歩き人たかちです。
山でも"生米派"の私は、固形燃料とメスティンを愛用しています。
エスビット「ポケットストーブ」からはじまり、風防をゴトクにして100均のアルミの受け皿だけにしてみたり。
「台・ゴトク・風防」の組み合わせでしっくりくるものがないまま、結局ポケットストーブに戻ったり。しかし、せっかく固形燃料を使っているし、もう少しコンパクトにしたい。そんな中で「これだ!」と思ったもの。

Trail Hut「Q(quadruped)45」
大峯奥駈道の縦走で使用してみて、今の自分にはこれがベストだなと実感したのでご紹介します。
自分に合う火は"固形燃料"
ガス・固形燃料・アルコールを一通り使ってみた中で、自分(ソロ山行)には固形燃料が一番合っているという結論に至りました。
とはいえ、ガスバーナーはやはり便利だし、もちらん使います。冬の寒い季節や日帰りでサクッと珈琲飲もうかなというき、山ごはんを楽しむグループ山行などで。ただ、ガス缶の面倒なところは・・・
◾︎ 中身が減ってもサイズは変わらない
◾︎ O.D.缶の廃棄が面倒
火力は強いし、ガスバーナーはとても便利ですが、"残量がわからない"のは面倒ですね。新品のガス缶の重量を測り、使うごとに計測することで、何にどれくらいガスを使うのかを大体把握することはできます。しかし、気温や使用環境によって火力も変わるし、いちいち考えるのが面倒。
「心配だからもう一つ持って行こう」
「足りないから新しいの持って行こう」
何より、こうなるのが面倒です。ガスが減ってもコンパクトにならないし、廃棄も面倒。頻繁に捨てる訳ではないので、いくつか溜まったら捨てようと置いておくのも嫌。
そんなこんなで、トータルで使いやすい固形燃料へと移行していきました。
Trail Hut「Q(quadruped)45」
組立時サイズ | 高さ:57mm 五徳面:50mm四方 燃料台面:40mm四方 燃料を置く面からの高さ:45mm |
収納時サイズ | H57×W72×T2mm(1枚1mm) |
重量 | 実測19g(リング3g) *自作トレー込み22g |
素材 | SUS 304 (素地のまま) |
耐荷重 | 2kg |
◾︎ アルコールストーブのゴトクにも
◾︎ 高さは2段階
◾︎ スクリーン(風防)取り付け可能
ソロクッカー用のサイズ感
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「Q45」は、200〜400mlのお湯を沸かすクッカーにちょうどいいサイズとなっています。もう少し大きいものがいい場合、ワンサイズ大きい「Q65」もあります。

450mlのカップ

330mlのシェラカップ
カップでそのままお湯を沸かしたいという場合にも問題なし◎
アルコールストーブのゴトクにも
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出典:Trail Hut
小さめの容器なら収まるので、アルコールストーブのゴトクとしても使用できます。
トランギアのアルコールストーブには慣れませんでしたが、小さな容器なら点火しやすく、扱いやすい。コーヒーや紅茶を1杯飲む程度なら、燃料を無駄に使わなくて済むアルコールが◎。
固形燃料だと使い切りになるため、珈琲用のお湯を沸かすときなどは3分の1か4分の1に切って使っています。その手間を考えると、固形燃料とアルコールストーブ、うまく使い分けるのが一番いいですね。

ひっくり返して倒立で使用することも可能。この場合、ロックリングは使用できません。
高さを調節できる
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脚には凹凸があり、燃料を置く高さを45mm・35mmの2段階で調節できます。
高さ調節をする場合は燃料を乗せるトレーが必要になります。100均でステンレス版を入手できるので、それを切って台を作成(ハサミで切れます)。

高さ45mmの場合

高さ35mmの場合

一番上にも一応トレーを置けますが、これは使わないか・・・風防が高い場合は使える?
スクリーン(風防)取り付け可能
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出典:Trail Hut
アルミ缶でつくられたスクリーン。風が強いときも大丈夫なのかな?使ってみないとですね。
*「Q65」にブラケットはありません
実際に使ってみて
◾︎ リングで崩れずストレスなし
◾︎ VARGOの風防と相性◎
◾︎ 点火しやすい
◾︎ 大きめクッカーには△
平置きで収まるコンパクトさ
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平置きでぴったり収まる
クッカーは、エバニュー「MP 500 FLAT」。底の直径が9cmで、「Q45」の対角線状の長さが約9cm。ということで、平置きでぴったり収まりました。別々に買いましたが、平置きいけた〜!という感じで。縦でも入りますが、平置きの方が無駄な隙間ができないのでラッキー。
エスビットのポケットストーブの場合メスティンにしかスタッキングができず、できたとしてもやはり嵩張る。「Q45」の邪魔にならない感じ、存在感を消す感じ、いいですね。
現在の固形燃料セット。だいぶ薄くなりました。
リングで崩れない仕様
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組み立て時に"リングをはめる"という動作が伴いますが、このリングがあることでどの脚を持ったとしても崩れることはありません。リングを使わずとも使用はできますが、差し込む部分が深くないため何か当たった拍子に外れやすいです。
リングを使わない場合は"2本の脚を同時に持つことで崩れない"という仕様ですが、1日歩いて身体も脳も疲れている状態のときに気を遣うことは避けたい。リングをはめてしまえば真っ直ぐ持とうが、1本だけ持とうが、斜めにしようが自由なので。
VARGOの風防と相性◎
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愛用している風防は、VARGO「アルミニウムウィンドスクリーン」。

蛇腹状で使いやすく、軽い。そして、高さがちょうどいい。ガスバーナーとは合いませんが、風に弱い固形燃料と合わせるには◎

メスティンなど、少し大きめのクッカーに対してはゴトクとしても機能させてしまいます(8.5cm四方になるため、底面がそれ以上ないと乗らない)。
密閉性が高くなると空気が通らず熱が籠り、燃料効率が悪くなります。完全に囲んでしまうと効率が悪いかもしれませんが、今のところ炊飯には問題なし。空気が通る仕様にはなっていますが、もう少し風通し必要だろうか。

アルコールを使ってみようと思い、トランギアのアルコールバーナーを購入したとき一緒に購入しました。ぴったりサイズなので、風防兼ゴトクとして使えるかなと。結果的にアルコールは自分には合いませんでしたが、固形燃料との相性もいいのでそのまま愛用しています。
点火しやすい
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エスビット「ポケットストーブ」は4面のうち2面が壁になっているのに対し(風防兼ゴトク)、「Q45」はどの面からでも点火可能。ライターちょっと苦手・・・という方にも使いやすいのではないかと思います。
ポケットストーブは蓋の部分を全開にしたり、斜めにしたりすることで、クッカー底面の大きさに合わせてゴトクの幅を調節できます。メスティンを置くときは全開、シェラカップを置くときは少し斜めにと。
しかし、メスティンで煮炊きをして余った燃料でお湯を沸かそう(カップなどで)とするときなど、ポケットストーブが熱くなっているので調節が難しくなります。はじめからゴトクをカップのサイズにして使えばいい話なのですが、ついメスティンに合わせて使ってしまい「ああ!やっちまった!」となることもしばしば。自分のせいですが、それが面倒でもありました。
大きめのクッカーには△
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そもそもソロ用のサイズ感なので、大きめのクッカーだと当然バランスは悪くなります。

メスティンはどうかな〜と思いましたが、ギリギリセーフという感じで気を遣います。メスティンのときは風防をゴトクにするため直接乗せることはありませんが、とりあえず乗せてみました。
少し大きめのクッカーを使いたいという場合は「Q65」の方で。
Trail Hut

他検討した固形燃料台
ハイランドデザイン「Quatro Stove」
出典:ハイカーズデポ
同じデザインのものとしてハイカーズデポのオリジナルブランド、ハイランドデザイン「Quatro Stove」を検討しました。
組立時サイズ | 底面:50mm四方 五徳面:48mm四方 高さ:44mm 燃料台:35mm四方 |
収納時サイズ | 70mm × 44mm × 2mm |
重量 | 17g |
素材 | チタニウム1mm厚 |
「Quatro Stove」は燃料を乗せる台付きで17g。正直、こちらの方が組み立ても扱いもスピーディーです(個人的な感想)。
ただ、こちらはアウトドア専用の固形燃料のサイズに合わせて作られているため、旅館で使われる青い固形燃料には合いません。燃料台の3.5cm四方に対し、25gの固形燃料は直径4cm。
「Q45」は地面までストレートのデザインですが、「Quatro Stove」は底面の方が若干幅広の台形になっています。ハイカーズデポを伺った際にちょっと触りましたが、重心が低く安定感がありました。アルコールストーブにも対応しています(対応のアルコールストーブについてはHPにて要確認)。
「Q45」はリングが付属して崩れない仕様ですが、「Quatro Stove」は固定するものがないため、持つときは必ず隣り合わせの2箇所を持ちます。クッカーを置いた状態で持つことはないので、別にロックがなくてもいいのかな〜とは思いますが、「あ〜崩れた〜!」というストレスは「Q45」の方がないかと。
アウトドア専用の固形燃料を使う方にはいいと思います。私が専用のものを使わない理由は、青い固形燃料が放ったらかし炊飯にちょうどいいから、クッカー底面に煤がつかないから、安いからです。
ハイランドデザイン「Quatro Stove」

エスビット「チタニウムストーブ」
サイズ | 収納時:84mm × 29mm |
重量 | 13g |
素材 | チタニウム |
固形燃料台の中でも軽量コンパクトの代表格ともいえる、エスビット「チタニウムストーブ」。はじめはこれでいいんじゃないかと思いましたが、気になったのが"安定感"。3本ゴトクというのもそうですが、ゴトク自体の形状が不安定そうだなと。
あとは、"留め具の部分の強度はいかに"というところ。組み立て式よりも壊れやすいのかなと。そもそも青い固形燃料にはこちらも小さいかと思いますが、あまりにもシンプルだとちょっと心配になりがち。
まとめ
固形燃料やアルコールストーブにすることは火器の軽量化に繋がりますが、さらにデザインにもこだわることで重量をぐっと抑えられます。
軽量コンパクトでも"使いやすい"と感じなければ続かないので、自分に合うものを探すのは楽しみでもあります。
私自身、ようやくしっくりくる固形燃料の台とゴトクに出会えたなという感じで、なんだかホッとしています。重厚すぎず、ミニマルすぎないところがいい。"どこでも気負わず使える"という安心感というか落ち着き感というか。
固形燃料への移行、固形燃料台・ゴトクを検討をしている方はぜひ◎
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、応援よろしくお願い致します。
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