日々感謝。1200kmのへんろ道。【2日目:7番十楽寺〜10番切幡寺】

お 遍 路

2020.10.22(木)

今日は7番十楽寺~10番切幡寺まで。明日の焼山寺について考えながら歩きました。出発前から焼山寺は雨予報。しかも、初めは10㎜前後の激しい予報。前日の今日でも5~6㎜の予報。

へんろ道で、半日山の中にいるという道はここくらいです。山好きとしては焼山寺を楽しみにしていました。

延期か、雨の中か…悩みながらの2日目。

朝一の空気。7番「十楽寺」

*安楽寺宿坊〜7番十楽寺:1.2km*

6:00頃モゾモゾ起き出して軽く朝ごはん、7:00頃出発。野宿スタイルだったので、宿坊の人に「泊まるところはどこでもいいの?」と、「鴨の湯」を勧められました。

「鴨の湯」は、焼山寺の前泊場所としてお遍路さんに有名な善根宿です。小屋は2つあり、1つは「女性優先」なので、女性も安心して利用できます。温泉施設の一角で、洗濯乾燥機まであるという最高の環境。人が多ければ、外にテントを張ってもいいそうです。ぜひともお世話になろうと思っていました。

しかし、只今コロナで善根宿は宿泊停止、温泉施設も地元の方限定となっていて、お遍路さんは利用できないとのこと。

この情報は本日の夜に知ることとなります…。

安楽寺、ありがとうございました。

静かな朝のへんろ道。

高校生くらいの男の子の元気な挨拶に、こちらも清々しい気分。挨拶をするときは誰でも顔を上げるので、本当に気持ちが良いです。

電柱には大体シールがペタペタと。

【 7番 十楽寺 】
本尊:阿弥陀如来
宗派:高野山真言宗
開基:弘法大師

阿弥陀如来が主催する極楽には「十楽」があり、人の持つ八つの苦しみを解き、10の光明が得られるようにと名付けられました。全てを焼失したあと、1635年に現在地に再建。なお、本尊は住職が背負い逃げて、焼失の難を逃れたと伝わっています。

参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ

朝一のお寺は静かで空気が凛としています。キリッとした巡拝の始まり。

本堂

大師堂

到着時は男性のお遍路さんが1人。静まった境内に響く般若心教はとても風情があります。

十楽寺にも宿坊があるので、1日目はここまで歩く方も多いです。「宿坊」とはなっていますが、中はビジネスホテルのような感じとのこと。納経所はその建物の1階にあります。

ただ、電話が繋がらないことが多々あるようです。後に会う方は、3回電話をしてすべて留守。仕方なく他を予約したとのことでした。他の宿の方も「あ~、十楽寺は繋がらないことが多いんですよ。」と話していました。宿泊を考えている方は早めに予約した方がよさそうです。

何でも、研修の団体を受け入れることが多いためビジネスホテル風になっているとかなんとか。

大きな仁王門。8番「熊谷寺」

*8番熊谷寺まで4.2km*

十楽寺を出て再び田園風景の中を歩きます。こどもたちからの挨拶はもちろん、校門前に立っている先生にも「ご苦労様です。」と言っていただきながら。

お遍路では「ご苦労様です」とよく言われます。これも一つのお遍路文化であり、街だけでなく、四国共通の文化ということが本当に素敵です。

影へんろ。

ところどころコスモスも咲いていて、秋空に映えて美しい。

8番までの道のりはギリギリまで国道に出ず、田園風景の中を歩きます。しかし、へんろ案内に従っているつもりが途中から違う道を歩いていました。地図ではほとんど真っ直ぐ進んでいくのですが、気が付いたら「天然温泉御所の郷」の前。

なぜ、曲がった?

この先、ぼーっとしながら、あるいはものすごく考えごとをしながら歩いていると、こんなことがたまにありました。

戻るのは面倒なので、そのまま県道139号を進むことに。

温泉施設では軒下に、あるいは近くの「土成中央公園」でテントを張らせていただけます。コロナの中、温泉施設の方は今も許可されているかは不明ですが、公園の方は特に何も記載はありませんでした。

公園と言っても道路の余ったスペースみたいな場所で、コンクリートにベンチが2つくらいあるような小さな空間です。車の通りは昼夜問わず多そう。

ここだったら温泉施設の軒下をお借りしたいなという感じでした。しかし、公園の方が人目は少ないと思います。温泉だと閉店までは人の出入りがあります。道路の人通りは少ないですし、公園の利用者もあまりいないかと。

ここも1日目の野宿場所として考えていましたが、距離を短めにしておこうと思いやめました。2番で御朱印を貰い忘れて1時間ロスしたので、やめて良かったのですが。

ここから県道139号は登り坂になります。歩道はしっかりあったので、よかった。

本来は仁王門を通るわけですが、横から攻めてしまったので、帰りに見ることにします。

駐車場が見えて到着。

【 8番 熊谷寺 】
本尊:千手観世音菩薩
宗派:高野山真言宗
開基:弘法大師

仁王門は、木造の山門としては四国霊場最大級の規模を誇ります。また、境内にある「多宝塔」も四国霊場最大級。弘法大師が修行中、紀州の熊野権現が現れ、金の観世音菩薩像を授けたとされ、それを本尊にしたとのこと。桜や藤、紫陽花などが植えられ、四季折々楽しめるお寺です。

奥へと進み、納経所の前を通って本堂へ。

途中には「多宝塔」があります。屋根の内側の色彩豊かなデザインが素敵でした。

本堂


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背後は山。奥へ進むほど静まり返ります。山のお寺はやはりいいですね。醸し出す雰囲気が巡拝の気分を高揚させます。

8箇所目のお寺で、少しは手を合わせる姿もマシになっているのか。

階段を上がり、大師堂へ。

大師堂

仁王門や多宝塔はずどーん!と存在感がありますが、大師堂はとても小さな空間。88ヶ所の中でもここが一番こじんまりしていた気がします。山のお寺という感じで好きですが。

行きは階段を登りましたが、帰りは苔ロードを。

石と苔とお寺という組み合わせが最高。なぜこれほどまでに相性がいいのでしょうか。

お寺に着くとまず自然を見てしまいます。

木は?風は?草花は?山は?

カメラを向ける対象が他の人となんか違う。この自然だからこそ、このお寺の美しさ。そこを見るのが好き。

納経所近くのベンチで、大学生の女の子が地元のおじさんたちと話していました。自分よりも若い女性歩き遍路さんは初めてだったので嬉しい。「12月にテストがあるからそこまでには帰らないと…」と聞こえてきました。リミットがあるようなので、この先会うこともなさそうです…

でかーい。行きでスルーした仁王門。(裏から)

表から。ちゃんとへんろ道を歩いていたら、まずこれがドカンと見えたのだろうなと、ちょっと悔しい。

暮らしとともにある。9番「法輪寺」

*9番法輪寺まで2.4km*

9番法輪寺までは、さらに長閑な道でした。道路は広いのですが交通量はあまりなく、とても静かに歩くことができました。

なんか、鳥居が。何かの名残りか。

見渡す限りの田園風景。空が広いです。

これだけのっぺりした感じだと法輪寺もすぐに見つかりそうですが、どこにあるのかかわらず。木がわさわさしているところだろうか。

そのまま進んで行くと「うるし茶屋」、そして法輪寺もありました。

茶屋には「草もち」「アイスコーヒー」「甘酒」「カキ氷」などの看板が。草もちが気になりましたが、今日はやっていない様子。

地図にあった「あわじ庵」という、たらいうどんが有名なお店は閉業したようです。うるし茶屋の写真しかないので、もはや建物があったかどうかも記憶にないのですが…。2020年4月時点での利用者の情報はあるので、コロナの影響でしょうか。うるし茶屋も、休業なのか閉業なのかわかりません。

【 9番 法輪寺 】

 

本尊:涅槃釈迦如来
宗派:高野山真言宗
開基:弘法大師(815年)

かつては数キロ離れた山の谷間にありました。焼失後に現在の場所に再建されましたが、約200年後の安政の時代に再び焼失。明治時代にまた再建されました。健脚祈願」のお寺でもあり、本堂には多くのわらじが奉納されています。

参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ

法輪寺は入ったときの「空気」がスッと身体に馴染み、その空気感がとても好みのお寺でした。私の中で法輪寺に勝るお寺は最後まで現れませんでした。

お寺に入ると、そこの「空気」を何かしら感じ取ることが多いのです。田園風景の中にひっそり佇み、とても静かで、周辺の「暮らし」に一番溶け込んでいるお寺だと感じました。

お寺として主張していない、素朴なところがいい。

ふら〜と寄って、ベンチで本を読んで帰りたくなるような場所。熊野古道を歩いたときにも感じましたが、集落の生活道の先に神社があるとか「暮らしの中にある」という雰囲気がとても好きです。

本堂

大師堂

納経所の建物には中庭もあり、ベンチに座って休憩できます。本当に、のんびりしたお寺でした。

猫もゴロゴロ気持ち良さそうで。

見所よりも空気。このときは、お寺に何があるのか全く見ていませんでした。それで満足でした。「お寺を感じる」とはこのことかと、ちょっとわかったような気がしました。

空気をたくさん吸い込んで、名残惜しく今日最後のお寺10番切幡寺へと向かいました。

333段の先に。10番「切幡寺」

*10番切幡寺まで3.8km*

引き続き田んぼの脇を。

「小豆洗大師」がありました。由来は諸説あるようです。

小さな歴史がしっかり紡がれています。

「四国のみち」の分岐。ここでへんろ道とは一旦お別れのようです。ぼーっとしいてると、間違えてこういうのに従ってしまったり。

歩きへんろにとってありがたい看板。曲がり角でもスピードを出して走ってくる車が多いので、本当に注意してください。

高知では、押しボタン式の信号で、赤に変わったことに気が付かず普通に突っ込んできた車もありました。青だからと安心せず、左右の確認が本当に大事。

夜に、よそ見をして走っていた車の角がザックに当たってちょっと飛んだという方もいました。歩きへんろと車の事故は少なからずあったりします。

一番暑い時間に、今日一番の登り。工事中の道路脇を通り進んで行くとまもなく始まりました。

へんろ用品のお店もあるので、焼山寺前にやっぱり金剛杖が欲しいとかがあれば揃えられます。

休憩できる大きめのベンチにはかかしの家族。

お店に頼めば荷物を預かっていただけるかもしれませんが、そのまま背負って行きました。

さらに上がっていくと林道になり、山門が見えてきます。

ここから一気に山のお寺。駐車場にお手洗いがあります。

本堂までは333段の階段を登って行きます。階段横にスロープもありますが、距離は階段の方が短い。

暑いけど木陰は涼しいです。

階段と坂の分岐のところに建物がありました。なんて書いてあるのかわからず。今も謎のまま…。

さらに階段を登り、最後は「女やくよけ坂」33段と「男やくよけ坂」42段を登ると到着です。

【 10番 切幡寺 】

 

本尊:千手観世音菩薩
宗派:高野山真言宗
開基:弘法大師(弘仁年間)

この地で修法をしていた弘法大師が衣服を繕うため、民家で機を織る娘に布をお願いしたところ、織っていた布を断ち切って差し出されました。弘法大師は感動し娘を得度させ、灌頂を授けたとされます。しかし、そのとき娘は即身成仏し、千手観音の姿に変わったと伝えられています。境内にはハサミと布を持った「はたきり観音」の銅像もあります。


参照:四国お遍路88ヶ所歴史読本
著者:株式会社エディスタ

本堂

大師堂

ここもまた静かなお寺。参拝者もまばらで、日当たりが良く暖かい。

ここで明日のことを考えました。予報を見ても5㎜前後の雨。「遍路ころがし」として有名な焼山寺へのへんろ道。山好きとしては結構、いや大分楽しみにしていました。折角なら晴れの日にゆっくりと味わいたい。明後日は晴れ予報なので..延期に決めました。

切幡寺のベンチで1時間程日向ぼっこ。登りでの汗もすっかり乾きました。

今日は「ゲストハウス チャンネルカン」に泊まり、明日は休養日として「鴨の湯」でお世話になろうと決めました。宿の予約を済ませ、吉野川市を目指します。

帰りはスロープから下りました。

雄大な吉野川を辿り、阿波中央橋へ。

*切幡寺〜チャンネルカンまで8.6km*

連日の晴天でついにサングラス装着。愛媛に入るまでは太陽に向かって歩くことがほとんどなので、秋でもサングラスがあるといいです。愛媛に入ってから送り返しました。

内股美女。

2km弱進んだ場所にへんろ小屋「空海庵」。2階建ての小屋は初めてです。

ここの景色がまた最高で。お手洗いがあれば泊まりたいロケーション。秋風が良い感じに吹き抜けて、切幡寺で1時間休みましたが、ここでも少し風を浴びました。

さらに歩くと県道138号。

階段を上がると良い眺め。

ここで、道が2手に分かれます。「善入寺島」という中洲を通り「川島橋」を渡るか、県道138号をしばらく歩き「阿波中央橋」を渡るか。鴨島駅周辺に宿泊するのであれば、阿波中央橋を渡ったが近いです。ゲストハウスは駅よりさらに手前なのでそちらへ進みました。

本来のへんろ道は「善入寺島」の方で、かつては人も住んでいたとのこと。度重なる台風などでの氾濫により、住民は強制退去。今では無人島になっていますが、歴史ある道です。看板の説明だけ見て、阿波中央橋へと向かいました。

県道なので車も通りますが、数は少なく、走り出したくなるような一本道。吉野川を眺めながらの優雅なお散歩。

しかし、非常に残念だったのが「ゴミ」。斜面に散乱するペットボトルの数々。橋に近づくにつれ、その数は増えていきました。

へんろ道を歩いて感じたことの一つは「ゴミが非常に多い」こと。日本はこんなにゴミが落ちている国なのかと、ほとほと嫌になったのも事実です。ところどころに「へんろ道を世界遺産に」という看板がありましたが、まずはゴミを無くすことが課題ではないかと。

山道のゴミはできる限り拾って歩きましたが、街のゴミは大量すぎて無理。熊野古道では全く気にならなかった記憶ですが…これも世界遺産との違いでしょうか。自然にとっては世界遺産かどうかなんて関係ありません。残念。

気分を落ち込ませながら橋に到着。長いです。

吉野川も雄大に流れていますね。

パスタうんま。Pizzeria il Ceppo

今日の行程は20km程なので、遅めの昼食を取るため寄り道。橋を渡って県道30号を左折し1.2km程のところにある「Pizzeria il Ceppo」

県道が暑すぎて、そんなオシャレなイタリアンが本当にあるのかと若干疑いながら歩いていましたが、ちゃんとありました。

14時ちょっと前。ランチは11:00~15:00まで。結構賑わっていました。安楽寺でいただいた地域共通クーポンは使えませんが「豚肉とトマトのクリームパスタ」のランチセットをがっつりいただきました。

これが、本当に美味しくて…。駅近ではないですが、人が入っているので評判なのでしょう。お腹が満たされて回復。

機会があればぜひ。

ゲストハウス「チャンネルカン」

近くのミニストップはクーポンが使えないので、鴨島駅をさらに越えたローソンで食糧調達。

途中に「江川・鴨島公園」がありました。東屋のある川に面した公園。ここも野宿場所としてリストに載っていましたが、住民の方が結構利用しているので人目は気になりそうです。子連れの方も多いので、堂々と野宿するのは少々迷惑かなという感じ。

16時のチェックインとともに宿へ。(現在はチェックイン15:30チェックアウト9:30に変わっていました。)今日の宿泊者は私だけ。本来であれば海外の方も多いと思うのですが、コロナで閑散としていることが窺えます。

とても綺麗なゲストハウスで、フリードリンクやお遍路情報もたくさんあります。

ベッドの中。

共有スペース以外にも、食べたりするスペースがあります。コロナなので特別に飲食スペースとしても利用できるようです。

共有スペース。

フリードリンク類。キッチンはないのでお湯はポットで。

本や資料もたくさん。こちらで「萩森リスト」をいただきました。

シャワーは1つ、男女共有です。シャンプー、リンス、ボディソープと揃っていました。お手洗いは男女別。

シャワーと洗濯(100円)を済ませ日記を書いていると、19時頃にゲストハウスのオーナーの男性がいらっしゃいました。明日の焼山寺を延期にして鴨の湯でお世話になることをお話すると、「あ、鴨の湯今やってないかもなぁ…電話で聞いてみた方がいいかもしれない」と。

え…

まだ営業時間だったので電話してみると、コロナにより宿泊は中止、温泉に関しても地元の方限定で、お遍路さんは受け入れていないとのことでした。

まじか。

もう雨の中行くかとも思いましたが、結局11番藤井寺近くの「旅館吉野」に電話をしてみたところ部屋が空いていたので、そちらでお世話になることにしました。そうすれば藤井寺をゆっくり見られるし。

「どちらからいらっしゃいますか?」と聞かれたので事情を話すと「お昼頃には宿に入れるようにしておきますので」と仰って下さいました。藤井寺くらいしか行くところがないなと思っていたので、感謝です。

鴨の湯を非常に楽しみにしていたので残念ですが仕方がない。3日目にして早速休養日となりますが、急いでないし、まあいっかという感じ。

ゲストハウスのオーナーの方が来なかったら、明日鴨の湯に向かっているところでした。情報をいただけて良かった。

明日はたった3km程の移動と、藤井寺です。

チェックイン/アウト15:30〜21:00/9:30
※門限・消灯23:00
料金ドミトリー(男女別) ¥2,900
※個室あり ※素泊まりのみ
ランドリー洗濯:100円 乾燥:200円
wifiあり
レンタサイクルマウンテンバイク:800(12時間)
札所への送迎5番〜11番(要予約)

★歩行距離:22.6km(昼食の往復含む)

★累計:43.3km

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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