い

【ダウンのデメリット】

◾︎濡れや湿気に弱い
※濡れると戻るまでに時間がかかる
◾︎ 羽毛抜け
◾︎ 破れた場合、羽が飛び出す

【化繊のメリット】

◾︎ 濡れに強い
◾︎ 洗濯が容易
◾︎ 破れても飛び出さない

【化繊のデメリット】

◾︎ 重い
◾︎ 嵩張る

※ダウンと同じ保温性を出そうとした場合

それぞれメリットデメリットはあるので、ダウンと化繊で使い分けるのが一番いいですが、大きく分けるなら「行動中に着るか着ないか」

ダウンは湿気に弱いので、行動着としては不向きです。テント場や休憩時の保温着だけで考えるのであればダウンがいい。しかし、行動中も着ることを前提としたと保温着ということであれば化繊がいい。

朝、テントを撤収してそのまま行動に移るなら断然化繊が楽です。というか、これは化繊のメリットです。

まとめ

◾︎ 薄くて温かいもの。
◾︎ 適度な防風性、透湿性、保温性がある。
◾︎ 中間着にもアウターにも使える中綿。
◾︎ オールシーズン活躍の保温着。
◾︎ ストレッチ性能のある中綿ジャケット。

こんな特徴のものをお探しであれば、一度検討する価値はあると思います。

4年以上オールシーズン使用しているので、さすがに少々ヘタリが出てきました。しかし、まだまだ使用できます。

願望としては女性用にも胸ポケットを付けてくれると嬉しいです。(男性用は付いています)胸ポケットはザックのベルトにも干渉しないし、取り出しやすいし、個人的にすごく好き。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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