大キレットへの道。4泊5日の北アルプス⑤【北穂高岳~穂高岳】

北 ア ル プ ス

2020.8.16-8.20

歩き人たかちです。

折立から始まった北アルプス4泊5日の山旅も最終日。

昨日は、爽やかな青空の中憧れの大キレットを歩き、北穂高小屋でスパゲティを食べてゆっくりまったり。

今日は、奥穂高岳までの岩陵帯を歩き、重太郎新道経由で上高地へ下山します。最終日も天候に恵まれ、最高の槍穂縦走のしめめくくりとなりましたが、最後の最後で道を間違えてフニャフニャした下山に…

 1日目:折立ー薬師岳
 2日目:薬師岳ー黒部五郎岳
 3日目:黒部五郎岳ー双六岳ー槍ヶ岳
 4日目:槍ヶ岳ー大キレットー北穂高岳
★5日目:北穂高岳ー奥穂高岳ー上高地

2020.8.20(5日目)
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晴れ☀︎
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北穂高小屋ー北穂高南峰ー最低コルー涸沢槍ー▲涸沢岳ー穂高岳山荘ー▲奥穂高岳ー吊尾根ー紀美子平ー雷鳥広場ー岳沢小屋ー天然クーラー(風穴)ー岳沢湿原ー上高地温泉ー河童橋ー上高地バスターミナル

▲コースタイム:8時間50分
*河童橋までのCT。上高地温泉は片道1.3km、約15分。

河童橋から近い日帰り入浴施設は、「上高地アルペンホテル」「上高地ルミエスタホテル」、小梨平キャンプ場の「小梨の湯」です。500m以内にありとても便利ですが、このときはコロナでどこも休業中。唯一営業しているのが「上高地温泉ホテル」でした。ルミエスタホテルは日帰り入浴2,200円とお高いです…

上高地温泉ホテルは個人的にとても好きですが、河童橋より往復2.6kmあるので、長い行程のあとは少々億劫になります。

ホテルの外来入浴は12〜15時頃終了、小梨の湯は14〜18時。コロナにより人数制限を設けていたり、営業時間が変更になっている可能性があるので要確認。

岩場の続き。北穂高小屋ー最低コル

*北穂高小屋ー北穂高南峰ー最低コル:CT 1時間5分*

4時頃外に出ると星がキラキラ。3000mの天体観測はいいですね。全然わかりませんが。

4時26分の空。日本の目覚め。

 

一続きで撮れないのが悔しいほどの景色です。今日も風は穏やか。

大キレットも徐々に姿を現す。山はやはり朝に限る。

5時頃、小屋の方がテラスにお湯や水を出してくださいました。トイレ横にも水道がありますが、「飲み水は小屋の方でお願いします」と書いてありました。水は貴重。

常念岳より太陽が。テラスで歓声が上がります。

昨日黄昏ていた場所で"大キレットのモルゲンロート"。これ以上何を望むのでしょう。美しすぎてみんな固まっていました。

5時20分頃出発。

ちなみに、北穂高小屋ではお弁当をお願いしました。朝ちょっと食べて、途中で食べて。

 

山頂の北峰にはサクッと登頂。今日もすっきりとした空で、空気が最高に美味い。稜線が美しい。

昨日の夕暮れ時は雲が上がってきてしまいましたが、素晴らしい展望です。

山頂からテント場方面へガレ場を下り、登り返して稜線に上がります。

テント場はやはり少し遠いですね。朝日は最高だと思いますが、平坦地は少なそう。落石注意という感じでしょうか。遮るものが皆無なので、天候は選んだ方が良さそうです。

 

本日の稜線。大きく窪んでいるところに穂高岳山荘があります。

大キレットは岩陵帯の上を歩くことが多かったですが、北穂高岳ー涸沢岳は岩陵帯の斜面をトラバースすることが多いです。

大キレットよりもこちらの縦走の方が怖いという方も割と多く、Kさんも「大キレットより怖い」と話していました。

最低コルまで、トラバースを混じえながらガレ場を下っていきます。今日も充分な距離を取りながら。

 

 

振り向くと、このような岩場。

初めは北西側の斜面が多めなので涼しく快適に進めました。

滝谷のスパーン!ストーン!とした岩場が本当に見応えあります。でもこれをクライムしちゃう人がいるんですよね。

今日も足下は谷底です。

素敵な写真スポット。文字の上に立って写真を撮れる程の広さがあります。

ゆったりできるところで水分補給。あまりザックを下ろせないような岩場の縦走ではハイドレーションがいいと思うのですが、私はボトル派です。サイドポケットは落とす危険がありますが、どうもハイドレーションが好きではなく…

以前、登山口へ向かうバスの中にボトルを落としてしまいました。いつの間にかスルリと抜けていたようで…。自販機があり助かりましたが、それ以降はドローコード要確認、移動中や岩場ではカラビナを付けておくと安心です。雪山で、シリセードで遊びながら下山をしていたら失くした友人もいました。ボトル派は要注意。

自撮り。

再び北西側の斜面へ。鎖場を行きます。

前を歩くのは11歳の山ガールとお母さん。昨日、同じく槍ヶ岳から大キレットを抜けてきました。1歳で山デビュー、4歳から自分で歩いて登り始めたとのこと。

大キレットも怖くなかったとのことで将来有望です。この夏休みも高山に何度か登り、黒戸尾根も行ってきたと話していて羨ましい限り。どんな大人になるのか、お母さんは楽しみでしょうね。

 

涸沢側へ。

そしてまた北西の斜面。行ったり来たりするので、日陰になる度にクールダウン。

振り返る。

足場を確認しながら進みます。

 

みんな大好き槍ヶ岳。富士山もですが、本当に奇跡的な形だと思います。

眼下。

涸沢岳と奥穂高岳

最低コルまでもう少し。ガレ場の痩せ尾根を一気に下っていきます。

 

 

登り返し甲斐がありそう。

下り切って"最低コル"に到着です。大分錆び付いてます。足元にちょこんと、ひっそりあるので、気が付かない人もいそう。

大きな壁を前に一度エネルギー補給。

ここからの登りは鎖、梯子が所々あります。急傾斜の斜面で浮石も多いので、落石に要注意。ここまでの行程よりも、ここからの道のりの方が高度感があります。

鎖と梯子。最低コルー奥穂高小屋

*最低コルー涸沢槍ー涸沢岳ー奥穂高小屋:CT 1時間25分*

クライムオン!

 

前方。

後方。

 

鎖場通過後に振り返って。

今日も岩と戯れます。前半部よりしっかりした岩場。

1日目の薬師岳が見えます。稜線を歩いて繋げてきました。旅の終わりはいつも淋しさが伴いますね。

濃ゆい青空に向かって。

 

短めの梯子が登場し始めました。

高度感はおそらくこの辺りが一番あると思います。Kさんもここが一番怖いとのこと。

登りの場合はあまり下を見ずに登った方がいいですね、下りだと嫌でも見えますが。

しかしながら素晴らしい◎

 

涸沢槍を登り

一旦下る。

涸沢岳へのラストスパート地点にお食事中の雷鳥がいました。草に夢中でこちらのことはどうでもいい様子。なんだかんだ毎年会えています。11歳の女の子は始めて見たと興奮気味。

↓食事中の雷鳥↓

 

もうすぐ。

 

槍穂縦走路を一望!

ガンガン登る

トラバースして行くと

涸沢岳に登頂◎

青が眩しい!

眼下は涸沢カール。涸沢から見上げるのもいいですが、見下ろすのもいい。ヒュッテやテントがミニチュアサイズ。

以前奥穂高岳に登ったときは、ガッスガスで強風と雨。何も見えないし寒いし、同じ場所だとは思えません。

ジャンダルムも今日は最高でしょう。

ジャンダルムと。眺めるだけで十分な気もしますが、ちょっと気になる存在ですね。

先に出発した親子チームも涸沢岳で休憩中。ついつい話し込んでしまい、ちょっと休憩のつもりが40分くらい休んでいました。

穂高岳山荘へ下ります。鎖などはなく、15分程で到着です。奥穂高岳に来たら、ぜひ涸沢岳もセットで。奥穂高岳とはまた違う景観で、奥穂とジャンダルムをバックに良い写真が撮れます。

穂高岳山荘に到着。

Kさんは温泉とバスの時間を考慮し「少し巻きます」とのことで、ここでお別れしました。いつもは新宿へ直行のバスを予約していますが、今回は下った時間で決めようと思って予約はしていませんでした。小屋の売店を覗き、ゆっくり下山します。

以前のガッスガスの穂高山行はテント泊の予定でしたが、夕方頃から強風強雨。万場一致で小屋泊に変更。夜中に凄まじい雷が鳴り響いていました。下界で聞くのとはわけが違い、3000mの本気は半端ではありませんでした。あの日テントが2張ありましたが、死を覚悟する思いだったのでは…

今回は文句なしの展望。

リベンジ奥穂。穂高岳山荘ー紀美子平

*穂高岳山荘ー奥穂高岳ー吊尾根ー紀美子平:CT 2時間20分*

奥穂高岳に向けて出発。

山荘付近が一番急な岩場となっています。

昨日、70代の男性が穂高岳山荘に下山中、はしごから5,6m滑落したと聞きました。骨を折り、頭からも流血、ヘリで救助されたそうです。

山荘がすぐそこという安心感が出てしまうのも怖いところ。

その他、79歳の女性が北穂高~穂高縦走中、疲労により途中から男性に荷物を持ってもらい山荘に到着。ご本人は「優しいお兄さんだった」と言っていたそうですが、「それはもう救助と一緒なんですよね…」と。

登山を始める年齢は人それぞれなので"若いうちに、動けるうちに"が叶わないこともあると思いますが、この岩稜帯を80歳前後の自分が歩くと考えると、とても恐ろしいですね。

早いうちに山と出会えたからこそ、体力と気力がある今、歩きたい山を歩いておこう。まあ、それでも行きたくなっちゃうのかなーとも思ったりします。

梯子を登って

岩場をひたすら登ります。

山頂が見えてきました。

いいですねー◎

ジャンダルムがさらに近く。独特の造形美、あそこは一体どうなっているのだろうかという好奇心が人を呼ぶのでしょうか。

単独で向かわれた方が。今日はベストコンディションですね。

奥穂高岳に到着◎

見えます、見えます。見たかった光景が全部見えます!山は青空が似合う。

この景色をリベンジできて大満足。それと同時に下山のときが来てしまいました。

下山しましょう。悲しい…

吊尾根の稜線を歩いていきます。紀美子平まで1時間半の行程。

前方には前穂高が聳えています。吊尾根も痩せた尾根道なので、浮石、落石、転滑落に要注意。そして、景色が最高なのでよそ見注意。

 

道幅はこんな感じで進んでいきます。

岩場、鎖場、トラバースを繰り返す。

足場はしっかりあるので慎重に。

前回は奥穂高岳までこの道を登りました。そのときは天候が怪しかったので前穂高岳をスルー。

前穂高岳に登る場合は、紀美子平から往復50分程。散々岩場を登ったので今回もスルーしてしまいましたが、前穂高岳はすごくいいそうです。また来たときに…

焼岳が小さく見えますね。岳沢も眼下に見えました。

ヘリが頻繁に飛び交っていました。荷揚げなのか、救助なのか。この辺りの山域でヘリがくるとドキッとします。

山肌、というか岩肌。何者も拒むような岩と、それでも必死に命を広げるハイマツ。貧ハイマツは栄養地で限界まで生きるとはいえ、この岩陵帯にはどんな栄養が存在しているのか。自然のことは学んでも学んでも尽きないので、そこが面白いですね。

徐々に暑さを増しつつ山肌を歩く。

振り返る。こんなところに道をつくること自体すごい。

紀美子平に到着しました。多くの方が荷物をデポして前穂高岳に登っています。

今回もみなさんの姿を眺めるだけ。

しばし休憩。ここからは急登の"重太郎新道"です。

重太郎新道。紀美子平ー岳沢小屋

*紀美子平ー重太郎新道ー岳沢小屋:CT 2時間*

ここから重太郎新道を下ります。岳沢までのコースタイムは2時間。紀美子平からの下り始めは、スラブ状の滑りやすいツルっとした岩場。鎖があるので利用しながら。雨の日は結構滑りやすいです。

スラブ状だと、下りは特に足がかけにくい。乾いていれば登りはそこまででもありませんが。

鎖のない場所は慎重に。

前穂高が大分遠くなりました。岳沢まで等高線が詰め詰めなので、一気に遠くなっていきます。

「 スラブ + 鎖 」はまだ続きます。

登るのも大変です。

下り続けてスラブの岩場は終了。

岳沢はまだまだ下。

スラブの岩場のあとは、ガレ場を一気に下っていきます。始めは階段というか、岩が動かないようにされている感じ。

前回はここを登りましたが、見るだけで疲れますね。天気が良く、直射日光が刺さるので、登りの方は非常に辛そうでした。仲間と励まし合いながら登った気がします。

すれ違う人たちの第一声は「暑いですね…」

そう、とっても暑いのです。

岳沢小屋では冷たい水を補給できるので、登る場合はたんまり補給した方がいいです。

 

ガレ場をひたすら下ります。徐々に森林限界から樹林帯の中へ。樹林帯に入っても急登です。

途中には"下り専用"の道があるので、そちらを通ります。狭いし急登なのだ、途中まで登りと下りで分かれています。

最後に長い梯子を下りて、くねくね下る。

早く冷たい水を飲みたい。顔をバシャバシャ洗いたい。

まだか、まだかと思っていると長く感じますが、ようやく小屋に到着。暑かった、凄まじく暑かった。

小屋に着くなり水を補給。冷たくて最高に美味しいです。下りでも穂高から2Lは必要でした。飲んでも飲んでも汗でさよなら。

岳沢小屋で座り込むと動けなくなります。ここからは上高地に向けて樹林帯を2時間ほど。頭の中は温泉でいっぱい。

藪を漕ぐ。岳沢小屋ー上高地

*岳沢小屋ー風穴ー河童橋:CT 2時間*

さて、あとは上高地に行くだけ。樹林帯なので太陽の日差しからも逃げられる。もう下山した気分で余裕ぶっこいて出発。

岳沢小屋の前に広がる岩場を通過し、樹林帯へ入っていきます。

記憶では割とすぐに樹林帯だったような気がしましたが、案内が見当たらない。

あれ、こんなに下ったっけ?と、だんだん「?」になってきました。なんか違うわーと立ち止まって周りを見ていると、上にいたお兄さんが「お姉さーん!これ登山道ではないですねー。」と叫びました。「そうですよねー!こんなに長くなかったですよねー。」と叫び返し、何やってんだかとがっくり。

ただ、左側には確実に登山道があります。2人とも口には出しませんでしたが、溶けてなくなりそうな暑さの中、この岩場を小屋まで戻りたくない…(間違えたら戻りましょう)

もう少し進むと登山道と岳沢が一番近づくポイントだったので、そこまで行って斜面を登ろうということで、そのまま進みました。

2人とも一度通ったことがあるにも関わらず間違えるという失態。道標だったか赤テープだったかは覚えていませんが、完全に見落としていました。逆に通ったことがあったので「あれ?」となりましたが。

この辺りだ、というポイントで藪漕ぎへ。

雪の重みでぐわーーーーーっと広がった枝が大分厄介で、「あーやっぱり戻ればよかったか…」と思いましたが、お兄さんが先行して枝をかき分けて進んでくださり、おかげさまですぐに登山道に合流。

なんか巻き込んでしまってすみません…という感じで、ここからは折角なのでお話をしながらゆるーく上高地へ。

そのため、写真は何も撮っていません。

森を吹き抜ける風が心地よく、木陰のありがたさをしみじみ感じながら。

途中には天然クーラーの風穴があり、そこからはさらに歩きやすい道となります。

ということで、13時頃上高地に到着。

岳沢湿原はいつも通り素敵な岳沢ブルー。

行動食、水、最後の間違いと反省のある縦走となりましたが、実に充実した5日間でした。天候に恵まれ、北アルプスの奥地から岩陵帯までいいとこ取りをした山歩き。歩けば歩くほど奥深くて魅力的です。

髪はバサバサギシギシ、身体はバキバキ、腕は火傷かってほどボロボロですが、それでも「あーやっぱり山はいいなあ」と思えるのは幸せな証。

今回、夏山でいつも使用しているアームカバーを忘れました。3000mの紫外線に日焼け止めはもはや効果がなく、腕には小さな水疱がプツプツと…日焼け対策はくれぐれもお気をつけください。

このあとは上高地温泉へ直行し、15時の新宿行のバスで帰りました。コロナにより新島々行のバスも便指定制となっていたり、減便されているので要確認。WEB予約か発車15分前までにバスターミナルで購入します。

*上高地温泉ホテル*

上高地温泉ホテル|温泉 日帰り温泉・足湯
創業文政13年、標高1,500メートル自家源泉かけ流しの宿です。「地もの」を食材に生かした安曇野膳、朝もやの中の早朝散歩、ギャラリーでの展覧会・スライド上映会など心のこもったおもてなしで皆様をお迎えいたします。

*上高地アルペンホテル*

穂高連峰を望む展望浴場 | 上高地公式ウェブサイト
外来入浴|上高地アルペンホテル

*小梨の湯*

小梨の湯 | 森のリゾート小梨
小梨平大浴場についてのご案内。上高地でケビン、キャンプ場を運営する森のリゾート小梨のWebサイトです。上高地の真ん中で楽しいひとときを過ごす。

5日間の記録、大分長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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