日々感謝。1200kmのへんろ道。【26日目:柏坂を越えて宇和島へ】

お 遍 路

2020.11.14(土)
愛媛県愛南町 晴れ☀ 23/8℃

歩き人たかちです。昨日は「外泊」の圧倒的な石垣に心が震えました。今日は気持ちを改め、朝一番で「柏坂」の峠越え。次の41番「龍光寺」までは50.2km、今日は参拝なし。朝晩の気温差が大きく、日中は季節が進んでいることを疑うような暑さ。目指すは大きな宇和島市。今日は泊まりたかった「へんろ宿もやい」に予約をしました。

鹿の群れとともに。「柏坂」

*かめや旅館~津島町ローソン:14km*

5時10分起床。昨日いただいたみかんの残りと朝ごはんを食べて6時半過ぎに出発。日の出は6:41。また遅くなったな。

案内を見落とさないように進んで行くと、距離が掘られた岩。

民家の前を通って山に入ります。

愛媛県はへんろ案内や看板に凝っています。

看板には「柳水大使まで2.5km」とありますが、民家前の道標には「柏坂休憩地1.7km」と書かれていました。多分1.7kmが正しい。感覚的にも。

道はとても歩きやすかったです。しっかり整備をされていました。登りは広めの道が続きます。特別急な傾斜はありませんでした。

詩がところどころにあります。

ベンチも短いスパンで置かれていました。

朝日がまだ山から顔を出さないので日が当たりません。涼しいうちに登りを終わらせようと思いますが、じんわりと暑い。

昨日の夜しきりに鹿の声が街に響いていました。四国は鹿が多い。

柏峠にもたくさんいました。はじめは1頭。こちらをじーっと見つめ、近づくとピャーっと鳴いて逃げる。逃げた先には5頭くらいいて、またじーっと見つめられピャーっと逃げる。これを繰り返しているうちにどんどん数が増えて、そのうち群れになり、ドドドドドドドドド・・と前を通り過ぎて去っていきました。

「柳水大師」に到着。弘法大師がここを訪れた際に、旅人の喉の渇きを癒すために柳の杖をつき立てたところ、水が湧き出したということ。

弘法大師はもう、魔法使いのようですね。どこまでが本当の話なのか。全部本当だと信じるべきなのか。不思議な話がたくさんあります。

チョロチョロと水が出ていました。かなり細かったです。通常どの程度の水量かわかりませんが、枯れそうな勢い。せっかくなので、補給しました。

東屋は広め。一応トイレが近くにあります。中は覗いていませんが。

少し休憩して登って行くと車道に出ました。横切って再び山道へ。

ここから先も非常に歩きやすいです。

「癒しの椅子」。ここまでくるとピークはすぐそこ。ピークにもトイレがありました。

ここから平坦気味のなだらかな道を行くとすぐに「清水大使」の案内。30m。平坦な方は「茶堂休憩地」とありました。地図は清水大使を通っているのでそちらへ。

清水大使。

ある娘が巡礼でここにさしかかったとき、あまりの喉の渇きに意識を失ってしまったと。そこへ弘法大師が現れ、揺り起こしながら「傍らのシキミの木の根元を掘るように」と言って姿を消しました。意識が戻った娘が言われた通り掘り起こしてみると「真清水」が湧き、持病の労咳まで治ったという話が残るそうです。

ほお。

清水大使からは登り返し、「茶堂休憩地」を指していた道に合流しました。振り返るとこんな。(合流地点)

再び登りになり、展望箇所にでました。

宇和の海が一望できます。「つわな奥」という場所。見えているのは「由良半島」「つわな」とは「つわぶき」のことだそうです。「つわの花」が訛ったとか?奥ってなんだ?と、結局わかりませんでした。

しかしここ、とても気持ちが良い場所です。展望箇所はここだけなので、大休止はここがおすすめ。

少しベンチに座ってまったり。

ここからはひたすら下ります。

下り始めると・・・

驚いた。鹿。

下りは道が広かったり狭かったり。狭い場所は苔つきの滑りやすい岩があるので注意。最近は人が通っていなかったのか何度も蜘蛛の巣に引っかかりました。

柏坂はわざわざ越えなくても、下の車道を歩けます。距離も大して変わらないので、山時間を考えると車道の方が早いと思います。

車道の方には「須ノ川公園」があり、ここにキャンプ場があります。テント泊代というよりは清掃協力金の300円でキャンプができる公園。シュノーケルで有名な場所のようで、10月頃までは海に入れるそうです。シャワーはそれ用なので冷水しかありませんが、近くには「ゆらり内海」という温泉施設があります。

ここは泊まりたいなーと思っていた場所ですが、キャンプならそのまま国道。柏坂も行きたくて、結局峠越えを選びました。

愛南町公式ホームページ/ 須ノ川公園
ゆらり内海|四国・愛南町|お風呂のあるお食事処
愛南びやびやかつおや伊予の媛貴海、媛っこ地鶏、甘とろ豚など愛南町をはじめ愛媛県内のブランド産品を使用した料理が自慢。宇和海の海水を成分とするゆらり内海の潮湯には、肌の新陳代謝を高め、血行を促進する効果があります。

林道を横切りさらに下ると「茶堂休憩所」に着きました。

トイレもあるらしい。

若干民家のある場所に出たので、ここからはもう林道なのかと思いましたが、また山道でした。

20分くらい下ると集落に出て農道歩き。

押し車でゆっくり歩いていたおじいちゃんに「88ヶ所周ってるん?1人で?大変だ~気をつけて~」と言われ、さらに進むと畑仕事中のおじさんに「峠越えてきたの?ご苦労様~」と労わられ。

「ご苦労様」と言われるのはすごく気持ちがいいです。お遍路歩いてるな~と感じます。地元の人にも「大変だ~」とよく言われますが、ここまで歩いてくると「大変なのかな?」と考えはじめます。40日も50日もかかると考えると確かに大変かもしれない。

ただひたすら歩くのは大変かもしれないけど、一番気持ちを変えてくれるのはやっぱり「人」歩く旅は一人だけど一人じゃない。観光旅行では味わえないものがたくさんある。「楽しかった」だけで終わらないものが歩く旅にはあります。

誰かに感謝をしながら歩くのは、とても気持ちの良いことだと思いました。大切なものを一つひとつ自分の中に積み上げているようで、心がとても豊かになります。

地元の方との何気ない会話や出会いが本当に楽しいです。

国道に合流しました。そろそろどこかで休憩したい。今日はコンビニで休憩することにして、津島町のローソンで肉まん。

外で食べていると、おじさん「どこから来たの?」と声を掛けられました。東京と答えると「東京かあ、ちょっと前には札幌の人もいたなあ…」と。

え?それ、Yさんじゃないか?

突っ込んで聞いてみるとYさんだなと確信を持てました。3日くらい前にここを通っているはず。しかし、何日くらい前か聞くと「ずっと前」との回答。

すっと前?よく聞くと、観自在寺を過ぎたところで会ったとのことで、それなら一週間近く前かな。何はともあれYさんは結構進んでいるようす。

峠をいくかトンネルか

*ローソン~松尾峠との合流地点:5.3km*

津島の市街地に入ります。

津島は風景がとても綺麗でした。山と川と街の風景が特別素敵。流れる「岩松川」は二級河川。うなぎがいる川。

松尾トンネル手前には「道の駅 津島やすらぎの里」があります。ここには温泉があり、敷地内の東屋では野宿できるようです。

さて、頭によぎるのは「松尾峠」を行くか「松尾トンネル」を行くか。

へんろ道はもちろん峠。全長は3.7km。峠までは1.7kmで標高差は180m。一方、松尾トンネルは1710mという、伊豆田トンネルよりもさらに長いトンネル。30分弱かかります。歩道はあるので、通行は問題なし。ただし、トンネル内は排気ガスが充満しているのであまりおすすめではないと。

時刻は12時ちょっと前で一番暑い時間。柏坂を越えたし、もう暑いし、とにかく暑いし…またトンネルにしました。

11月中旬で23℃ってどうなの。

松尾峠も良い峠のようですが、今日はもうお腹いっぱいです。泊まりたかったへんろ宿の日なので、チェックインの15時に行ってゆっくりすることにしました。

伊豆田トンネルよりは歩道は狭いですが問題なく通行できます。

今度こそど真ん中でと思いましたが、1710mなのでちょっと違う…。

空気はよくありません。涼しいというだけで入りました。今回もあくびをしながらひたすら歩いて、眠くなりました。

トンネルの先にはちょっとした食堂とかまぼこのお店がありました。

高知県と違って太陽は背ですが暑いなー。

宇和島の市街地へ。

大きな街。宇和島市

*合流地点~へんろ宿もやい:11.3km*

国道56号はどんどん栄えて行くのですが、宇和島市の中心までは8kmくらいあります。久々に大きな街に飛び込んで、ちょっと疲れてしまいました。

ユニクロとか何日ぶりに目にしたか。チェーン店もズラリと並びます。

進めば進むほど看板やビルが増えて、ちょっとキャパオーバー。情報が一気に目に飛び込んでくるとこんなに疲れるのかと実感。頭が完全に困っている。高知市以来の賑わいです。海沿いをひたすら歩いていたので、静かな風景に身体が慣れきっていました。

へんろ道は街中をぐねぐね歩きますが、Googleの最短距離で宿を進みました。ごちゃごちゃした感じから早く抜け出したかった。

14時半前に、宿から一番近いスーパー「フジグラン」に寄りましたが、ここがとても大きかった。敷地に入るとすぐにミスタードーナツ。久しく食べてないな~と、誘惑に負けました。

今日の食料を調達して、ちょっと休憩して15時に着くように出発。

ここから宿まで1kmほど。

市街地から少しずつ離れていきます。心のざわめきが収まりました。

紫の幟旗が目立ちます。とても立派な建物です。

宇和島駅の近くには「丸山公園」という大きな公園もあります。「愛宕公園」には屋根のある場所もあるので、野宿は可能だと思います。

宇和島といえば「鯛めし」。鯛めしは結局道後温泉で食べましたが、宇和島市には美味しいお店がたくさんあるようです。調べていたお店は「ほづみ亭」。宇和島駅の近く。自家製のからすみもおすすめらしい。

ほづみ亭
宇和島エリアの宇和島/郷土料理を食す、ほづみ亭のオフィシャルページです。お店の基本情報やメニュー情報などをご紹介しています。

その他名物といえば「じゃこ天」。松尾トンネルを抜けた先にもかまぼこのお店がありました。宇和島市内は「じゃこ天マップ」があるほどお店が点在しています。じゃこ天も道後温泉で食べましたが、1枚から販売しているお店も多いようなので、食べ歩けば良かったと思いました。揚げたてならば「道の駅 きさいや広場」で食べられるそうです。

うまいぞ 宇和島じゃこ天|宇和島蒲鉾協同組合|じゃこ天マップ
宇和島じゃこ天の販売店を紹介したサイトです。宇和島じゃこ天は宇和島蒲鉾協同組合の登録商標です。

最高のへんろ宿「へんろ宿もやい」

一回で受付をして、2階の部屋に案内されました。玄関奥には洗濯物の干場。

「へんろ宿もやい」はとても良いという噂ではありましたが、最高でした。

「何でもある」一番はその印象。

珈琲、紅茶、お茶などのフリードリンクも豊富。

キッチンは現在使用中止でした。

冷蔵庫の中の水とお茶は自由に飲めます。ビールやカップ麺などはお金を払います。

電子レンジ、トースター、ポット、扇風機、ヒーター。

洗濯機は無料で、乾燥機は100円。

お風呂は家族風呂。

布団はふかふか。

パジャマと防寒のフリース、ベストまで。タオルもあります。

部屋の説明を受けているとお茶とお菓子を持って来てくださいました。ご家族で宿を営んでいるようです。2階のベランダが自宅に繋がっているようでした。

これで3000円とは。泊まった方がいいです。

しかも今日は私一人ということで、豪華な1人暮らし気分。共有スペースのテーブルを大々的に使わせていただきました。夜更かししたい居心地の良さ。本当におすすめのへんろ宿です。

フリーの珈琲とドーナツを食べてながら、次に迫る「久万高原」への大きな峠越えについて作戦を練りました。

須ノ川海岸も見てみたかったですが、柏坂はとても良かったです。「つわな奥」が特に。そして、日常の中でいかに多くの情報が飛び交っているのかも身体で感じました。シンプルであることは、心と体にとてもいいことだなと。自然と大都市について改めて考えた一日でした。

へんろ宿もやい
愛媛県宇和島市の宿です。一人一泊3000円。県道57号線沿いのへんろ道に面しています。お遍路さんもそうでない方も愛媛宇和島でお待ちしております。

★本日の歩行距離:30.6km

★累計:670.5km

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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